倉林明子

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雇調金 迅速な支給へ 倉林氏「手続き簡素化して」(2020/5/12 厚生労働委員会)

 日本共産党の倉林明子議員は12日の参院厚生労働委員会で、新型コロナウイルス感染症対策として、従業員に休業手当を支払った企業に政府が支給する雇用調整助成金(雇調金)の申請手続きを思い切って簡素化し、申請があれば審査は後回しにし、速やかに支給する手法への改善を求めました。

 厚労省の達谷窟庸野審議官は、全国のハローワークで1日までに約25万5千件の雇調金の相談を受け、11日時点の支給決定件数は5054件だと報告。4月中は申請から支給決定まで平均21日にかかったと述べました。

 倉林氏は、支給決定が増えてきたと評価しつつ、ハローワークに相談が殺到し、「支給まで3カ月かかる」「面談まで3週間かかる」などの声を紹介。申請までたどり着けない中小企業の「廃業しか選択肢がない」との声も示し、「いっそう支給が急がれる事態だ」と指摘しました。

 加藤勝信厚労相は「次の休業手当の支給があるため(申請から)2週間での支給を目指す」とし、申請増が想定される5月末にむけオンライン申請導入など手続きも審査も簡素化し「支給までの期間を短縮化していきたい」と語りました。


議事録を読む

○倉林明子君 日本共産党の倉林です。
 私も引き続き、雇調金の問題についてまず伺いたいと思います。
 労働局、ハローワーク、ここに本当に相談が殺到して、四時間待ちという事態が生じているという話も伺っております。雇用調整助成金を受け取れるめどが立たないということで緊急事態が延長されたという流れになっているんですね。
 直近の相談件数、申請件数及び支給決定件数についてそれぞれ数字でお答えいただきたいのと、今支給開始までにどれだけの期間が掛かっているのか、つかんでいるでしょうか。

○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 まず、全国の都道府県労働局等に設置してございます特別労働相談窓口におきます雇用調整助成金に関する御相談につきましては、五月一日現在で二十五万五千六十件となってございます。また、ちょっと時点が違うんですが、五月十一日現在で支給申請件数が一万二千八百五十七件、それから支給決定件数は五千五十四件、いずれも速報でございますが、そのようになっているということでございます。
 あと、支給申請から支給決定までの期間につきましてでございますが、ちょっと四月のデータということでこれはサンプル調査を行ってございますが、その時点では、サンプル調査の対象は、新型コロナウイルス感染症特例が本年の一月二十四日から適用になってございまして、その一月二十四日以降に休業の初日がある申請につきまして四月中に支給決定されたもののサンプル調査をしてございますが、その時点では、支給申請後、平均で、暦日でございますが、二十一日で支給決定を行っているというデータがございます。
 その上で、私ども、現在、申請から支給までの期間を二週間とすることを目標として取組を進めているところでございまして、例えば申請手続の簡素化とか、あるいは労働局、ハローワークの人員体制の大幅拡充を行いますとともに、今般、小規模事業主を対象として、実際の休業手当額を用いて助成金額を算定するなどの算定方法の簡略化、申請手続の更なる簡素化を図ったところでございまして、これらによりまして、先ほど申し上げました申請から支給までの期間を二週間とすることを目標に今鋭意取り組んでいるところでございます。

○倉林明子君 相談の件数でいいますと二十五万五千を超えるということで、本当に相談が集中しているという実態があると。しかし、そんな中でも一生懸命やっていただいて、現時点では五千五十四件支給に至っていると。まだまだ少ないけれども、飛躍的にやっぱり増やしてきているというところは率直に見ております。
 そこで、ただ、二十一日というような受け取れるまでの期間というのは、件数増えていますので、実態としては待たないといけないという事態が更に広がってきています。私、聞いたところでは、支給開始までに三か月は掛かるという声も伺っておりますし、さらに、面談の予約がいっぱい、三密になるから電話で予約取ってから来てくださいということになったら、何と面談に至るまでに三週間待たないとという事案も出てきているんですね。これ、相談殺到しているからこそそういう状況になっていると思うんですけれども、現状では、申請にさえ、窓口にさえたどり着けていないと、こういう中小業者も結構おるという実態をしっかり見ていただきたいなと思います。
 そんな中で、受け取る見通しが立たないので、もうやっぱり廃業しか選択ないなと、こういう事態も広がっているので、一層急がれる事態はあるということです。初めて活用する中小企業にとって、こういう書類そろえるだけでも一週間掛かったというお話伺っています。簡素化の検討も始まっていると、オンラインでもやれるようにしようと、もう思い切って本当に進めていただきたいと思うわけですが、先ほど五月末までにはやりたいというお話でした。本当に速やかにやってほしいと思うんだけれども、大事だと思いますのは、申請があれば速やかに支給を開始すると、で、審査は事後にすると、流れ変えた方がええと思うんですけれども、いかがでしょうか、大臣。

○国務大臣(加藤勝信君) まさに、雇用調整助成金を活用していただく中で、雇用をしっかり守っていくと。そのためにも、相談に来ていただく、またそれから、相談から申請に結び付けていただく、また、申請があれば、我々としては、できれば、次の給与の支給というのがありますから、休業手当の支給がありますから、二週間ぐらいで支給をすると、これを目指して今、人員も増加をし、臨時の職員を雇い、それから他の部門の職員をそうした雇用調整助成金のセクションにシフトすると、そういった対応を取らせていただいて、これからさらに五月末に向けて申請更に増えていくだろうと想定をしておりますから、それにしっかりと当たっていきたいと思いますし、そんな中で、オンライン等の手続、それから小規模事業主に対してはできる限りの簡素化を図って申請者の負担を減らしていく、こうしたことを取り組んでいきたいと思っております。
 その中で、審査のお話がありました。審査といっても、一定の、例えば振り込み先とかそういうのは全部チェックをしないことには、いずれにしてもできないわけですね。支給できませんから、当然、一定の審査というのは当然必要になってくると思いますので、そういったところもできる限り簡素化するというか、必要なチェックだけにして、できるだけ支給に向けての期間を短縮化するように努力をしていきたいと思います。

○倉林明子君 いや、本当にこのまま廃業なんていう業者を本当に止めるためにも、もう決定的になってくると思いますので、一層の迅速化を求めておきたいと思います。
 先ほど来議論もありましたけれども、日額上限の引上げを総理が指示したと。昨日、予算委員会での議論聞いていますと、イギリス並みということが総理もおっしゃっておりました。これ、どの程度の引上げで検討されるのかということについては、先ほど議論聞いていても検討中ということしか出てこないようであります。
 いつまでをめどとして考えているのか。これ、いつもらえることになるのかというのが一番国民が知りたいことだと思います。いかがでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) これ、今まさにどういう制度をするのかによって、またそれに向けてどういう予算の手当てが必要になってくるのかというのが絡んでまいりますので、いずれにしても、国会での議論もございます、また、この雇用調整助成金に対する引上げについてはそれぞれのところから大変強い要望もありますので、政府としても早急に具体化を図っていきたいと思います。

○倉林明子君 倍額でほぼイギリス並みだと思います。我々も倍額ということで求めてまいりました。これ、与野党の一致ラインも見えてきておると思いますので、是非踏み込んで、速やかに決定をいただきたいと思います。
 法改正だ、二次補正だということ待ちになりますと、本当、遅れてくると更に一か月待たせるというようなことになりますので、これ特例でやれるようにということは強く求めておきたいと思います。
 で、労働局、ハローワーク、これ増員も取ったというお話でした。本当に大変な状況を伺っています。食事もできない、トイレにも行けないと。対応に追われる、休みも取れないと。体調不良、メンタル、こういうのも出ているという現場の実態があるということです。このままだったらハローワークが崩壊する、ハロワ崩壊が起こるという声さえ出ているんですね。
 増員はしたということですけれども、どの程度の増員で対応しているのか。体制強化は更に必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) これまでも、先ほど申し上げた申請書類の半減等、まず申請手続を簡素化することに加え、今委員御指摘のような、労働局そしてハローワークの人員体制の大幅拡充を図っております。
 雇用調整助成金専門の相談員の追加配置として約二千四百名を、これは新規に雇うということであります。あるいは雇っているということであります。それから、労働基準監督官の他部門からの応援、これ最大二千四百人規模を向けて、今そうしたシフトを組んでいるところであります。加えて、社会保険労務士の皆さん方の御協力もいただこうということで、約四百八十人の方、社会保険労務士にもこうした一連の、特に相談とかそういったところの応援をいただく、こうした体制を取っているところであります。

○倉林明子君 連休明け、一気にやっぱり件数増えているという実態もあるので、現場の実態をよく見ながら更なる必要な増員体制については図っていただきたいということは求めておきます。
 次に、特別休暇について、先ほども議論ありました。学校休業に伴いまして保護者が有給休暇を取得した場合、企業を助成する小学校休業等対応助成金及び支援金、これ活用について先ほど数字いただいたんですけれども、これ、申請件数、実際に助成が決定した件数だったでしょうか。ちょっと桁が違うように思ったので、そこは確認させてほしい。
 それと、一緒に聞きますけれども、これの上限の引上げということも、さっき制度の検討でどうなるか分からぬみたいな大臣の答弁だったんですけれども、雇調金を参考にしてつくった制度でもありますので、当然、合わせた引上げについてはしっかり検討していただきたいということを求めたい。
 さらに、妊婦の休業についてなんですね。野党の女性議員の皆さん始め、この妊婦の問題をたんと繰り返し粘り強く要求もされる中で、企業への要請してもらいました。休業取ってねというところまで行きました。じゃ、休業を措置しましたと、ところが、休業補償ありませんと、こういうところがほとんどですよね、休業取れても。ここについて、やっぱり休業補償をどうやって、安心して休んでもらうためにも休業補償をどうやって取ってもらうのかと。私は、このコロナのせいなんですから、今起こっている事態は、コロナ特例ということで、学校休業に伴うこの対応助成金と支援金の制度の枠組み、スキームを使って、休業補償、妊婦についても取れるようにする、これは重要な検討事項じゃないかと、対応できることじゃないかと思います。いかがでしょうか。

○政府参考人(藤澤勝博君) 初めの、小学校休業等対応助成金・支援金の申請件数でございますけれども……(発言する者あり)はい、まず申請件数でございますが、五月十日までの速報値といたしまして、企業向けの助成金で約一万二千件でございます。また、個人向けの支援金で約三千件でございます。合計で約一万五千件ということでございます。一方で、それに対応する支給決定件数でございますが、五月十日までの速報値でございますけれども、助成金の方が千五百七十一件、それから個人向けの支援金で千六十一件、合計で二千六百三十二件というところまで参りました。
 次のお尋ねの、妊婦さんの母性健康管理措置に基づく休業について小学校休業等対応助成金の対象とすべきだとのお尋ねでございますけれども、今おっしゃいましたように、五月の七日に男女雇用機会均等法に基づきます指針を改正をいたしまして、同日からその適用をしているところでございます。母性健康管理措置として休業が必要な場合に、その休業中の賃金をどのようにするかということにつきましては個々の事業主に任されておりますので、労使で十分に話し合って決めていただくことが望ましいものというふうに、QアンドAでもそういうふうにしているところでございます。
 御指摘の小学校休業等対応助成金でございますが、これは、小学校等の臨時休業等に伴いまして子供の世話を行うため仕事を休まざるを得ない保護者の方を支援をし、子供さんの健康、安全を確保するための対策としまして、正規、非正規を問わず有給の休暇を取得させた事業主さんに対して休暇中に支払った賃金相当額全額を支給する制度でございます。こうした趣旨からいたしますと、妊娠中の女性労働者が自ら休業を申し出た場合も支給対象とすることは困難でございますが、妊娠中の女性労働者についても、妊娠中の女性労働者であっても、もう一人例えばお子さんが小学校などに通っていらっしゃって臨時休業になるといったような場合にはこの助成金の対象となり得るものでございます。
 また、雇用調整助成金でございますが、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて助成率を引き上げるなどの特例措置を講じております。さらに、今般、解雇等を行わず雇用を維持する中小企業に対し、都道府県知事からの休業等の要請を受けた場合は、一定の要件の下で休業手当全体の助成率を一〇〇%とする等の措置を講じたところでございますし、さらに、就業規則に特別休暇の規定を整備をした中小企業事業主さんに対しては助成金制度も設けているところでございます。
 こうした助成金等を活用して、妊娠中の労働者等が休みやすい環境の整備を行う事業主を積極的に支援をしていきたいと考えております。

○倉林明子君 それは承知の上で聞いているんですよ。ようよう件数も、支給、これ企業単位のところは人数はもうちょっとあると思うんだけれども、こうやって頑張って適用させてきているわけですよ。だから、妊婦は駄目とかせぬとやね、広く救えるようにすべきだという趣旨で言っているんです。
 最後、大臣、どうでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) まず……

○委員長(そのだ修光君) 時間が来ていますから。

○国務大臣(加藤勝信君) はい。
 小学校等臨時休業の、いわゆる小学校休業等……(発言する者あり)いや、対応助成金については、先ほど申し上げました雇用調整金そのものの引上げと、これ、それぞれ趣旨が違うわけでありますけれども、よくそれぞれの引上げの背景、趣旨、それを踏まえながら、これはそれぞれにおいて検討していくべきものだと。ですから、雇調金上げたからこっちがすぐ上がるという、上げるということではないというふうに考えてはおります。
 それから、この対象については、これはやはり小学校の休業ということをつくった制度でありますから、我々としては、妊娠中の妊婦の方に対してはこれしっかり守っていかなきゃいけないということで、先般も、母性健康管理措置、これが適用できるように、これは経済界ともいろいろ折衝してここまで来たところでございますので、更に加えて、この休業について経済界に対してもしっかりと求めていきたいというふうに思います。

○倉林明子君 終わります。