高額療養費見直し撤回を 社会保障抑制を批判 / 国保料の引き下げを(2025/3/17 予算委員会)
(資料があります)
(議事録は後日更新いたします)
日本共産党の倉林明子議員は17日の参院予算委員会で、高額療養費上限引き上げの白紙撤回や、高すぎる国民健康保険料の引き下げなどを要求し、「皆保険制度の崩壊を放置するな」と政府に迫りました。
倉林氏は、高額療養費制度の見直しについての石破茂首相の「秋までに方針を決定する」「引き下げる方向での検討は考えていない」との答弁を挙げ、「今年の実施は凍結するが、来年には解凍するということか。なぜ限度額の引き下げを検討から外すのか」と追及。石破首相は「現時点で予断を持って申し上げられない」などと述べ、引き上げを否定しませんでした。
倉林氏は「まずは現在の医療費負担が家計に占める割合がどうなっているのか実態をつかむことが必要だ」と指摘し、調査結果をいつ示せるかと追及。福岡資麿厚生労働相は、期限さえ示しませんでした。倉林氏は「秋までの方針決定との説明と矛盾している。白紙撤回が再検討のスタートだ」と首相に決断を迫りました。
石破首相は「(負担上限は)10年間上げてこなかった」などと引き上げを狙う本音をあらわにしました。
倉林氏は、現在、透析など3疾病に限って医療費の自己負担の上限を月額1万円としている特例措置を、特定の疾患に限定せず、多数回に該当すればすべて月額1万円とするよう検討を求めました。
倉林氏は「国民全員が公的医療保険でカバーされ、安い医療費で高度な医療にアクセスできることが、皆保険制度の守るべき根幹だ」と強調。国保料の値上げが続き、2024年度も全国で39%に当たる677自治体で値上げとなった実態を示し、「物価高騰で苦しむ家計に大きな打撃になるだけでなく、保険料が払えず医療にアクセスできない患者を増やしている」と指摘しました。石破首相も「そういう方々がいることは認識している」と答えざるを得ませんでした。
倉林氏は、公費1兆円の投入で、払える国保料への引き下げ、国保法第44条による窓口負担減免制度の生活困窮者への対象拡大を求めた上で、自公政権が維新と合意した「年間4兆円の医療費削減」は「医療機関に壊滅的な打撃になる」と指摘。40年続いた政府の社会保障費抑制路線を批判し、「財源というなら、軍事費を減らせ。大企業・富裕層に公正な税負担を」と主張しました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
高額療養費制度の限度額の引上げ、これは、治療すればつなぐことができる命を諦めろと国が患者に突き付けるものだし、やってはならない禁じ手にほかならないと申し上げたい。凍結は当然だと思います。
ところが、十二日の本会議で総理は、秋までに方針を決定すると、そして引き下げる方向での検討は考えていないと答弁されました。つまり、今年の実施は凍結するけれども、来年には解凍するということなのかと。もう一つ、総理は予算委員会で負担軽減にも言及されていました。なぜ限度額の引下げを検討から外すということになるのか。いかがでしょうか。総理の答弁ですから。
○内閣総理大臣(石破茂君) そのようなことは申し上げておりません。(発言する者あり)いや、言うたよ言われてもやね。
高額療養費は増大しております。ですから、保険料負担を抑制するとともに、この大切な制度をどうすれば次の時代も持続可能にするかということのために見直しは必要だということは、ほとんど全ての党が一致しておられるというふうに私は認識をしておりますし、間違いはないと思います。
秋までに改めて方針を決定をし、決定します際には、被保険者の皆様方からも意見も拝聴します。患者の方々の経済的な御負担が過度なものとならないように、倉林委員御指摘のように、こんなことであればもう諦めるほかないという方が一人も出ないようにしていかなければならない、それは政府の責任だということはよく認識をしております。
今後こういうふうにするということは現段階において申し上げることはできませんが、方針としてそういう形で臨んでまいります。本年秋までに改めて方針を検討し決定をいたしますので、現時点で……(発言する者あり)いたします、方針を決定します。現時点で予断を持って申し上げられません。なぜならば、そういう検討もしないうちから、ここで総理大臣が答え言ってどうしますか。そんなことをやったらば、何のための検討か訳分からないということでございます。
そこにおいて、いろんな方面からの御意見を承る、そのための検討を行うということでございまして、増大する負担をいかにして分かち合うかという観点から検討していく必要があると考えております。保険料を負担する被保険者の立場の御意見も聞きます。患者の方々の御意見も聞きます。これ以上詳細な検討はできないねということに、なるべくというか極力近づけるべく、これから先進めてまいる所存でございます。
○倉林明子君 いや、あのね、引き下げる方向での検討は考えていない、これ十二日本会議の総理の明確な答弁だから確認しているんですよ。はなから排除するこういう考え方、引下げ含める検討ということを患者の声を聞きおくということにとどめて、応えるつもりはないということかと言いたいんですよ。
総理が受け取られた全がん連のアンケート、私もつぶさに見ました。回答した医師からどんな答えがあるかというと、今の上限額でも治療を継続できない人がいますと、薬代が高額で払えないという相談を受けることが多いというんですよ。つまり、引上げありきで検討するなんということは、これ断じて容認できないと申し上げたい。
少なくとも、再検討に当たっては、まずは、現在の医療費負担が家計に占める割合はどうなっているのかと。これ、データがないということも議論で明らかになった。実態つかむということがまず必要だということを申し上げたい。分析手法どうするのかと、そして調査結果はいつ頃までに出せる見通しなのか。これは厚労大臣。
○国務大臣(福岡資麿君) 高額療養費の見直しにつきましては、これまでも審議会において様々なデータに基づいて御議論いただいているところですが、国会審議の場においても、例えば、長期にわたり医療を受けておられる方にとって医療費が家計にどのような影響を与えているのか、また、仮に高額療養費の見直しが行われた場合、消費や受療行動にどのような影響があるのかといった御指摘をいただいております。
これ、百人いたら百様違うわけでありますが、更にどのようなデータがお示しできるかについてしっかり検討してまいりたいと思います。
○倉林明子君 いつ頃まで出せるかという答弁なかったというのに、何で秋までに方針決定できるのかと。説明矛盾していますよ。
白紙撤回、これが再検討のスタートだと、総理が決断すべきだと求めます。
○内閣総理大臣(石破茂君) いや、ですから、十年間上げてこなかったわけです。その間に物すごい勢いで高額療養の対応というか療法というのは伸びているわけで、じゃ、どうしてやっていけるかということを考えていかなければなりません。
同時に、午前中の答弁でも申し上げましたが、できるだけ細かくそれぞれの患者さん、全て悉皆的に見ることはできませんが、どういう所得の方、どういう家族構成の方、その方々にとってどれほどの御負担になっているかということは細かく見てまいります。
それによって、この制度が存続可能であり、なおかつ過度な御負担にならない。これは申し上げておきますが、これだけ高い療養費を取られるのであれば治療を諦めるという方が出ないようにということはくれぐれも徹底をいたしてまいります。
○倉林明子君 あのね、物価高だ、賃金上昇だとおっしゃるんだけど、物価高や賃金上昇で生活大変になっていて、負担率引き上がっているのは患者なんですよ。そこを踏まえた議論をしないというのはあり得ない。白紙撤回からスタートだと改めて申し上げたいと思います。
そこで、検討すべきは上限額の引下げだけじゃないんですよ。要は、多数回該当、この負担上限額も本当に重たくなっているので、この在り方も引下げ含めた検討要ると私は思っています。今でも掛からない人たちがいるからです。現在、高額療養費制度には特例措置として、透析、血友病、HIV、この三疾患が指定されておりまして、医療費の自己負担は月額一万、月額上限一万円という設定になっているんです。だから安心して治療継続ができているんですね。
私は、その対象を特定の疾患、三疾患にとどめず、多数回該当の場合、こういう方々も上限一万円と、こういう今ある制度の対象拡充で検討可能だと思う。今こそやるべきだと思う。いかがでしょう。
○国務大臣(福岡資麿君) 高額療養費が医療費全体の倍のスピードで伸びている中におきまして、保険料負担を抑制するとともに、この大切な制度を次の世代も持続可能なものとするためには、増えていくこの負担をどのように分かち合うかという観点から検討していく必要があると考えています。
ですから、秋に向けた議論ではあるものの、その上限額を一律一万円にするという御提案については、私どもはそのような立場には立っておりません。
○倉林明子君 あのね、経済的な理由で、経済的な理由で高度な医療があってもアクセスできないと、そして今ある制度の中では命を諦めざるを得ないと、そういう、そんな日本でいいのかと。私、ここが問われていると言いたいんですよ。
改めて、このパネルを見ていただきたい。(資料提示)日本が世界に誇る国民皆保険制度、これ、意義、特徴について厚労省のホームページから取ったものです。
高額療養費制度の導入というのは一九七三年なんです。患者負担が三割から五割ということで、透析治療の負担というのは月額十万円から三十万円と大変高額になりました。治療を諦める患者が相次ぎまして、そんな中で青天井の患者負担に上限を設ける仕組みとしてできた、これが高額療養費制度であり、皆保険の、国民皆保険の大黒柱としての役割を果たしてきたという評価が高いものです。
国民全員が公的医療保険でカバーされ、安い医療費で高度な医療にアクセスできる。書いてありますよ。これが皆保険制度の守るべき根幹なんですよ。皆保険制度が改めて危機に瀕している状況というのを、今度の高額療養費制度の問題で明らかになりました。でも、もう既に皆保険制度、危機に瀕している。これが国民健康保険だと、その実態だということを申し上げたいと思います。
高過ぎる国保料の更なる値上げが続いております。二四年度の全国の国保料の改定によって、年収四百万円の世帯、四人家族、このモデルの場合、全国の三九%に当たる六百七十七の自治体で値上げになっているんです。これ、二〇二四年度、一番左か、あっ、右端の部分です。
これがですね、これ見てもらったら分かるように、物価高騰で、ずっと値上げ自治体が増えてきているという様子は見て取れると思います。しんぶん赤旗が告発したものです。物価高騰で苦しむ家計に大きな打撃となるだけでなくて、保険料が払えないと、医療にアクセスできないと、こういう患者を増やす事態になっております。
総理、そういう実態になっているという認識おありでしょうか。
○内閣総理大臣(石破茂君) そういう方々がおられることは認識をいたしておりまして、やむを得ず保険料の納付ができないという方につきましては、個々の事情に応じまして、更なる減免をだからこそ行っているところでございます。
経済的な理由によって受診が遅れる、診療を受ける、受診が遅れるということがないように、このような各種措置の周知も含めて低所得の方に配慮したきめ細やかな対応をするように、そういうことの徹底をしてまいりますし、社会福祉法の規定によりまして、低所得の方につきましては無料低額診療事業というものがございますね。これによって、医療と福祉の連携、就労支援なども含めて、生活が困難なおうちに対します総合的な支援を検討するということでございます。
これは、保険と社会福祉法とは少し違う概念でございますが、そういうふうにして、本当に低所得の方に対しましては社会福祉法という法律も対応可能ということになって、御利用いただいておるところだと認識をしております。
○倉林明子君 もう無料低額の御紹介をいただきまして、ありがとうございます。(発言する者あり)今、隣からありましたけれども、それ実践している医療機関というのは全国は僅かで、非常に重い負担を法人が担ってやっているというところもよく御承知おきいただきたい。
一八年度から、そもそも何でこんなに国保が連続して上がっているのかということを申し上げますと、構造的な問題前提としてありますけれども、一八年度から都道府県化、これ始まりまして、この赤でくくっているところ、二〇一八年度の赤枠を掛けているところですけれども、都道府県化のスタート、このときに五百五十九自治体が値上げになったんですね。
加えて、これ、国が進める被用者保険、要は働いている人たち。実際の国保では、保険料の負担が比較的重いという保険料を支払う方の役割担っているんだけれども、先ほど来議論もあったように、被用者はどんどん、保険、協会けんぽとかですね、異動するということで、国の政策によって、これ国保加入者、被用者保険、働いている人が減少するという傾向が顕著になってきています。これまた国保財政を逼迫させる要因にもなっているんですね。
来年度、我が京都府内でも、一〇パーを超える大幅な引上げと、この提案が相次いでいるという実態になっております。そこで、中央社会保障推進協議会取り組みました、国保料が高過ぎる、国の責任で払える保険料にしてくださいというオンライン署名がありまして、七万人を超える賛同がありました。この中にはたくさん払えないという悲鳴のような声が寄せられておりますけれども、一つ紹介したいのはこの声、国保税が高い、払えない、未払、医療につながれない、医療にさえつながっていれば助かっただろうという声ですよ。こういう切実な声が寄せられております。物価高の今こそ、公費一兆円の投入、払える国保料への引下げということはやるべきだと。
そして、先ほど社会保障法、社会保障法ですか、別の仕組みもあるんだということで、軽減、負担軽減も使ってほしいということでした。あるんですよ、負担軽減、国保法の中にもあるんですよ。第四十四条、窓口負担の減免制度があります。これを生活困窮まで対象に拡大すれば、相当な方々の窓口負担の軽減につながることになります。
この対象、国保法第四十四条に基づく窓口負担の減免制度の対象を広げると、こういうことを踏み出すべきではないでしょうか。
○国務大臣(福岡資麿君) 国保制度におきましては、保険給付に対し五割の公費負担を行っていることに加えまして、低所得の方の保険料軽減措置を講じるなど、公費をほかの制度よりも手厚く投入する措置を講じてきておりまして、更なる公費の投入については慎重な検討が必要だと考えております。
また、国民健康保険の一部負担金については、被保険者の生活実態等に即して、一部負担金を支払うことが困難である特別な理由があると保険者が認めた場合には一部負担金の減免が可能となってございます。
御指摘ございましたこの対象を更に拡大することにつきましては、減免なく患者負担をお支払いいただいている方との公平性といった観点から考えてはおりませんが、各自治体で減免制度を適切に活用し対応いただけるよう、引き続き市町村に対して徹底を図っていきたいと思います。
○倉林明子君 あのね、負担が重いから病院にかかれなくて命を落とすようなことがあっちゃならぬよと、国保でもそういう方向での対応要るということでほぼ共有できたと思うんですよ。ところが見直しは一切しないと。
今、異常な事態なんですよ。物価高なんですよ。年金は上がらないし、賃金は実質マイナスという中で、特別な異常な次元に達しているからこそ踏み出した減免、国保法の四十四条の活用の対象ということで、特別な事情、厳しいんですよ。今、特別な事情としての物価高も反映した、踏み込んだ対策要るんだということを申し上げたい。
高過ぎる保険料、重過ぎる自己負担、医療にアクセスできない、救える命が救えない、こういう事態が現に発生していることは知っていると総理もおっしゃった。皆保険制度の崩壊が起こっていると、こんな現実を放置してはならないと強く申し上げたい。
そこで、驚いたのは、自公政権が維新と年間四兆円の医療費削減で協議していくと、こういう合意、先ほども紹介ありました。これ、診療報酬レベルで言うたら一〇%カットに相当するという規模になるんじゃないでしょうか。今、厚生労働委員会で議論したら、病院で資金ショートが起こる危険もあるという認識を厚労大臣おっしゃいましたよ。経営危機に陥っている医療機関、ここに診療報酬一〇パー相当のカットなんということを押し付けたらどうなるかと。壊滅的な打撃になるのは必至だと思います。
OTC類似薬の保険外しで一兆円と、こういう削減可能だという議論ありますけれども、治療に必要な薬剤費負担の全額がこれ患者負担となるだけじゃないですよ。薬局で買う場合は、買うお金が数十倍というような規模で値上がる、上がると、同じもの買えないですから、そうでないと、いうことになるんです。
さらに、子供の医療費の助成制度の対象外になります。現役世代も含めて、経済的な負担によって必要な薬剤買えなくなると、こんなことになりかねないと思います。いかがですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 申し上げておきますが、自民、公明、維新の三党で年間四兆円の医療費削減を来年度から実施できるように協議するというような御指摘は全くございません。全く事実と異なります。その点は明確に申し上げておかなければなりません。
三党合意におきましては、政府・与党の方針、提言に加えまして、維新の会が公表された改革案で、国民医療費の総額を年間で四兆円削減することによって現役世代一人当たりの社会保険料負担を年間六万円引き下げるとされておりますが、これを念頭に置いて、現役世代の増加する保険料負担を含む国民負担を軽減するための具体策について検討を進めるということを申し上げておるのでございます。
したがいまして、繰り返しますが、医療費削減年間四兆円、来年度から実施できるように協議するという御指摘、全く当たるものではございません。それは、誤解か若しくは誤読か、そういうものでございます。
政府といたしましては、今後の三党の協議体での議論を踏まえまして、必要な保障が欠けることがないように、見直しにより生じます医療現場、患者への影響、考慮もいたしてまいります。
御質問でございますので、丁寧にお答えをいたしました。
○倉林明子君 質問には丁寧にお答えいただいて有り難いんですけれども、正確に、正確に質問には答えていただきたい。
そこで、やっぱりこのOTC薬ということでいえば、私は、重症化リスクあるということはずっと指摘されているわけだから、ここしっかり押さえておく必要があると思うし、社会保障費の伸びをどうやって抑制するかということで、四十年ですよ、掛けてきた財政フレームは。ここが撤回要るんだと、財源というなら軍事費減らせと、大企業、富裕層、ここにこそきちんと公正な税負担掛けろと。
終わります。