倉林明子

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緊急事態宣言延長 議運委で質疑 感染状況把握早急に 参院 倉林氏、検査拡充を要求(2020/5/4 議院運営委員会)

 倉林議員は、「急がれるのは感染状況の正確な把握だ」と強調し、PCR検査拡充と抗体検査実施を求めました。

 倉林氏は、政府専門家会議の提言(1日)は「新規感染者数は減少傾向」とする一方で、同会議メンバーの西浦博・北海道大学教授が「現在確認されている感染者数は氷山の一角。実際は10倍以上かも」と説明していることを紹介。神戸市立病院の調査では感染後にできる抗体が検出された人が3・3%だったとして、「神戸市全体にあてはめると4万人超の感染者数だ。見えない感染者が増え続けていることが、高齢者施設や医療機関での感染拡大を広げているとみるべきだ」と指摘し、具体的に検査体制強化の見通しを示すように求めました。

 西村担当相は、PCR検査「1日2万件」の目標達成に向け「加速していきたい」と述べるだけで、具体的な達成時期は示しませんでした。

 倉林氏は、検査体制確立と医療機関への財政支援の抜本的強化を要求。「感染状況の把握なくして、適切な感染防止対策はとれない」と強調しました。


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○倉林明子君 日本共産党の倉林です。
 緊急事態宣言延長、そして一部緩和する根拠について質問したいと思います。
 これ、判断の根拠とすべきものは何かと。先ほど来、具体的な数値のことが議論になっておりました。私、やっぱり基本は、感染状況をいかに正確に把握するかと、これを抜きにあり得ないと思うんですね。
 そこで、専門家会議の提言では、新規感染者数は減少傾向だとしております。これ明らかだと言っております。ところが一方、専門家会議のメンバーでもあります西浦教授、四月二十五日の記者会見で、現在確認されている感染者数は氷山の一角、実際は十倍以上かもしれないと、こういう説明ですね。
 そこで、確認したい。感染者数は本当に減っているんでしょうか。検査できる上限を超えた感染者、ここは増えていないと言えるんでしょうか。

○国務大臣(西村康稔君) PCRの検査の数も、以前の三千件、四千件から八千件、九千件に、数としては増えてきているところでございます。能力も一万六千件程度まで来ているんじゃないかと思いますけれども、そうした中で、新規感染者の数も、いわゆるオーバーシュートの兆しがある中で緊急事態宣言をやって、そしてその後、国民の皆様の御努力で減少傾向にあると。これ、専門家の皆さんがもう全員一致で間違いないというふうに判断をしていただいているところでございます。

○倉林明子君 ここでも具体的な数字というのが見えてこないというところが一層国民を不安に追い込んでいると思うんですよ。
 確かに、このPCR検査全体は微増傾向にあります。しかし、極めて限定的な検査数になっているというのも事実であります。入院患者が今退院時に行う、これ陰性確認のための検査も増えているんですね。こうなると、陽性率というのは下がってくるという可能性も出てくるんですよね。ところが一方で、一日当たりの死亡者数、これどういう推移しているかというと、決して減っているとは言えない、まして増加傾向にあると言えるんじゃないでしょうか。
 これ、二日の報道によりますと、神戸市立病院の調査によれば、外来患者千人に対して三十三人から抗体陽性の反応が出たということです。神戸市全体に当てはめますとこれ四万人を超える患者数になるわけで、PCR検査陽性患者の数百倍になるんです。大きな衝撃を与えました、見えない患者、感染者が増え続けていると。これが、高齢者施設、医療機関、この感染拡大を広げているということをしっかり見るべきだと思うわけです。
 急がれるのは、感染状況の正確な把握であります。総理が表明した一日二万件の検査件数、これいつまでに達成するのか。直ちに達成するべきだ。そして、抗体検査、これは既に感染した集団の広がり、これを推計できるものとなります。抗体検査も直ちに実施すべきだ。具体的にいつから、いつまでにやっていくのか、御説明ください。

○国務大臣(西村康稔君) まず、先ほど申し上げたPCRの陽性者数、一月十五日から五月一日まで十五万件検査をしたと。これいわゆる退院時の確認検査などは含まれておりませんので、きちんとそれを除外して考えているということを申し上げます。
 それから、死亡者の数は、当然入院期間が二、三週間掛かりますので、後からその数字は上がってくるということで、感染者の数よりももう少し遅れて出てきますので、今は下がり始め、感染者の数は下がり始めていますけど、死亡者の、亡くなる方は、申し訳ない、残念なんですけれども、ちょっと増えているということであります。その上で、それでも世界に比べて十万人当たりの死亡率は日本は非常に低いということで、これはしっかりと必要な方には検査をしてきたあかしではないかというふうに思います。
 その上で、二万件まで伸ばしていくということでございます。まさに、今全国で一万六千件以上の検査能力を確保する中で、今般、包括支援交付金で一千四百九十億円、それからPCR検査のための着実な実施ということで四十九億円を補正予算でもさせていただいております。この二万件の目標に向けて加速をしていきたいというふうに思っております。
 医師会が、地域外来・検査センター、あるいはドライブスルー方式、ウオークスルー方式など、様々工夫をされながら、地域の協議会で協議をされながら進められておりますので、そうしたことをしっかりと後押ししていきたいというふうに考えております。

○倉林明子君 ここでも、いつまでするんですかということに答えがないんですよ。そこが本当にあかんと思いますわ。本当に、どこまで、いつまでやっていって感染実態明らかにしていくのかということを本当に本格的にやらないと駄目だと思います。
 検査体制、医療機関の損失補填のために、私は、桁違いのこの上積み補正が求められているということを強く申し上げたい。
 そして、四月三十日に成立した補正予算、ここでは、特別定額給付金、持続化給付金、手元に届くのはこれからですよ。京都なんか特別定額給付金は六月に申請始まるというふうな報告もありまして、これ一体手元いつになるんだということが、非常に懸念広がっております。
 そしてさらに、これは一回こっきりだということですよね。延長した雇用調整金の助成額の引上げについても、これ、上限額の引上げ、総理指示したということですけれども、これ延長するんだったら直ちに二次補正、これに取り組むべきだと思います。決断を求めたい。

○国務大臣(西村康稔君) 済みません、先ほど抗体のことを答弁しなかったので、一言だけ。
 WHOの様々な見解もございますけれども、厚労省において、この補正予算において抗体検査による疫学調査を進めるということになっておりますので、今具体的な調整を行っております。関係者の協力を得ながら早期に取り組んでいくということで聞いております。
 そして、特別の定額給付金、それから持続化給付金、特に持続化給付金はもう申請も始まっておりますので、連休明けには支給が始まるというふうに聞いております。できる限り早く迅速に手元に必要な方にお届けするように対応していきたいと思いますし、一・五兆円の予備費もございます。また、その状況を見ながら、長引けば当然影響も大きくなりますので、臨機応変に果敢に対応していきたいというふうに考えております。

○倉林明子君 正当な補償なくして自粛はできないんですね。そして、感染状況の把握なくして適切な感染防止対策は取れないと強く申し上げて、終わります。