倉林明子

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PCR検査拡充・財政支援早く 倉林氏、医療・介護崩壊防止を提起(2020/5/11 予算委員会)

(資料があります)

 倉林氏は、新型コロナウイルス感染症で医療、介護・福祉現場がぎりぎりで持ちこたえている実態を示し、「ここで手当てが遅れたら崩壊する」と述べ、「崩壊」を防ぐためにPCR検査や財政支援を抜本的に拡充するように提起しました。

 医療、介護の専門誌『日経ヘルスケア』の報道によると、医療介護職員の感染者が3月末から5月1日までに約8倍に急増し、感染者全体の6・7%にのぼっています。

 倉林氏は、病院内感染の発生理由について、感染者が検査しないまま医療機関に来ることや医療機関で感染防護具が不足していることにあると指摘し、「院内感染の連鎖を止めるためにはPCR検査を抜本的に増やし、病院入り口から対策を取る以外にない」と強調。全国各地でのPCR検査センター設置と医療機関の感染防護具調達のため、補正予算予備費(1・5兆円)の活用や速やかな2次補正で財政支援を強めるように求めました。

 安倍首相は「対応が必要な場合は予備費活用も含め必要な措置を速やかに講じる」と答えました。

 倉林氏は「医療提供体制が資金面からも崩壊の危機に直面している」ことにも言及。感染を恐れた受診抑制で医療機関では大幅減収が続いていることをあげ、災害時と同様に前年度の診療報酬支払額に基づく概算請求を認めて医療機関の収入確保を図るよう求めました。

 加藤勝信厚労相は、災害時の事情とは違うとしつつも「医療機関が経営を維持できるために何をすべきか、対策を考えているところ」と述べました。


 介護・福祉現場もたない 倉林副委員長

 「このままでは現場はもたない」―。参院予算委で、倉林氏は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う医療、介護、障害福祉分野の深刻な実態を突き付け、現場の声に耳を傾けない政府の姿勢をただしました。職員全員への危険手当など、感染拡大防止と事業継続のための早急な「補償」を強く求めました。

自力で歩けなく
 倉林氏は、集団感染が発生した名古屋市で、同市の要請に従った介護事業所の2週間の休業によって身体や認知の機能に影響が出たとする利用者は6割に及んだと紹介。利用者家族の負担が増していると述べ、加藤勝信厚生労働相の認識をただしました。

 倉林 「明らかに認知症が悪化した。自力で歩けなくなった。食欲が低下して体重が大きく減った」などの声が出ている。高齢者に必要な介護が確保できているのか。

 厚労相 全国的とはなかなか言えないが、ポイントを絞って把握したい。

 倉林氏は、緊急事態の下でも政府が介護サービスの継続を要請していると指摘し、「全国的には無理だと言うが、政府の責任が問われている」と追及。高齢者や障害者らの生活支援の確保について緊急の全国調査の実施を求めました。

危険手当を要求
 倉林氏は、補正予算の介護施設への「危険手当」の対象が感染者の居留する施設に限られ、国の負担は自治体支援分の3分の2であり、限定的だと批判。ドイツで介護職員に1500ユーロ(約17万4千円)の特別手当の支給を決定したとの報道を紹介し、介護、障害福祉など現場で支援にあたる全ての職員への危険手当などの支給を求めました。

 倉林 国の責任で、特別手当、危険手当を職員全員に全額支給すべきではないか。

 首相 柔軟に対応できるようにしているが、機動的に支援を行いたい。

 倉林氏は、民間のスーパーでパート職員も含めて特別手当の支給を決定していることを紹介し、「事業継続を要請しているのは政府なのに、必要な物資もない、支援もないというのは、あまりに無責任だと言わざるを得ない」と批判。介護、福祉の利用者、職員全員へのPCRの検査とあわせて、実施を強く求めました。

 倉林氏は、安倍政権による介護保険制度の見直しと2021年度の介護・障害福祉サービス報酬改定について延期を求めましたが、安倍首相は「予定通り実施する」と現場の声に背を向けました。

 倉林氏は、全国介護事業者連盟による4月の調査で1789カ所の介護事業所の93%が経営への影響を懸念していると紹介し、減収分の補償を要求しました。

 厚労相 どういう支援が必要で、どういう実態か、よく聞き取りをしたい。

 倉林 明らかに減収している。これから把握するという認識は、「遅い」を通り越している。直ちに手を打つべきだ。

 そのうえで倉林氏は、「人生最後のとりでとなるのが介護だ。事業継続可能な財政支援に踏み出すべきだ」と訴えました。


医療・介護従事者の感染者数の推移


議事録を読む

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 医療機関、そして介護、障害福祉サービスの現場で院内感染、集団感染が相次いで発生すると、これが医療崩壊、介護崩壊の危機を招いているんじゃないかという指摘あります。私もそのとおりだと思います。
 そこで、院内感染、集団感染等が発生している、感染者が出ている医療機関の数、介護、障害福祉サービス事業所数、それぞれの感染者数をどうつかんでいるのか、直近のところで御説明ください。

○政府参考人(宮嵜雅則君) 四月一日以降、自治体等のプレスリリース等を基に集団感染等として報道されている事案を収集いたしますと、五月十日時点で医療機関で八十五件、福祉施設で五十七件、内訳ですけれども、高齢者福祉施設で四十件、障害福祉施設で八件、児童福祉施設で九件となってございます。
 申し訳ございませんが、その三月三十一日末の段階ではホームページの方で公表させていただいておりますので、その後の数字を今申し上げさせていただきました。

○倉林明子君 感染者数、あるいは職種別、これ、つかんでいますか。

○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 各地域におけますこういう集団感染というかクラスターの発生状況につきましては、それぞれの自治体が主体となって状況を把握してございますが、各施設の施設名とか陽性者数とかの詳細につきましては、同意を得られていない自治体もあるということから、現時点ではちょっとお答えさせていただくのは控えさせていただければと思っております。

○倉林明子君 医療や介護のところでの感染状況、こういう状況になっているわけですから、私は厚生労働省としてもつかむべきじゃないかと思いますが、どうでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 今局長からも答弁させていただきましたように、実際、詳細について、一方でなかなかつかみにくい状況と、一方ではなかなかその本人の公表等あるいは情報をいただけないというような情報がございます。
 ただ、そういった中で、先ほど申し上げたクラスター等、我々としても、報道等の事案、これも収集して、医療あるいは福祉施設における実態把握、これに努めさせていただいております。また、個々、それぞれ出た場合には、それは個々の医療機関、個々の施設ごと、これについては、特にクラスターとして大きく発生した場合についてはそこにクラスター班を派遣する等、個々のそれぞれの対応をやらせていただいているところであります。

○倉林明子君 これ、パネルを示したいと思うんですけれども、(資料提示)これ、医療・介護従事者の感染者数推移ということで、日経ヘルスケアが都道府県の数あるいは報道等の分を集計して、経時的に調査入れているんですね。
 これ見ますと、黄色い棒がそれぞれ三月三十一日時点です。青い棒が五月一日時点です。もう大体八倍ぐらいに増加しているんですね。これ本当に、現場がいかに感染の恐怖と闘っているか、実際に感染しているかという数がこれ見て取れると思います。五月九日分も直近出ていまして、合計すると千百八十人の感染が確認されたということです。およそ七%、感染者数のうち占める割合、大変高いと思います。
 院内で、あるいは施設で感染が発生するということになりますと、病院の場合は機能停止、機能が大きく低下するという事態が起こります。これは、その病院の機能だけじゃなくて、周辺の医療機関の過重な負担を招くということになって、それが救急の現場だったら通常なら助かる命が助からないと、こういう医療崩壊のリスク高まると、これはっきりしていると思うんですね。
 なぜ院内感染止まらないのかと。一つは、コロナ陽性の患者が検査されないままやっぱり医療機関へ入ってきていると、広げていると。二つ目は、感染防護具、これが決定的に不足しているということです。
 院内感染のこれ連鎖止めるためには何をする必要があるかと。患者を特定する、PCR検査を抜本的に増やして病院の入口から適切な感染対策が取れるようにする以外に私はないと思います。自治体や医師会の取組を支援するというスタンスでやられてきましたけれども、それでいいのかということが問われる事態になってきていると思うんですね。
 日本医師会は、横倉会長が四月三十日に、PCR検査センターの全国的な設置、拡充、それから一般医療機関向けの感染防護具調達支援のために、合計二・五兆円の予算措置を求めております。
 私、直ちに予算措置していくべきだと思いますので、二次補正待たずに、予備費一・五兆円、これまず充てるべきだと、そして速やかに二次補正で上積みを図るべきだと思います。総理、いかがでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今お話をいただいたように、医師会等の御協力もいただきながら、全国四十一か所、東京では十六か所のPCRセンターを設置をしまして検査体制の強化を図っています。また、医療防護具についても、サージカルマスク、N95マスク、ガウン、フェースシールド等について全国の物資不足に直面している医療機関に速やかに届けることとしまして、これに加えて、医療防護具の不足が深刻な医療機関に対しては国が直接優先的に提供するための体制を構築をしました。先月から配布を開始をしているところでございまして、もしこれを御覧の医療機関で直ちにという方はウエブを活用してお知らせをいただきたいと、こう思います。
 これらに必要な経費については既に補正予算において当面必要な規模を確保しているものと考えていますが、仮に更なる対応が必要となる場合には、予備費の活用も含めて必要な措置を速やかに講じることとしたいと思います。

○倉林明子君 もう速やかな措置をお願いしたいと思います。
 コロナ以前から、もうぎりぎりの病床稼働率でぱんぱんに回しているのが現場ですよ。ぎりぎりの体制でこれを維持してきたのが日本の医療提供体制なんですよ。で、ぎりぎりで持ちこたえてきた今のコロナへの対応なんだけれども、ここで手当てが遅れたら、間違いなく医療崩壊という道をたどることになると思うんですね。直ちに防護具を、直ちに必要なPCR検査を国の責任でやるべきだと、これは強く重ねて求めておきます。
 そこで、深刻なのは、医療提供体制が資金面からも崩壊の危機に直面しているということなんです。コロナ重症患者を受け入れている病院だけじゃないんですね。感染を恐れて、受診抑制はほとんどの医療機関で発生しております。このままでは夏頃には資金ショートを起こして、現場でバッシングにも耐えながら使命感で必死になって働いている医療従事者にまともなボーナスさえ出せないと、こういう声がたくさん出ているんですね。離職の促進にも私、つながりかねない問題だと思います。減収補填、これ待ったなしの課題になってきております。
 医療機関が前年度の収入が確保できるように、これ直ちに打てる手として、前年の診療報酬支払額の概算請求、これ認めるべきだと思います。いかがですか。

○国務大臣(加藤勝信君) 今お話があった概算請求、これは、地震による衝撃、台風による浸水など、診療録またレセプトコンピューターなどが滅失等した場合に、診療行為を行っていたにもかかわらず、やむを得ず診療報酬の請求事務が困難だという場合の想定であり、またそうした形で運用された、これまで東日本大震災のときに運用されたものであります。
 したがって、今回はそういう事情ではありません。しかし、委員御指摘のように、医療機関、今大変な厳しい状況でありますので、我々も病院協会を通じたり、病院団体を通じたり、あるいは個々の医療機関からも直接ヒアリングをして今の状況を聞かせていただき、先般も、診療報酬、新型コロナウイルスに対する診療報酬二倍等々の措置はとりましたけれども、それでも不十分だという声も受けておりますから、そういった意味での、医療機関における経営を維持をし、またそこで働く方々にしっかりと給与等が支給できる、そういったために何をすべきか、今、話を聞かせていただきながら対策を考えているところであります。

○倉林明子君 いや、早く手を打たないと、六月、そして七月にボーナス払っているところ、ほとんどだと思うんです。これが出ないなんということになったら、もうぎりぎりで踏ん張っている職員を本当にがっかりさせるどころじゃないと思っているんですね。
 今すぐできる対策として、その災害時と違うというような説明何ぼしたって説得力ないんですよ。実績ないんです、医療実績が。だから請求できない。だから前年度の概算請求ということで求めていますので、この点では本当に支援が緊急に求められる。重ねて言いたい。
 そこで、看護職の現場の声がたくさん届いています。一部でコロナ手当が出るようになったと。ところが、それはごく一部になっちゃっていると、あるいは格差があるというんですね。一部の職員だけじゃなくて全ての職員に対して手当てをしてほしいと、手当欲しいという声です。看護協会も求めています。これ、病院任せにせずに国の責任で措置すべきだと、これ強く検討を求めます。
 次に、介護です。
 介護事業所の集団感染の拡大、これ利用者に被害を広げています。名古屋では集団感染が発生しまして、名古屋市の要請で二週間デイサービスを休業したと、この影響を関係者が調査して報告していました。明らかに認知症が悪化した、自力で歩けなくなった、食欲が低下して体重が大きく減ったなんですね。身体、認知機能に何らかの影響が出た人は六割に及んだといいます。デイサービスの代わりに訪問看護など代わりのサービス受けられたというのは約半数、受けられなかった人は、家族に仕事休んでもらって結局介護していたということも分かったというんですね。
 私、重大だと思うのは、こういうコロナ感染拡大という中であっても、高齢者に対して必要な介護、これ確保できているのかということです。これ、大臣、どうでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) まず、休業でありますけれども、四月十三日から十九日までの間で全国で調査をさせていただきました。全国で見ればそんな比率は高くないということはそこから出てきているわけでありますけれども、一部においては休業しているところもある。また、介護サービスは、今委員の御指摘のように、高齢者、その家族を守るためにも不可欠でありますので、感染防止対策を徹底した上でサービスを継続していただきたいということで様々な措置も講じさせていただいているところでございます。
 実態を把握していたのかということでありますけれども、直接個々に調査をやれば、なかなかそれぞれの自治体あるいは事業所の負担ということもありますので、厚労省としては、都道府県に照会をして、四月十三日から十九日までの間に休業した通所系、短期入所系の八百五十八の事業所からいろいろと回答をいただき、例えば、主体的にケアマネと調整し他の事業所の利用についてつなげた事業所は三百八十九等と一定の把握をさせていただいているところでありますので、引き続き、全国的とはなかなか言えませんけれども、そうしたポイントを絞った形でも把握に努めていきたいと思います。

○倉林明子君 いや、緊急事態でも政府がこのサービスについては継続を要請していると、これが前提としてあるんですね。しかし、そういう状況でサービス確保できていない、影響出ていると、これ重大だと思うんですよ。全国的には無理だっておっしゃったけれども、私は、障害者、高齢者だけじゃなくて、障害者、難病、こういう方々にちゃんとサービス確保できているのか、これは全国的な調査を求めたいと思います。これは求めておきます。
 その上で、現場では、いまだに大幅に不足しているマスク、消毒薬確保に職員が走り回っているんですよ。感染リスクにおびえながら支援に当たっているんです。そもそも低賃金で過酷、慢性的な人手不足、これが介護や障害福祉の分野です。現場では、働く職員に特別手当、危険手当、これを求める声が上がっております。補正予算で政府がやろうとしている特別手当は、コロナ感染者がとどまっている介護施設に限定しているし、自治体が行う支援の三分の二を負担するというものなんですね。限定的ですよ。今や民間のスーパーでも、パートの職員にまで行き渡るような特別手当の支給が決定されていますよ。ドイツでは、この介護職員に千五百ユーロ、約十七万四千円の特別手当の支給が決定されたということであります。
 介護、障害福祉などの現場で支援に当たる職員全てに特別手当、危険手当の支給を求めたい。国の責任で行うべきだ。いかがでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 既に介護施設、今委員お話がありましたように、本来ならば、そこで入所された方が陽性であれば入院するということでありますけれども、また、特に障害者施設等でありますけれども、なかなか、むしろそこで療養された方がいいというケースにおいては、その場で実際、医療的なサービスも提供しながら対応していただいている。
 そういったときに、その職員の方には通常以上のある意味では感染の危険性のある中で介護いただくということで、先ほど委員がお話がありましたように、それに対して配慮が行えるという形で補正予算にも助成をさせていただいたところでありますし、助成について国が三分の二とお話がありましたが、残りの三分の一についても例の地方創生臨時交付金、この対象になっているということで、実質的には一〇〇%が国費によってトータルとしては負担されているということになっています。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま厚労大臣が答弁させていただきましたが、介護施設職員、施設等の職員に対する危険手当等の支給を含めて柔軟に対応できるようにしているところでありますが、引き続き現場の、引き続き現場の状況を踏まえながら機動的に必要な支援を講じていきたいと思っております。

○倉林明子君 スーパーでも全員なんですよ。本当に介護職のところでみんなで頑張っているんですよ。そのみんなにやっぱり行き渡るような特別手当、危険手当ということを国の責任でやってほしい。必要な物資もない、支援もない。余りにも無責任だというふうに言わざるを得ませんよ。
 障害者施設、保育所、学童、婦人相談員などの現場からも同様の要望が出ております。実施を強く、検討の方向性も答弁ありましたので、ここも対象を含めて検討いただきたい。強く求めたいと思います。
 介護、福祉の現場で患者や利用者が、従事している職員自らも感染しているかもしれないと、そういう恐怖というのも計り知れないんですね。メンタルにも大きな影響を与えてきています。
 集団感染を防ぐためにも、利用者、職員、これ全員に対してPCR検査実施すべきじゃないかと、そういう段階に来ているんじゃないかと思います。いかがでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) そうした施設において陽性者が出ている、出た場合に、通常、疫学調査ということを実施します。濃厚接触者を特定するわけでありますけれども、通常は発症した場合にPCR検査をするという扱いになっていますが、医療従事者、あるいはハイリスクの方々、例えば高齢者、基礎疾患がある方、免疫抑制状態である者、妊娠している方々に接する機会のある業務に従事をしという場合には、検査対象がこれは一応できるということになっていますが、さらに、先日の基本的対処方針では、施設従業者については率先してPCR検査等を受けさせるようにするということでございますので、現時点でそうした発生が、陽性の方が発生したこういった施設、特に高齢者施設あるいは障害者施設等々については積極的なPCR検査、これを既に実施をしておりますし、引き続き実施できるように我々も支援をしていきたいと思います。

○倉林明子君 発生した施設にとどまらず、まだ発生していないところのリスク回避も必要なんですよ。だから、入所者、入院患者、そしてこれから入ってくる人、今の働いている人たち、感染していないということのためにPCR検査もできるように求めておりますので、その点でも拡大を強く求めておきます。
 そこで、コロナ感染拡大で非常事態となっている現場に更なるストレスということになっていますのが介護保険制度の見直し。
 二〇二一年度、介護、障害福祉サービスの報酬改定、この検討が進んでいるんですね。この延期を決定してもらうだけでも現場の負担の軽減になる、これ切実な声を聞いております。延期の判断求められると思いますけれども、総理、いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 介護保険料の伸びを抑制しつつ、高齢者の生活に必要な介護サービスを確保するためには、介護保険制度の見直しや介護報酬改定により効率的な制度とするための不断の取組が不可欠であります。
 また、障害福祉サービスについても、多様な障害者等に必要なサービスを提供するための体制整備と制度の持続可能性を確保するために、三年に一回の報酬改定は必要であると考えているところであります。
 このため、現時点においてはそれぞれの報酬改定等は予定どおり実施する考えでありますが、実施に当たっては現場の負担軽減について十分に配慮していきたいと考えています。

○倉林明子君 実際に現場で、やっぱりこれを止めてもらうことが負担の軽減になるという声が上がっているんです。ほかにもいろいろ検討進んでいるところあります。ただし、これに対応する実務ということが必ず現場に生じてまいりますので、その点では、実施、実施の延期だけじゃなくて検討そのものも延期してくれという御要望ですので、しっかりそれは受け止めていただきたいということです。
 このままでいきますと、小規模事業者を中心に、介護ですね、倒産する事業者が続出すると。これは全国介護事業者連盟の幹部が発言をしております。
 ここが、全国介護事業者連盟が行いました緊急調査、これには、回答した事業者千七百八十九か所あったということです。この事業所のうちで、経営が影響を受けている、影響を受ける可能性がある、実に九三%がそう回答しております。四月以降、事態は更に深刻化しております。四月三十日に、政府に要望書、提出されております。受診、利用控えというのも一層広がってきている中で本当に苦労されている経営実態があります。
 前年比で一定割合が減収となった介護事業所、ここに対してやっぱり収入補填、これが要るんだと思うんですね。要望もされております。障害福祉サービス事業所も本当に苦境に立たされていると、これは共有できる認識かと思います。融資にとどめず、私は減収分の補償を思い切ってやるべきだと思います。これ、いかがでしょうか、総理。

○国務大臣(加藤勝信君) 今の事業所の中で、多分入所系は一定、そういう中で感染者が出るとかいう場合でなければ一定の状態になっているんだろうと思いますが、通所系とか特に訪問系においてはより一層影響が大きいんだろうというふうに我々も認識をしております。
 そういった意味で、その介護報酬の請求等もありますから、そうした実態をしっかり踏まえながらですね……(発言する者あり)いやいや、そういった方が、三月分を、ついて見るとかですね、そういったこと、今分析もさせていただいております。それから、そういったところからもお話を聞きながら、どういった支援が必要なのか、あるいは、その前にどういう実態になっているのか、これをしっかり把握しておきたいと思います。

○倉林明子君 いや、もう明らかに減収しています。これからつかむみたいな認識は、本当にちょっと遅い通り越していると思うんですね。直ちに手を打つべき段階に来ております。人生最後のとりでとなるのが介護ですよ。障害のある人を支えることと、自分自身と家族を守ることの間で不安と葛藤にさらされています。
 このままでは現場はもたないという状況をいち早くつかんで、具体的支援、サービス継続できるような財政的な支援ということを強く求めまして、終わります。