倉林明子

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謝罪とリスト撤回を 病院再編問題 倉林氏が要求(2019/11/7 厚生労働委員会)

 日本共産党の倉林明子議員は7日の参院厚生労働委員会で、厚労省が再編統合を視野に入れた再検証を求めて全国424の公立病院などの実名リストを公表した問題について、名指しされた病院では診療体制の崩壊につながりかねない実害が生じていると指摘し、謝罪とリストの撤回を求めました。

 リストに記載された病院は将来性がないと思われ、研修医希望者の激減や看護師の内定辞退、他病院からの引き抜きなどが起きています。

 倉林氏は、台風19号で被災しながらすぐに外来を再開するなど地域住民の安心と健康を守る砦(とりで)となっている宮城県の丸森病院もリストにあげられていることを紹介。リスト記載の理由は診療実績が低いことだが、その最大要因は医師・看護師確保が困難であることだと指摘し、リスト公表自体が過疎地の公立病院の存続を脅かして被災地にまで冷や水を浴びせていると批判しました。

 加藤勝信厚労相は地方の反発は「真摯(しんし)に受け止める」と述べつつ、「(リストを)参考として議論していただきたい」と答弁。

 倉林氏は「国と地方の信頼関係を回復するためにも名指ししたリストの公表はやめるべきだ」と白紙撤回を要求。「被災地、過疎地の住民の医療を守るのは国の大きな責務だ」と主張しました。


議事録を読む

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 まず、甚大な被害をもたらしました十九号台風などの被害の対応について質問したいと思います。
 医療、介護の一部負担金や利用料の免除に関わる問題です。医療関係団体からも要望も出されておりましたし、我が党も十月十六日予算委員会で要請しておりました。特別対策ということで、十月十八日に実施を決定していただいて、事務連絡の発出もいただきました。その事務連絡見ますと、免除額については財政支援を行う予定という記載だけなんですね。
 聞きたいのは、免除費用の全額、これ国費で確保されるということでいいのかということと、その財源の内容についてはどう考えているのか。加えて、現時点で対象となる保険者数及び実施を決めた保険者数は現時点でどこまで行っているのか、確認させてください。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 御指摘の事務連絡に基づく一部負担金の免除額につきましては、御指摘のとおり、国として財政支援を行うことを予定しておりますけれども、財政支援の具体的内容につきましては、被災地の状況や過去の災害時における対応等も踏まえまして、政府全体で調整し、できる限り速やかに検討してまいりたいというふうに考えております。
 また、災害救助法が適用された市町村数でございますけれども、直近で三百九十でございますが、十一月六日現在で免除実施を決めた保険者数でございますが、国民健康保険では災害救助法が適用された三百九十市町村のうち三百十三市町村、後期高齢者医療では災害救助法が適用された市町村を含む十四広域連合のうち十四広域連合、介護保険では災害救助法が適用された三百九十市町村のうち三百市町村となっております。さらに、被用者保険におきましては、協会けんぽが猶予及び免除を実施しております。それから、六百一健保組合が猶予、それから、国保組合につきましては免除実施が三十六組合、猶予のみ実施が一組合となっております。

○倉林明子君 聞いたのは、確実に免除費用の全額を確保すると、こういうことが担保されることが必要だから聞いたんですね。やっぱり、全ての対象保険者がこれ踏み込めるかどうかというところでいうと、財源が確保されるかどうかって大きいわけですよね。そこをしっかり示していただくということが大事だというふうに思います。これ、強く要望しておきたいと思う。
 大規模災害が、これ毎年のように発生しております。その都度、特例措置で対応してきたというのが医療費、介護保険の一部負担金、利用料の免除という仕組みになってきております。しかし、これだけ続いている下で特例でいいのかということなんですね。激甚災害の指定などがあれば免除費用の全額が確保できると、こういう恒常的な制度として設計しておくべきではないかというふうに思いますけれども、いかがですか。

○国務大臣(加藤勝信君) 今委員からお話ありましたように、被災された方の医療、介護の一部負担金等については保険者の判断で減免ができると、また、国民健康保険等においては、減免額が一部負担金総額の一定割合以上である場合には減免額の十分の八以内の額を国が財政支援する仕組み、これはまず一般的な仕組み、そしてさらに、被害の極めて大きな災害の際には特例的に国が保険者に対して減免に要した費用の全額を交付するという措置であります。
 委員は、例えば激甚災害とか特別非常災害の指定があればということなんでありますけれども、激甚災害の指定は公共土木施設の復旧事業費の国庫補助率のかさ上げ等のための制度、そういった観点から議論がなされ、また、我々の制度については被災地の状況等によって機動的に判断するということが必要であります。
 実際の、これまで五例ありますけれども、どの五例を見ても、そうした激甚災害の指定とか特別非常災害よりは早くに指定をさせていただいているということも申し上げておきたいと思います。

○倉林明子君 災害で助かった命を本当に守る担保になっていると思うんですね、この全額免除という措置が。だから、私は、財源としてきちんと、八割まではありますよ、制度的に、残り十割分までちゃんと国が措置するというところの恒常的な措置として必要だと言っているんですよ。その予算確保ができないとどうなるかという、担保ないという立て付けになっていることを問題視しているんです。その点では、激甚災害とか特別非常災害とか指定があったら機動的に十割持つよというふうな制度設計として検討してほしいということを求めているということは重ねて説明しておきたいと思いますので、早急な検討を求めておきたい。
 同時に、これ対象期間も極めて短いんですね、三か月間ということになっております、この一旦の、最初の期間としての。事務連絡にはそういう規定になっているし、この間もそうだったんです。でも、この間も延長措置とってきております。ですから、適用例の期間の延長ということも併せてこれは求めておきたいと思う。必要だと思いますので、お願いしておきます。
 そこで、今回も減免の対象とならないというのが入院時の食費負担なんですね。これ、退院したくとも、自宅が被災していますと入院の継続が必要、入所の継続必要と、こういう場合も実際に生じております。私は、一般的な食費負担を有料化した経過とは違う対応が必要なんじゃないかというふうに思うんです。災害救助法が適用された場合等、入院患者についても避難者とみなして、食費、これも免除の対象とすべきじゃないかと思うんです、いかがでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 医療保険における入院時の食事代や光熱水費の負担は、災害の発生の有無にかかわらず実費として生じるものであって、入院されずに自宅等で療養されている他の被災者との公平等の観点から基本的には災害等の際の保険者の判断による減免の対象としておりませんし、制度上、入院時食事療養費等の減免を行うためには法改正が必要であるというふうに認識をしております。
 こうした制度のそうした状況を踏まえて、実費負担について減免の対象とするには様々検討の課題が多いんではないかというふうに思いますけれども、引き続き、こうして今委員御指摘のように様々な災害も発生をしております。被災地の声あるいは被災をされた方々の声をしっかりと聞いていきたいと思っております。

○倉林明子君 一般的な食費負担の問題で考えれば法改正ということもあると思うんですけれども、やっぱり甚大な被害、今回のようなことが起こりますと入院を継続余儀なくされる、避難者としてみなすという考え方は私ありだと思うんですね。災害救助法等の災害に遭ったということをもって、やっぱりそこには被災されている入院患者さんに不公平だというような声は上がらぬと思いますので、よく聞いていただいて、検討を一歩進めていただきたいと、これも要請しておきます。
 また、今回の被災により、地域の医療、介護、これは、福祉施設を支えてきた事業者、継続断念というような声も上がっておるわけです。東日本大震災のときは復旧費の補助率のかさ上げもやりました。同時に、備品、設備、ここについては十割ということで、補助を実行するという踏み込んだ対応もされました。今回の被害も極めて甚大であります。是非こういうことを踏み込むべきだと思う。
 やられると、踏み込んでいくという考え方でいいでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 医療施設については、医療施設等災害復旧費補助金によって、公的医療機関及び特に優先度の高い救急医療や周産期医療等の政策医療を実施している民間医療機関を対象として、建物の工事等の復旧に要する費用の二分の一を補助し、さらに、激甚災害に指定されると、公的医療機関に関しては補助率が三分の二への引上げ、民間医療機関に対しては補助額の上限の撤廃、さらに、一定額を超える医療機器を補助の対象に追加をしておりますし、また、介護福祉施設についても、二分の一の補助に対して、さらに激甚災害に指定されたことから、一定の要件を満たす特別養護老人や公立の障害者支援施設については補助率を二分の一から三分の二に引き上げるなどの対応をさせていただいているところでございますので、そういった対応の中でまずはやらせていただきたいというふうに思っております。

○倉林明子君 そこまでやるのは承知しております。
 さらに、最大限、過去にとった措置としては、東日本大震災のときのところまでは踏み込んでほしいということで求めました。ただ、今回の被災対応に当たって、総理は基本方針として明確に述べておられるんですね。やれることは全てやると、こうおっしゃっているわけですよ。この方針の下でこれを実行していくということであれば、過去にとった最大限のやっぱり措置というのは、土台、出発点であるべきだというふうに思っているんです。
 私は、復興復旧の後押し、生活し続けるという点でも、最大限必要、最低限必要となるインフラですので、その点では、過去にやった最大限の規模の復旧支援ということでは大いに踏み込んでいただきたい。直ちに検討を求めておきたいと思います。
 次に、質問も幾つか何人かの委員がされましたが、私からも質問させていただきたいのは、厚労省が九月に公表いたしました再編統合が必要な公立・公的病院、これ四百二十四病院のリストについてであります。これ、名指しされた病院、地域から相当批判の声が上がっているということになっています。
 確認したいんですけれども、これまで開催した意見交換会の開催状況、参加人数はどうなっているか、及び、出された批判的な意見ということでいうと、かいつまんでどういうものが特徴的なのか。十月二十九日、関東甲信越地域の地域交換会も開催されたということです。主な意見、簡潔に説明いただきたい。

○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今回のこの取組につきましては、十月四日の国と地方の協議会の場において、地方側の出席者の方々から、今回の取組の趣旨等について十分説明をして地方の意見に耳を傾けることが必要である、あるいは、全国一律に分析したデータのみで再編統合を推進することは適切でなく、各地域の実情を考慮した議論を地域において尽くすことが必要だといった御意見をいただきました。
 このため、今御指摘いただきましたように、まずはブロック会場での自治体等との意見交換会を十月十七日から三十日にかけて、これ全国七か所で行いました。参加人数は、七か所延べ、合わせまして約二千三百名の方に御参加をいただいております。さらに、現在、引き続いて都道府県単位でのいろいろな会合に赴かせていただいて、意見交換を重ねているところでございます。
 また、この意見交換の場において出てきた意見、時間もございますので、御指摘いただきました二十九日、東京で行いました意見交換会、これ四百二十人の参加をいただきましたけれども、そこで出ました御発言の例示として、例えばということで申し上げれば、へき地で頑張っている病院が名指しされているので、このリスト、それが載っているので修正して出し直してほしいという御意見、あるいは二〇二〇年三月の締切りではこれまでの検討期間が短過ぎるといった御意見、あるいは再編の取組は不可欠であるということは理解するといった御意見などがいただいているところでございます。
 私ども、今後とも、引き続き都道府県等の御要望に応じて意見交換を行いながら、積極的に私どもも地方に赴かせていただき、地域医療構想の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

○倉林明子君 私、意見伺っていまして本当に深刻だなと思いましたのは、研修医のマッチング期限前の公表だったということで、県外の変更が出ているという意見が出されておりました。既にこれ実害出ているということだと思うんですね。なくなるかもしれないという病院リストだという受け止めが広がりまして、違うとおっしゃると思うんだけど、これまで研修医のマッチング一〇〇%だったのに、たった一人しかマッチングしなかったと、こういう結果出ているわけです。看護師についても、内定辞退、他病院からの引き抜きと、今々の診療体制の崩壊にもつながりかねないと、こういう事態は私深刻だと思うんですよ。名指しされた病院の四分の三、これ二百床未満の病院です。百床未満は三分の一に上ります。二次医療圏の人口規模で見ますと、およそ三割の病院が二十万人未満の区域にある病院なんですね。つまり、地方の中小規模の病院が多くを占めているわけです。
 私、これリスト公表が与えた地域医療への影響について、大臣の認識を問うておきたいと思います。

○国務大臣(加藤勝信君) 今局長からも答弁させていただきましたように、意見の交換の場においても様々な御意見、まさに病院がなくなってしまうんではないか、あるいはそれに基づいてこんなことがあったという御意見等々があったというふうに承知をしております。
 大事なことは、やはり地域の医療をどうこれからしていくのか、限られた医療資源、医療人材の中で地域に求められている医療ニーズ、またこれから更にその医療ニーズが変動、変容していく中でそれにどう対応していくのかと。それに対して、それぞれの都道府県で地域医療構想というのをお作りいただいたわけでありまして、その実現に向かって我々も地域と一緒になって取り組んでいく、その辺をしっかり、押し付けるものではなくて、みんなで一緒に作り上げていくものなんだと、そのためのあくまでも一つの資料なんだと、そういった理解がしっかり求めていけるように、引き続き努力をしていきたいと思います。

○倉林明子君 いや、実害が出ているというところについての認識が私はしっかり持たないとえらいことになるというふうに思っているんですよ。そういう説明会の中で、意見交換会の中で出ていた意見で、私、本当にそうだなと思った意見あります。健全な形を維持して住み続けることができる町にするには、国として大きな責務がある、そのことを抜きにして進んでいけば一極集中を助長すると、こういう危惧の念が示されていました。実際、そういうふうに動き始めているということになっちゃっているんですよ、議論するということで出したリストがね。
 私は、これ再検証を求めるということで期限切っているわけですが、再検証の結果、これ計画に変更がないという場合、十分あり得ると思うんですね。その場合、厚労省はどう対応するのか。私はその結果は尊重されるべきだと思う。どうですか。

○国務大臣(加藤勝信君) 委員がおっしゃっている計画というのは二つあって、地域医療構想というものと、それから公的公立病院が出す個々に出された見直しというのがあって、今回はその後者の方の見直しについて申し上げているところであります。
 いずれにしても、それぞれの地域において、今回のデータのみならず、地域の実態を踏まえてよく御議論をいただいて、お出しをいただくというのが基本だということでございます。

○倉林明子君 いや、聞いているのは大臣のところで、その検討の結果で、計画に、計画というか、その数には変更がないという場合はあり得ると思うんですよ。ダウンサイジングとか統合するというような結論に至らない、現状維持という結果が出た場合はどうするかって聞いているんですよ、尊重されるべきだと。どうですか。

○国務大臣(加藤勝信君) いずれにしても、地域において御議論いただく話でありますが、ただ、ポイントは、地域医療構想そのものは都道府県でお決めになられ、その実現に向かって動いておられるわけで、そして、その前提の中でこの公立・公的病院はどうあるのかということで議論をしていただくという流れになっております。
 地域医療構想そのものは医療計画の中に含まれていますから、これに対して私どもが直接こうせいああせいって、あくまでも法律上も技術的な、技術的な助言を与える立場にあるというのが法律上のたてりになっています。

○倉林明子君 思い出してきたんですけれど、聞いたことになかなか答えてくれないんですよね。
 だから、地域が結果を出したことについて、それは尊重する、変更ない場合ね。検討しろって言ったけれども、この病院このままでいきますよと、そういう結論が出たときに、それで、それは尊重しなければならないということじゃないんですか。ずばり答えていただきたい。

○国務大臣(加藤勝信君) まだ見直しの仕方について発出しておりませんけれども、骨太の中においても、見直さなければ三月、見直すなら秋というふうにもう具体的に申し上げているところでありまして、見直さない場合についても当然それは想定をさせていただいていますが、ただ、大事なことは、先ほどから申し上げているように、地域医療構想をそれぞれがお決めになったものをどう実現していくのか、それに向けて我々は一緒になって努力をしていきたいということであります。

○倉林明子君 地域医療構想で、京都でもそうなんですけれども、全体としてベッドもっと必要だと、数増やすというような計画になっているところもある。実際に今回出したけれども、今おっしゃったように、地域でお決めになったことは想定しているとおっしゃっているとおりで、私、それをまた上から削れだの、ここは潰せだのというような話をすれば、これは地方自治の侵害にもつながりかねない問題なんですよ。そういうことは許されないので、今図らずもおっしゃったので、想定しているということは、想定している三月までにその病院の見直しはしない、リストに挙げた病院について変更しない場合も想定していると、それをおっしゃいましたので、そういう自治権の侵害につながるようなことはやるべきではないということを申し上げておきたいと思います。あり得るということです。結果として、地方が出す結果は、病床を削減しないという結果もあり得るということを押さえておきたいと思います。
 改めて、今回の台風の十九号で被災した宮城県の丸森町国民健康保険丸森病院も、これ今回のリストに挙がっております。驚きました。被災し、入院患者を転送した後に直ちに外来診療を再開しまして、これ地域の医療ニーズにすぐ応えています。丸森町病院は、地域で唯一の入院施設を持つ病院なんですよね。地域住民のよりどころになっている。被災して、今もその役割を大いに果たしている病院であることは間違いないと思います。
 ところが、この病院は診療実績が低い指標九、類似かつ近接六、これらの領域に全部該当するんですよ。何でこういう評価になったというふうに思いますか。

○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 まず最初に、先ほどの御質問にもありましたように、私ども、被災された医療機関に対する支援には全力を尽くしてまいりたいと思います。
 その上で、今回の四百二十四の病院の再検証の対象病院につきましては高度急性期、急性期機能に着目をして、具体的には九領域の急性期領域の診療実績、これは二〇一七年の時点におけるデータを用いてA、Bという形での観点、一定の客観的なデータを用いての分析をし、該当した病院には再検証を要請するという形でリスト化させていただいたものでございます。

○倉林明子君 いや、丸森町の病院が何でそんなんなったかということの分析を聞いたんだけど、ちょっとかみ合いませんでした。
 これ、丸森町病院が改革プランの中でも述べているとおりだと思うんですよね。医師、看護師不足、確保が困難であることがやっぱり最大の要因となって診療実績が上がらないという、こういう病院は丸森町だけじゃないと思うんですよ。多くの過疎地の公立病院がこういう実態に追いやられているというのが実態なんですよ。こういうリストの公表に被災地の病院まで挙がっているということは、被災地に本当に冷や水を浴びせるものだと私は言いたいと思うんですね。
 各都道府県の地域医療構想の調整会議で、なぜ国の思惑どおりに病床削減が進まなかったのかということですよね。住民の要望、運動を反映して存続が決まった病院もあります。そもそも国の削減目標に私は無理があったというふうに受け止めるべきやと思うんですよ。前提となるのは国と地方の信頼関係であります。政府、厚労省はこの信頼関係を一方的に壊しているという自覚を私は本当に持つべきだというふうに思います。
 自治権の侵害にもつながりかねない病院名の公表、これについては、私は、きっちり一旦謝罪して、白紙撤回を求めたい。

○国務大臣(加藤勝信君) 今の委員の御質問の中で、私どもが削減の数を出しているわけではなくて、元々地域医療構想は、先ほど申し上げております都道府県において策定されたものであります。それに対して我々も都道府県の取組を支援をしていく、そういう立場から今回資料を出させていただきました。
 ただ、まだ出した際に、唐突であるとか様々な御批判をいただいた、そのことは真摯に受け止めながら、これが本来どういう位置付けで出されたものなのか、これも一つの参考として、さらに地域における様々な事情を踏まえて御議論いただきたい、そういった趣旨を、これまでも国と地方の協議の場、あるいは先ほど申し上げたブロックごとに御説明をしてまいりました。
 必要であればより細かく御説明をしながら、今まさしく委員がおっしゃっていただいたように、信頼関係の中でこれは進めていかなきゃならないと、そのことをしっかり自覚して取組をさせていただきたいと思います。

○倉林明子君 信頼関係を回復するためにも、私はそういう名指ししたリストの公表というのはやめるべきじゃないかということを申し上げました。被災地、過疎地、公的医療を、住民の医療を支えている重要なインフラをどう守るのかというのは地方だけじゃなくて国の大きな責務でもある。引き続きの議論はやらせていただきたい。
 終わります。