倉林明子

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相談支援事業 非課税に 消費税課税やめよ(2024/6/11 厚生労働委員会)

(議事録は後日更新いたします)

 日本共産党の倉林明子議員は11日の参院厚生労働委員会で、障害者相談支援事業への消費税課税をやめるよう求めました。

 地方自治体が民間委託した障害者相談支援事業について、消費税非課税と誤認したため、多くの相談支援事業所や自治体が5年分の消費税・延滞税の納付を求められています。

 倉林氏は、500万円を納付した事業所の例をあげ、厚労省が課税対象と周知しなかったことが原因であり、あまりに理不尽だと批判しました。武見敬三厚労相は「明確に周知しなかった」と認めたものの、「相談支援事業は消費税の課税対象となることをていねいに説明する」との答弁に終始しました。

 倉林氏は「相談には、必要な支援を見極めるため経験豊かな相談員があたっており、委託費では人件費さえ賄えていない。延滞税まで求めるなどあってはならない」と、実態調査と対策を求めました。

 武見厚労相は、自治体向けアンケートを実施したことを明らかにしました。

 倉林氏は、本来課税対象とすべきものではなく、すでに支払った消費税・延滞税は国が補填(ほてん)すべきだと要求。「福祉につながる入り口の相談が福祉事業でないなど、到底理解は得られない」と福祉事業に位置づけ非課税とすべきだと主張しました。


議事録を読む(未定稿)
(この会議録は未定稿です)

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 まず、日本に残されております朝鮮半島出身者の遺骨の返還について質問したいと思います。
 終戦直後に帰郷する朝鮮人労働者を乗せた浮島丸が京都府舞鶴港で爆発、沈没、五百人を超える方々が亡くなったという事件がありました。これ裁判にもなりまして、裁判の中ではないということにされてきた名簿が、公開されたものを含めておよそ七十余りも実は厚労省に存在していたということがこれ明らかになりました。
 隠蔽だったのではないかという批判免れないと思うんですけれども、とにかく出てきたということですから、今回見付かった名簿については、この間の協議の経過も含めて、韓国政府に速やかに引き渡すべきではないかと思います。いかがでしょう。

○国務大臣(武見敬三君) 韓国側に御指摘のようなこの要望があるかも含めまして、韓国側とのやり取り、詳細についてお答えすることは差し控えたいと思いますけれども、いずれにせよ、この課題は極めて歴史に関わる重い問題でもあります。誠実に対応していきたいというふうに思います。
 なお、これまで朝鮮半島出身者に関する名簿の韓国政府への提供については、例えば昭和四十六年に厚生省から旧軍人軍属の死亡者連名簿が引き渡されるなど、累次にわたって行われています。
 このほか、厚生労働省では、国籍のいかんを問わず、御遺族から照会があれば資料の該当部分の写しを交付しております。

○倉林明子君 誠実に対応したいという御発言でしたので、是非真摯に誠実に対応していただきたいと。
 さらに、当時の厚労省は、元徴用工に対して遺族補償に当たる扶助料を支払おうと、そういうことから名簿作成に奔走していたということがこの七十余りの名簿の存在からうかがえるわけですね。
 今、目黒区の祐天寺、ここに帰郷を果たせないままの御遺骨が二百八十人分安置されているということです。これ、裁判も起こされて、経過もあるんだけれども、命のある間に返してほしいという遺族がおられます。犠牲者の追悼を続けると、続けているという日本の団体もあります。この日本の団体、三団体からもう既に要請を受けておられます。
 この遺骨の返還を、来年、戦後八十年という節目にもなります。是非、この要請にも応えていただきたい。
 ありますか、御答弁ありますか。一言。

○国務大臣(武見敬三君) 御指摘の案件についても要望があろうかとは思いますけれども、韓国側とのやり取りの詳細というものについては、今ここでお答えするのは差し控えさせていただきたいと思います。
 しかし、先ほども申し上げたように、これは歴史に関わる極めて重い問題でございますので、しっかりと誠実にこの問題に対しては対応していくべきものと考えています。

○倉林明子君 よろしくお願いしたいと思います。
 そこで、次は、障害者相談支援事業の消費税課税問題について伺います。
 これ、五月三十一日が消費税の納付期限ということで、実態がどうなっているかということで、幾つかの事業所のお話も伺っております。
 一つ、岸和田市は、委託料に消費税は含まれていたということで、ある事業所で五年分五百万円を超える納税に応じたということでした。しかし、契約上、消費税率は上がっても委託費変わっていないんですね。実質含まれているとは言い難いわけです。
 そもそも、厚労省が明確に周知をしていなかったということが原因として今の混乱起こっているわけですね。その上、五年分遡っての納税を求めるなんというのは、余りにも私、理不尽じゃないかと思うんですけど、大臣、どうですか。

○国務大臣(武見敬三君) この市町村が実施する障害者相談支援事業につきましては、社会福祉事業に該当せず消費税の課税対象となりますが、その取扱いについてはこれまで明確に周知がされていなかったことから、この取扱いについて誤認する自治体等が一定数生じているものと認識をしております。
 そのため、昨年十月四日に事務連絡を発出いたしまして、障害者相談支援事業は消費税の課税対象であり、自治体が当該事業を民間事業者に委託する場合、消費税相当額を加えた金額を委託料として受託者に支払う必要があることなどについて各自治体に周知をしております。
 障害者相談支援事業が社会福祉事業に該当しないという考え方などを含めた消費税法上の取扱いについて市町村に丁寧に説明する必要があると考えておりまして、四月二十六日に自治体向け説明会を開催したところでございます。

○倉林明子君 相談事業はどんな事業だったかというんですよ。どんな支援がこの人にとって必要になるのかということを見極めるというのがこれ入口で、相談事業が担う役割なんです。つまり、経験豊かな相談員が基本当たっているんですよね。そういう、消費税を含むという、されてきた委託費でも人件費さえ賄えないというのがこの相談事業になっているんですよ。中には、納付額が一千万円にもなったという事業所さえあるんですね。影響は、これ五年分の消費税に、納税にとどまらないんです。直ちに最大一四・六%の延滞税が発生するんです。
 財務省は、自治体が誤った指導をしていた場合でも免除の対象にはならないという判断示しております。赤字でも相談事業を受け続けてきた事業所に対して延滞税まで求めるなんということは、私はあってはならないと思います。これ、未納の消費税、延滞税の状況、実態調査するとともに、直ちに対策が求められると思いますけれども、いかがですか。

○国務大臣(武見敬三君) 今後の消費税の取扱いについて適正化を図るために、自治体における現状を知ることは重要でございます。厚生労働省においても自治体向けアンケート調査を実施をいたしまして、事案の概要を把握しながら取組を進めております。
 これまで確認してきたところでは、自治体によっては消費税が課税される旨を正しく認識し、委託料を支払うに当たって委託契約書等に委託料の消費税額を明記していたケースなどもあり、こうした自治体の対応は適正化に向けての参考になると考えます。また、どのような点で自治体や事業者が誤認したかを把握することも再発防止の観点から必要であります。
 引き続き、可能な限りこうした状況の把握を進めて、今後の適正化に向けて対応をしていきたいと思います。

○倉林明子君 実態つかむためのアンケートも行っているということです。その結果につきましては、取りまとめ次第、資料としての提出を求めたいと思います。お諮りください。

○委員長(比嘉奈津美君) ただいまの件について、後刻理事会で協議いたします。

○倉林明子君 これ、更なる負担増のケースも想定されるんですね。対象事業所が消費税の免税事業者の場合です。これ、委託事業の加算、これ加わることによって課税売上げが一千万円を超えるということになりますと、新たな課税事業者になるわけですね。そうすると、全体に掛かってきますから、消費税負担も発生してくると。こういう影響については実態把握しているんでしょうか。

○政府参考人(辺見聡君) お尋ねの件につきましては、事業者によりましてその事業の内容や規模などによって様々なケースがあり得るため、そうした事業所の数や影響額を網羅的に把握することは困難であると考えておりますが、自治体や事業所等から個々にお話を伺う中で、御指摘のようなケースも生じていることは承知しており、自治体などと密接に連携を図りながら個別に丁寧に対応してまいりたいと考えております。

○倉林明子君 これ、現場どんなことになっているかというと、一生懸命、事業所は赤字になっても受けてやってきたんですよ。ところが、いきなり、遡って消費税返せと、延滞税払えと。その上、更に消費税の負担になるというようなケースまで出ているんですよ。これ、極めて福祉行政に対する信頼が失墜しているんですよ。その上、信頼を失墜させているというだけじゃなくて、私は、罰則のような重い負担ですよ、こういう結果に痛みを感じるべきだと言いたい。
 本来、自治体や事業所に消費税負担を求めることは私は間違いだと思うわけです。課税対象とすべきものではなかった事業だと。こうした混乱をもたらしたことに対し真摯に反省すべきだと申し上げたい。
 既に支払った消費税、延滞税、これは国が全額補填すべきだと思います。どうですか。

○国務大臣(武見敬三君) やはり、市町村が実施する障害者相談支援事業については、この取扱いについて誤認する自治体等が一定数生じていた旨はこれ認識していますけれども、あくまで社会福祉事業には該当せず、消費税の課税対象となっております。
 消費税分を委託費に計上していた自治体や事業所との公平性などを考慮いたしますと、指摘の誤認していた市町村の過去分の消費税負担に対する財政的支援についてはやはり慎重な検討が必要であると思います。
 今後とも、障害者相談支援事業に係る消費税の取扱いについては自治体などに対して丁寧に説明をし、そして障害者相談支援事業の実施により障害者の方々に必要な支援が届くよう取り組んでまいりたいと思います。

○倉林明子君 あのね、自治体も怒っているんですよ。指定都市市長会にとどまらず、各地方議会からも意見書が届いております。
 私出身の京都市議会の意見書では、本事業の性質は平成十三年から現在に至るまで変わっておらず、さらには、高齢者施策における同種の相談事業である包括的支援事業が原則非課税であることとの整合性が図られていないことを踏まえると、本事業が課税対象と取り扱われることは承服し難いと言っているんですよ。非課税事業とすることを求めているんですね。
 私、周知徹底これからやりますって、これまでやってこなかったことも大問題だし、そもそもやるべきでなかったと、福祉につながる入口の相談事業が、相談が福祉事業でないということなど、到底理解得られないと、本事業は社会福祉事業に明確に位置付けて非課税とし直すべきだと。いかがでしょうか。

○国務大臣(武見敬三君) やはり、障害者相談支援事業についてはこの市町村が実施主体として実施する事業であり、公的な助成や規制の必要性などの要素などを総合的に勘案すると、社会福祉事業の性格に必ずしもなじまないために、社会福祉事業として位置付けられておりません。
 厚生労働省としては、障害者相談支援事業が社会福祉事業に該当しないという考え方などを含めた消費税法上の取扱いについて自治体向け説明会を開催したところでありまして、こうした対応を通じて、障害者相談支援事業により障害者の方々に必要な支援が届くように取り組んでまいりたいと思います。

○倉林明子君 いや、届くどころか、こんな赤字の事業、やれなくなりますよ。
 相談事業というのは、福祉、プログラム立てていく、どういう支援を組み立てていくかということでいったら、一丁目一番地の最も大事なことなんですよ。そこを担保できるようにちゃんと手当て打つ、福祉事業として位置付ける、これは行政、政府の責任だと申し上げて、終わります。