倉林明子

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学童 国の責任放棄 倉林議員 職員基準変え質低下(2019/5/14 厚生労働委員会)

(議事録は後日更新いたします)

 日本共産党の倉林明子議員は14日、参院厚生労働委員会で、審議中の地方分権一括推進法案で、学童保育指導員の配置基準を「従うべき基準」から「参酌すべき基準」に変更しているのは、学童保育に対する国の責任の放棄だと批判しました。

 倉林氏は、放課後学童クラブ事業は、2015年に「従うべき基準」として国が定めた最低基準で、指導員を2人以上の配置を原則とし、そのうち1人は有資格者(放課後児童支援員)とした理由を質問。厚労省の浜谷浩樹子ども家庭局長は「(学童保育の)質の確保」を実現するためだと認めました。

 倉林氏は、基準を検討した専門委員会の会長が「基準は子どもの発達に重要な役割を果たす学童保育の質を担保するために設定した。地方分権とは別のもの」と指摘していることを紹介し、「厚労相はこれを尊重すべきだ」と批判しました。根本匠厚労相は「地方自治体が実情に応じて判断する」と答弁しました。

 倉林氏は、地方自治体が有資格者支援員の確保ができない背景に、処遇の低さがあると指摘し、「従うべき基準」だからこそ、不十分ながらも、国の処遇改善の対策が行われたと主張。変更は「学童保育の基盤を掘り崩す。地方分権で自治体に丸投げすることは、国の責任放棄だ。断じて認められない」と強調しました。


議事録を読む(未定稿)
(この会議録は未定稿です)

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 今日は、学童クラブ事業について質問したいと思います。
 共働きが広がる中、保護者がお金を出し合って借家を借りるなどして始めた、これが共同学童、私もそういう共同学童をやってまいりました。子供たちは異年齢の集団の中で指導員の先生に見守られながら、子供も親も一緒に成長する、かけがえのない子供たちの放課後の居場所、これ全国に広がりました。こうした取組が政府を動かすということになりまして、一九九七年、学童クラブが児童福祉法に法定化ということになりました。
 それから十八年たって、二〇一五年にようやく初めて従うべき基準ということで、国の最低基準が定められたということだったんですね。この基準決められたということで、現場の指導員、そして保護者、もう第一歩だということで歓迎されたものでありました。
 その従うべき基準、この内容について、まず説明を求めたいと思います。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準におきましては、職員の資格と人数につきまして、従うべき基準として二つございます。一つは、放課後児童支援員を支援の単位ごとに二人以上配置すること、もう一つは、放課後児童支援員の資格は保育士、社会福祉士等であって、都道府県知事又は指定都市の長が行う研修を修了した者であること、この二つでございます。

○倉林明子君 従うべき基準ということで定められたのはその二つということで、それ以外については参酌すべきという基準にとどまっているというのが実態なんですよね。
 そもそも、従う基準ということで二人以上の職員配置、これ定めた理由というのは何だったんでしょうか。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 この従うべき基準を定めたまず経緯でございますけれども、平成二十四年三月に、当時の少子化社会対策会議におきまして決定されました子ども・子育て新システムに関する基本制度におきまして、質を確保する観点から職員の資格、員数、施設、開所日数・時間などについて国は法令上の基準を新たに児童福祉法体系に設定する、それからもう一つは、国が定める基準を踏まえ市町村が基準を条例で定める、職員の資格、員数については現行の事業実態を踏まえ従うべき基準とすることも含め法案提出までに整理するとされておりまして、これに基づきまして平成二十四年に児童福祉法を改正いたしまして、平成二十六年に放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定めたところでございます。
 この定めた経緯でございますけれども、職員の人員配置、資格につきましては、当時、約九五%の放課後児童クラブで二人以上の職員が配置されていたこと、それから、放課後児童クラブの職員が保有していることが望ましい資格として、それまでガイドラインで示しておりました児童館の職員の資格を満たした職員が約七五%の放課後児童クラブで配置されていたこと、こういったことを踏まえながら、基準の制定により、既に活動していた放課後児童クラブが極力排除されないようにするとの配慮の下、放課後児童支援員を二人以上配置する、それから、放課後児童支援員は保育士等の資格を有し、研修を修了した者とするということを従うべき基準として規定したものでございます。

○倉林明子君 現実、無理がないからそういう基準にしたんだということじゃなかったと思うんですよ。やっぱり質の確保、これ議論の根底にあった。だからこそ、このときの配置基準、職員の資格というのはまさに子供の人権、命の保障に直接関わることであって、国が統一の基準を示すべきと、これ社保審学童部会の専門委員会の委員長がこういうふうに言っているのは、私そのとおりだというふうに思うわけです。
 一方、義務のない参酌すべき基準というのはどうかということなんです。これ、児童の集団の規模、児童一人当たりの面積の基準、これは何平米ということで定められたでしょうか。そして、直近でこれら参酌すべき基準というのはどの程度守られているのか、いかがですか。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 この事業の設備及び運営に関する基準におきましては、参酌すべき基準として、まず規模でございますけれども、児童の集団の規模につきましては一支援の単位当たりおおむね四十人以下でございます。また、児童一人当たりの面積につきましてはおおむね一・六五平米以上とされております。
 それで、これらの参酌すべき基準を満たしているクラブ数等の割合でございますけれども、直近の平成三十年度におきましては、一支援単位の児童数が、これちょっと統計上四十五名以内ということでございますけれども、四十五名以内の支援の単位の割合は七三・八%、それから、児童一人当たり面積に係る基準を満たしているクラブの割合は七四・六%となっております。
 なお、これは平成二十七年度から参酌すべき基準としておりますけれども、それ以前と比べまして、これらの基準を満たす放課後児童クラブの数、率共に上昇しているということでございます。

○倉林明子君 参酌すべき基準は、人数でいうと、単位はおおむね四十人以下なんだけれども、なぜか統計は四十五人までのところで達成率が七三・八だという御説明なんです。これはおおむねの基準がきちんと取られていないんですね、私もいろいろ見てみましたけれども。
 そうしたら、全国学童保育連絡協議会、ここが調査をしておりまして、この調査によりますと、四十一人を超えるという学童は実は全体の四割弱と。これ、一番新しい全国学童保育連絡協議会の調査結果ではその程度になっているんですね。それだけ基準を、参酌すべき基準を守れていないという実態あるんです。これ一万二千か所という数字も示されておりました。
 第二種福祉事業ということで、児童福祉法では位置付けされた学童ですけれども、今、面積基準、参酌すべき基準ということでお示しあった一・六五平米というのはこれ畳一畳、半坪ですよ。これ、保育所、これも第二種福祉事業ですけれども、乳児一人当たりで三・三平米。倍ですわ。体は大きくなるのに面積基準は半分やてね、本当に低い面積の目安でしかないということで、これも実際のところでいうと、確かに達成しているところ増えてきているというお話だけれども、まだ七四パー止まりということなんです。結局、低いと、水準としては低いと。しかし、それさえも守られていないというのが参酌すべき基準ということで位置付けられたものになっているわけですね。
 ところがですよ、ところが、今国会に、地方分権一括推進法で、指導員の基準を従うべき基準から参酌すべき基準に変更すると、こういう提案がされているんですね。この是非については、社保審、同時に子ども・子育て会議、ここでの議論というのは全くされていないというふうに聞いて本当に驚いているんですね。
 子供の最善の利益、これを定めた児童福祉法、これに逆行することになるんじゃないか。大臣、いかがお考えですか。

○国務大臣(根本匠君) 地方分権一括法改正が今、国会に提出されております。
 そして、この今回の措置、これは、従うべき基準であることにより人材確保が困難といった地方からの要望を踏まえて、全国一律ではなく、自治体の責任と判断によって質の確保を図った上で、地域の実情に応じて運営を行うことを可能とするものであります。
 また、基準については、市町村が地方議会の議を経て条例により制定するものであります。厚生労働省としては、従うべき基準が参酌化された場合であっても、自治体においてこの基準を十分参酌した上で自治体の責任と判断によって地域の実情に応じた適切な対応が図られるものと考えております。
 なお、法案の附則においては、施行後三年を目途とした検討規定を置いております。法案が成立した後には参酌化後の施行状況をしっかり把握していきたいと思います。

○倉林明子君 いや、児童福祉法としてどうかという話聞いているんですよ。それは、自治体ができますと、責任持ってやります、そういうのは国の責任を地方に丸投げするということになるん違いますか。
 無資格でこれ参酌すべき基準にすると何が可能になるか。無資格で、一人でも可能というふうになるんですよ。原則二人、うち資格者一人の配置と、こういう、守らなあかんということで担保されてきた配置基準というのを大幅に下回るということになるんです。これ、質の後退以外の何物でもないというふうに思うわけですよ。従うべき基準定めて僅か四年なんですよ。僅か四年でこういう逆行というのは、私到底認められないということは申し上げておきます。
 その上で、地方自治体が有資格支援員の確保が困難になったと、それ改正の理由だとおっしゃった。しかし、その背景に何があったか、何があるかということですよ。支援員の処遇が低いと、こういう原因があるわけです。だから集まらない、来ても辞めると、そういう悪循環になっているわけですよ。
 二〇一四年、この先ほど紹介した全国学童保育連絡協議会が調査やっています。これ見ますと、週五日以上勤務する指導員で、年収ですよ、年収百五十万円以下、これが四六・二%なんです。勤続年数が増えても賃金は上がりません。退職金も一時金も時間外手当もありません。こういう処遇で退職せざるを得ないという状況が指導員の現実なんですよ。
 そこで、だからこそ質の向上必要だということで、国も処遇改善に、基準きっちり守ってねということを定めたということもあって、処遇改善に予算付けてきた。その内容と実績というのはどうなっているか、確認です。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、放課後児童支援員等の処遇を改善することにつきましては、人材確保を図るとともに、放課後児童クラブの適切な運営を図る観点から大変重要であるというふうに考えております。
 御指摘の放課後児童クラブ職員に係る処遇改善でございますけれども、これまでは大きく二つございます。一つは、平成二十六年度から実施しておりますけれども、平日十八時半を超えて開所しており、一定の要件を満たしたクラブに対しての運営費の加算の経費を補助いたします放課後児童支援員等処遇改善等事業、二つ目は、平成二十九年度から実施しておりますけれども、放課後児童クラブの勤続年数あるいは研修実績等に応じた処遇改善の経費を補助いたします放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業、この二つを実施いたしております。
 直近の実績でございますけれども、平成三十年度でございますが、最初の放課後児童支援員等処遇改善等事業を実施しております自治体数は三百十市町村でございまして、全クラブ実施自治体に占める割合は一九・一%でございます。二つ目の放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業を実施している自治体数は三百三十二市町村でございまして、全クラブ実施自治体に占める割合は二〇・五%でございます。
 放課後児童支援員等の処遇改善につきましては、人員確保を始め長く勤務していただく環境づくりのために重要というふうに考えておりまして、多くの自治体でこの事業を活用していただくことが必要と考えております。全国主管課長会議あるいは文科省との連携の下で実施しております全国五ブロックにおける説明会など、あらゆる機会を通じましてこの事業が実施されますよう市町村に働きかけてまいりたいというふうに考えております。

○倉林明子君 処遇改善の予算措置ということのやっぱり根拠は、従うべき基準ということを国が責任を持って、予算措置の必要があったからこれできてきたと思っているんです。十分だとは思っていませんよ。しかし、年額で三分の一を国が公費で持つということとして設置した意義は大きいと思う。
 だけど、使っている自治体というのは、まだ制度始まったばっかりと言うかもしれないけれど、二割程度にとどまっているんですね。それはなぜかといいますと、これ自治体負担が重いからなんですよ。三分の二、三分の一ずつということになりますけれども、これ自治体が持たなあかんと。これ最大の理由として、この改善事業、キャリアアップ、処遇改善という両方を使うにも予算措置必要だということで、なかなか進まないという現状があると思うわけですね。
 一方、従う基準というのがあるにもかかわらず、自治体の判断ということでいうと、放課後対策は放課後子ども教室も実施できるということになりました。これ、一万人だったか、一定規模はこれやっていいということになって、児童放課後対策としては、放課後児童クラブだけじゃない、放課後の教室を使ったやり方も新たに導入、使っていいことになりました。これによって、川崎市でどんなことが起こっているか。川崎市は学童クラブ廃止しました。全児童対策のわくわくプラザということで、放課後児童対策はこれ一本で行くということにしたものですから、百人ぐらい集まって、有資格の人もいないというようなこともあって、これでは心配だということで、支援員、そして保護者が自主的に新たに学童クラブをつくって運営するということが長年続いているんですね。そういうところについては、もう自治体としては学童クラブ事業はやらないことに決めたので、自主的に基準を満たしている自主学童であってもこの補助対象にしないと、国に申請しないというようなことさえ起こっているんですね。だから、自治体判断ということになると、本当に学童の質の担保というのができるのかというところが問われているというふうに思うわけです。
 地方分権で基準の見直しが議論される中、昨年七月、社保審児童部会放課後児童対策に関する委員会で中間取りまとめが示されております。一体、この結果というのは、今度の児童福祉法の改正、分権推進一括法でどういうふうに生かされたのか、どういうふうに厚労省生かしたのか、聞きたいと思う。どうですか。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 委員御指摘の平成三十年七月二十七日に取りまとめられました社会保障審議会児童部会の……

○倉林明子君 短くね。

○政府参考人(浜谷浩樹君) はい。
 専門委員会の中間取りまとめにおきましては、質の確保について三点指摘されております。一つは、放課後児童支援員の育成、資質向上、二つ目が支援員の処遇改善、三つ目が自己評価とその公表、第三者評価の推進などでございます。
 厚労省といたしましては、この中間取りまとめも踏まえまして、この質が確保されるよう、例えば放課後児童支援員に対する研修の実施による資質向上、それから先ほど申し上げました処遇改善、それから質の向上の観点からの評価の推進、好事例の普及、展開、アドバイザーの市町村への配置等々を行っております。これら、こうしたことを通じまして、中間取りまとめに指摘された質の確保についてしっかりと確保に努めてまいりたいと考えております。

○倉林明子君 いや、それはこれから先の対応について今述べはったわけで、法改正、地方分権推進法の一括の中で児童福祉法を改正するという議論にどう生かしたのかという説明は全くされていないと思う。
 私、大臣に聞きます。いいですか。
 専門委員会の委員長がおっしゃっているんですね、新聞の取材に答えて。基準は子供の発達に重要な役割を果たす学童保育の質を担保するために設けたと。そして、地方分権の議論とは別のものだと指摘しているんですよ。だから、地方分権で議論したら駄目だということですよ。厚労大臣として、こういう専門委員会に中間取りまとめしてもろうて意見もろうているわけですよ。これは、こういう専門委員会の意見を生かすということで動くのが厚労大臣の仕事と違うんかと思うんですよ。どうですか。

○国務大臣(根本匠君) 今の点についてでありますが、直接のお答えになるかどうかということはありますけど、この地方三団体、条例を制定する市町村、これがその責任において放課後児童クラブの質を確保するという意見表明がなされております。
 具体的には、例えば全国知事会、各市町村が、当該基準について、責任を持って児童の利益を十分に配慮して基準を設定することは当然と、こういうことを言っていただいておりますし、例えば全国市長会、各都市自治体がその責任において、地域の宝である子供たちの健全な育成を図るべく、保育の質の十分な確保に更に努めていく覚悟を新たにしている等の意見表明がなされておりまして、市町村が条例を制定する際には自治体の責任と判断によって地域の実情に応じて子供の安全や育成支援の質が確保されるものと考えております。

○倉林明子君 そういうのを地方自治体への丸投げというんですよ。国の責任放棄だということを厳しく指摘したい。
 児童福祉法の観点から子供の最善の利益にとってどうなのかと、分権法でやるべき議論じゃないんですよ。児童福祉法としてきっちり議論すべきことであるということを重ねて強く求めて、終わります。