倉林明子

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介護の感染対策 急務 「公費で減収補てんを」(2022/11/17 厚生労働委員会)

 日本共産党の倉林明子議員は17日の参院厚生労働委員会で、新型コロナウイルス感染拡大の第6~7波の医療崩壊で深刻な事態に追い込まれた介護・福祉施設の実態を示し、今国会で成立が狙われる感染症法等改定案の抜本的見直しを求めました。

 倉林氏は、ショートステイやグループホームで感染者の対応をしたある職員は、24時間勤務を月に4回も行ったと告発。症状が悪化した感染者が救急搬送と入院を何度も断られ、職員が看護せざるを得ずクラスター(感染者集団)を招くなど「現状はあまりにも壮絶だ」と訴えました。

 倉林氏は、介護を受ける人たちの「医療を受ける権利」が奪われていると主張。加藤勝信厚労相は「適切な支援が図られるよう取り組みたい」と述べるにとどまりました。

 倉林氏は、同改定案は感染した利用者の施設への留め置きを前提としており、「人と病床をどう増やすか。そこ抜きではまた同じことが繰り返される」と批判。クラスター発生による約1カ月の新規入所制限とサービス停止で減収が数千万円にのぼった施設も少なくなく、コロナ感染予防のための「かかり増し経費」の上限撤廃と公費による減収補填(ほてん)を強く求めました。

 倉林氏は第7波では過去最大の感染者・死者数で「守れる命も守れなかった」と強調。コロナ禍の2年半頑張り続けてきた職員の「目の前の命をもう失いたくない」との声をしっかり受け止め「実効性ある感染防止対策を」と迫りました。


議事録を読む

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 法案審議で五類相当への見直しの議論が衆議院の方でもされて修正案にも盛り込まれるということになりました、見直しの方向がね。感染拡大期の今、私はこれ議論すべきことではないんじゃないかと思っております。
 現状では、感染症法上の位置付けについて見直さないとしているわけですけれども、その理由について簡潔な御説明をお願いしたい。

○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
 まず、感染症法上の分類を五類に見直すためには、現在の新型コロナが感染症法上、当該感染症の全国的かつ急速な蔓延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある感染症として定義される新型インフルエンザ等感染症に位置付ける必要がないと評価されることが必要でありまして、次に、五類の定義、すなわち感染力及び罹患した場合の重篤性に基づく総合的な観点から、危険性が高くない等の要件に該当する感染症として定義されることが必要となります。
 現在、新型コロナは、オミクロン株であっても致死率がインフルエンザより高いと評価されておりまして、更なる変異株が出現する可能性もございます。新型コロナの感染症法上の位置付けの見直しにつきましては、衆議院における修正も踏まえまして、専門家の意見も聞きながら、引き続き内外の科学的知見に基づき議論を進めてまいりたいと考えております。

○倉林明子君 エビデンスに基づいて判断されるべきものだというふうに改めて指摘したい。
 今おっしゃったように、変異による毒性が高まる可能性が現状では否定できない、排除できないと。薬はいろいろ出てきたけれども、インフルエンザに対する特効薬のようなものはいまだありません。何より、感染防止の手段がなくなっちゃうっていうのと、自己負担も発生するということがありまして、五類への、五類相当への見直しっていうのは今やれることじゃないんだということを私からも指摘をしたいと思います。
 次ですね、感染者数の全数把握の取りやめ、これは現場の負担軽減ということは大きかったと思うんですけれど、今、やめて以降の現場のお話を聞いていますと、逆に、現場の負担は必ずしも軽減していないという場合もあるというふうに聞いているんです。
 問題は、問題だと、これやめたことによって問題だと思っているのは、軽症者らが自宅療養中に重症化しても見逃されると、こういうおそれはやっぱりあるわけですよ。
 改めて全数調査っていうことを考えるべきじゃないか、戻すべきじゃないかと思いますけれども、その点いかがでしょう。

○国務大臣(加藤勝信君) 今の委員おっしゃったようなことを背景に、またオミクロン株自体が若者の重症化リスクが低く大部分の人は感染しても軽症で入院することがない一方で、高齢者の重症化リスクは引き続き高い、そういう特性を持っているということと、さっきおっしゃった事務的な負担、これらも踏まえて、重症化リスクの高い方々に対して適切な医療提供をしていくという観点から、全数見直し、届出の見直しを行ったわけであります。
 まさに今、感染数が増加している局面でありますから、まさに業務が逼迫するおそれがある、また、重症化リスクの低い方も含めた全ての患者等に対して健康観察を行うこともなかなか難しいといったことを考えると、少なくとも戻すことは適切ではないというふうに考えております。
 引き続き、自宅療養を行っている方が体調悪化時などに相談できる体制及び必要に応じて適切な医療が受けれること、これ大変重要でありますので、そういった面について都道府県とも連携し、重症化リスクの低い方が安心して自宅療養などができる、こうした体制を引き続き整備していきたいと考えております。

○倉林明子君 軽症者が重症化に転じるということで命を落とした、在宅で命を落としたという事例は相次いだんですよね。
 そういう中で、やっぱりこの全数調査をしているということで救える命があったはずだということからも出ている声です。もちろん、その負担を軽減するということについては、それこそITの活用だとか、今もやられていると思う、省略化はかなり取り組まれていると思うんですけれども、マネジメントも含めて考えていく必要があるんじゃないかということを改めて指摘したい。命を落とす、救える命が救えなかったという教訓をやっぱり大臣に、この点では見直しを求めておきたいと思います。
 政府は、第七波の真っただ中でコロナの療養期間を短縮、これ踏み切りました。医療機関等の人手を確保するということにつながるという歓迎の声もありましたけれども、これ感染拡大のリスクを高めることにもなりかねないわけですね。病院、高齢者施設等でのクラスター発生を防止すると、これ死亡者を減らしていくということの私は鍵になるとも思っておりまして、高齢者等リスクの高い全てのケア労働者に対して療養期間の短縮と、これリスクを高めかねないものでもあるんですよ。
 こういう適用についてはやめるべきだ、見直すべきだと思うんですけれど、いかがでしょうか。

○政府参考人(佐原康之君) 厚生労働省では、これまでの様々な科学的な知見、あるいは諸外国における陽性者の隔離の期間の状況を踏まえまして、ウイズコロナの新たな段階への移行に向けて、社会経済活動との両立の観点から、これは九月七日からですが、無症状者の療養期間については、検査を実施しない場合には引き続き七日間とするけれども、五日目の抗原定性検査による検査で陰性を確認した場合には五日間経過後に療養解除を可能としたところでございます。
 ただ、療養を五日間で解除する場合であっても、七日間が経過するまでは感染リスクが残存することから、御自身による検温や、それから高齢者等重症化リスクのある方との接触など、感染リスクの高い行動を控えていただくようにお願いをしておりまして、ハイリスク施設の従事者等においてもこれを踏まえて対応していただく必要があると考えております。

○倉林明子君 そうなんですよ。高齢者とかリスク高いところについては気を付けなさいという話と、早く職場に戻ってくるためにこれ使うということも可能になっているんですよ。対応は分かれているんです、現場で。
 実際に医療機関が調べて、医療機関、医労連がこの点でも調査しているんですけれども、結局エビデンスがないということで、感染リスクが、それで大丈夫だというエビデンスがないということで期間短縮をしていないという病院が六割弱あるんですよ。それ当然だと思うんです。
 ウイズコロナという話ありましたけれど、医療従事者は、世間はウイズコロナだけれども、スタッフには二年半ずっとゼロコロナを目指してプライベートも犠牲にして抑制的な生活してもらっていると。それでも感染してしまうことも、感染力すごい強いオミクロン株の下であったわけですよね。
 さらに、この短縮、待機期間の短縮を病院や高齢者施設で働く人まで適用するのはやめた方がいいんじゃないかということを申し上げているんですよ。もう一回どうですか。

○政府参考人(佐原康之君) 今回の療養期間の見直しに関しましては、まず、国立感染症研究所の解析によりまして、五日間待機後では約九〇%の患者さんが感染力のあるウイルスを排出していないということを確認した上で行ったものであります。
 御指摘の点あると思いますが、これは社会経済活動との両立の観点から考えていく必要があると考えております。

○倉林明子君 医療現場ではそういうふうに六割ではやれてない、やれない、踏み出せないんですよ。それは、やっぱり病院にはゼロリスクが求められるからにほかならないんです。
 そういう意味で、改めて、その点では高齢者、リスクの高いところについては気を付けなさいと、それはやっぱり、一番高齢者やリスクの高い利用者等に接しているところについては、期間は別途やっぱり厳しめに見ておかないと駄目だということは強調して、改めて申し上げておきたいと思います。
 そこで、第六波、第七波の医療崩壊に伴いまして、深刻な事態に追い込まれているのが介護福祉事業所ということになります。
 利用者が感染し、病状が深刻化しても、救急搬送、入院は何度も断られると、職員が看護せざるを得ないと。陽性者の利用者を陽性者の職員が面倒見るというようなことも、六波のときも紹介しましたけれど、七波でも続いたんですね。各地でクラスターが起こりました。現状は余りにも壮絶だと思うんですよ。
 大阪府内の障害事業所、障害者事業所、六波でショートステイ、グループホーム、待機、隔離、療養の場になりまして、ある福祉職は月に二十四時間勤務を四回やったと。十日連泊した職員のことも紹介しましたが、こうした状況が六波、七波と続いたわけです。
 要介護者から適切な、こういう実態というのは、要介護を受ける人たちの医療を受ける権利が奪われているというふうに私は思うんですけれども、大臣、そんな認識はおありでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどもほかの方からも御質問がありましたけれども、やはり入院が必要な方がしっかりと入院ができる体制をつくっていく、そういう努力する、これはもう当然のことだと思いますし、我々やっていかなきゃいけないと思って、これまでも各都道府県を含めて医療関係者の方の御協力もいただいて取り組んできましたが、さはさりながら、医療資源には有限、限界があるわけでありますから、その中で高齢者施設等で療養する場合もこれは想定しておかなきゃいけませんし、またそれに応じた対応も図ってきたところであります。
 具体的には、施設からの連絡により感染発生から二十四時間以内に感染制御・業務継続チームを派遣できる体制の整備とか、あるいは全ての施設で医師や看護師による往診、派遣が可能な医療機関の事前の確保を進めることで、必要に応じ高齢者施設に対してまた財政支援も行ってきたわけであります。
 今般の改正案において、病床の確保や高齢者施設の入居者等を含めた自宅療養者等に対する医療の提供について、数値目標を盛り込んだ計画を平時から策定するとともに、各医療機関の機能や役割に応じて協定を締結することで確実な備えを図りたいと思っております。
 こうした取組を進めることで、高齢者の方に対する、まずは入院ができる体制を整備するとともに、高齢者施設においても適切な支援が図られるように取り組みたいと思っております。

○倉林明子君 私、現場からは、福祉施設は病棟じゃないよという怒りの声が上がっているんです。そういうことで体制も整えていくということだけど、医療提供体制は急に膨らますことできないということになると、繰り返しかねないということです。
 そして、今度の法案では、留め置き、施設への留め置きと、これ盛り込まれておって、留め置きそのものを前提とするということでいいんだろうかと。私は撤回すべきだと思うんですよ。端的にお答えください。

○国務大臣(加藤勝信君) ただ、先ほど申し上げたように、必要な、入院が必要な方が入院ができるように提供体制を充実するべく努力をする、これは大前提だと思います。
 しかし、その場合において、それを超えるような感染拡大が起きて、また患者さんが発生した場合にどうするかと、そういったことも当然想定しながら対策を講じていくということが大事だというふうに思います。

○倉林明子君 感染拡大のたびに繰り返される留め置きということが現場、福祉や介護の現場にどういうことを引き起こしているかというと、疲弊し切っていますね。このままでは職員が潰れると。
 在宅の高齢者、障害者含めて要介護者の必要で適切な医療の確保と、こういうこと、前提だとおっしゃるんだけれど、できてきませんでした。本当にそれをどうやってつくるかということが今示されている中身では見えていないというのは私、実感なんですね。改めて、この体制をどうやってつくっていくのかということも議論必要だと思っています。
 増員、要はキャパが足らぬのですよ、キャパが、医療提供体制の、人も病床も。ゆとりがないんですよ。ゆとり必要だっていう議論もあったけれども、本当にそこの、そこをどうやって増やすかということ抜きに、私はまた留め置き繰り返されると思います。
 こういう留め置きが発生したところ、一旦クラスターが発生すれば、ほぼ一か月、新規入所制限に加えて、ショートステイ、グループホーム、療養、隔離のために利用の制限と。保健所の指示に従って通所系サービスの停止、これ余儀なくされます。減収規模が数千万円規模、こういうところが少なくないです。規模の小さい事業所、これ百万程度の減収でも事業継続が困難になるという事態さえ招いております。掛かり増し経費の上限の撤廃、減収補填ということなしに事業継続は私困難だと思うんです。
 公費による減収補填ということをこの介護、そして福祉施設、福祉事業所に対してもしっかり行うべきだと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(加藤勝信君) 介護施設あるいは障害福祉施設において必要なサービスが安定的、継続的に提供されていくということは大事だと考えております。
 感染者が発生した介護施設等に対しては、消毒、清掃や緊急時の人材の確保に係る掛かり増し経費への補助、施設内療養者一名当たり最大十五万から三十万の追加的な補助の全国拡大、これは介護事業所でありますけれども、さらには、一時的に人員や運営の基準を満たすことができない場合にも報酬を減額しないこと、こうした柔軟な取扱いも行ってきたところでありますし、さらに、通所介護事業所等については、利用者減の生じた月の実績が前年度の平均延べ利用者数から一定以上減少している場合には基本報酬に一定の加算を行うことも可能とした措置もとらせていただきました。
 さらに、先般、物価高騰に対する支援策として創設された六千億の電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金において、効果的と考えられる推奨メニューの一つとして介護施設や障害福祉施設に対する支援も掲げられており、厚労省としても自治体にその活用をお願いしてきたところであります。
 今後とも、こうした様々な対応を組み合わせながら、介護、障害福祉の現場をしっかりと支援をしていきたいと考えております。

○倉林明子君 たくさんの支援メニューがあるんだという紹介いただいたけれども、それ全部事務作業を伴って、必死で、クラスターで大変な事態に陥っている下でも、そのお金、その様々な支援を受けようと思ったら、その手間が物すごい大変だったというお話も聞きました。
 そうやっていろんな支援金をいただくために頑張ったんだけれども、ある事業所でいいますと二千百万円の支出がありましたと、クラスター発生したことによって。掛かり増し経費の補助、もらえた分が一切合財で七百七十二万円止まりでした。減収分含めると結局七千七百万円という損失になったっていうんですよ。メニューはあるんだけど、総額が足らぬのですよ。
 私、医療崩壊のツケを全て事業所の責任ということで丸投げしていいのかというふうに思うわけです。改めて、こういう、そのコロナでも高齢者や介護が必要な人を受け入れなければならないというふうに決めているわけですよ、福祉介護の、社会福祉事業所に対して。そういうところがコロナで事業が継続できなくなったというようなことは絶対避けるべきだと思うんですよ。もう一回、どうですか。

○国務大臣(加藤勝信君) 同じ答弁になって恐縮ですけれども、まさに介護施設や障害福祉施設において必要なサービスが安定的、継続的に提供されることが大事でありますし、それに対して必要な支援を引き続き行っていきたいと考えています。

○倉林明子君 絶対的に足らぬということと、このコロナを経て、介護事業所や福祉事業所が継続困難で潰れるというような事態を招いてはならないんだと、それはやっぱり国の責任だということは強く申し上げたいと思います。
 次に、保健所職員について質問します。
 過労死を防止して健康を確保していくこと、確保すると、これ極めて重要になっていると総理は答弁いたしました。それならば、私は、労基法三十三条三項の規定で、公務員は臨時の必要がある場合、青天井で働かせることができると、この規定の見直しこそやらないと守れないと思うんです。
 臨時の期間のこれ上限を規定する、インターバルを規定する、こういう整備をしないと、保健所職員、過労死避けられないのではないかと思っています。いかがですか、大臣。

○国務大臣(加藤勝信君) まず、新型コロナウイルス感染症の対応において、地方の公務員の皆さん方も大変な御努力をいただいていることに改めて感謝を申し上げたいと思います。
 労働基準法第三十三条第三項で、公務のための臨時の必要がある場合には、非現業の官公署に勤務する職員については、三六協定を締結することなく時間外、休日行動を行わせることができるとされている、それ今御指摘の点なんだと思いますが、人命等の保護の観点から新型コロナウイルス感染症の対応はもちろん重要でありますが、その一方で、長時間労働などの職場環境を原因として働く方が健康を害するようなことはあってはならないわけであります。
 このため、これまでも保健所業務の負担軽減を図ってきたほか、労働基準監督署においても時間外労働の削減に向けた指導を行うとともに、やむを得ず時間外となって、時間外労働となっている方々に対しては、労働安全衛生法に基づく医師の面接指導を徹底するよう指導もさせていただいております。
 さらに、過労死等防止対策推進法に基づき定められた過労死等の防止のための対策に関する大綱において、地方公務員の勤務間インターバルの確保に関する内容が盛り込まれており、同大綱についても厚生労働省から地方自治体にお知らせをしているところであります。
 引き続き、働く方々の健康確保対策の徹底を図るとともに、労働時間の縮減などに向けて必要な指導、また支援、これを粘り強く行っていく、まいるつもりであります。

○倉林明子君 現状ではこの指導の範疇ですよね。産業医の面接というところまでなんですけれど、産業医の面接までたどり着くのに随分掛かっているということで、具体的な時間、労働時間の短縮ということは、この間できていないんですよ。結局、やっぱり人が足らぬのですね。一保健所当たり、増員もしていただいたと、財政措置もとったということですけれども、一保健所当たりで見ると一・五人、一人か二人の範囲ですよね。焼け石に水と言うんですよ、こういうのね。
 抜本的な解決には程遠いという事態になっております。踏み込んで、増員をどうしていくのか、今々働いている保健師の命をどう守るのかという点では、指導だけでは守れないということを強く申し上げておきたいと思います。
 総理は本会議で、強化された保健医療体制の下、病床の逼迫を招くことなく、三年ぶりに緊急事態宣言を行わずに過ごすことができ、多くの国民の生活となりわい支えることができましたと答弁されました。
 六割程度の病床の使用率だから病床の逼迫はなかったと言えるんでしょうか、確認です。

○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
 今回、新型コロナの病床確保に向けては、昨年、全体像に基づいて確保を進めてまいりまして、今夏の感染拡大の中で、最大確保病床、ベッド数、約五万床のフル稼働に向けた対応を行ってまいりました。
 この夏の感染拡大期での確保病床……(発言する者あり)あっ、済みません、確保病床使用率については、全国最大六二%でございましたが、都道府県においては更に高い数字で、八割を超えたところもあったところでございます。
 また、これまで、五万床フル稼働に向けていろんな対応、また入院対象者の適切な調整など対策を講じてまいりました一方で、医療従事者やその御家族の感染、濃厚接触などで人員不足が生じて、確保していた病床について適切に稼働させることが難しい場合もあったといった課題も見られたというふうに認識しております。

○倉林明子君 いや、総理の答弁で、逼迫、医療の、病床の逼迫を招くことがなかったという答弁があったから、私はびっくりしたんですよ。医療は逼迫していたんですよ。使用率はフルにはならなくても医療の逼迫ということは起こっていたのが六波、七波、間違いなかったわけですよ。そういう総理発言を聞いて、現場を余りにも把握していないんじゃないかと、医療の崩壊、緊急搬送の崩壊というような現状を総理は把握されていないんじゃないかということを強く思ったんですね。
 これ、成り行き任せに感染拡大を招いた政治の責任は極めて大きいと改めて申し上げたい。
 緊急事態宣言を行わなかったことで生活となりわいを支えられた多くの国民がおりました。ただ一方、過去最大の感染者数となって過去最悪の死者数を回避できなかった、七波。感染者数を抑制できなければ、守れる命を守れないことを私は繰り返すことにならないかと。
 前回の質疑で第八波に向けた感染拡大防止措置の実効性をただしたところ、大臣は、住民の協力要請が中心だと回答をされました。お願いだけで感染拡大防止できるのかと、改めて最後に問いたいと思います。

○国務大臣(加藤勝信君) この夏のBA.5の対策強化宣言においても、国がBA.5対策強化地域に位置付け、国と県が緊密に連携し要請、呼びかけを行うことで感染者数の減少に一定の効果があったと考えており、今回もそうした仕組みを盛り込ませていただいたわけであります。対策強化宣言等の措置については、内閣官房において専門家の意見を伺いつつ、自治体と緊密に連携しながら対応がなされていくものと承知をしております。
 一方、厚労省としては、アドバイザリーボードにおいて、新型コロナの感染状況や医療体制等についての分析、評価を行い、その内容を都道府県に情報提供していくことで、時機を逸することなく適切なタイミングでこうしたメッセージを発信していく、措置をとっていくと、こういったことを進めていきたいというふうに考えているところでございます。

○倉林明子君 現場二年半頑張ってきた職員たちがどういう思いかと。目の前の命はもう失いたくないと、こういう声なんですよ。しっかり受け止めていただいて、感染拡大防止措置、実効あるものとして実行、行っていただきたい。
 終わります。