倉林明子

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コロナ対策 医療体制 整備を 倉林氏、国の全額負担要求 / 所得補償引き上げを(2020/3/16 予算委員会)

(資料があります)
(議事録は後日更新いたします)

 日本共産党の倉林明子副委員長は16日の参院予算委員会で、新型コロナウイルス感染症対策での医療機関・介護施設向けマスクの確保や医療体制整備に関する国の対応をただし、抜本的に強化するように求めました。

 倉林氏は、多くの医療機関・介護施設ではマスクや消毒液が在庫切れ寸前で「感染しないか、感染させないか」と不安を抱えながら働いている実態を紹介。国が医療機関向けに1500万枚、介護施設などに2000万枚のマスクを確保するとしていることについて「1医療機関あたりでならしてみれば1カ所83枚で全然足りない。医療機関や介護・福祉施設などの必要数を明らかにし、政府が一括購入して配布すべきだ」と提起しました。

 加藤勝信厚生労働相は「必要なところに必要なマスクが届くように努力したい」と答えました。

 倉林氏は、感染症対応の病床確保だけでなく、機能させるためには人工呼吸器や個室、医師・看護師の体制が必要だと強調し、国が全額費用負担するよう求めました。

 安倍晋三首相は14日の会見で、コロナ感染症対策で「1万2千床の空き病床を確保」と述べています。倉林氏は空き病床について、多くの公立・公的病院は「医師や看護師が確保できないからこそ空床になっている」と指摘。政府が空床をあてにしながら、一方で公立・公的病院の再編統合を求めていることは矛盾していると批判し、「コロナ感染状況を踏まえて再編統合計画はいったん廃止し、感染症対策を含めた病床計画に見直すべきだ」と主張しました。


 日本共産党の倉林明子副委員長は16日の参院予算委員会で、政府の新型コロナウイルス感染症対策として出した一律休校の要請により休業せざるを得ない保護者に対し、所得補償の抜本的な引き上げを求めました。

 政府が創設した「小学校休業等対応助成金」は、年次有給休暇とは別に、休校により仕事を休む保護者に特別休暇(賃金全額支給)を取得させた事業主に対する助成金制度です。しかし、日本郵政グループが特別休暇ではなく年次有給休暇を優先してとるよう指示するなど、助成制度が使えないという声が多く寄せられています。

 倉林氏は、「この指示は制度の趣旨に反するのではないか」と迫りました。安倍晋三首相は、使用者が労働者に有休を一方的に取得させることは許されないとし、希望する保護者には有給の特別休暇が利用できるよう指導していると答弁。倉林氏は文章で撤回させるよう求めました。

 倉林氏は助成金制度が春休みや日曜日は対象外であると指摘し、「年度末で年休が残っていない人が少なくない。この制度を促進するという観点からも春休み期間も対象にするべきだ」と強調しました。給付の上限は日額8330円で、それを超えた分は企業が持ち出すことになっています。倉林氏は「企業は負担を嫌って日本郵政でさえこんな指示を出す。個人が申請すれば給付を受けられるようにすべきだ」と迫り、「上限設定等がこの制度利用にブレーキをかけている。再検討を求めたい」と給付上限額の引き上げを訴えました。


[資料1]20200316 予算委員会_新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金(詳細版)表面


[資料2]20200316 予算委員会_新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金(詳細版)裏面


議事録を読む(未定稿)
(この会議録は未定稿です)

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 これまでの議論でも、全国一斉休校の出口がなかなか見えないという状況、明らかになってきたかなと思います。
 そこで、休業をせざるを得ない保護者に対する所得補償について質問したいと思います。
 これ、フリーランスの休業補償、日額四千百円、踏み込んでこういう案、こういう額、示されました。しかし、これ、中身を見てみますと、東京の最賃のおよそ、あっ、最賃の四時間分にすぎないわけですよね。総理は本会議の答弁で、働き方や報酬が多種多様な中、迅速に支援を行う必要があることや、非正規雇用の方との給付のバランスを考慮したと説明されました。
 到底納得できません。考慮すべきは、暮らし、暮らせる休業補償になっているかどうかだと思うんですね。大幅な引上げが必要だと思います。いかがですか。

○国務大臣(加藤勝信君) これまでも総理からお話がありましたように、まさに個人で業務委託契約等で仕事をされている方、多岐、働き方や報酬が多種多様だということで、正直言って、これがあるがためになかなか踏み込めなかった。実際支払われている予定だった金額の把握もなかなか難しいという中で、迅速に支援をする必要、そして雇用保険における失業給付金の日額上限とのバランス、また、先ほどありましたが、雇用保険の対象とならない方への給付のバランス、さらには、雇用されている方についても、勤務実績により支払水準は様々であることのバランスということを考えて、雇用者の上限額の半額程度、先ほど申し上げた考え方にのっとって、しかも定額で全てのそうした対象の方には全てお支払いするということにしたところであります。

○倉林明子君 いや、この定額が少な過ぎるというのが問題なんですよね。
 これ、給付を受けられるフリーランスというのは、業務委託型など限定されているということも問題です。これ、休まざるを得なかった全ての保護者、給付対象と私はすべきだというふうに思います。
 次に、この新たな助成制度についても改めてお聞きしたいと思います。(資料提示)
 休校に伴う新しい助成制度がこれ使えないという声が本当に多く寄せられております。一般論として、厚労大臣に、あっ、総理に確認したいと思いますけれども、特別休暇の適用は年次有給休暇がない場合に限るので、年次有給休暇に優先し特別休暇を適用するなどの濫用は行わないように注意すること、こんな指示を出した場合、この指示は制度の趣旨に明らかに反すると思いますけれども、いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 年次有給休暇は原則として労働者の請求する時季に与えなければならないものとされており、使用者が一方的に取得させることは許されないとされているところであります。ということでございます。
 これ、日本郵政について念頭に置かれて質問しておられると思うわけでございますが、今般の臨時休校要請を受けた対応として、現在、年次有給休暇と無給の特別休暇のいずれかを選択可能とする対応を行っているところでありますが、政府の方針を踏まえ、希望する保護者の皆さんには有給の特別休暇が利用できるよう制度を改めるというふうに聞いているところでございます。

○倉林明子君 そのとおり、日本郵政グループです。日本郵政グループが文書で、三月四日、指示出しているんですね。先ほど来答弁もありましたように、改善する方向を出しているということですけれども、まだ現場には届いておりません。しっかり文書で撤回させるように求めておきたいと思います。
 次なんですけれども、この制度の詳細見て、ちょっとがっくりきたんですね。注目していただきたいのは赤線のところなんです。これ、春休み、日曜日など元々休みの日は対象外となっているんですね。
 つまり、これ、通常の春休みとは異なるんですね、今回の春休みは。これ、一斉休校の延長線上にあって、そして年度末ということでもありますから、年休が残っていないという人が少なくないんですね。私、せめてこの制度の活用を促進するという観点からも春休み期間は対象にすべきだと思う。どうでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 今回は、子供の世話をする働く方が希望に応じて有給の休暇を取得できるようという中で、小中学校の臨時休業を言わば政府の方から要請をした。こういった背景で、まさに期間は、臨時休業に伴う休暇取得ということでありますから、通常の春休み期間を含め元々学校等が休みになることが予定されている期間、これは臨時休業の期間に含まれないことから、今お示しをされているように、この間に取得した休暇は支給対象とならないということになっております。
 ただ、この期間において、新型コロナウイルスに感染した又は風邪症状など新型コロナウイルスに感染したおそれのある子供の世話を行う場合、これは支給対象にはなるところであります。

○倉林明子君 いやいや、本当に使えるようにしてほしいから言っているんですよ。
 日額八千三百三十円というのは東京の最賃程度なんです。この額超えたら企業の持ち出しになる。企業は負担を嫌って、日本郵政でさえこんな指示出していたということも明らかになったんですね。企業が使わないとしても、私は救済されるべきだと思う。個人が直接申請すれば給付受けられるようにすべきだと思う。
 これ、上限額もすごくハードルになっているわけです。思い切って引上げを求めたい。どうですか。

○国務大臣(加藤勝信君) まず一つは、助成金の趣旨でありますけれども、政府の要請を受けて行われた小学校の臨時休業等に伴って子供の世話をされる働く方が休暇を取得した場合に、その働く方の所得が減少しないように休暇を有給として提供する事業主に対する支援ということでありますから、基本的に、間接的には働く方につながるわけであります、雇用が守られるということでありますけれども、したがって、提供者は直接は事業主になるということであります。
 また、日額上限のお話がありましたが、これも、雇用保険の失業給付の支給額との均衡を図るという観点から、雇用保険の基本手当日額八千三百三十円、これを言わば上限として設定したところであります。

○倉林明子君 そういう上限設定等がこの制度利用にブレーキ掛かっているということを指摘していますので、しっかり受け止めて再検討を求めたい。思い切った休業補償にやっぱり踏み切っていくという段階になっているということも強く指摘をしたいと思います。
 次に、医療機関や介護施設等でマスク、消毒液足りない、この声、深刻です。今日も紹介ありました。
 多くのところが、伺っている話でいうと、在庫切れ寸前なんですね。一日一枚の利用制限が一週間に一枚になったと、こういう事態が起こっています。これでいいのかと、自分が感染しないか、感染させないか、不安抱えながら勤務しているんですね、医療従事者。マスクや消毒液の確保をするというのは、もう医療・介護従事者を感染から守るという必要最小限のものですね。
 そこで、政府が買い取るとした医療機関向けのマスク一千五百万枚、介護施設等の二千万枚、これ、それぞれがいつまでに各現場にどれだけの枚数が届くのか、ここ一番今、現場知りたがっています。説明ください。

○国務大臣(加藤勝信君) まず一つは、各府省の保有するマスク、これ約二百五十万枚、これは都道府県を介して医療機関にお届けすることであります、お届けすることにしておりますが、都道府県には本日到着する見込みであります。十八日、明後日ですね、明後日までには医療機関に届けていただきたい、これは都道府県にお願いをしております。
 それから、千五百万枚のお話がありました。これは輸入と国内とそれぞれ確保しなきゃなりませんので、なかなかその調整に今苦慮はしておりますが、来週から順次、都道府県を通じて医療機関まで提供していきたい。ちょっと時間は少し、いろいろ幅があると思います。
 それから最後、二千万枚の布マスク、これについては、今月末から四月にかけて介護現場等に届けていきたいと考えています。

○倉林明子君 病院、診療所だけを合わせてみても、全国で十八万か所ですよね。これ、一事業所当たり、一医療機関当たりでならしてみると、一か所八十三枚、一千五百万枚確保してもなんですよ、全然足らぬのです。一千五百万枚で終わるわけにもいかぬのですよ。
 だから、焼け石に水という状況で、これはマスクを継続使用せざるを得ないということで、何が起こっているか。先ほど紹介もあったけど、逆に感染リスク高まるんですよね、長期間使うことで。それは、自分の感染リスクを高めると同時に、相手にも感染リスク高める、だから使わないという判断している医者だって出ているんですよ。これは極めて感染リスクを医療現場で広げることにつながるんです。つまり、要は、診察していた医師が感染源となる集団感染、これもう発生していますよね。私はこれが広がったらえらいことになると思っているわけです。手術の中止、休診検討しているところもあるし、踏み込んでいるところもあるということです。
 医療機関、介護、福祉施設などの必要数、これ明らかにして、私は政府が一括購入してしっかり配付する、必要だと思う。どうでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) それ以外にも、先ほど申し上げた以外にも、優先供給メカニズムということで、メーカー、卸からやらせていただく。全体として見ると、医療用マスクも需要に比べて供給がまだ十分には至っていない中で、より必要とするところ、医療機関の中には一定程度在庫を持っているところもないことはないです。他方で、もうぎりぎりのところで、いやむしろぎりぎりを超えているところもあるということも承知をしておりますから、むしろそういうところに手厚く今回のものを配らせていただくということで、まず一千五百万枚確保させていただいて、まずこの供給を行っていく。
 別にこれでおしまいということじゃありません。今後、様子を見ながら、必要に応じ、しっかりと必要なところに必要なマスクが届くように努力をしていきたいと思います。

○倉林明子君 もう直ちに必要なところは、本当に感染のリスクにおびえながらやっていると。一刻も早く一括購入で対応を強く求めたい。
 それで、最低限の感染対策もままならない中で、厚労省が全国の自治体に求めたのは、感染ピーク時に備えた医療提供体制の整備ということです、先ほど紹介もありました。この推計によりますと、最大限必要となる外来患者数、入院病床数、重症者数、全国、全部合わせればなんぼになるのか、御説明ください。数だけで結構です。

○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 三月六日に各都道府県等宛てに発出した事務連絡では、各都道府県において、国内で新型コロナウイルス感染症患者数が大幅に増えたときに備えていただくためのピーク時の外来受診患者数、入院治療が必要な患者数、重症者数を計算して、医療需要の目安として活用していただき、地域の実情に応じて医療提供体制を整備していただくように要請を行ったところでございます。
 そういう趣旨でございますので、各都道府県等によって新型コロナウイルス感染症の患者数のピークが迎える時期が異なる等の状況がございますので、単純に各自治体が算出するピーク時の患者数を足し合わせた数を全国におけるピーク時の患者数とすることは不適切であるというふうに考えておりまして、通知にもその旨記載させていただいているところでございます。

○倉林明子君 それはそれぞれのピーク時が重なるということはあり得ないでしょうけれども、重ならないという担保もないんですよね。
 一体どの程度の、最大限のピーク時の外来の患者数や入院病床数や重症患者数はどれだけになるのか、その数については全体数の把握って必要だと思うんですよ。それ、もう一度説明できませんか。把握していませんか。

○政府参考人(宮嵜雅則君) 繰り返しになりますが、先ほども申し上げましたように、各自治体のピーク時が異なるということ、それからピークの重なり方がどういうふうになるかということも、それはさすがに難しい話でございますので、単純に足し上げる数値をもって考えるというような形は適切ではないということは通知でも示させていただいておりまして、各自治体において、まず計算していただいて、どういう医療提供体制、役割分担をしていくかとか、どういうふうに供給体制を確保していくかということに御検討をまずいただきたいということで示させていただいたものでございます。

○倉林明子君 いや、全体の医療提供体制にやっぱり国は責任を持つと、大きな任務があると思うんですね。
 東京でこれ試算した数として報道ありましたのは、外来で一日四万五千人、入院で二万人、重症は六百九十人だというんですね。これ、相当な規模になります、全国で足し上げていけば。そこで、感染症指定医療機関、国立病院機構などの公的医療機関等をこれ最大限活用しても五千床だという説明で来ました。
 ところが、総理は十四日、土曜日の記者会見で、一万二千床の空き病床を確保したと説明されました。これはどういう根拠ですか。

○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 全国にございます感染症の指定医療機関が今全部で二千床ほどございますが、その医療機関の感染症指定病床で空いているところが一千床ということでございます。それに加えまして、これまでは、十六の府県で感染症指定医療機関の指定病床以外の一般病床がどのくらい空いているのかというのを御回答をいただいたところが、十六の府県で四千だったところでございますが、今現在、三月十日の時点で数値を拾い直しまして、三十八の府県で一万一千床余りということでございますので、合計して一万二千床を超える病床を確保できるのではないかということでお示しさせていただいている数字でございます。

○倉林明子君 今ある空床を積算した結果だということだと理解いたしました。
 これ、本当に機能させようと思ったら、人工呼吸器、感染症対策を取った個室の対応等が必要になります。個室で確保できているのか。
 呼吸器の見通しは三千個という見通し、確保できているんだと総理説明ありましたけれども、これは、どこにどういう形で確保されていて、直ちに供給できることになっているんでしょうか。いかがですか。

○政府参考人(宮嵜雅則君) 人工呼吸器につきましては、重症者の治療に必要になるということで、現時点でオールジャパンで三千個確保しているということをお示ししておりますが、さらに、三月十日に取りまとめました緊急対策の第二弾で、病床を確保するための支援策とか人工呼吸器等の設備導入に係る補助等の支援策を盛り込みまして、最大限そういうものを活用して、医療提供体制の整備を国としても支援していきたいと考えておりますし、地方自治体でも整備していただきたいというふうに考えているところでございます。

○倉林明子君 じゃ、今の答弁でいいますと、人工呼吸器はオールジャパンで確保しているということは、それぞれのところにある分を足し上げて三千個あるということで理解いいのか、これ確認します。
 そして、新たに追加的に確保する場合は、人工呼吸器の購入補助ということで第二弾を打ち出されました。これ、二分の一の補助にとどまっております。半分はどこが負担することになるのか。そして、医師、看護師の体制がなかったら空床は使えません。これ、どうするおつもりでしょうか。

○政府参考人(宮嵜雅則君) 済みません。
 人工呼吸器の方でございますが、今現在、全ての都道府県、医療機関から報告があったわけではございませんが、感染症指定医療機関につきましては、オールジャパンで六千五百ほどあるところでございますけれども、そのうち三千が今使用していないというお答えを三月十日のときにいただいたので、三千というようなことを申し上げさせていただきました。
 それも含めて、人員につきましても、病床の確保、支援策等を御活用いただきながら、医療機関の方で適切に御判断いただきながら確保していただけるようにお願いしてまいりたいと考えております。

○倉林明子君 医師、看護師体制はどうですか。

○政府参考人(宮嵜雅則君) 先ほど来申し上げましたが、地域での医療体制、それから病院での医療体制を考える中で、それぞれの医療機関において適切に判断していただいて確保していただけるようにお願いしてまいりたいというふうに考えております。

○倉林明子君 それはあんまりやないかと思うんですよね。これ新しく空いているところを動かそうと思ったら、新たに体制がなかったら動かせませんよ。それはベッドがあったら使えるという話じゃないんですよ。感染症対策して、重症な人たちを治療するということでの確保が求められているわけですよね。今でさえ看護師確保なんて物すごい苦労していますよ。医師も足りません。こういう状況で丸投げしたら、現場がどんなことになるかということですよ。
 私は、人工呼吸器ももちろん、必要な機材については国が全額補助しますと、これはっきり言うべきだし、看護師の確保で第二弾で出ているのは、一斉休校の代替の分の職員確保で提案があるだけなんですよね。つまり、こういう部分についても、体制の確保についても国が責任を持つんだと、私ははっきり言うべきだと思います。これは総理、お願いします。これは総理よね、お金の話だから。

○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどから答弁させていただいているように、機器等については、委員からは全額国費ということでありますけれども、今半分国費で半分が地方負担、そのうち今八割は交付税で対応するということになっているということであります。それから、人員についても、今わざわざこのために空けている場合には一定金額をお払いするという仕組みもあります。それから、実際に入れば、診療がなされれば当然診療報酬は出るということになります。
 ただ、その上で申し上げると、やはりこれだけ、そのピーク時の今姿を先ほどから議論させていただいていますから、そうなると、ばらばらで、それぞれの病院がばらばらで対応して本当にやり切れるのか、集約するということも必要になってくるわけでありますから、そのときに、じゃ、どういう形で、単に集約しろというだけじゃなくて、言わば費用面も含めてどうするんだということも当然付いてこなきゃいけません。その辺も含めて、中で、我々もしっかり議論しながら、それぞれの地域が、先ほど申し上げた、今我々の一つの推計をしていただいている病院、失礼、感染者の、あるいは重症者の状況に対してどういう医療提供体制を組んでいくのか、それも聞かせていただきながら、我々、一緒になってそれぞれの地域において感染者が増えても対応できる、こういった状況をつくっていきたいというふうに思います。

○倉林明子君 総理、やっぱりこの体制つくる上で必要な資材、必要な人員体制について国が責任を持って費用補填するんだとはっきり示すべきだと私は思う。どうですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど厚労大臣から答弁させていただきました。
 人工呼吸器等の設備導入に係る公費による補助でございますが、これは国が二分の一で地方が二分の一で、うち八〇%は特別交付税措置を行っていくということでございますから、多くを国としてしっかりと補助をしていくということになるわけでございますし、また、緊急時における病床の確保に係る公費による全額の支援等の施策を盛り込んだところでありまして、こうした財政支援等を通じて、人員確保を含めて地域における医療提供体制の整備を支援をしていく考えでございます。

○倉林明子君 いや、支援をするというのは分かったので、その中身として、全額やっぱり必要なお金は国が責任持つよと、そういう裏打ちをしてこそ自治体が安心して取り組めるんじゃないでしょうかね。私、余りにもこれ自治体丸投げ、病院丸投げになっているんじゃないかということを強く指摘したいと思います。
 そこで、新型コロナ感染者の入院治療を担う中核ということで、先ほど空床の確認をしたら、四千床の空床があったので、足し上げて一万二千床だという説明だったかと思うんです。中核となるのは公立・公的病院、これは間違いないと思うんですけれども、私、公表されている第二種感染症指定医療機関、これ平成三十一年度現在のものですけれども、三百五十一か所あります。結核病床は百八十四か所あります。
 私、確認したいと思うんですね。この中で、公立・公的病院の再編統合計画に名指しで指定されている病院があるはずなんです。何か所あるか、つかんでいますか。

○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今御指摘をいただきました名指しでの公立・公的病院の指摘というのは、別途行っております地域医療構想を進めるためにそれぞれの都道府県がお立ていただいた計画に対して、それぞれの取組について、私ども一定の今後議論をいただくためのコメントをさせていただいて、議論を地域で深めていただくために申し上げたことをお指しなのかと思います。
 具体的な、今いただきました感染症指定医療機関などの中と、今私どもが御指摘をさせていただいた医療機関についての最終的に合わせた数字については、今手元にございません。

○倉林明子君 私が突合して数えてみました。全部で全国で四十四か所見付けることができました。ここには病院の、病床の再編統合を求めているんですよね。およそ一割です。こういう空床を当てにしながら、一方では再編統合を求める計画も、これ今同時進行しているということじゃないでしょうか。どうですか。

○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 まず、今御指摘いただきました、公立、公的の私どもが指摘をしているというのを超えまして、先ほど来御議論ありますように、感染症病床全体の中の九割以上が公立・公的医療機関で担っていただいているという事実がございます。
 したがって、感染症医療あるいは今後の地域医療の中での感染症対策をお考えいただくために公立、公的の果たす役割は極めて大きく、先ほど来御議論ございましたように、今回の新型コロナにおきましても、それぞれの地域において公立、公的を含めてどういう医療体制を今後の感染の増加の中で取るかということについては御議論をいただいていますし、私ども国としても最大限の支援をさせていただきたいと思います。
 一方、その地域医療構想に基づいて、公立、公的について御議論を更にお願いしておりますのは、私どもとして、それぞれの個別の医療機関に対して将来の担うべき役割あるいはその在り方について機械的にこうあるべしということを申し上げているものではございませんで、ましてやそれぞれに対して廃止を求めているものでもございません。
 地域における今後の地域医療構想の進展に向けて議論を更に進捗させていただきたいということから御指摘を申し上げているものでございますので、それぞれの地域の実情の中において、感染症対策も含めて医療提供体制、公的、公立の在り方について御議論をいただければというふうに考えてございます。

○倉林明子君 いや、かき集めた空床というのはどういう空床かというのを現実、リアルに私は見た方がいいと思いますよ。公的・公立病院の中で空床にならざるを得ない事態というのはどういうことかといったら、多くは医師や看護師が確保できないから今空床になっているんですよ。こういう空床を活用するという一方で、こうした再編統合計画に指定医療機関さえも入れ込んでいるんですね。これは矛盾していると思うんですよ。総理、どうですか。

○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 まず、先ほど御質問ありました、具体的に現在の公立、公的の対応方針の再検証を求めております医療機関が感染症病床についてどのようにあるかという点についてはお答えできませんでした。失礼いたしました。二十六施設という形で私ども把握をしてございます。
 その上で、御指摘ございますけれども、私どもとしては、現在のこのコロナの状況の中において、地域においてどのような医療体制をその感染の状況において取っていただくかということ、これはこれとしてしっかり考えていただきながら、将来のそれぞれの地域の人口動向なども見ながら、地域医療構想については一定の御議論を積み重ねていただければというふうに思っております。

○倉林明子君 片っ方では空床を当てにして看護体制の担保もない、医師や看護体制の担保もない。それなのに、こうした全体としては公立・公的病院を減らせと、ああ、じゃない、再編統合、見直せということになっているから矛盾していると言っているんですよ。
 この再編統合計画というのは、こういうコロナの感染状況を踏まえれば、もっと必要になる病床があると言っているわけですよ。こういう計画、再編統合計画については一旦白紙に戻して、感染症対策を含めた病床計画に見直すべきだと、一旦白紙に戻して見直すべきだ。いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 地域医療構想は、地域の医療ニーズに合わせて効率的で質の高い医療、地域医療提供体制の確立、確保を目指して取り組むものでありまして、地域の医療機関が担うべき役割や在り方などを機械的に決めるものではございません。
 公立そして公的医療機関等については、ほとんどの感染症病床を担い、そしてまた感染症対策において重要な役割を果たしていただいていると承知をしております。このような機能や役割も含めまして、それぞれの地域において必要とされる医療提供体制の議論を深めていただきたいと考えておりまして、なお、国としても地域の感染症対策にとって重要な役割を果たしている感染症指定医療機関の整備など、その体制の確保について引き続き必要な支援を行ってまいりたいと考えています。

○委員長(金子原二郎君) 倉林明子さん、時間が来ております。

○倉林明子君 はい。
 人がいなければ、活用できる空床というのはないんです。この公立・公的病院が感染症で果たす役割というのは極めて重要ですよ。だからこそ、再編統合計画については一旦白紙、撤回することを強く求めて、質問を終わります。

○委員長(金子原二郎君) 以上で倉林明子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて、現下の諸課題(新型コロナウイルス対応等)に関する集中審議は終了いたしました。
 次回は明十七日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。