倉林明子

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歯科技工士の確保を 倉林氏 診療報酬引き上げよ(2019/12/3 厚生労働委員会)

(資料があります)
(議事録は後日更新いたします)

 日本共産党の倉林明子議員は3日の参院厚生労働委員会で、歯科医療に欠かせない歯科技工士が減少している背景に、長時間労働、低賃金があるとし、養成・確保のために歯科医療の報酬を抜本的に引き上げるよう要求しました。

 倉林氏は、歯科技工士を養成しても離職が後を絶たず、養成校でも定員数を割り込んでいると指摘。過労死ラインの月80時間以上の残業をする技工所が3割を超え、保団連調査では、技工士の5割以上が年300万円以下の可処分所得となっていると主張しました。

 倉林氏は、診療報酬の内訳である技工料と管理料の割合をおおむね7対3とする大臣告示があるが、その決定権が発注者である歯科医にあるため適正な価格が担保されないと指摘。大臣告示に法的な拘束力を持たせるべきだと迫りました。加藤勝信厚労相は「(歯科医療機関と技工所の)自由契約に基づいて設定されるべきだ」と述べ、問題を直視しませんでした。

 倉林氏は、歯科診療報酬が低く抑制され、歯科医も技工料を適正に支払わなければならないとわかっていてもできない状況にあると強調。「このままでは日本の優れた技工物の製作技術が守れない。国民の命や安全のためにも、歯科医療の報酬を抜本的に引き上げるべきだ」と強く求めました。


歯科技工士免許登録者数等の年次推移


就業歯科技工士(年齢階級別)の年次推移


歯科医療費の推移


議事録を読む

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 今日は、国会でも度々取り上げられてまいりました歯科技工士の問題について伺いたいと思います。
 歯科医療に欠かせない技工士、このままでは絶滅してしまうという指摘さえございました。資料の一に付けておりますけれども、歯科技工士免許登録者が青の棒グラフになっております。そのうち、業務の従事者というのが赤の棒グラフになっておりまして、年々この比率が下がってきて、とうとう三割を切るという状況であります。つまり、養成しても離職が後を絶たないということで、今や養成校では定員割れというのは当たり前になって、廃校ということも視野に入るというような状況になっていると。
 歯科技工士の、私、養成と確保の必要性、この認識についてまず伺っておきたいと思う。大臣、いかがですか。

○国務大臣(加藤勝信君) 今委員のお示しいただいた表からも分かりますように、歯科技工士の就業者数が減少している、またその率も低下をしている、またさらに五十歳以上の割合が増加してまさに高齢化が進んでいる、そして養成をしようとしてもなかなか入学者が入らない、こうしたことは私どもも承知をしております。
 ただ一方で、こうした高齢化が進む中で、食べる、かむ、話すといった口腔機能の維持や回復に対する需要が高まっておりまして、そうした口腔機能の回復に重要な役割を果たす入れ歯などを作製する歯科技工士を養成し確保していくということは大変重要であるというふうに認識をしております。

○倉林明子君 とても大事な、国家資格与えて、専門職としての位置付けもあるものです。
 御紹介あったとおり、二枚目のところに入れておきましたけれども、高齢化が進んでいる。五十歳以上の割合というのがどんどん増えてとうとう五割という状況までなっているし、新卒者で五年以内の離職率で見れば七割という異常な実態になっています。なぜそうなるのかということでありますけれども、背景にあるのは歯科技工士の長時間労働及び低賃金の実態だと私は指摘せざるを得ないと思うんです。
 そこで、厚労省でも、再々の指摘の中で、調査や検討会ということでいろいろ取り組んでいただいております。その中でも明らかになりましたように、就業先は技工所が七割という実態にあり、そのうち一人技工所が七七%を占めていると。そして、一か月の残業時間で見れば、一日平均二時間で、月四十五時間以上が四割を超えております。過労死ライン、八十時間以上とされておりますけれども、これが全体のおおよそ三割という状況になっているんですね。
 ほかの調査ではありますけれども、二〇一六年に保団連が調査をしておりまして、可処分所得がどうなっているかという調査があります。これで見れば、年収三百万円以下というのが五割を超えているんです。長時間働いても低賃金、こういう実態にあるんですね。
 そこで、大臣、国家資格でありながら、そして大事な仕事でありながら、余りにも私、これ処遇が低い、こういう現状になっていると思いますけれども、どう認識されていますか。

○国務大臣(加藤勝信君) 今の御指摘に、例えば辞めた理由で給与、待遇のことを挙げている人が多い、あるいは年収も約半数がこの直近三年間で減少している、それから残業時間も八十時間以上と答えた方が約三割、まさにこうした歯科技工士の方の処遇改善を図ることは大変大事だということであります。
 私どもとしても、歯科技工所の業務形態を改善するためのモデル事業などを実施をして、具体的には、事務作業の効率化のためのソフトウエアの導入あるいは機器の導入、こういったことで歯科技工所の業務形態の改善のための取組に対する支援を実施をしておりまして、その結果を踏まえて、こうした好事例も周知するとともに、これまでの診療報酬改定においても歯科技工士が関わる入れ歯等の製作に関する点数の引上げをしてきたところであります。
 今、ちょうど令和二年度の診療報酬改定についても中医協で議論しております。それらを通じて歯科技工士の処遇改善を図っていきたいというふうに考えています。

○倉林明子君 そうなんですよ。是非、中医協の議論にも反映させていただきたいなと思っているんです。
 歯科技工の養成・確保に関する検討会、そこでも、今後の方向性で、離職防止のためには職場環境や長時間労働などの労働環境や給与等の処遇に関する問題を改善する必要がある、これ、指摘どおりだと思います。
 じゃ、どこに問題があるのかということで見てみれば、診療報酬の技工料の決定の仕組み、これ大きいと思っているんですね。報酬単価は、市場価格である技工料を基準として公定価格が決定されると、こういう仕組みになっております。公定価格のうち、技工料は技工料と管理料で構成されていますけれども、この割合は大臣告示によっておおむね七対三とされているわけですね。ところが、この実態はどうなっているかといいますと、技工料が歯科医との自由契約で決まるという仕組みになっておりますので、適正な価格が担保されないというのが実態なんですよ。
 委託研究の結果では、報酬金額と契約内容を記載した契約書、この存在についても調査しています。契約書があるよと、契約書をきっちり結んでやられるところもあると思うんです。しかし、それは大変少数派で、八%しかないんですよ。
 で、技工料の決定権は、じゃ、誰が持っているかといえば、発注者である歯科医に極めてこれ強いんですね。技工所は実態としてダンピング競争を余儀なくされると、こういう構造ができ上がっているわけですよ。
 労働実態、技術力、技工物の質、安全性、これ評価される仕組みになっていないんじゃないかと思うんです。いかがですか。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、歯科補綴物につきましては、歯科医師が行う設計等の製作管理と歯科技工士が行う製作技工を一体的に評価しておりまして、補綴物が適正な価格となるように、補綴物の製作技工の委託料金等の調査結果も踏まえた上で、中医協の議論を踏まえて決定いたしております。
 また、補綴物の技術料につきましては、歯科技工士による製作技工に要する費用、それから歯科医師による製作管理に要する費用が標準的におおむね七対三になるよう、御指摘のとおり、大臣告示で示しております。
 ただ、これ、大臣告示でこういったおおむねの目安を示しておりますけれども、これは、実際の取引につきましては歯科医療機関と歯科技工所の自由取引に基づき決定されるべきものと考えておりまして、実際の取引におきましては、補綴物の質、安全性等も勘案いたしました上で価格あるいは納期等を設定しているものというふうに考えております。

○倉林明子君 聞いたことに答えていると思えない答弁だったんですけれども。
 劣悪な歯科技工士の実態を踏まえて出されたこれ大臣告示だったはずですよ。それ、一九八八年に出している目安なんですね。技工料が七、管理料が三、これ示しながら、全くこれ拘束力がないんです。委託研究でも、技工所の売上げというのは減少傾向にあるんですよ。ダンピング競争をやるからですよ。五三・九%も売上げ減っているんです。これは悪循環になっているとも言わなければならないと思うんです。
 歯科技工士の処遇改善や、技術力、技工物の質、安全性、これをしっかり国内の技士で確保していくというためにも、私はこの大臣告示に法的な拘束力を持たせる方向で考えるべきだと思うんですけれども、これ、大臣、どうですか。

○国務大臣(加藤勝信君) この大臣告示については、歯科技工所と歯科医療機関との契約において大臣告示の趣旨を踏まえるようには関係団体に対して周知は図っているところであります。ただ、その上で、これはあくまでも標準的な水準でありますから、補綴物の質あるいは安全性の向上の様々な観点から、先ほど局長答弁のように、自由取引に基づきそれぞれが設定されるべきだというふうに思います。
 ただ、いずれにしても、歯科診療報酬における歯科技工の評価の在り方については、これはそれぞれの団体の御意見を踏まえながらしっかりと検討していきたいと思います。

○倉林明子君 圧倒的に自由契約の上で歯科医がやっぱり強いんです。優位な契約関係にあることは間違いないんですよ。実態としても契約書が結ばれないという状況が明らかになったわけです。歯科技工士に適正な技工料が担保されるような仕組みというのが私はどうしても必要だと思っています。これまで大臣告示は守られず、適正な技工料が確保されてこなかった理由は何なのかということです。
 それで、三枚目に資料をお付けしております。医療費全体が低医療費政策、抑制政策の中で歯科医療の実態はどうなっているかということで、これ保団連が作られたものを資料として提示をさせていただいております。
 歯科の診療報酬は国民医療費の伸びに比べて余りにも低く抑制され続けているということが、この青が歯科医療費なんですね、青い棒グラフが。これ見てくださいよ、だあっと寝たきり。こういう実態があるということがやっぱり根本的な原因になっていると言わざるを得ないと思うんですよ。歯科医かて技工料を適正に払わなあかんと思っていても、全体としての歯科の診療報酬が低く抑えられていることで上げるに上げられないと、こういう状況になっているんじゃないかというふうに思うんです。
 この時期、診療報酬の見直しの時期でもございますので、こういう歯科の実態についてはしっかり光を当てて、診療報酬全体の大幅な引上げを求めたい。いかがですか。

○国務大臣(加藤勝信君) まず、国民医療費における歯科診療医療費は約二・九兆円と、近年、こういうあれにするとあれですが、増加傾向にあるのは事実だと思います。ただ、国民医療費に占める割合、割合は減少傾向にあると。ただ、これ、単価掛ける量がこの水準ですから、必ずしも単価だけの問題ではないんじゃないかなというふうに思いますけれども、ただ、いずれにしても、平成三十年度の診療報酬改定については、診療報酬本体〇・五五%のプラス改定をした上で、技術料の割合を踏まえて、医科、歯科、調剤を一対一・一対〇・三という配分で改定をさせていただきました。
 令和二年度の診療報酬改定については、これ全体でありますけれども、医療機関の経営状況、物価、賃金の動向、国民負担の在り方、これらを踏まえながらしっかり議論をし、国民一人一人に大事なことは適切なサービスが提供される、そのためには、今委員御指摘のように、歯科技工士の方もその役割を果たしていただける環境をつくっていく、そういうことを含めて、必要な財源の確保を図りながら取り組んでいきたいというふうに思います。

○倉林明子君 低医療費政策のしわ寄せというのが結果としてやっぱり長期間にわたって歯科技工士のところに及んでいるということなんだと思うんですよね。このままでは、私、本当に日本の優れた歯科技工、技工物の製作というのが日本でできなくなっちゃうという危険、リスクは極めて高いという認識する必要があると思います。海外からの技工物の流入もあるようだというふうに伺っておりまして、安全性が確保できるのかと。だからこそ置いている国家資格だと思うんですよね。国民の命、安全性を担保するという上でも重要な位置付けされているわけですよ。
 診療報酬改定に当たっては、歯科診療の報酬の抜本的な引上げ、しっかり技工料が担保される仕組みも併せて強く検討を求めまして、今日は終わりたいと思います。