倉林明子

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医師の増員こそ必要 医療法改定案で参考人質疑(厚生労働委員会)

(議事録は後日更新いたします)

 参院厚生労働委員会で15日、医療法と医師法の改定案について参考人質疑が行われました。

 全国医師ユニオンの植山直人代表は陳述で「医師数問題が解消されたという認識は問題だ。医師数抑制の閣議決定の後、過労死が非常に多く出た。医者が少ない中で偏在対策を強化すればとりあいになり、必要なところでなく力のあるところに行ってしまう」と指摘。「三十数時間連続という長時間労働をなくすためには交代制勤務が必要だ。地域別・診療科別に必要医師数を明らかにし、増員をはかるべきだ」と述べました。

 日本共産党の倉林明子議員は、フランスで若手医師が勤務医を志向している背景を質問。産業医科大学医学部の松田晋哉教授は「35時間労働法が病院の勤務医に適用される。若手医師は働きやすさを望むようになってきた。個人開業医に勤める医師が少なくなり、長い労働時間が問題になっている。フランスでは医療職に関しても労働時間を守ることに関心が高まっている」と答えました。


議事録を読む(未定稿)
(この会議録は未定稿です)

○倉林明子君 今日は、四人の参考人の皆さん、本当に貴重な御意見聞かせていただきまして、ありがとうございました。
植山参考人にまず質問させていただきたいと思うんですけれども、医師の労働組合をつくられたというところは極めて、つくられた当時見れば画期的なことだったんじゃないかと思うんですね。医師はまだ日本の中では聖職者だという考え方があると思うんですね。そういう中で、勤務医の労働組合を結成されたという動機といいますかきっかけになったようなこと、御紹介いただきたいなと思います。

○参考人(植山直人君) 私、二〇〇九年に全国医師ユニオンを立ち上げました。その一番の理由となったのは、やっぱり医師の過労死事件ですね。特に有名なのは、小児科医の中原利郎さんが飛び降り自死されたということで、これは小児科の先生たちが署名運動をするとか裁判所にいろんな要請文を出すとか、いろんな形で社会的に運動になりました。
一番最初と言われるのは、昭和四十年代にもあったみたいですけど、一九九八年に関西医大の研修医の方が亡くなって、これが九〇年代初めての過労死裁判となったんですけど、このときはお父様が社労士で、なぜ愛する自分の息子が死んだのか、徹底的に調べたと。やっぱり過労死裁判って難しいんですよね。証人になってくれる人、ほとんど大学にはいないです。だから、自分の息子の同級生とか知り合いとか百数十人に当たって、いろんなアンケートを取ったり、証人になってくれと、そういうことを過酷な中で頑張られて、あの裁判を勝ち取ったと。
そういう話もありまして、ネットでもかなりそういう議論が出てきました。よく見ると、ヨーロッパ、アメリカじゃ当たり前のように医者は労働組合やっていますし、ドイツでは、二〇〇六年、サッカーのワールドカップがあった年に大規模なストライキをやっています。断続的に三か月あったと。そのときには、ドイツでは、医者はストライキやると五年間の停職と免許取上げという法律があったみたいですけど、三万人とかが参加しちゃうと五年間ストが続いているのと全く同じになるので、そういうものはなくなって、結局、国民が支持していたというふうに聞きます。なぜかというと、ドイツの医師の労働条件が悪くて、例えばイタリアであるとかスウェーデンに医者が流れていたと、国民はそれを快く思っていなかったので医師に協力したという話を聞きました。
医者の労働組合ができるかどうかというところでいうと、例えばパイロットは労働組合を持っていますし、プロ野球選手がストやりましたね、プロ野球労組のスト。それから、管理職だから医者はなれないとみんな思い込んでおりました、私も。でも、管理職ユニオンというのがその頃活動をしていて、会社の役員レベルでも労働組合がつくれると。そういうこともありまして、医者の労働組合をつくったと。
まあ、一番の動機は過労死です。

○倉林明子君 様々な過労死案件でも、とりわけ勤務時間、実労働時間を認定させていくというのが裁判等でも非常に論点になるかと思うんですね。働き方改革でも大事な論点になってくるんだろうと思っているんですけれども、この労働時間の管理で、医師のところでとりわけ残業代の扱いですよね、について、少しお考えになっていることを補充的にお話しいただければと思うのと、あと、やっぱり自己研さんをどう見るかと。特に研修医の場合のところ触れられたかと思うんですけれども、その評価についてもお考え御紹介いただきたい。植山参考人にお願いします。

○参考人(植山直人君) 自己研さんについて私もちょっと考えてみたんですけど、辞典で引くと、研さんとは学問などを深く研究するということなんですね。これに自己が付くというのは、任意でこれを行うということで、研修医がやるのは必要な標準的な医療を学ぶというところなので、これは研さんには当たらないです。もし適切な医療が行われなかったら、患者さん迷惑掛かるんで、これは病院側の責任です。
じゃ、研修は労働と分けて好きなときにやっていいかというと、患者さんの診療を行う上では必ず病院の管理監督下で行わないと、勝手に入院患者さんに対して病院が知らないところで勝手にやりました、こういうことはあってはならないんで、結局、研修の大半は管理監督下における労働時間というふうに思います。
これは、座学で自分がいろんなものを勉強したりするのは別ですけど、少なくとも患者さんに対しては、もし全くの治療とは関係ない自分の研さんのためであれば、患者さんに承諾を得る必要があります。当然、私はこういうことを学びたいのでやらせてくださいと、これはリスクは伴わないということで、そこで患者さんが承諾してくれたらそれはあるかもしれないけど、そういう手順をきちっと患者の権利も守りながらやっていく必要があるというふうに考えています。
研修の場合はそうなんですけど、じゃ、高度医療についてはどうかということで、私が思いますには、群馬大である医師が行った手術後に多くの患者さんが亡くなっていると。腹腔鏡の場合は一例目と三例目が亡くなっていると。
高度医療だから、あれは自己研さんが十分でなかったというかというと、そんなことは言えなくて、これは病院側に責任があると思います。高度な医療がちゃんとその医者ができるかどうか、これを把握して、もしできないとなったら病院側はやらせるべきではないし、そういった意味では、高度医療機関においては、高度な医療を勉強することも簡単に自己研さん、任意の研究というふうには言えないと思います、ここには患者さんの安全に対する義務というのが当然生じますから。
だから、この辺についての議論がまだ非常に弱いんで、非常にきちっと、どこまでが労働でどこまでが労働でないか、どうやったら患者さんの権利が守れるのか、たとえ勉強でも、体を壊すようなそういうものを強制するようなテーマを出すべきではないし、こういうものをきちっとした議論を行う必要があるというふうに考えています。

○倉林明子君 ありがとうございます。
労働時間としての評価ということの線引きって非常に大事だということになろうかと思います。正当に評価されていくべきものだというふうに思います。
そこで、松田参考人にお聞きしたいと思うんですけれども、フランスの医師の働き方ということで御紹介ありました。若手が今、その中で病院志向になっているというお話なんですけれども、ちょっと日本では考えにくいといいますか、随分違いがあるんだなって思ったわけですけれども、その背景、端的に御説明いただけたら。

○参考人(松田晋哉君) 一番原因だったのは、あの三十五時間労働法です。フランスでは三十五時間労働法というのが設定されて、それから後、それは医師にも当然適用されたわけですけれども、そういう過程の中で、当初はやはりいろんな混乱が起こりました。ただ、ずっとやっていきますと、やはりそういう働き方をしていく、それ、その後少し緩和されていますけれども、その働きやすさというものをやっぱり若い医師が望むようになってきた。
その結果、今何が起こっているかというと、これは二月に調査へ行ってきたんですけれども、いわゆる三十五時間労働法というか、いわゆる働き方に関する法律が適用されるのは病院なんですね。個人の開業医の先生たちは、実はそれが適用されません。その結果、今何が起こっているかというと、フランスでは、いわゆる個人で開業している先生方の長い労働時間というのが問題になってきていて、そういうプライマリーケアを担う診療所に勤める先生が少なくなってきているという問題がパリでも起こっています。それに対応するためにパリ市が、あるいはいろんな保険組合が自分たちでいわゆる多機能の外来診療所をつくって、そこにパートタイムやいろんな形で医師が勤めるということが起こっています。
そういう意味で、フランスの場合には、かなり医療職に関しても労働時間をきちんと守るということに対する関心が高まっている。それがそういう問題になっていると思います、現状になっていると思います。

○倉林明子君 ありがとうございます。
最後、立谷参考人に伺いたいと思うんですけれども、新専門医制度についてはやっぱり偏在を加速するという声があるということを私も質問で委員会でも取り上げた経緯があるんですけれども、一年間延長された、そして見直しもされたということですけれども、依然としてやっぱりその危険は高いというお話だったかと思うんですけれども、具体的に、その南相馬で、お一人の方は、親友の息子さんですか、(発言する者あり)あっ、相馬。ごめんなさい、ごめんなさい。
お聞きしたいのは、新専門医制度がいよいよ始まるということで、その問題意識について改めて、これで、懸念は先ほど御紹介もいただいたんだけれども、今一番懸念していることということで、追加的に御発言あればお願いしたいと思います。

○参考人(立谷秀清君) 先ほど申し上げましたけど、結果的に東京一極集中が進んだということですね。この医師不足の問題と東京一極集中の問題はまた別なところがあるんです。東京一極集中というのは医師不足の根本的な全体的な問題になっていますが、医師不足というのは本当に必要なところに必要な医者がいないことを言うんですね。ですから、同じ県の中でも医師不足という現象があるんです。県庁所在地、医学部所在地は医者がたくさんいるけど、へんぴなところは全然いないというような問題もありますから。
ですから、専門医制度がそれ全部解決するとか、そのことによってどうこうなるということでは必ずしもないんですが、ただ、宮城県や福島県の初期研修医、あっ、後期研修医の絶対数が東京に集中している。五百人、四百七十五人増えていますから、東京は。研修医から専攻医、つまり後期研修医になった、初期研修医から、人数だけで見ても四百七十五人増えているんですね。こういう現象が起きているというところに一体何が問題があるのかと。
それは働き方の問題でも何でもなくて、いろんな背景的な問題があるんですが、やっぱり一つは子供の教育の問題があるんですね。東京にいた方が教育しやすい。医者はみんな自分の子供医者にしたがりますから、そうすると、ますます東京に住みたくなるんですね。だから、これは逆転の発想でいかないといけない。地方にいた方が医者にしやすくなるような環境をつくらないといけない。東京にいるとお医者さんにするのが大変だという環境をつくらないといけない。
だから、さっき言った相馬高校の地元枠みたいなのをどんどん広げて、やっぱり自分のふるさとで医者やるのが適切だと私思いますから、そういうことも考えないといけないと思います。
以上。

○倉林明子君 ありがとうございます。