倉林明子

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困窮者支援拡充こそ 参院厚労委 コロナ対策で参考人 (2024/4/11 厚生労働委員会)

(議事録は後日更新いたします)

参院厚生労働委員会は6日、新型コロナウイルス対策について参考人質疑を行いました。参考人から、生活困窮者や介護施設への支援拡充を求める声が出されました。

 生活に困窮する人たちを支援する「つくろい東京ファンド」の稲葉剛代表理事は、大型連休中の食料支援に2日間で約660人が訪れるなど、各地の炊き出しに集まる人が増え続け、年明け以降は「死ぬことを考えている」という20~30代からのSOSが急増していると指摘。貸し付けを主とする政府の貧困対策を批判し、再度の給付金支給、住居確保給付金の支給期間の制限撤廃など現金給付の拡充を求めました。

 生活保護の利用が進んでいないとも述べ、政府の広報不足、自治体窓口で申請を妨げる「水際作戦」や、扶養照会・資産要件の問題を指摘。「生活困窮者支援の現場では『公助』の姿が見えない。今この瞬間、命を絶つことを考えている人たちに、『日本には命と暮らしを守る政府がある』ことを行動で示してほしい」と訴えました。

 全国老人福祉施設協議会の木村哲之副会長は、コロナに感染した入所者の入院先がないために施設内で対応している介護施設への財政支援を求めました。

 日本共産党の倉林明子議員は、住まいの確保策や生活保護の扶養照会について質問。稲葉氏は、国主導でアパートなどを借り上げて困窮者に提供することを提言。生活保護では、本人の同意のない扶養照会をやめるよう求めました。
 日本共産党の倉林明子議員は9日の参院厚生労働委員会で…
 倉林氏は…主張。塩崎恭久厚労相は…と述べました。


議事録を読む(未定稿)
(この会議録は未定稿です)
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 稲葉参考人の方から桐生市の直近のお話もありましたので、稲葉参考人だけになってしまうかもしれないんですけれども、それ以外の三人の参考人の皆さんには貴重な御意見いただきまして、議論の参考にしていきたいというふうに思います。ありがとうございます。
 それでは、稲葉参考人に伺います。
 桐生市の福祉事務所で行われていたことというのは、生活保護行政の、私、根幹を揺るがすようなことなんだというふうに受け止めているんですね。
 そこで、これ違法運用に加えてその印鑑の問題ありましたけれども、明らかな公文書偽造に相当するんじゃないかと、さらに人権侵害まで横行していたということで、これ調査団は監査をする立場にある県にも申入れされているということです。何で十年もの間こんな異常な実態を県は見抜けなかったんだろうかというところ、非常に疑問です。
 要望されたということも見せていただいた記事の中にありまして、是非そうした、要望された中身も御紹介いただければと思います。

○参考人(稲葉剛君) ありがとうございます。
 私の資料の五ページ目から要望書、これ桐生市と同時に桐生市の第三者委員会、そして群馬県知事に提出したものでして、四月五日に群馬県庁に申入れした際、私も同行いたしまして、県の生活保護の担当課の課長さんと懇談を行いました。
 その場で、県は現在、桐生市の問題が発覚して以降、特別監査を行っているんですけれども、通常の監査、毎年監査をしていたと。じゃ、その監査でなぜ見抜けなかったのかということをお伺いしたところ、保護費の分割支給、あと満額不支給ですね、減額して支給していたという件については、ケース記録上は記載がなかったと、書面上は全額支払を行ったということにして受領印も押してあったというふうな県の課長さんからの証言がありまして、明らかにこれは公文書の偽造に当たるんではないかなというふうに素人ながら考えます。
 ですので、大変遺憾であるというお話がありましたけれども、県としては書面上記載がなかったので確認が難しかった、見抜けなかったというふうに回答されています。これを受けて今後は監査の在り方を見直すというお話もありましたし、あと職員に対する研修、福祉事務所の職員に対する研修の在り方というのも見直していきたいというお話がありました。
 ただ、私たち調査団の側からは、確かにその個別のケースについては見抜けなかったかもしれませんが、データを見れば、桐生市で二〇一一年から、グラフも出しておりますけれども、六ページにグラフがありますけれども、生活保護利用者が半減していると。生活保護費、総額でいうと四五%まで減少しているということは、これはもうデータを見れば明らかであって、あと、世帯類型別の世帯数についても、七ページに一覧表が、あっ、ごめんなさい、その後かな、ごめんなさい、一覧表も出ておりますけれども、母子世帯については二十六世帯から二世帯まで減少しているということは、これはもうデータを見れば明らかであったことで、明らかに異常な運用がなされているということは把握できたのではないかと。
 で、それが監査で指摘されなかったというのは、これは都道府県の監査、群馬県に限らず都道府県の監査や、あと厚労省の監査もそうだと思うんですけれども、やはり、濫給ですね、本来生活保護を利用する資格のない人が不正に利用しているんではないかというところにばかり視点が集中していて、漏給ですね、受給漏れ、本来利用できるはずの人が独自で追い返されているのではないかとか、辞退、利用していた人が辞退届を書かされて保護の外に出されてしまっているのではないかといったような、やっぱり漏給防止という観点が監査において抜けているんではないかという指摘をさせていただきました。
 先ほどの意見陳述でも、行政が被害者になるということには非常に敏感なんですけれども、福祉行政が加害者になってしまうということに対しての視点というのが非常に弱いんではないかというふうに考えております。そうした点も御検討いただければと思います。

○倉林明子君 ありがとうございます。
 稲葉参考人に引き続き質問したいと思います。
 今少しお触れにもなったんですけれども、桐生市の生活保護行政の実態見ていますと、生活保護利用者に対しては人権を制限してもよいというかのような、ちょっと根深い人権制限論というようなものが横たわっているんじゃないかというふうにさえ思ったんですね。それに対して、参考人からの御意見を伺っておきたいと思います。

○参考人(稲葉剛君) 桐生市では様々な証言が出てきておりますけれども、複数出てきているのが、生活保護利用中の方が職員の方から人の税金で飯を食っている自覚はあるのかというふうに言われて、非常に尊厳を傷つけられたという声が出ています。
 こうした考え方、今人権制限論というお話がありますけれども、生活保護の利用、本来は憲法で定められた生存権保障に基づく当然の権利であるわけです。厚生労働省も生活保護の申請は国民の権利ですということを明言しているわけですけれども、残念ながら、いまだ私たちの社会の中には、生活保護というのは権利ではなくて恩恵であると、してあげているものであって、その生活保護を受給する者はそれを有り難く思いなさいというふうに、人権を否定するというような考え方というのが根強くあるんではないかなというふうに思っております。
 二〇一二年に、生活保護の利用者の方に対するバッシング、芸能人の親族の方が生活保護を利用しているということが不適切ではないかということで一部の政治家の方々がバッシングを行いまして、当時、自民党の生活保護問題に関するプロジェクトチームの座長であった世耕議員、先日、自民党を離党されましたけど、世耕議員が週刊誌のインタビューで、フルスペックの人権という言葉を使って、自民党の改革、見直しに反対する人の根底にある考え方はフルスペックの人権を全て認めてほしいというものだと、しかし、我々は、税金で全額生活を見てもらっている以上、憲法上の権利を保障した上で、一定の権利の制限があっても仕方ないと考えるというふうに、生活保護利用者の人権を制限してもいいという主張をされていました。これが桐生市の福祉事務所の職員の意識にも影響したんではないかというふうに疑っているところです。
 ですので、是非、政治家の皆さん、国会議員の皆さん、生活保護の利用は権利であると。生活保護の捕捉率、まだまだ、二割、三割というふうに言われています。本来利用できるはずの人が利用できていない状況がありますので、厚生労働省がホームページ上ではPRしていますけれども、まだまだ足りないと思いますので、生活保護は権利ですと、ためらわずに利用してくださいということを政治家の皆さんからも発信していただければというふうに思っております。

○倉林明子君 最後になるかと思います。
 法案の方なんですけれども、家計改善支援等の強化が図られることになっております。家計改善支援、就労支援ということが保護の利用者にとっての圧力となって保護廃止につながっていないかという懸念があります。相談の現場でつかんでおられる実態、御紹介いただければと思います。

○参考人(稲葉剛君) ありがとうございます。
 これも桐生市の調査団の中で、資料の十ページから十一ページにかけて、桐生市が行ってきた被保護者家計相談支援事業について情報公開を基に分析をしております。十一ページの頭にありますように、これは平成三十一年三月の資料ですけれども、家計改善を進めた結果、家計簿の提出の指導をしていたということで、その結果、保護廃止十七名という結果になったという記載があります。
 つまり、組織的に家計簿の提出を求めていたということと、あと先ほどもお話ししたように、NPO法人による家計管理の利用を勧めていたということ、その結果、保護廃止十七名というのが何を意味しているのかは正直よく分かりませんけれども、なぜ保護廃止になったのか。家計が改善しても収入が増えなければ保護廃止にはならないはずですので、なぜ保護廃止になっているのか非常に疑問が残るところで、更にこれは検証が必要だと思いますけれども、保護の打切りを名目として家計簿を提出させていたんではないかという疑いがあります。
 これは、相談者、制度の利用者にとってみれば、自分が生活に困窮して生活保護制度を利用しようというときに、制度の利用とその家計簿の提出、あるいは民間団体に銀行口座の通帳と印鑑を預けるということ、これがセットになっているということであれば、ためらう方がいるのは当然であって、制度の利用を阻害する、制度の利用を抑制させる機能を果たすものであろうというふうに思います。
 これまで生活困窮者自立支援事業の枠で家計改善支援が行われてきていて、現金給付とは一定切り離した形で家計の改善支援というのが行われてきましたけれども、これが生活保護世帯にも本格的に家計改善支援をするということになった場合、その家計簿を出させるということと保護の停廃止がセットになってしまうということであれば、ほとんどこれは脅迫になってしまいますので、それによって生活保護の利用を諦めたりとか、あるいは利用しても、そこまで日常生活の隅々まで、桐生市の場合はレシート百円単位まで出させていたという話がありましたけど、そこまで隅々まで監視されるのであれば、もう生活保護を諦めて生活しようというふうに制度の外へ締め出すという機能になってしまいかねないので、厚生労働省がこの家計改善支援を進めるに当たって……

○委員長(比嘉奈津美君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。

○参考人(稲葉剛君) こうした点がないように是非御留意いただければと思っています。
 済みませんでした。よろしくお願いします。

○倉林明子君 終わります。ありがとうございます。