倉林明子

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家族農業支援は責任 国連「10年」受け倉林氏が要求(2019/5/20 行政監視委員会)

 日本共産党の倉林明子議員は20日の参院行政監視委員会で、国連が今年から「家族農業の10年」として家族・小規模農業への支援を各国に呼びかけたことについて、賛成した日本政府には、経営支援や担い手育成を積極的に推進する責任があると求めました。

 倉林氏は、中山間地を多く抱える日本で、遊休地の活用など集落営農組織の役割は重要だと強調。「多面的機能支払交付金」をどの集落も使えるよう見直すこと、集落営農組織への国の悉皆(しっかい)調査を求めました。

 農林水産省の大澤誠経営局長は「集落営農に関するいろんな調査を必要に応じて行いたい」と答えました。

 大きな負担である農機具の更新費用では、農家が年金や葬儀代をつぎ込んでも限界の状況だと指摘。個別の農家、農機具への直接助成や、共同利用に対する補助金を中古品にも使いやすくする要件緩和を求めました。

 新規就農者を支援する「農業次世代人材投資事業」では、前年の世帯全体の所得が600万円以下という事業採択の「目安」を示した通知を撤回すべきと主張。全国農業会議所の調査でも、生計費を賄える農業所得のある新規参入者は4分の1にすぎず、年間150万円の交付金の増額が必要だと述べました。


議事録を読む

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 今日は、農業、集落営農組織の支援策ということで質問したいと思うんです。
 今年から、家族農業の十年、これスタートするということになるわけです。家族農業、小規模農業の役割を重視し、各国が支援しようということで国連が呼びかけたもので、これ、賛成した日本政府には具体的な取組の推進、とりわけ求められることになろうかと思います。
 そこで、改めて大臣に認識を伺っておきたいと思います。
 中山間地を多く抱える日本、これは大きな特徴になっております。その中で集落営農組織の役割というのは極めて大きいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(吉川貴盛君) 倉林委員御指摘のとおりでございまして、集落営農の役割というのは、この中山間地域におきましても大変大きいものと考えております。
 中山間地域のように担い手が不足をして高齢化が進展をしている地域におきましては、集落営農組織の役割はもう本当に重要でございまして、これは、農業経営の受皿としてその安定、発展を図っていくことが必要と考えているところでもございます。
 このため、農林水産省といたしましては、集落営農組織に対しまして経営所得安定対策等による支援を行うことによりまして経営の安定化を図りますとともに、集落営農を法人化をいたしまして経営の発展を図るために、専門家の派遣ですとか、あるいは法人化に係る費用の一部助成を行うといった支援も行っているところでございます。

○倉林明子君 実は私も、中山間地と言われる、福島の山の中なんですけれども、農家で育ちまして、そのときからやっぱり集落営農組織でどうやって集落を守っていくのかという取組というのを父がやっておりましたもので、改めて、京都も本当に集落営農の存続が危ぶまれるというような状況にもなっておりまして、現場の農家の皆さんからも声をお聞きしております。そういう声も紹介しながら、やっぱり小規模農家に寄り添った対策というのが本当に求められているんじゃないかということなんですね。
 京都は、農家が一万五千三百戸、そのうち耕作面積が一ヘクタール未満という農家が何と一万五百戸になりまして、全体の七割です。五ヘクタール未満ということでいうと、ほぼ全部、九八%を占めるということになります。中山間地も、割合は七割ということになっております。圧倒的に小規模、家族農業によって支えられているというのが京都の農業の実態でもあるんですね。その集落を支える最後のとりでと言ってもいいのがこの集落営農組織だというふうに思うわけです。
 そこで、先ほど、支援の策も大臣から御紹介いただきましたけれども、歓迎されて使われている、これが多面的機能支払交付金だということなんですね。これは、遊休地、ほっておけば耕作放棄地になるというところの利活用にとどまりませんで、景観作物としての菜種を植えたりだとか、都市との交流ということでほたるまつりを開催していると、こういう本当に多面的な活動が可能となっているんです。
 そこで、この交付金の直近の実績について確認したいと思います。数字でお願いします。

○政府参考人(室本隆司君) 多面的機能支払交付金の直近の交付実績ということで、これは平成二十九年度の実績でございますが、まず、農地維持支払については、一千四百二十九市町村二万八千二百九十組織に対しまして、交付額でございますが、国費ベースで二百三十三億円、もう一つ、資源向上支払についてでございますが、一千三百二十市町村二万三千五百四十四組織に対しまして、交付額でございますが、国費ベースで二百三十四億円というふうな状況でございます。

○倉林明子君 ずっと伸びてきたんだけれども、最近やっぱりちょっと頭打ちというのが実績額を見ると出るんじゃないかな、実績の件数等を見ると出ているんじゃないかと思うんです。
 これ、要件も加わりまして、広域化とか体制の拡充などの加算は付くということなんだけれども、実際として、継続して利用されている集落営農組織からは、いや、減額にもなったんだというような声が上がってきております。この京都での集落営農組織の中には、もう、ちょっと継続大変なので解散も検討しているというところが少なくないんです。解散せずに続けることができるようにするにはどんな支援が必要なのかということをしっかり考えないといけないときになっているんじゃないかというふうに思います。
 多面的支払交付金も、広域で幾つかの集落で一緒にやる、そういう利点ももちろん否定しないんだけれども、集落単位でどの集落でも使えるように改善してほしいという要望も伺っております。そういう個別の集落営農組織の実態を本当にしっかりつかもうということでアンケートをやっているんですけれども、回答がないところもあるということで、実は京都では、全ての集落営農組織に対して聞き取りによる調査含めて悉皆調査に取り組もうという動き、聞いております。
 私、こういう家族農業十年という節目、実施に当たって、こうした悉皆調査の取組、とても重要だと思うし、国もこういう取組に学んでやるべきじゃないかと思うんです。どうですか。

○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
 京都府の調査、私どもも非常に注目しているところでございますけれども、実はこの調査につきましては、先行して国の地方組織、農林省の地方組織であります近畿農政局が、京都ではないんですけれども、滋賀県、兵庫県、これは集落営農が非常に多い地域でございますので、まずそこで先行させていただきまして、各集落営農に全て直接調査を行うということを平成二十九年度に行いまして、その平成二十九年度調査したことをもって京都府さんが非常に関心を持っていただきまして、それを受けまして平成三十年に京都府が行ったということで、事実関係でいきますと、国の一部の県におきます調査が先行したものでございます。
 いずれにしましても、農林水産省といたしましては、今後とも、先ほど兵庫、滋賀について行いましたように、集落営農に関するいろんな調査、こういうものを必要に応じてやっていきたいと思っておりますし、先ほど大臣からもお話をさせていただきましたが、個別の集落営農に対して経営指導という形で専門家、具体的には税理士なり中小企業診断士、こういう方々の専門家を派遣してそれを、法人化等を支援するという事業もございますので、そういうことを行いながら集落営農の生の声をお伺いいたしまして、加えて、必要な経営指導を行ってまいりたいというふうに考えてございます。

○倉林明子君 出発点は国だったということを改めて確認させていただきました。
 一方、それやった上で、悉皆調査に取り組もうというところに注目してほしいなと思うんです。アンケートに答えていないところにこそ問題があるんじゃないかということで、踏み込んだ調査に取り組もうということに足踏み出しているんですよ。そこを是非、集落営農組織の実態つかむ上では大事な視点だと思うので、是非、その結果も含めて今後の政策にも生かすべきだと思います。どうやったら集落営農組織が継続できるのか、私、今危機的な状況だという認識で改めて求めているということは強調しておきたいと思います。
 今、農家の方々の本当に重い負担になっている、これが農機具の更新なんですね。トラクターって、上等なやつじゃなくても八百万なんですね、一台。コンバイン三条刈りは六百万円です。田植機六条植え、これは三百万円です。乾燥機に冷蔵庫と、今、本当に機械がないと農家できないんですね。
 この機械の更新に年金や葬儀代までつぎ込んで更新してきた、だけどもう限界だという声がたくさん出ているんですね。個別の農家に対する、農機具に対する直接助成、さらには、これ助成する際に、共同利用のところでも要件いろいろあってなかなか使いにくいと、中古品、これでも助成してほしいという声あるんです。いかがですか。

○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
 農業用機械の導入に対する助成につきましては、二つほど代表的な事業がございまして、一つ目は、人・農地プランに位置付けられた中心経営体等に対しまして、強い農業・担い手づくり総合支援交付金の先進的農業経営確立支援タイプなどにおいて支援を行っております。二つ目ですが、農業用機械を共同で利用する取組につきましても、例えば、産地パワーアップ事業におきまして生産コストの低減や販売額の増加といった成果目標を設定いたしまして、産地一体で取り組む支援を行っております。
 いずれの事業におきましても、残存耐用年数が二年以上等の一定の条件を満たせば、中古農業用機械についても助成の対象としております。

○倉林明子君 いや、いろいろ条件あって使いにくいし使えていないという実態なので、本当に、機械潰れたら農業諦めるという事態になっているので、緊急にやっぱり要件緩和、中古も買えるようにというところにどうしたら支援できるのかということで考えていただきたいということです。
 さらに、農業次世代人材投資事業ということで、これ、新規就農者の支援、年間百五十万ということで出ているものなんだけれども、これ、三年目の中間評価ということで、四月一日にこれ通知が出されまして、事業採択の目安として前年の世帯全体の所得六百万円以下だと、こういう通知出たらもうみんな大騒ぎになって、二日後には、あくまで目安で、自治体が必要と判断すれば交付できるという修正通知が出されたことは承知しております。
 しかし、この六百万円目安の通知というのは生きているんですよね。私、こんな通知は撤回すべきだと思う。これは、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(吉川貴盛君) 今回の通知は、これはあくまでも優先して採択すべき者の考え方を示したものでございまして、六百万円を超える所得があったとしても支援対象とすべき者であると事業実施主体が判断する場合には、予算の範囲内で交付対象とすることは可能でございますので、もう既にそういったことはやっているところでございます。また、所得だけで判断するのではなくて、就農が確実に見込まれるかどうか、将来にわたって営農継続が期待できるかどうかなども併せて考えることにいたしているところでございます。
 これらの点を丁寧に説明をいたしまして、事業実施主体が個別の事情をよく勘案をしていただいて現場で適切に対応していくことは可能であると考えております。
 四月一日付けのこの交付対象者の考え方の通知を踏まえながら、今後も今申し上げましたようなことでしっかりと運営をしていきたいと、こう思います。

○倉林明子君 いや、六百万円という線引いたことが現場に混乱も起こっているし、世帯全体で六百万なんという線というのも、本当に所得として線引きするのにふさわしいのかというのがあるんですよ。まずは六百万円という線引きを撤回するように私は重ねて強く求めたいと思います。
 その上で、この年間百五十万というのは、農業会議所の調査でも、生計費の四分の一しかカバーできていない、農業所得ではカバーできていないというアンケート結果もあって、やっぱり足らないと思うんです。そういう意味でいうと、新規就農者を担い手として育てていくと、そういう観点からは、やっぱり増額ということを視野に入れて、増額ということで検討いただきたい。これ、家族農業十年に賛成した政府の責任が私は問われる問題だというふうに思っております。
 そこで、最後に、昨年十二月、家族農業十年とともに国連で採択されたのが農民と農村で働く人々についての権利宣言、百二十二か国が賛成して採択されたんだけれども、日本政府は、家族農業の十年に賛成したけど権利宣言には棄権しているということです。
 私、これ一体のものとして取り組むことが欠かせないものだというふうに思っています。小規模農家のこの権利保障、家族農業十年の具体化に欠かせないものとして、私は、棄権じゃなくて、しっかり賛成もして生かしていくべきものだということを最後申し上げまして、時間ですので終わります。