倉林明子

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社会福祉法等改定案参院審議入り 倉林氏が批判 公的責任丸投げ(2020/5/29 本会議)

(会議録は後日更新します)

 「地域共生社会」の実現をうたい、地域福祉の担い手を住民や社会福祉事業者による「互助」に委ねる社会福祉法等改定案が29日の参院本会議で審議入りしました。日本共産党の倉林明子議員が質疑し、社会福祉への公的責任を“丸投げ”するものだと批判しました。

 倉林氏は、「『地域共生社会』において、国と自治体はどのような責任を果たすのか。丸投げなどあってはならない」と指摘。80代の親が50代のひきこもりの子を支える「8050問題」や、介護と育児を同時に抱える「ダブルケア」など政府が挙げる課題に対応するには、「住民の助け合い任せでなく、各制度とそれを担う行政職員を質量ともに充実させ、的確な連携を強化することが不可欠だ」と強調しました。

 加藤勝信厚労相は、自治体や国の責務について、互助の「体制整備」を挙げるだけで、社会福祉そのものへの公的責任には触れませんでした。

 倉林氏は、介護、障害福祉、子ども、生活困窮に係る事業を一本化する「包括的支援体制」について、「交付金まで一括化され、必要な額が確保できなくなるとの懸念の声がある。財政措置、人員配置基準、資格要件を明確にするべきだ」と主張。社会福祉法人の大規模化・効率化を促す「社会福祉連携推進法人」制度をめぐっては、「全体の9割を占める小規模法人の合併・事業譲渡への地ならしだ。小規模法人の存続の危機を招きかねない」と指摘しました。


 日本共産党の倉林明子議員が29日の参院本会議で行った社会福祉法等改定案に対する質問(要旨)は以下の通りです。

 障害福祉・介護、保育などの事業が、崩壊の危機にひんしています。低賃金と厳しい労働環境が放置され、余裕のない現場のうえに、コロナ禍が追い打ちをかけています。

 介護・障害福祉事業所には昨年度実績に見合う収入補てんを早急に行うべきです。高い感染リスクの中、極めて困難な支援を続けるすべての福祉従事者にふさわしい処遇が必要です。「特別手当」の引き上げを求めます。

 コロナ禍のもと、高齢者と家族の生活は激変しています。こんな時に、介護保険では来年8月から低所得の施設利用者の食費・居住費の負担増、医療では75歳以上の高齢者の医療費窓口2割負担はもってのほかです。

 家族や地域社会が変化する中、社会的孤立などの問題が生じ、縦割りの現行制度では対応できないと説明されていますが、縦割りだけが問題でしょうか。社会保障・福祉制度の縮小と公務員削減で必要な制度、支援が届かず、自己責任論や生活保護等へのスティグマ(偏見)が強化され、「助け」を求める声が出せなくなった結果です。

 住民の助け合いに任せるのではなく、各制度とそれを担う職員を量質ともに充実させ、適格な連携を強化することが不可欠です。

 包括的支援体制として、「断らない相談支援」「地域づくり支援」「参加支援」が制度化されます。事業に必要な交付金が確保できなくなるのではないかと懸念の声が出ています。拡充される事業への財政措置、人員配置基準、資格要件も明確に示すべきです。

 新設される社会福祉連携推進法人は、資金融通や人材確保などの「協働化」を可能とするもので、9割をしめる中小法人の合併や事業譲渡への地ならしではありませんか。総会の議決権は定款にゆだねられていますが、大規模法人等が多数を占め、運営を主導することも可能になるのではありませんか。

 介護・障害福祉等の事業所が、規模にかかわりなく、利用者、家族の生存権を保障し得る報酬、財政的保障を確立することこそ、今求められています。

 介護福祉士養成施設卒業者への国家試験義務付けにかかわる経過措置の5年延期は、介護福祉士の専門性、地位向上をめざした制度を形骸化するものです。

 人手不足が介護基盤の維持を脅かすまでになった最大の要因は、著しく低い賃金水準と実情にあわない職員配置、人員基準による厳しい労働環境です。今やるべきはこれらの抜本的な引き上げです。


議事録を読む(未定稿)
(この会議録は未定稿です)

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 私は、日本共産党を代表し、社会福祉法等改正案について質問いたします。
 法案の質疑に入る前に、黒川前東京高検検事長の処分について質問します。
 内閣が余人をもって代え難いとして、法解釈を変更してまで定年延長させた黒川氏が、あろうことか賭博行為である賭けマージャンをしていたこと、さらにその処分は訓告にとどまり、約六千万円もの退職金が支払われることに、国民から抗議の声が上がっております。総理は、任命責任をどう果たすおつもりですか。十年前からの常習性を疑わせる新たな事実が報じられています。再調査の指示を出すべきではありませんか。処分について、訓告との判断がなぜ適正だと考えるのか、国民の疑念に総理自身の言葉で説明すべきです。明確な答弁を求めるものです。
 本法案は十一本の法律を束ねたものであり、高齢者、障害のある人、社会福祉事業などに関わる幅広い内容の制度改定自体、新型コロナ対応で多忙を極め疲弊した現場にとって重い負担になるものです。現場の意見を反映させることも困難であり、成立させるべきではありません。
 障害福祉、介護、保育などの現場は、緊急事態宣言の中でも、働く人たちの強い使命感によって維持されてきました。今、これらの事業が崩壊の危機に瀕しています。ケア労働を軽視する政策の下、低賃金と厳しい労働環境が長年にわたって放置されてきました。ただでさえ余裕のない現場にコロナ禍が追い打ちを掛けています。地域の介護、障害者支援の提供体制を崩壊させない対策が必要です。総理の認識を伺います。
 介護・障害福祉サービスの事業所に対し、きょうされんが今月行った調査によれば、居宅介護で八割、短期入所で九割近い減収率となっています。介護事業所からは、六月には資金ショートする、コロナが収まっても事業を再開できないという声が上がっているのです。総理、介護・障害福祉事業所には、昨年度の実績に見合う収入補填を早急に行うべきです。
 高い感染リスクにもかかわらず、マスクも消毒液も不足する中で不安と葛藤を抱え、極めて困難な支援を続ける全ての福祉従事者に対し、ふさわしい処遇が必要です。二次補正では不十分であり、特別手当等の更なる引上げを求めます。総理の答弁を求めます。
 新型コロナ感染症が拡大する中で、高齢者と家族の生活は激変しています。こんなときに、介護保険では来年八月から低所得の施設利用者の食費、居住費の負担増と高額介護サービス費の引上げが検討されています。医療では七十五歳以上の医療費窓口二割負担などもってのほかです。負担増は撤回することを強く求めるものです。総理の答弁を求めます。
 法案に関し、以下、厚労大臣に質問いたします。
 本法案は、地域共生社会の実現を目指し、包括支援体制を構築するとしています。社会福祉法は前回の改正で、地域で支援を必要とする人たちの把握と支援を社会福祉事業者と住民に求めました。それでは、政府が目指す地域共生社会において国、地方自治体はどのような責任を果たすのですか。丸ごと丸投げなどあってはなりません。
 家族や地域社会が変化する中で、八〇五〇問題やダブルケア、社会的孤立などの問題が生じ、縦割りの現行制度では対応できないと説明されています。果たして行政の縦割りだけに問題があったのでしょうか。そもそも、政府が社会保障、福祉制度を縮小し、公務員を減らし続ける中で、必要な制度、支援が届かないこと、自己責任論や生活保護等へのスティグマが強化され、助けを求める声が出せなくなった結果ではありませんか。厚労大臣の認識をお聞かせください。
 住民の助け合いに任せるのではなく、各制度とそれを担う職員を量、質共に充実させ、的確な連携を強化することが不可欠です。住民の主体的な活動の前提となるものです。答弁を求めます。
 包括的支援体制として、断らない相談支援、地域づくり支援、参加支援、制度化されることとなります。これまでの介護、障害福祉、子供、生活困窮者に係る事業を一体化することになるため、交付金まで一括化され、結果として事業に必要な交付金が確保できなくなるのではないかと関係者から懸念の声が出ています。重層的な支援が可能となる財政措置は欠かせません。新たに拡充される事業への財政措置、人員配置基準、資格要件についても明確に示すべきです。
 非正規、低賃金の担い手を拡大し、社会福祉事業者も含めた地域の互助頼みでは問題解決にはつながりません。実効ある支援を担保するためには、高い専門性を持ったソーシャルワーカーが質、量共に確保されることが必要です。ふさわしい人員基準とそれを担保する十分な財政措置を求めるものです。
 本法案で新設される社会福祉連携推進法人は、昨年閣議決定された成長戦略フォローアップで示された生産性向上を目的とした社会福祉法人の大規模化を進めるものとなっています。社会福祉連携法人は、資金融通や人材確保などの協働化を可能とするもので、九割を占める中小法人の合併や事業譲渡への地ならしではありませんか。
 多くの小規模法人は、地域に密着した支援を行い、ニーズに沿った多様な選択肢を提供しています。その果たしている役割をどのように考えているのですか。大規模法人化の推進は、スケールメリットは達成できても、小規模法人の存続の危機を招きかねません。本来、社会福祉法人の連携や協働は、それぞれの社会福祉法人等が主体的に判断すべきものと考えますが、いかがですか。
 また、連携法人を通じた資金の貸付けを可能としていますが、これは、経営難に陥った際には法人間の助け合いによる救済に委ねるということでしょうか。
 連携法人は、医療法人、株式会社等営利法人なども社員となることができますが、総会の議決権は定款に委ねられております。地域における影響力、規模などにより、行使できる議決権の数に差を付けることもできるのですか。大規模法人等が多数を占め、連携法人の運営を主導することも可能になるのではありませんか。コロナ禍の下で、介護・障害福祉等の事業所が、規模に関わりなく、利用者、家族の生存権を保障し得る報酬、財政的保障を確立することこそ、今求められています。
 介護福祉士養成施設の卒業者への国家試験義務付けに係る経過措置の延長については、社会保障審議会福祉部会でも反対意見が多く、両論併記となりました。一六年の社会福祉法改正の際の附帯決議でも、国家試験義務付けを着実に進めると決議されています。にもかかわらず、なぜ更に五年間延期なのですか。今回の延期により、二〇三一年まで、国家試験にかかわらず介護福祉士の資格を得る経過措置が続きます。介護福祉士の専門性、地位向上を目指した制度を形骸するものだと厳しく指摘するものです。
 介護現場では、人材倒産が言われるまでに人手不足は深刻です。介護基盤の維持を脅かすまでになった最大の要因は、著しく低い賃金水準と実情に合わない職員配置、人員基準による厳しい労働環境にほかなりません。今直ちにやるべきはこれらの抜本的な引上げであると申し上げまして、質問といたします。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 倉林明子議員にお答えをいたします。
 黒川前東京高検検事長の処分等についてお尋ねがありました。
 黒川氏の処分については、法務省において必要な調査を行い、法務省及び検事総長において事案の内容等諸般の事情を総合的に考慮して訓告が相当であると判断し、適切に処分したものと承知しています。黒川氏の処分を決するに当たり、法務省においては事実関係について必要な調査を行ったものと承知しており、再調査は必要ないと考えています。
 他方で、黒川氏を検事長に任命したこと等については、法務省、検察庁の人事案を最終的に内閣として認めたものであり、その責任については私にあり、御批判は真摯に受け止めたいと考えております。
 その上で、今まさに我々には、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するとともに、国民の健康と命、雇用と暮らしを守り抜いていく大きな責任があると認識しております。行政府の長として、一層身を引き締めて行政運営に当たることにより、この責任を果たしてまいる所存です。
 介護・障害福祉事業所に対する支援についてお尋ねがありました。
 このような大変厳しい状況の中にあっても、現場では多くの職員の皆さんが介護や障害福祉サービスを必要とされる方のために業務を続けてくださっており、国として必要な支援をしっかりと行っていく所存です。
 このため、これまでも介護報酬等の特例的な弾力化措置を講じるとともに、第一次補正予算などにより、マスク等の物資の支援や、感染者が発生した施設等の職員確保に必要な費用の助成等を実施しています。
 さらに、第二次補正予算案においては、対象を介護・障害福祉の全事業所に拡大し、全額国庫負担とした上で、感染症対策の実施のために必要な掛かり増し費用の助成や、職員に対する最大二十万円の慰労金の支給等を実施するとともに、今般の新型コロナウイルス感染症の影響が特に大きいデイサービス事業者等に対して更なる介護報酬の特例措置を実施することとしております。
 今後とも、感染症対策のために大変厳しい状況にある介護や障害福祉現場をしっかりと支えてまいります。
 医療や介護の負担の見直しについてお尋ねがありました。
 介護保険料の伸びを抑制しつつ、高齢者の生活に必要な介護サービスを確保するためには、効率的な制度とするための不断の取組が不可欠です。
 御指摘の介護施設における食費や居住費への助成については、引き続き厚生労働省において丁寧に検討を進め、本年末までに結論を得ることとしています。
 また、後期高齢者の医療費自己負担については、現役世代の負担上昇に歯止めを掛けることは引き続き重要な課題であり、昨年の全世代型社会保障検討会議の中間報告において、七十五歳以上の高齢者であっても一定所得以上の方については新たに医療の窓口負担割合を二割とすることとしたところです。
 引き続き、高齢者の疾病、生活状況等の実態を踏まえて、本年末の最終報告に向けて全世代型社会保障検討会議等において丁寧に検討を行ってまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕

○国務大臣(加藤勝信君) 倉林明子議員より六問の質問をいただきました。
 地域共生社会の実現に向けた国、地方自治体の責任等についてお尋ねがありました。
 少子高齢化や人口減少が進むとともに、単身世帯の増加など家族の在り方や地域社会が変化する中で、八〇五〇問題やダブルケアといったように個人や世帯の抱える課題が複雑化、複合化していると認識をしています。こうした状況に対応すべく、厚生労働省としては、生活困窮者自立支援制度を創設するなど、セーフティーネットの強化を進めてまいりました。
 さらに、平成二十九年の社会福祉法改正において、市町村に対し、地域生活課題の解決を図るための包括的な支援体制を構築するよう、努力義務を規定をいたしました。
 今回の法案では、これを更に進めるため、社会福祉法において地域共生社会の実現を目指す旨の規定を追加するとともに、国及び地方自治体の責務として、課題の解決に資する支援が包括的に提供される体制の整備を進める。体制の整備に際しては、保健医療、労働、教育、住まい及び地域再生に関する他分野の施策との連携に配慮する旨を規定をしております。
 加えて、国及び都道府県の責務として、市町村において新たな事業の実施など包括的な体制の整備が適正かつ円滑に行われるよう、必要な支援を行う旨を規定をしております。こうした責務を果たしていくことで、地域共生社会の実現を図ってまいりたいと考えております。
 各制度を担う人員の充実や連携の強化等についてお尋ねがありました。
 地域住民の複合的な支援ニーズに対応していくためには、専門職による本人に寄り添った支援と、地域づくりを通じて生まれる地域住民同士の支え合いや見守りの双方を充実させていくことが必要であると認識をしております。
 今回の新たな事業で実施するアウトリーチ支援や、各相談支援機関との連携体制を構築する多機関協働の事業など、複合的な支援ニーズを抱える方に対する相談支援では、ソーシャルワーカーを始めとした福祉の専門職の役割は重要であると考えております。
 国としても、支援に必要な人員の確保と研修等を通じた資質の向上を図るため、必要な予算の確保に努めてまいります。
 新たな事業の財政措置等に関してお尋ねがありました。
 新たな事業を実施するための財政措置、人員配置基準、資格要件については、介護、障害、子供、生活困窮の各法の事業実施義務に基づき、人員配置基準、配置人員の資格要件などを維持しながら必要な支援を提供するとともに、国、都道府県、市町村の費用負担は各法に規定する負担割合と同様として必要な予算を確保すること。参加支援、アウトリーチ支援、多機関協働といった既存の事業を支え、体制構築の強化に資する等新たな機能についても、それぞれの機能に応じて求められる人員配置や職員の要件などを整理しつつ、適正な人員を確保できるように必要な予算を令和三年度以降要求していくこととしています。
 具体的な財源規模については予算編成過程において調整していくこととなりますが、全ての住民を対象とした包括的な支援体制を構築し、複雑化、複合化した支援ニーズに対応できるよう、市町村における事業実施に必要な財源及び人員の確保に努めてまいります。
 社会福祉連携推進法人制度創設の狙いや小規模な社会福祉法人が果たしている役割、連携や協働、合併等における法人の判断についてお尋ねがありました。
 社会福祉連携推進法人制度は、福祉分野での専門性を有する社会福祉法人などが社会福祉事業の主たる担い手としてふさわしい事業を確実、効果的かつ適正に行うため、それぞれの強みを生かしながら連携、協働するとともに、経営基盤の強化を図ることができるよう新たな連携方策として創設するものであり、合併、事業譲渡を前提としたものではありません。
 本制度の活用も含め、連携、協働、合併等を行うか否かは、あくまでも個々の社会福祉法人の自主的な判断が前提となるものであります。
 また、社会福祉法人は、規模の大小にかかわらず、社会福祉事業の主たる担い手として地域住民の多様なニーズに対応していただいているものと考えております。
 厚生労働省としては、社会福祉法人を始め社会福祉事業を運営する法人が、その規模にかかわらず安定的なサービス提供が維持されるよう、必要な施策を進めてまいります。
 社会福祉連携推進法人制度における貸付業務と議決権についてお尋ねがありました。
 社会福祉連携推進法人が行う貸付業務は、社会福祉法人の経営基盤の強化を図り得るようにしていくため、社員である社会福祉法人に対し、社会福祉事業に必要な資金を支援するために認めるものであります。
 仮に、個々の社会福祉法人の経営が悪化した場合、自主的な再建や金融機関からの融資など様々な対応があり得ますが、あくまでも当該社会福祉法人の自主的な判断によって対応を決めることになると考えております。
 また、社会福祉連携推進法人の社員総会において、議決権については、有識者による検討会の報告書では、一社員一議決権を原則とすること、不当に差別的な取扱いをしないなどの一定の要件の下に定款で別段の定めを可能とすること、議決権の過半数を社会福祉法人とすることが適当であるとされており、これを踏まえて、議決権の内容については厚生労働省令で定めることとしております。
 介護福祉士国家試験の経過措置についてお尋ねがありました。
 介護福祉士の養成施設卒業者に国家試験合格を義務付けることで資質を向上させるという、平成二十八年の法律改正当時の基本方針は堅持をしております。
 経過措置については、平成二十八年当時と比較して介護現場の人手不足が深刻化している等の状況の下、審議会などにおける議論で、有識者、関係者の皆様から様々な意見がありました。
 具体的には、質の高い介護を提供するためには全員が国家試験を受けるべきであり、経過措置を延長しないでほしいといった介護福祉士を目指す方々などからの切実な意見があった一方で、経過措置を延長しなければ介護サービスの提供に支障が生じかねないという意見もあったところであります。こうした様々な意見も踏まえ、最終的には経過措置を五年間に限り延長することを法案に盛り込みました。
 一方で、この経過措置はあくまで暫定的なものであり、この間に養成施設の教育の質を上げ、国家試験合格率を高めていくことが必要であり、このため、養成施設ごとの国家試験合格率などを公表する仕組みを新たに実施するほか、養成施設の教育の質の向上に係る取組、例えば留学生向けの介護福祉士試験対策教材の作成などについて必要な経費への財政的支援を行い、経過措置終了に向けた環境をつくっていきたいと考えております。
 また、国家試験義務付けのみならず、介護福祉士の方々が資格を取得した後も現場で活躍し、チームリーダーとしてその力を発揮していただくことが必要であります。
 今年度においては、介護福祉士の果たすべき役割をより明確にし、資格の価値を高めていく観点から、キャリアモデルの検討を行うこととしており、介護福祉士が更に魅力のある資格となり、これを目指す人も増えていくような、こうした循環をつくっていくべき努力をしてまいります。
 以上です。(拍手)