国会レポート

年金の申告書分かりやすく 厚労相「改めて送付」 参院予算委で倉林氏に答弁(予算委員会)

2018年3月20日

(資料があります)
(議事録は後日更新いたします)

 2月支給分の年金で所得税が控除されず約130万人が本来より少ない年金額だった問題などについて、日本共産党の倉林明子議員は20日の参院予算委員会で、原因究明と所得税の過剰徴収の解消を求めました。加藤勝信厚生労働相は「誠に遺憾。正しい源泉徴収税額に基づいた年金の支給にただちに対応する」と答えました。

 日本年金機構は昨年度の税制改正に伴い「扶養親族等申告書」の様式を往復はがきからA3用紙に変更し、795万人に送付。記載事項が増えたため提出遅れや記入漏れが起き、年金が本来より2万~3万円過少支給されるケースが相次ぎました。

 倉林氏は「扶養親族と書いてあるから(関係ないと思い)出さなかった人もいる」として周知徹底の方法をただしました。機構の水島藤一郎理事長は、ホームページに記入例を示したとしながら「多くの未提出の方がいる。周知の努力が不足していた」と述べました。

 倉林氏は、機構が扶養親族の氏名の入力業務を委託した業者が中国の業者に再委託していたことも分かったとして説明を要求。水島理事長は「委託業者の再委託は契約上禁止だが、1月6日の特別監査で中国に再委託していることが判明した。個人情報流出の恐れはない」と述べました。委託業者の入力ミスや記入漏れにより支給年金額が減っていたことも分かりました。

 倉林氏は「所得税の過剰徴収があってはならない」と追及。加藤厚労相は「入力ミスは可及的速やかに是正しておわびする。分かりやすい申告書を改めて早急に送付する」と述べ、簡便な申告書に基づいて源泉徴収額を把握し直す考えを表明しました。


平成29年分 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書


平成30年分 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書


議事録を読む(未定稿)
(この会議録は未定稿です)

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 私の方からは、年金の過剰徴収の問題について質問したいと思うんですね。
 昨日から流れた報道に大変驚きました。五百万人分の年金の個人データ入力を委託業者が中国の業者に再委託していたと。明確な契約違反で、情報流出、この危険も本当に大きいものだと指摘しなければならないと思います。
 その上で、この問題というのは、今年二月、既に年金支給額が二万円、三万円減っていると、こういう事例が相談相次ぎまして分かってきたんですが、当初、二月の年金の過少支給は百三十万人、こういう報道ありました。これに加えての今度の五百万人のデータの入力のこういう再委託の問題等も出ている。私、これ、またもやですよ、またもや年金に対する国民の信頼を大きく失墜するとんでもない事態だというふうに受け止めております。
 そこで、改めて、事態の全容、そして対応について、これきっちり説明を国会にしていただきたいと思います。

○参考人(水島藤一郎君) 御説明いたします。
 日本年金機構は、所得税等源泉徴収をした上で年金をお支払いしておりますが、その源泉徴収税額を算定するために扶養親族申告書等を提出していただいております。昨年は、八月から九月にかけまして、対象者七百九十五万人に対しまして扶養親族申告書をお送りいたしました。
 扶養親族等申告書が未提出、申告書の提出が期限でございました十二月十一日までに間に合わなかった、また記入不備でお返しを申し上げまして再提出期限までに申告書の提出が間に合わなかった方々、これらの方々について、二月の支払分の源泉徴収額が申告書未提出として計算されている人数は百三十万人でございます。
 例年、扶養親族等申告書の提出が遅れ、各年、最初の定時支払期である二月には間に合わず、三月以降にお支払いする場合がございます。しかしながら、本年は、税制改正等に伴いまして扶養親族等申告書の記載項目に変更があったことを踏まえ、申告書の様式を変更いたしましたところ、年金受給者の方々に御理解いただくことが難しくなりました結果、申告書の提出が遅れ、二月の支払に間に合わない方が多くなったということでございます。
 いずれにいたしましても、まだ申告書の提出がない方に個別に分かりやすく再度のお知らせを行うなど、適切に対応してまいりたいと考えております。

○倉林明子君 報道にありました五百万人分の再委託の件というのは一言も触れられていないんですけれども、朝知った、私も朝、報道で知ったことですけれども、機構の理事長はもっと知っているはずですから、説明いただきたい。

○参考人(水島藤一郎君) 委託業者に対しましては、主体的部分の再委託並びに海外への委託に関しましては、機構としては禁止を、契約書上、禁止をいたしているところでございます。
 昨年の年末から事態が把握されてまいりまして、年初でございますが、機構で監査を入れました。その結果、海外に委託をしているというおそれがあることが判明をいたしました。それに伴いまして、機構では、一月の六日でございますが、特別監査を入れておりまして、その後、その時点で把握を、中国に委託をしておりますことが把握をできましたので、中国の業者の監査をIBM、これはセキュリティー業者でございますが、それとともに行っております。
 その結果でございますが、委託をしておりました内容は、いわゆる切り出しました氏名の入力でございました。加えまして、調査をいたしました結果、個人情報等の流出のおそれはないというふうに判断をいたしております。

○倉林明子君 この問題について、一月七日の時点でもう既に特別監査入れているという話なんですよね。一切、これまで百三十万人の分もこういう再委託というやってはならない禁止されたことをやっていたことを、これ聞かなかったら言わないと。どういうことかと思うんですよね。
 更に問題なのは、年金機構でこれだけの重大なミスをやっておいて、過剰な徴収していたわけですよ。迷惑掛けているという、高齢者に対して、年金の受給者に対して一言も謝罪がない。どういうことですか、これ。

○参考人(水島藤一郎君) この中国への委託の内容は、いわゆる扶養親族の氏名の入力でございまして、したがいまして、源泉徴収税額に影響を与える委託ではございませんでした。その点は御理解をいただきたいというふうに思います。
 また、新聞報道等にございますが、六万七千人の、いわゆる十二月十一日までに御提出いただいておりながら二月に源泉徴収税額の調整ができなかった方、この方々に関してでございますが、この方々に関しての支払に関しましては影響を与えておりません。

○倉林明子君 一言も謝罪がないというのはどういうことかと強く抗議をしておきたい。
 所得控除がこれされなかったために、結果として年金受給者に対して所得税を過剰に徴収していたという問題なんですよ。これ自身あってはならないことなんです。ところが、問題発覚して以来、年金機構からも過剰徴収をしたということになる国税庁からも、年金受給者に対して正式な説明そして謝罪、今もしないわけですよ。
 私、所管する厚生労働大臣、そして財務大臣、それぞれ認識を伺いたいと思います。

○国務大臣(加藤勝信君) まず最初に、委員が御指摘をいただきました、再委託をし、しかも中国の業者に再委託をしたという件であります。
 私どもももちろん報告を受けておりますが、この中国の関連業者から個人情報が外部に流出したという事実は確認されていないとのことではありますけれども、委託した業務の再委託そのものは機構との契約、委託業者の契約に違反するということであります。
 それからもう一つ、今委員から御指摘いただきました、特に、十二月の十一日までにこの扶養親族等申告書をしっかりと提出していただいたにもかかわらず、それに基づいて委託業者の入力漏れや入力の誤りがあって、二月の支払時に正しい源泉徴収額、それをベースとした年金の支給額がなされていない、こういう事例があるということについては、私ども、本当にその時間に出していただいたにもかかわらずそうなったこと、誠に遺憾であるというふうに思います。
 いずれにしても、そうした点を含めて、まず、委託業者の入力漏れ、入力誤りにより御迷惑を掛けた方々に対して、まずは正しい源泉徴収税額に基づいた年金の支給、これを早急に対応していく。あわせて、個々におわび状を送付をしていく。また、今回業務委託をするに当たって、ちょっと事案が幾つか入っているんでまとめて申し上げさせていただきますけれども、トータルでいえば、事務処理の在り方、これを徹底して見直していく必要がある。
 そして、今委員から御指摘のように、一連の内容そしてそれに対する取組、これを個々の受給者の方に御説明すると同時に、やはりこの一連の動向というのは、国民の皆さん方の年金に対する信頼を毀損しているわけでありますから、しっかりと公表していく。そうしたことの対応を機構にも求めるとともに、我々もしっかり反省をしていかなきゃいけないというふうに思っております。

○国務大臣(麻生太郎君) 今、厚生労働大臣の方から御答弁があっておりましたけれども、委託業者の入力漏れとか入力の誤りがあったりとか、いわゆる年金受給者が日本年金機構に提出する扶養親族等申告書の様式変更等々によって年金受給者の方々に影響が出ていると承知しておりますが、これは国税庁と全く関係ありませんので、今国税庁と言われましたが、国税庁の関係では私どもですけれども、年金機構は厚生労働省なんで、その点につきましては年金機構において適切に対応をされるべきものだと考えております。

○倉林明子君 所得税が過剰に徴収されているんですよ。徴収している方なんだから、全く知らぬみたいな答弁はいかがなものかと思いますね。私、この問題は委託業者だけの問題じゃないと思っておりまして、これ新たな扶養親族等申告書を出すことになったんですよ。これは、麻生大臣、税制改正したからなんですよ。
 その上で、この申告書を提出した、提出しない、この場合で年金額はどう変わるのか御説明ください。

○政府参考人(高橋俊之君) 本件につきましての具体的な源泉徴収額の計算式でございますけれども、所得税法で規定がございまして、年金受給者の方から扶養親族等申告書の提出がない場合には、申告書の提出がある場合よりも源泉徴収額が多くなる規定になってございます。
 具体的には、扶養親族等申告書を提出した場合におきましては、年金支給額から社会保険料を差し引き、また申告の内容に応じた各種控除額を差し引きまして、残りの課税所得金額に五・一〇五%を乗じた金額が源泉徴収額となります。したがいまして、年金支給額からこれらを差し引いた残額が年金の振り込み額でございます。
 一方、扶養親族等申告書の提出がない場合でございますが、年金支給額から社会保険料を差し引き、扶養親族等の状況にかかわらず一律二五%の控除を差し引きまして、残りの課税所得額に一〇・二一%を乗じた金額が源泉徴収額となるという規定になってございます。したがいまして、年金支給額からこれらを差し引いた残額が年金の振り込み額となるということでございます。

○倉林明子君 分かりにくい話ですけれども、税率が五パーから一〇パーということになるので、倍以上になるんですよ。数千円、数万円という単位で実際負担が増える、引かれる分が増えているんですね。
 で、年金が減るだけにとどまらないんです、この影響というのは。非課税から課税という場合も生じてまいります。こうなったら、翌年度、これ住民税が課税されるということになります。新たに住民税が課税となった場合、どんな影響が考えられますか。

○政府参考人(高橋俊之君) 日本年金機構から各市町村に対しましては、年金が支払われた年の翌年の一月末頃に公的年金等支払報告書を送付してございます。市町村には、この公的年金等支払報告書に記載された所得額、扶養親族の人数などを基に次の年度の住民税額を計算してございます。
 現時点でまだ申告書を提出されていない方につきましては、再度のお知らせと分かりやすい申告書を送付することといたしておりまして、提出いただいたものの内容を報告書に反映した上で市町村に送付することとしてございます。また、翌年に確定申告がされた場合には、各市町村はその扶養親族等の情報を基に住民税額を計算することとなっております。
 したがいまして、最終的には、扶養親族等の状況を踏まえた適切な住民税額を計算されるものと考えてございます。

○倉林明子君 影響なんですよ、課税世帯になったらどうなるかって。答えていない。

○政府参考人(高橋俊之君) 課税世帯になりますと、福祉の制度ですとか様々な制度での関係が出てまいりますけれども、今回につきましては、これから申告書を提出していただきまして正しい控除額を反映し、課税世帯以下の方は適切に課税世帯以下になると、このようなことにするということでございます。

○倉林明子君 要は、課税世帯になったら本当にとんでもない負担増に、介護保険、住民税が課税になったら介護保険も利用料も全てのところで引っかかってくるんですよ。
 これ、重大な、出さなかったら大変な負担になるという申告書。しかし、受け取った人はどう思ったかというと、扶養親族書と書いてあるから出さなかった、こういう人もいるんです。
 大体、この申告書を出さないと年金が減る、ここが一番大事なところなんですけれども、これ、どうやってお知らせしたのか、説明してください。

○参考人(水島藤一郎君) 扶養親族等申告書には、対象者の方全員に個別に申告書の内容とその記入方法を記載をいたしましたリーフレットを同封してお送りをいたしております。そのリーフレットには、提出がない場合は、扶養控除等の適用が受けられず、所得税等が多く源泉徴収されることがありますので御注意くださいとの説明文章を記載をいたしております。あわせて、申告書を提出した場合の税額の計算方法も提示して御説明をしております。
 また、機構のホームページには、記入内容の説明、記入方法、記入例を掲載しているところでありますが、その中で、申告書の提出の有無に応じた税額の計算方法についても掲載をいたしております。
 しかしながら、今回、まだ多くの未提出の方がいらっしゃいますことを踏まえますと、この周知の努力が不足していたと反省をいたしているところでございます。

○倉林明子君 いや、送られたものというのは、これまでのものは、資料一で付けていますけれども、これ、はがき一枚ですよ。ところが、今御説明になった丁寧なリーフというのはこれですわ。(資料提示)細こうて私らもう見えませんわ。それで、これ、本当に読み込んで理解しないと書けない中身になっているんですよ。書くものも、はがき一枚裏表から、これ裏表なんですよ。これ、誰が書くのかと、高齢者なんですよ。そういうところでいったら、本当に不親切極まりないと思います。きっちり分かりやすく、速やかに、いつまで出すのか、答弁ください。

○参考人(水島藤一郎君) 私どもといたしまして、大変お問合せが多くなりましたので、事務所におきましては、一定の時間を定めましてお客様に御説明を申し上げるという努力もしてまいりました。
 しかしながら、現在の状況に至っているわけでございますが、今後、申告書の提出がされていない方につきまして、申告書やお知らせの内容につきまして簡便で分かりやすいものに変更いたしまして、見直しを行いました上で、三十年四月をめどに再度お送りをいたしまして、申告書の提出をお願いいたしたいと、こういうふうに考えております。

○倉林明子君 これ、本当にもっと早い段階で、こういう事案起こるということは、さっきも、一月時点、特別監査入ったということだから、分かっていたと思うんですね。
 私、この周知の仕方もそうなんだけれども、この再提出を促すということの点でも周知は全く不十分だったと思うんです。ホームページで事実上お知らせしていただけなんですよ。
 そこで、受給者の大規模な申告漏れに加えて、今度の委託業者の入力ミスと。先ほど、特別監査も入っているということなんですけれども、一体どれだけの規模で委託業者の影響というのがあるのか。いつまでに、その委託業者のミスによる影響というのは何件で、さらに、その影響額というのはどこまでつかんでいるんですか。

○参考人(水島藤一郎君) 委託業者の入力ミスの把握に関しましては、現在、約五百万件の申告書でございますが、この内容につきまして正しく機構のオンライン上登録をされているかどうかと、入力をされているかどうかについて、機構の職員で全てのチェックをいたしております。
 これを踏まえまして、四月十三日にお支払いいたします際に、もちろん正確な源泉徴収税額でお支払いいたしますとともに、二月でもし間違いがあるといたしますと、その差額に関しましても調整をしてお支払をするということにいたしております。
 現在、その作業を鋭意進めているところでございまして、その全体の規模に関しましてはもうしばらく精査に時間を要すると考えております。

○倉林明子君 最後、これは本当に不明な点もまだまだあります。徹底した原因究明が必要だというふうに思います。
 一人残さず過剰徴収は速やかに解決していくと、この決意を最後伺って、終わりたいと思います。

○国務大臣(加藤勝信君) 今の過剰徴収とおっしゃった中に二つあると思うんです。
 一つは、しっかりとした申請、扶養親族等申告書が、しかもしかるべき時期までに提出をしていただいたにもかかわらず、結果としてそれが反映されていなかった。それは入力漏れとかそれから入力ミス、これは可及的速やかにまず是正をし、そしておわびを申し上げなければいけないというふうに思っております。
 それから、今委員御指摘のあった、前回まではがきであったものが、今回それだけの長い、非常に読みにくいものだと御指摘をいただきました。そうした結果において、いまだ提出がなされていない方々、これに対しては、分かりやすい資料を提出、分かりやすい申告書を改めて早急に送付をさせていただいて、一日も早く提出をいただき、そして、提出を受けたということを前提とした源泉徴収等が行われるように、我々もしっかりと取り組ませていただきたいと思います。

○倉林明子君 終わります。