倉林明子

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再生エネへ転換こそ 政府の算定を批判 FIT法改定案 政府質疑・反対討論(経済産業委員会)

(ページ下部に資料があります)

 参院本会議で25日、再生エネルギーの導入抑制につながる再エネ特別措置法(FIT法)改定案が自民、民進、公明、おおさか維新などの賛成で可決・成立しました。日本共産党と社民党は反対。24日の経済産業委員会で日本共産党の倉林明子議員は、国が原発を「重要なベースロード電源」として再生エネを締め出している実態を示し、再生エネ中心の政策に転換すべきだと主張しました。

 倉林氏は、経産省主導で九州電力など6電力会社が再生エネ発電の接続可能量を決め、事実上、無制限・無補償で接続拒否できるようにしているほか、最大7割の電力を25基の原発で賄う前提で接続可能量を算定しており、「動いていない原発の稼働枠を確保するきわめて過大な見積もりだ」と批判。現実には川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の2基しか動いておらず、再生エネ受け入れ枠は十分あると迫りました。

 そして、地域内の電力系統では「先着優先」で原発枠が確保され、“空き容量不足”で自動的に再エネを締め出すものだと指摘し見直しを要求しました。林幹雄経産相は「公平性を保つには再エネ電源の優先接続は困難だ」と居直りました。

 倉林氏は、広域運用でも電力会社が将来の原発分を“空押さえ”していると追及。経産省は、東北―東京間連系線では空き容量が相当あると認めました。倉林氏は「いずれの運用ルールも、再エネの二重三重の抑制だ」として抜本的転換が必要だと強調しました。

原子力の供給力見通し現状の原子力発電稼働状況による電力需要と電源別供給量

議事録を読む(質疑)
平成二十八年五月二十四日(火曜日)
電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 先日の本会議で再生可能エネルギーの接続義務について質問いたしました。続きをやりたいと思います。
 まず、九州電力から始まりました接続保留について確認をしたいと思います。二〇一四年九月から始めた件数はトータルで一体何件になったのか、接続保留したその理由は何だったのか、御説明願います。

○政府参考人(藤木俊光君) 一昨年の秋に、北海道電力、東北電力、四国電力、九州電力では接続申込みに対する回答が保留されました。
 件数は、平成二十六年の九月、十月、それぞれ電力会社によって異なっておりますが、北海道三十九件、東北七百四十件、四国八百二十三件、九州が五万四千二百五十九件、沖縄電力については、回答の保留という形ではありませんが、個別協議という案件が六百五十件あったというふうに聞いております。
 この保留は、太陽光発電の導入が急速に進んだことによりまして、全ての案件が電力系統に接続されると電力の供給が需要を上回り停電が生ずるおそれがあるということで、電力の安定供給に支障を来す可能性があったことから、系統への影響を精査するために一時的に接続の申請に対する回答を保留したというものだと承知しております。
 その後、政府におきまして、系統ワーキンググループ、専門家による中立的な検討の場を設けまして、各電力会社が年間三十日等の出力制御の範囲で受入れ可能な再エネの量、これにつきまして算定方法も含め検証を行ったところでございます。
 この検証を踏まえて、必要な場合には年間三十日を超えて出力制御が行われることに発電事業者が同意していただける場合には系統接続を可能とする、こういう制度、これを指定電気事業者制度というふうに呼んでおりますが、この指定を行ったところでございます。
 平成二十六年十二月に、北海道電力はその前に既に指定を受けておりますが、東北、北陸、中国、四国、九州及び沖縄の七社が指定されまして、平成二十七年一月以降に先ほど申し上げた接続保留は全て解除されたと認識しております。

○倉林明子君 つまり、省令改正も行って接続保留については解除されたという報告だったと思うんですね。
 この省令改正ですけれども、結局、事実上の無制限、無補償の出力抑制を可能にしたという批判があったことは本会議でも紹介したとおりであります。
 再エネを義務付けた法の原則が骨抜きになっているということで、私は重ねて認められないということを申し上げておきたいと思います。
 この省令改正なんですけれども、大臣は本会議の答弁で、出力抑制と引換えに再エネの更なる導入を可能とするもの、最大限の導入を図るためのものというふうに答弁をされておりますが、その根拠は何でしょうか。

○国務大臣(林幹雄君) 停電を起こさないためには、発電量が需要量を上回る場合に出力制御が必要でございます。まず火力発電を抑制し、さらに広域融通を行った上で、なお必要な場合には再エネの出力制御を行うことになります。我が国では、こうした再エネの出力制御を行うに当たっては、再エネの円滑な導入を促すため出力制御を年間三十日以内とするとのルールを設けてきたわけでございます。
 しかし、再エネの導入が進み、このルールの下では再エネの受入れが困難になる地域が生じてくることになりました。このため、こうした地域においてこのルールの例外を設ける、つまり指定電気事業者制度を導入いたしました。すなわち、三十日を超えた出力制御を受け入れてもらうことを条件に、再エネの更なる導入を可能とすることとしたものでございます。
 この結果、例えば九州電力管内では、指定電気事業者制度の導入前の上限、三十日等出力制御枠ですが、ここでは八百十七万キロワットでありましたが、指定電気事業者制度の導入によりまして、今年三月末時点では合計で九百五十一万キロワット分の接続契約が承諾されております。
 こうしたことを指しまして、先日の本会議において、指定電気事業者制度が三十日を超えた出力制御を受け入れていただくことと引換えに再エネの更なる導入を可能とすることとしたというふうに申し上げたものでございます。

○倉林明子君 接続できると、これが原則だというふうに言っていたにもかかわらず、電力会社から無補償の出力抑制をどれだけ示されるか分からない。私は、事業予見性というものを奪っているというふうに言えると思うし、さらに、小規模、資金力の弱い、こういうところほど排除される仕組みになっているということを私否定できないと思うんですね。最大限の再エネを導入する、この政府の基本方針との整合性がどうなのか、政策の説明責任も私は問われる問題だと思っております。
 接続可能量、この算定に当たって供給力として示された原発はどうだったか、二十五基という答弁ありました。それを経産省の資料で改めて分かりやすくうちの事務所で加工したものを資料一として配っております。結局、見込んでいる稼働率のところでいうと七〇から八五%、三段目のところの数字になります、非常に高いと。さらに、一番下で赤で囲っているところを見ていただきますと、昼間最低負荷に占める原発の割合でいうと、非常に、三割から七割を賄うということになっているわけですね。しかし、実態、現状はどうかといいますと、稼働している原発、川内原発が二基だけというのが現状なんですね。
 現状の原発の稼働状況に基づいた供給量見込みに私はまず見直すべきではないかと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(藤木俊光君) 固定価格買取り制度におきましては、長期間、例えば事業用の太陽光ですと二十年間という長期にわたって電気の買取りを行うということを保証する制度でございます。各電力会社は二十年間にわたって出力抑制が年間三十日に収まると、こういうことをお約束するということになるわけでありまして、その算定におきましては、それぞれの電源が長期的にどういう稼働傾向を持っているのかということを前提とすることが適当であると考えておりまして、原子力発電あるいは水力発電もそうですけれども、こういった電源につきましては震災前三十年の稼働率の平均値を用いて計算をしているところでございます。
 したがいまして、確かに現実、足下、稼働しているしていないという問題はあるわけではございますが、二十年にわたる必要な量というのを計算するに当たって、長期的な稼働傾向を取るということが適当であるという判断で行っているものでございます。

○倉林明子君 原発の先取りなんですよね。
 資料の一見ていただいたら分かるとおり、新規制基準の適合申請も提出されていない、こんな原発も含んでいる、もう極めて過大な見積りだということは明らかだと思うんですね。
 そこで、資料二、二枚目のところを見ていただきたいと思うんですけれども、現在の原発稼働を前提とした場合、需要と電源別供給量、これを示した関係になっています。紺の実線が需要ということになりますので、需要以下の白い部分ということが空き容量ということになるかと思うんですね。
 そこで、確認したいと思いますが、現状の原発の稼働状況に基づいた供給量、これを前提にした場合、再エネの受入れ枠というのは十分にあるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○政府参考人(藤木俊光君) 先ほど御答弁したことの繰り返しになるかもしれませんが、原子力発電、水力発電などの電源につきましては長期的な稼働傾向を前提とすると、それをもちまして二十年間の買取りの保証になるということでございますので、現在の稼働状況ということではなくて長期的な稼働傾向をもって算定することが適当であるというふうに考えておりまして、御指摘のような前提で再エネの受入れ枠、これを考えるということは適切ではないというふうに考えております。

○倉林明子君 具体的な稼働の見込みもないのに、原発の稼働分を最大限空押さえすると。私、これ到底国民的にも納得が得られないものではないかと思うんですね。
 そもそも、この原発供給枠の空押さえということでいえば、経産省が設置した系統ワーキンググループに経産省が示したものということで、前提枠をはめるということが再エネ最大限普及ということにつながるものではないと私は強く指摘をしておきたいと思います。
 そこで、系統混雑の地域、これは再エネが広がる中で混雑地域も広がっていると。系統接続の工事が高額になって長期化すると、これが再エネ事業者にとって大きな負担になっているということを本会議でもやりました。
 そこで、負担金単価と契約の関係は今どうなっているか。特別高圧、高圧の契約状況、つかんでいるところで御紹介ください。

○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 お尋ねの点につきましては、昨年の九月の十四日に電力広域的運営推進機関が、そこで開催しております広域系統整備委員会におきまして資料提供しているものがございまして、ここでそちらを御紹介したいと思います。
 広域機関の方で行いましたのは、旧一般電気事業者十社に対しまして、過去の一定期間の接続検討の回答結果、これの調査を実施をしました。特別高圧で七百二十七件、高圧で二千三百四十一件の回答を受領したと、そういう前提の中での取りまとめでございます。この中では、工事費の負担金単価と接続契約の関係につきましては、特別高圧にしろ高圧にしろ、工事費の負担金単価が小さいほど接続契約に至る件数は多いとされているところでございます。
 それぞれ個別に傾向を見ますと、特別高圧の場合には、工事費負担金が一キロワット当たり五千円未満でも契約済みというのは三割程度でございます。つまり、契約に至っていない残りの七割は、これは負担金以外の要因により未契約となっている案件が含まれると思われると、こういった記載がなされているところでございます。
 もう一点、高圧の方でございますが、同じ工事費負担金一キロワット当たり五千円未満、その場合であってもこちらの場合は契約済みは約六割でございます。したがって、残り四割は負担金以外の要因によって未契約となっている案件が含まれていると、このように思われると、こうした記述がなされているところでございます。

○倉林明子君 負担金以外の要因もあるんだけれども、負担金が小さいほど契約に至る件数が多いという傾向があるというのも事実でございまして、負担の軽減が一定図られる方向で見直しもされているというふうに伺っているわけだけれども、私は、やっぱり高い負担金になっているという現状、工事期間の長期化ということでいうと、これの解消ということは阻害要因を取り除くことにつながっていくわけなので、求められていることだというふうに思います。
 そこで、改めて、本会議の答弁でもありました、接続を本当に原則としていくということからいうと、この地域内系統接続のルールの問題あります。先着優先ルールということになっておりますが、これ、電源種別にかかわらず既に接続されている発電所、これが優先されるというシステムだと理解しておりますが、現在、優先される発電所ということになると何か、具体的に説明ください。

○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 今御指摘のとおり、地域内送電線におけます先着優先と申しますのは、火力あるいは再生可能エネルギーといった電源が何であるかによらず、電力系統への接続を希望する全ての電源を公平に取り扱う、つまりは申込みの受付順で判断していくと、こういった接続ルールでございまして、これは電力広域的運営推進機関が送配電等業務指針の中で規定しているものでございます。
 今御質問の具体的にどういう電源かというものは、今ここにありますように既に申込みの受付がなされている電源と、こういうことになるわけでございます。

○倉林明子君 特定の電源を優先し、再エネ導入を抑制しようとするものではないということでの答弁はいただいております。しかし、既存の発電所、この供給力で系統に空きがないということになりますと、後から参入しようとする、これから導入を拡大しようとする再エネが締め出されるという仕組みでもあると、これは否定できないと思うんですね。
 地域内系統接続の先着優先ルール、これ再エネ接続優先ということにしていく必要があるんじゃないかと。私は、この接続ルールを見直すことによって再エネ発電設備の接続容量というのを増やしていけると思うんですけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(林幹雄君) 仮に、後から入ってきた再エネ電源が既存の電源や先に接続申込みがされている電源を排除するということになれば、事業の予見性を確保することを困難としてしまいます。このため、既に接続を申し込んでいる事業者との公平性を保つ観点から、再エネ電源を優先的に接続することは困難だというふうに考えております。
 その上で、接続申込みが送電線の容量を超えてしまい物理的に接続が困難となる場合には、公平な公募制度によりまして設備の増強を行うルールを整備したところでございます。具体的には、系統増強に必要な工事費を発電規模に応じて共同負担するルールでありまして、こうした取組を通じて再エネの導入拡大を着実に進めてまいりたいと、こういうふうに考えております。

○倉林明子君 結局、再エネ最優先じゃない接続ルールになっているということなんですよ。系統接続でいえば、原発などの長期固定電源、これ優先するということが私はそもそも問題だと思っているんですよ、大きいですからね。さらに、火力も優先すると、先着だということになるわけで、混雑は解消しないわけです。
 ドイツ、イギリス、ここでは系統混雑地域で系統増強を待たずに再エネを接続するというルールになるわけですね。空き容量が不足したらどういう対応になるかといったら、周辺の火力発電の出力を下げると、こういうことで短期的な対応をしながら、それでも不足が生じてきた場合に再エネも抑制するということになっています。先着ルール、これが再エネ導入の障害と私は見るべきだと思います。これ、直ちに再エネ最優先の接続ルール、ここを見直す必要があるというふうに思います。
 電力自由化で地域間で電力を融通する広域運用が行われることで、需給運用の効率化、これ大きく期待されているわけであります。そこで、今度も確認したいのが、広域運用をどうやって効率的に進めていくかという観点から具体的に質問したいと思います。
 東北東京間連系線、この設備容量と運用容量、二〇一二年度、空き容量はどうなっているか、実績でお答えください。

○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 今お尋ねの東北東京間連系線についてでございますが、最新の数字で二〇一五年度の実績がございますので、そちらでお答えしたいと思います。
 まず、設備容量でございますが、これは季節によって実は変わるわけでございますが、最大で千三百三十六万キロワットとなってございます。それから、運用容量でございますが、これは北向き、南向きと違うわけでございますが、二〇一五年度の東北から東京向き、つまり南向きでございますが、この運用容量は平均で三百六十五万キロワットでございます。他方で、空き容量につきましては平均で約百五万キロワットとなってございます。もう一つ、北向きでございます。東京から東北向きでございますが、運用容量約六十五万キロワット、空き容量は平均で二百八十万キロワットでございます。
 一点ちょっと補足させていただきますと、設備容量千三百三十六万キロワットと申し上げまして、その上で運用容量が、例えば南向きが三百六十五万キロワットと差があるわけでございますけれども、こちらにつきましては二回線で運用されているわけでございますが、この東北東京間の連系線のような交流系統でございますと、落雷等で一回線が故障して遮断されてしまうような場合に、二回線に流されていた電力が残りの一回線に全て流れてしまう、こういった状況を想定し、運用容量は最大でも設備容量の半分以下となると、こういったようなことで算定されたものでございます。

○倉林明子君 要は、現状では、そうはいうものの相当の空きがあるということだと思うんですね。
 この有効な活用については広域的運営推進機関でも検討されているわけですから、この空いている分をどうやって活用するか、これを検討すべきだと思うわけですね。地域間連系線の運用でも、運用容量の多くが電力会社の長期利用計画で占められていると。将来の原発の空押さえをここでもしているからだということじゃないんでしょうか、どうですか。

○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 現在のこの運用ルールでございますけれども、この委員会でも何度か御議論はあったかと思いますけれども、この既存の系統を、ハードで強化することなく、既存の設備を有効に活用していくというのは非常に重要であろうかと思っております。
 地域間の系統につきましても、運用ルール、これまでは一年、基本的に原則年度で固定して算定していたものを三十分ごと、小刻みに算定していく、そういった運用改善を昨年の四月からやっているところでございまして、そうした取組を引き続き強化してまいりたいと思っております。

○倉林明子君 要は、原発の分をしっかり再エネ受入れにも使っていくということが本当にできるかどうかというのは、大きなやっぱり再エネを導入促進していくポイントになると思います。
 そういう点では、今日報道にもありましたけれども、来年の四月になろうかと思いますが、東京電力の福島第一原発から東京に送る太い連系線に福島の再エネを入れるということが検討されている、福島再エネ一〇〇%というプランニングの中で具体的にそういう段取りが付いているということで、合意になっているということで報道もありました。
 私は、そういう可能性を追求することが、今空き容量がいっぱいあるのに、巨大な設備投資して連系線広げる必要ないわけですよ、当面。空いているところに再エネをどんどん入れていくということに、もっと効率的な運用といったら、そこをしっかり追求すべきだというふうに思うわけです。
 そこで、大臣に伺いたいんですけれども、接続可能量、そして地域内連系線、この先着優先の問題、さらには地域間連系線の活用、これは空きの問題、いずれも私は、現在の運用ルール、再エネの導入促進どころか二重三重に抑制にしか働いていないと思うんですけれども、認識いかがですか。

○国務大臣(林幹雄君) 送配電網への接続ルールに関しては、再エネを含めた全ての電源を公平に取り扱うという観点から先着優先の考え方を取っておるわけでございます。他方で、送配電網に接続した後の運用ルールについては再エネを優先しているところでございます。
 具体的には、電力の余剰が発生する場合には、まず火力電力の出力抑制や、あるいは揚水発電の運転を行います。さらに、地域間連系線を利用してエリアを越えた広域的な運用を行います。そして、それでも対応できない場合に再エネの出力抑制を行うということになります。そういうルールを本年四月に定めたところでございます。こうしたルール面の整備に加えまして、送電網の増強を経産省としても支援するために、北海道や東北地方における送電網の実証事業などに取り組んでいるところでございます。
 今後も、再エネの導入促進に向けて取り組んでまいります。

○倉林明子君 原発をやっぱり重要なベースロード電源だというふうに位置付けたこのエネルギー基本計画が再エネ導入促進の私は最大のブレーキになっていると、再エネ中心のエネルギー政策への転換すべきだと求めまして、終わります。

議事録を読む(討論)
平成二十八年五月二十四日(火曜日)
電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)

○倉林明子君 私は、日本共産党を代表し、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。
 再エネ導入促進策として導入されたFIT制度は一定の役割を果たしてきたものの、その比率はいまだ全体の三・二%にすぎず、更なる導入促進が求められています。ところが、本法案は、一般送配電事業者の優位性を一層強め、逆に再エネの導入を抑制する中身になっており、容認できません。
 反対理由の第一は、FIT制度の根幹である接続義務規定を削除するものだからです。
 FIT制度は、全量かつ固定価格で買い取ることが大原則です。九州電力を始めとした五電力会社は、系統容量不足を口実に接続保留を表明しました。保留された件数は五万六千五百十一件に上り、FIT制度があっても使えない事態となりました。
 経産省は、接続義務を果たさせるどころか、再エネの接続可能量の算定を電力会社に委ね、事実上無制限、無補償の出力抑制を容認しました。接続可能量の算定は原発の再稼働を最大限見込んだものとなっており、再エネを締め出す仕組みとなっています。その上、法律による接続義務を外せば、再エネ導入の抑制につながることは明らかです。
 反対理由の第二は、系統の増強対策は不十分なまま、再エネ事業者の認定を接続契約が成立した後に変更することで更に一般送配電事業者が優位となり、小規模で資金力の乏しい事業者ほど認定が受けにくくなるからです。
 現状でも、先着優先で系統の容量を確保するルールの下で、後から参入する再エネ事業者に対する工事の高額な負担と長期化が障害となってきました。一般送配電事業者に系統増強を義務付けるとともに、系統接続ルールを原発優先から再エネ最優先に見直すべきです。
 反対理由の第三は、対象となる電源や規模を明示しないまま入札制度を導入すること。地域密着型、中小規模の再エネ事業者の参入を阻害しかねないからです。地域市民主体の取組は、地域経済の振興、雇用創出、エネルギー自給率向上につながるものであり、再エネの普及を推進する鍵となることが参考人からも指摘されました。
 今回の法改正の契機となった原発を重要なベースロード電源と位置付けたエネルギー基本計画を見直し、直ちに原発ゼロの決断と一体に再エネの飛躍的な普及を図ることが真に持続可能な未来を切り開くことであることを指摘し、反対討論といたします。