倉林明子

倉林明子

メルマガ登録

障害福祉サービス切るな 倉林氏 「介護保険優先」廃止を(2019/3/20 厚生労働委員会)

(資料があります)
(議事録は後日更新いたします)

 日本共産党の倉林明子議員は20日の参院厚生労働委員会で、高齢障害者の介護保険優先原則を盾に、介護保険を申請しないからと、障害者が尊厳をもって生きるための福祉サービスを打ち切ってはならないと迫りました。

 重度の障害がある浅田達雄さんは、介護保険を申請しなかったとして、岡山市が65歳になった途端にすべての障害福祉サービスを打ち切ったのは違法だと提訴し、全面勝訴しました。倉林氏は「判決が確定した以上、介護保険申請をしない障害者の福祉サービスを打ち切ることは違法であり、やってはならないと通知すべきだ」と迫りました。

 根本匠厚労相は、保険優先を繰り返し強調し、「申請しない障害者には理由を聞き取り、継続して理解が得られるよう働きかけることが必要」だなどと答弁。新たな通知については拒否しました。

 倉林氏は、地方自治体が障害福祉サービスの支給を制限する背景には、介護保険対象となる65歳以上の障害者に対する国庫負担規準額が大幅に減額されている問題があると指摘し、是正を要求。さらに、「介護保険優先原則は障害者に年齢による差別を持ち込むものだ」と批判し廃止を求めました。


障害保健福祉関係主管課長会議資料


2018年度国庫負担基準について


議事録を読む(未定稿)
(この会議録は未定稿です)

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
障害者が六十五歳になりますとそれまで利用していた障害福祉サービスから介護保険への移行が迫られるということで、大問題になっております。
岡山市にお住まいの浅田達雄さんという方がいらっしゃいます。生まれつき四肢に重度の障害があって、飲食、排せつ、移動、寝返り、支援が必要な状態です。しかし、市営住宅で独り暮らしをされておりました。それを可能にしたのは、重度訪問介護を月二百五十時間受けることができる障害福祉サービスが利用できた、これが支えになっていたわけです。ところが、六十五歳になった二〇一三年の二月、岡山市は、介護保険の認定申請をしていない、これを理由として、浅田さんの命綱である障害福祉サービス、これ全て打ち切ると、驚くべき対応をしたわけです。
大臣に聞きたいと思うわけです。障害者が尊厳を持って生きることを可能とするのが、私、福祉サービスだと思うわけです。六十五歳になった障害者が介護保険を申請しない、こういう理由だけで打ち切る、サービスを打ち切るということなどはあってはならないことだと思うんですけれども、大臣、どうですか。

○国務大臣(根本匠君) 現在の社会保障制度では、保険優先の考え方が原則となっており、障害福祉制度と介護保険制度の関係についても、障害福祉サービスに係る費用が公費で賄われていることから、同様のサービスを保険制度である介護保険サービスにより利用できる場合には、まずは介護保険サービスを利用していただくことになっております。
今先生からのお話がありましたが、要介護認定などの申請を行わない六十五歳以上の障害者に対しては、申請をしない理由や事情を十分に聞き取るとともに、障害者の生活に急激な変化が生じないよう配慮しつつ、申請について理解を得られるよう、継続して働きかけることが重要であると、こう考えております。

○倉林明子君 いやいや、実際にサービスが打ち切られたんです。こんなことはあってはならないんじゃないかという、そこについての大臣の判断聞きたいんですけど。

○国務大臣(根本匠君) 障害福祉サービスを打ち切ることとなった背景などが異なるので一概にお答えすることは困難でありますが、いわゆる浅田訴訟のように、介護保険申請の勧奨をすべきであったにもかかわらず、これを行わず障害福祉サービスを打ち切ることは違法となる場合がありますが、申請をしない理由や事情を十分に聞き取った上で、継続して制度の説明を行って、経済的にも介護保険の利用者負担を支払うことが可能であるにもかかわらず介護保険申請をしない場合に障害福祉サービスを打ち切ることは違法とはならないと考えています。

○倉林明子君 いや、打ち切られたら生きていけないという状況になるようなことは明らかなんですよ、この浅田さんの場合ね。私は、こういうことはあってはならないと。はっきり、いろいろ言う前に、大臣としてはそういう立場で受け止めていただきたいと思うわけです。
浅田さんは、先ほどあったように、裁判に訴えて、地裁でも違法の判決が出て、そして昨年の十二月、広島高裁で控訴棄却されたことをもって上告を断念いたしましたので、判決が確定しております。
この判決受けて、さて、じゃ、厚労省は新たなどんな対応をしたのでしょうか。

○政府参考人(橋本泰宏君) 委員御指摘のように、昨年の十二月十三日に、御指摘の広島高等裁判所岡山支部による判決がなされたわけでございますが、昨年の十二月十三日でございます。
今月の七日の日に開催されました障害保健福祉関係主管課長会議、これが全国会議としてございます。この中におきまして、障害福祉制度と介護保険制度の関係については、保険優先の考え方に基づき、同様のサービスを保険制度である介護保険サービスにより利用できる場合には、まずは介護保険サービスを利用していただくことになっていること、また、要介護認定等の申請を行わない障害者に対しては、申請をしない理由や事情を十分に聞き取るとともに、継続して制度の説明を行い、申請について理解を得られるよう丁寧に働きかけることなどを改めて周知をさせていただいているところでございます。

○倉林明子君 今御説明がありました障害保健福祉関係主管課長会議、全国会議で周知された中身について、資料でその部分抜粋しております。
今年になりまして新たに追加的に挿入された文章を点線で囲みました。今御説明にあったとおり、保険優先の考え方が原則だということが改めて強調された上で、なおということで、下の括弧のところ、線引いておりますが、要介護認定等の申請を行わない障害者に対しては、こういう申請をしない理由、十分聞き取って、継続して制度の説明を行い、申請について理解得られるよう丁寧に働きかけるよう改めてお願いする、この記載にとどまっているんですよ。私、これだったら、従前と何も変わらない対応に自治体はなるんじゃないかというふうに思うわけですよ。
これ、介護認定の申請を行わない障害者に対して、行わないことだけをもって打ち切ったという岡山の事案についての判決が確定しているわけですよね。これ、確定した以上、介護保険申請を行わない障害者に対して障害福祉サービスを打ち切るということが違法なんだ、やったら違法なんだ、やるべきではないんだと、これ明確に分かるようにした通知を私出すべきじゃないかと思うんですよ。大臣、いかがですか。

○国務大臣(根本匠君) 障害福祉制度と介護保険制度の関係、これは、保険優先の考え方に基づいて、同様のサービスを、まあ、こういうことですよね。先生、御理解いただいていると思います。
要介護認定等の申請を行わない障害者に対しては、申請をしない理由や事情を十分に聞き取るとともに、継続して制度の説明を行い、申請について理解を得られるよう働きかけることが重要と考えております。
今後とも、丁寧な周知や説明に努めていきたいと考えています。

○倉林明子君 質問の趣旨を聞いていただきたいと思うんですよ。だから、浅田判決で示されたように、介護認定の申請を出していないと、こういう方いるわけですよね、これまでと同じように障害福祉サービス使いたいと。だから、認定はしない、申請主義なんですから、介護保険は。
だから、申請しないという選択を取った人に直ちに打ち切ったら違法という判決出ているんだから、それを自治体にきちっと通知すべきだと言っているんですよ。出すのか出さないのか聞いているんですよ。どうですか。

○国務大臣(根本匠君) これは、先ほど私も申し上げましたが、障害福祉サービスを打ち切ることとなった背景などが異なりますから、ここは一概にお答えすることは困難であると私は思っております。
繰り返しになるのは避けて……(発言する者あり)繰り返しはいいですか。いや、よろしいですね。済みません。

○倉林明子君 いや、私はこういう、裁判に訴えるということ自身が大変なことなんですよ。裁判に訴えて初めてこれが違法だということが確定したんですよ。まあ、いろんなケースあるでしょう、もちろん。それ否定しないんだけれども、明確に判決が出ていることについてはきちんと周知、通知するべきだということなので、重ねての答弁求めませんけれども、しっかり引き取って検討してほしい。どうですか。

○政府参考人(橋本泰宏君) 御指摘の事案、岡山支部の判決というものは、あくまでもこの事案における原告となりました当事者の方の置かれた個別具体的な状況の下で行政側の対応が適切であったかどうかを裁判所の方が判断したものでございまして、あくまでも個別の事案についての判断でございます。
私どもとしましては、行政としての対応につきましてはこれまでの累次の通知あるいは事務連絡等で示しておりますので、それを現場に更に徹底してまいりたいと考えております。

○倉林明子君 いや、その通知を聞いてないさかいにこんなことが起こっているんですよ。そういうことも踏まえて新たな通知の検討、大臣、これ本当にお願いしたい、受け止めていただきたいと思います。
それでは、介護保険優先原則、これで介護保険に移行した障害者がこれまでどおりの支援が受けられているのかと。これも大きい問題なんです。
厚労省は、介護保険で不足するサービスは障害福祉サービスで上乗せできるということで通知しています。全国課長会議でも何度も徹底しております。
二〇一五年の調査では、ところが二八%の自治体、ここで何らかの独自基準を設けまして、上乗せ支援の利用を制限しております。これは厚労省もつかんでいる。これらの自治体は通知を受けて、じゃ、どれだけ是正されたのか。その実態、つかんでいますか。

○政府参考人(橋本泰宏君) いわゆる障害福祉サービスの上乗せ支給につきまして、市町村において上乗せ支給に係る独自の基準を設けること自体は可能でございます。
一方で、今委員御指摘になりました調査の結果を受けまして、障害福祉サービスの上乗せ基準に係る独自の基準を設けている場合にありましても、当該基準によって一律に判断をするのではなくて、介護保険サービスの支給量や内容では十分なサービスが受けられない場合には上乗せ支給をするなどの適切な運用に努めるよう留意を促す事務連絡を発出させていただいておりまして、今後ともこの事務連絡の周知徹底を努めてまいりたいと考えております。

○倉林明子君 実態つかんでいるのかということについて答弁はありませんでしたが、改めてそれは後日確認をさせていただきたい。
要介護四、五、これを上乗せの要件としている自治体も少なくないんです。さっきの浅田さんの例でいいますと、泣く泣く介護保険の申請されました。そうすると、月二百五十時間、この介護保険移行で九十五時間、およそ四割もサービス時間減っているんですよ。障害と介護保険の認定基準も違うので、障害の程度は変わらないけれども使えるサービス減少する、こういう事態も深刻な生活への支障となっているんですよ。
国が幾らできるというふうに通知しても、自治体が上乗せ、横出しを制限する。この背景に一体何があるか。やっぱり、ここには国庫負担基準額の問題があると指摘せざるを得ない。
これ、二枚目に入れておきました。重度訪問介護利用者、重度障害者等包括支援利用者ということで、抜き書きをしております。報酬改定で見直しはされました。しかし、障害者が六十五歳になりますと、障害者なんだけれども介護保険対象者ということになりまして、介護利用者の場合、障害区分が六の基準額と比べれば七割もこの国庫負担減らされるということになるんです。
これ、通知を本気で徹底する気があるんだったら、私は、介護保険対象者の基準というのを大幅に引き上げる、これが筋だと思うんだけど、どうですか。

○政府参考人(橋本泰宏君) 先ほど来大臣の方からも御答弁させていただいておりますように、障害福祉制度と介護保険制度の関係というものは、障害福祉のサービスの費用が公費の方で賄われてございますので、同じサービスを保険制度である介護保険サービスにより利用できる場合には、保険優先の考え方に基づいて、まずは介護保険サービスを利用していただくというのがルールでございます。このため、障害福祉サービスの国庫負担基準におきましては、介護保険では給付対象となっていないサービスに係る費用について基準が設定されているわけでございます。
このような仕組みにつきましては、社会保障制度の基本である保険優先の考え方との整合性を図るという観点から、今後とも必要なものと考えております。

○倉林明子君 冷たい話やと思って聞いていました。国庫負担基準を減らして、自治体が上乗せしようにもできないというふうに財源面でこれ誘導しているのが厚労省のやり方なんですよ。私、介護保険優先で使えるサービスが減少する、こういう起こっている事態が問題なんですよ。それに痛みを感じないというのは、本当問題だと思いますよ。
それだけじゃなくて、一割負担の問題もあるんですね。これ、一割負担が障害者の生活を本当に脅かしている事態、広がっております。障害者が介護保険に移行しない、その選択をしたという正当な理由として私は尊重されるべきものだと思います。これ、どうですか。短くお願いします。

○政府参考人(橋本泰宏君) 六十五歳になったという時点におきまして、先ほど申し上げているような介護保険のサービスを受けられるという状態になりますので、それについての調整ルールが設けられているということでございます。

○倉林明子君 一割負担がどういうことかというのを言いますと、一割負担は償還払いできるというふうに、対象を広げました。しかし、これ償還払いで、更に要件があって、五年以上のサービス利用である、要介護一以上と条件付で、要支援になればこれは対象外となって負担が生じるんですよ。六十五歳になったから障害者も介護保険対象だというふうにするというのが、私は、公平どころか障害者に私は年齢で差別を持ち込むというやり方だというふうに思うわけです。そもそも、障害総合支援法と介護保険法というのは目的が違うんですよ。一緒にすることに私は非常に無理があると、障害者にそのしわ寄せが行っているというふうに思うんです。
大臣、宿題だったんですよ、これは。介護保険優先原則、やっぱり見直すべき、廃止すべきじゃないかと思います。端的にお答えください。

○国務大臣(根本匠君) 今、宿題だというお話がありました。
平成二十五年の社会保障制度改革国民会議の報告書において、日本の社会保障制度は、自助を基本としつつ、自助の共同化としての共助が自助を支え、自助や共助で対応できない場合に公助が補完する仕組みにより形成すべきとされております。こういう考え方の下で、我が国の社会保障の全体の体系において、あるサービスが公費負担制度でも社会保険制度でも提供されるときは、国民が互いに支え合うために保険料を支払う社会保険制度の下でそのサービスをまず利用する保険優先の考え方が原則となっております。
そして、平成二十七年十二月の社会保障審議会障害者部会の報告書でも、この原則を踏まえ、現行の介護保険優先原則を維持することは一定の合理性があると考えており、これを見直すことは考えておりません。

○倉林明子君 大臣、何の宿題だったか分かっていないと思うんですよ。
二〇一〇年の障害者自立支援法違憲訴訟の原告団、弁護団、この国の基本合意というのは、総括と反省を踏まえて、新法制定に当たっての論点ということで確認しているんですよ。その中に、介護保険優先原則の廃止、そして実費負担の早急な見直し、これが合意事項に入っているんですよ。だから、不十分とはいえ、一部負担についての見直し作業進んできた。しかし、優先原則については全く手付かずで、判決受けても動かないというのはどういうことかと思うんですよ。
あれから九年なんです。あれから九年。私は速やかな合意の実行を強く求めたいと思う。これは大臣の認識が問われる問題だから大臣に答弁をお願いしたい。もう部長いいです。

○政府参考人(橋本泰宏君) 今御指摘いただきました平成二十二年一月七日の基本合意文書というのがございます。
この中におきまして、今おっしゃいました、介護保険優先原則を廃止し、障害の特性を配慮した選択制等の導入を図ることということが新法制定に当たっての論点として、原告団、弁護団からは利用者負担の在り方等に関して以下の指摘がされたと、まさに原告団、弁護団からの指摘事項の一つということで記載されているのは事実でございます。

○倉林明子君 やっぱり障害者の基本的な人権、尊厳をどう守るのかということで総括と反省が生まれたということを、私は、大臣、引き続きまた質問しますから、もう一回、その総括と反省の部分もお読みいただきたいと思います。改めて、障害者の尊厳が懸かった問題ですので、原告団が言っていたことだというような認識は大きな間違いだと、しっかり検討を進めるべきだと申し上げて、今日は終わります。