倉林明子

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医療抑制転換は必須 感染症法等改定案審議入り(2022/11/11 本会議)

 感染症法等改定案が11日、参院本会議で審議入りしました。日本共産党の倉林明子議員は、新型コロナウイルス感染症が流行した「第7波」での医療のひっ迫状況を示し、「感染拡大を抑えなければ病床確保は達成できない」とただしました。

 同改定案は、都道府県と医療機関が病床確保等について事前に「協定」を結び、医療機関が正当な理由なく協定に沿った対応ができない場合、勧告・指示、病院名の公表などの措置が講じられます。大学病院などの特定機能病院や地域医療支援病院には、診療報酬の加算が受けられなくなる承認取り消しの重い罰則が科されます。

 倉林氏は、「第7波」で感染者数が1200万人を超え、京都と大阪の介護・福祉施設では「救急車で搬送されたが、結局受け入れ先が見つからず、入院できずに施設に帰ってきた」「クラスターが発生する中、職員にも感染者が相次ぎ、陽性の入所者を陽性の職員がケアした。10日連続の泊まり込みを余儀なくされた」など、壮絶な事態が起きていた実態を紹介。「救えるはずの命が救えなかったという反省こそ改定案の出発点とすべきだ」と岸田文雄首相に迫りました。

 倉林氏は「正当な理由がなく確保病床が稼働できなかった立法事実はあったか」とただしました。加藤勝信厚生労働相は、「医療機関と都道府県との認識のずれが生じた」ことで「円滑な医療提供体制の確保が図られなかった」などと答えました。

 倉林氏は、コロナ禍でも病床削減を促進する消費税を財源とした補助金が継続されていると批判し、「きっぱり中止すべきだ」「これまでの医療・社会保障費の抑制政策の根本的な転換なしに、新興感染症対策の成功はありえない」と訴えました。


 日本共産党の倉林明子議員が11日の参院本会議で行った、感染症法等改定案に対する質問(要旨)は次の通りです。

 新型コロナの「第7波」は、感染者数1200万人超、死者数1万4千人あまりと過去最悪の事態となりました。本法案の提案にあたって、救えるはずの命が救えなかったという反省こそ出発点とすべきではありませんか。

 本法案は、都道府県と医療機関が病床確保等について事前に「協定」を結び、医療機関が正当な理由なく協定に沿った対応ができていない場合は、勧告・指示、病院名の公表などの措置が講じられることになります。

 とりわけ大学病院などの特定機能病院や地域医療支援病院には、診療報酬の加算が受けられなくなる承認取り消しという重い罰則が課されます。

 感染拡大が抑えられなければ病床確保が達成できなくなることは、第7波ですでに明らかです。正当な理由なく確保病床が稼働できなかったという立法事実があったのでしょうか。

 コロナ禍にありながら病床削減を促進する補助金が継続され、民間病院の病床も含めて2020年と21年で5616床が削減されました。コロナ病床を確保するためにも、一般病床が必要なことは明らかです。消費税を財源とした病床削減のための補助金はきっぱり中止すべきです。

 地域医療機構は、地域医療機構病院に対し、コロナ禍の20年9月に人員削減計画を進める通知を発出しています。第8波を前に医療提供体制の充実が求められる今、職員削減など到底容認できません。通知は廃止すべきです。

 保健所のひっ迫は非人道的な様相を呈しています。コロナ禍が始まってから過労死ラインを超える残業時間外が恒常化しています。

 2010年の新型インフルエンザ対応を踏まえて策定された「新型インフルエンザ対策総括会議報告書」では、地方自治体の保健所や地方衛生研究所を含めた感染症対策に関わる危機管理を専門に担う組織や人員体制の大幅な強化が必要と指摘されていました。しかし、拡充されませんでした。

 12年前の反省に立ち戻り、せめて保健所体制を削減前に戻す決断をすべきです。

 地方衛生研究所の職員配置基準や、施設基準などの法定化が求められているにもかかわらず、本法案には盛り込まれませんでした。法定化を強く求めます。

 そもそも感染症法には「良質かつ適切な医療の保障」が明記されています。医療・社会保障費の抑制政策の根本的な転換なしに日本における新興感染症対策の成功はありえません。


議事録を読む

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 会派を代表して、ただいま議題となりました感染症法等改正案について質問します。
 法案質疑の前に、統一協会問題と葉梨法務大臣の発言について総理に質問します。
 統一協会の被害者救済は、党派を超えた国会の責務です。全党派によるオープンな協議、審議で今国会中に被害者救済の法制度をつくり上げる構えはありますか。
 二度と被害を生まないために、統一協会との根深い癒着の根を絶つことが必要です。安倍派を中心に国会議員との関係強化を指示した文鮮明創始者の発言録が明らかになりました。これは個々の議員の問題とは次元の異なる、まさに自民党全体の問題です。安倍家三代と統一協会との関係を含め、政府・自民党として癒着の徹底解明に取り組むべきです。いかがですか。
 一昨日の政治資金パーティーにおける葉梨法務大臣の発言は、法務大臣としてはもちろん、人としても許されないものです。発言撤回で済む問題ではありません。法務大臣の資格なし、葉梨法務大臣の罷免を求めるものです。
 新型コロナの第七波は、感染者数一千二百万人超え、死者数一万四千人余りと、過去最悪の事態となりました。コロナがなければ失うことがなかった命を守ることができなかった政治の責任は極めて重大です。なぜここまで死者数が増えたのか、その要因について総理の説明を求めます。
 第七波の京都の介護、福祉の現場からは、救急車で搬送されたが、結局受入先が見付からず、入院できずに施設に帰ってきた、入院を依頼したら認知症があるかと確認され、あると答えたら搬送先がないと言われたとの声が上がっています。大阪の福祉施設の現場では、クラスターが発生する中、職員にも感染者が相次ぎ、陽性の入所者を陽性の職員がケアに当たらざるを得ず、十日連続の泊まり込みを余儀なくされると、壮絶な事態となりました。必要な医療にアクセスすらできずに、施設や在宅に留め置かれたまま死亡するという事例が全国で起こったのが第七波だったのです。
 総理は、三年ぶりに緊急事態宣言等の行動制限を行わずに今年の夏を乗り切れたと述べていますが、本法案の提案に当たって、救えるはずの命が救えなかったと、こういう反省こそ出発点とすべきではありませんか。
 第七波では、コロナを受け入れてきた病院がかつてない逼迫状況となりました。入院患者の高齢化により、コロナは軽症であっても基礎疾患の重症化、介護負担の増大を伴い、多くの看護師の配置が避けられず、一般病床を閉鎖しても受け入れる患者数を減らさざるを得ない事態となりました。加えて、職員の感染が相次ぎ、救急の受入れ停止や制限に追い込まれる病院が全国に広がりました。数字の上で確保できていたはずのコロナ病床をフル稼働することは、やりたくてもできなかったのです。
 入院が必要な人が入院できない事態にありながら、確保病床が稼働できなかった要因についてどう分析していますか。大臣の答弁を求めます。
 本法案は、都道府県と医療機関が病床確保について事前に協定を結び、医療機関が正当な理由なく協定に沿った対応ができていない場合は、勧告、指示、病院名の公表などの措置が講じられることになります。とりわけ大学病院などの特定機能病院や地域医療支援病院には、診療報酬の加算が受けられなくなる承認取消しという重い罰則が科されます。感染拡大が抑えられなければ病床確保が達成できなくなることは、第七波で既に明らかです。
 正当な理由なく確保病床が稼働できなかったと、こういう立法事実があったのでしょうか。明確にお示しいただきたい。
 日本では、感染者数が第七波に達していなかった過去の波でも医療保健提供体制の逼迫を繰り返してきました。新興感染症によるパンデミックに対し、余りにも脆弱な体制をどう抜本的に再構築していくのかが求められています。ところが、コロナ禍にありながら病床削減を促進する補助金が継続され、これまでに民間病院の病床も含めて、令和二年、三年で五千六百十六床が削減されました。中長期的に見れば病床は減らす必要があるとの説明ですが、今やるべきことではありません。コロナ病床を確保するためにも、一般病床が必要なことは明らかです。消費税を財源とした病床削減のための補助金はきっぱり中止すべきです。
 地域医療機構は、地域医療機構病院に対し、コロナ禍の令和二年九月に人員削減計画を進める通知を発出しております。第八波を前に医療提供体制の充実が求められる今、事もあろうに職員削減など到底容認できません。通知は廃止すべきです。
 また、法案では、初動対応等を含む特別な協定を締結した医療機関に対し、新たな財政支援を行うとしています。新たな財政支援の対象をなぜ限定するのか。一定期間経過後の補助金や診療報酬の上乗せは具体的にどうなるのか。これまでの緊急包括支援事業に基づく交付金は継続されるのか。明確な御説明をいただきたい。
 保健所の逼迫は非人道的な様相を呈しています。入院できるベッドが一つしかなければ、入院が必要な患者が三人いても一人を選ばなければならない、命のトリアージまでもが保健師に迫られました。新卒採用の保健師は、第四波のさなかで、本来の研修は全て省略、初日から電話対応、トイレがどこにあるかさえ終業後に教えてもらった、最初の週から終電を逃してタクシー帰宅、生きていることがしんどくなってマンションのベランダに足を掛けたことも。それでも続けてきたのは使命感との訴えは涙なしには聞けませんでした。保健所の職員は、命懸けでコロナ対応に当たっているのです。
 保健所では、コロナ禍が始まってから過労死ラインを超える残業時間が恒常化しています。労基法三十三条三項で、公務のために臨時の必要がある場合においては時間外勤務や休日出勤をさせることができるとされていることにより、青天井で働かせることができるためです。公務員であっても、過労死ラインを超える働き方は許されてよいはずがありません。
 平成二十一年の新型インフルエンザ対応を踏まえて策定された新型インフルエンザ対策総括会議報告書によれば、地方自治体の保健所や地方衛生研究所を含めた感染症対策に関わる危機管理を専門に担う組織や人員体制の大幅な強化が必要と指摘されていたにもかかわらず、拡充されることはありませんでした。十二年前の反省に立ち戻り、せめて保健所体制を削減前に戻す決断をすべきではありませんか。
 地方衛生研究所の職員配置基準や施設基準などの法定化が求められているにもかかわらず、本法案には盛り込まれませんでした。公衆衛生の向上は憲法二十五条で規定された国の責務です。地方分権を口実にした先送りは許されません。法定化を強く求めるものです。
 そもそも感染症法には、良質かつ適切な医療の保障が明記されています。これまでの医療・社会保障費の抑制政策の根本的な転換なしに日本における新興感染症対策の成功はあり得ないと申し上げ、質問といたします。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 倉林明子議員の御質問にお答えいたします。
 被害者救済の法制度についてお尋ねがありました。
 被害者救済、再発防止は、与野党の枠を超えて取り組むべき重要課題であると考えています。現在、与野党間の協議、話合いに加え、自民党においても、各党から被害者救済に向けた法制度に関する御意見を伺っているものと承知をしております。政府としては、各党からの御意見も参考にしながら、将来に向けて被害の発生を防止し、救済を容易にするために必要な法制度の見直しを進めていきます。
 いずれにしても、速やかに検討を行い、準備ができたものから臨時国会に提出してまいりたいと考えています。
 旧統一教会との関係の調査についてお尋ねがありました。
 内閣総理大臣として答弁しておりますので、自民党の対応について申し上げるのは控えるべきかもしれませんが、あえてお答え申し上げるならば、閣僚を含む多くの議員が社会的に問題がある旧統一教会、その関係団体と接点を有していたことが明らかになり、国民の皆様の政治への信頼を傷つけたことを率直におわびをいたします。
 安倍元総理が旧統一教会とどのような関係を持っていたかの調査については、当時の様々な情勢における本人の判断、認識、すなわち心の問題である上に、御本人が亡くなられた今、本人は何も釈明、弁明ができないなど、十分な調査はできないのではないかと考えております。
 自民党においては、各議員がそれぞれ、各議員それぞれが旧統一教会との過去の関係を八項目に分けて詳細に点検、報告をし、新たな接点が判明した場合は、その都度追加的に報告、説明を行い、今後は関係を持たないことを徹底すること、これを方針としております。
 大切なことは、未来に向かって関係を絶つということであります。自民党においては、旧統一教会及び関係団体と一切関係を持たない方針であるということを踏まえ、十月二十五日、ガバナンスコードを改訂し、対応、方針について、二十六日、全党所属国会議員及び全国都道府県連に対して通知をいたしました。地方議員についてもこれを徹底してまいります。
 葉梨法務大臣の発言についてお尋ねがありました。
 葉梨大臣に対しては、昨日、官房長官から厳しく注意をしたところであり、改めてその職責の重さを自覚し、説明責任を徹底的に果たしてもらわなければなりません。また、葉梨大臣からも、真摯に反省し、陳謝をすると説明があり、発言を撤回したと承知しておりますが、誤解を招くことがないよう、発言はくれぐれも丁寧に、慎重に行ってもらわなければならないと考えております。
 第七波における新型コロナ対応についてお尋ねがありました。
 オミクロン株が主流となった本年七月から九月までの感染拡大に際しては、その高い感染力から約千百万人が感染し、一万人以上の方がお亡くなりになりました。御家族の皆様方には心よりお悔やみを申し上げる次第です。
 お亡くなりになられた方々の死因については様々であり、要因の分析に当たっては、引き続き実態の把握に努めたいと思いますが、高齢者施設に入所中等の基礎疾患を有する方を含め多くの高齢者も感染され、基礎疾患の悪化等の影響で亡くなられるなど、新型コロナが直接の死因でない事例も多かったものと聞いております。
 この冬に向けては、インフルエンザとの同時流行を想定した保健医療体制の確保を進めており、重症化リスクのある高齢者等を守ることに重点を置いて取り組んでまいりたいと考えます。
 そして、本改正案の提案に当たっての新型コロナ対応等の認識についてお尋ねがありました。
 今年の夏は、強化された保健医療体制の下、病床の逼迫を招くことなく、三年ぶりに緊急事態宣言等の行動制限を行わずに過ごすことができ、多くの国民の生活となりわい、支えることができました。他方で、新型コロナ危機への初期対応を含め数年にわたる今般の新型コロナ対応の経験を見ると、医療機関の迅速な人員確保や入院調整、病床確保の困難さ、保健所業務の逼迫、医療物資の不足などの課題があり、平時からの感染症危機管理の重要性が浮き彫りとなりました。
 今般の改正案では、これまでの新型コロナ対応の課題等を踏まえ、流行の初期段階から速やかに機能する医療提供体制を確保し、感染症への対応をより強化するために、医療機関との協定の締結等を通じて地域における連携を強化することとしております。
 保健所職員の長時間労働についてお尋ねがありました。
 まず、新型コロナ対応のため、保健所職員の皆様が日々大変な御尽力をされていることに改めて心から敬意と感謝を申し上げます。
 コロナ禍が長引く中で、保健所職員の皆様の過労死等を防止し、健康を確保していくことが極めて重要になっていると考えております。
 このため、自治体に対し、条例等によって労働時間の上限規制を設けるよう助言を行うとともに、時間外勤務の縮小対策を実効的に運用するための留意点等について自治体に通知をしております。各自治体においてこうした取組が着実に実施されるよう、引き続き、政府として各自治体の取組を支援してまいります。
 保健所の体制についてお尋ねがありました。
 保健所の人員体制については、設置主体である自治体の判断により、地域の実情を踏まえ必要な体制を確保しており、近年は増加をしています。
 国としては、保健所において感染症対応に従事する保健師の恒常的な人員体制を強化するために必要な地方財政措置を講じたところです。
 さらに、今般の改正案では、保健所設置自治体に対し、保健所の体制整備を含む予防計画の策定を義務付けることなどを盛り込むとともに、専門人材が保健所業務を支援する仕組みであるIHEATを法定化したところであり、感染症危機時でも機能する強化された保健所体制を平時から計画的に構築をしてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕

○国務大臣(加藤勝信君) 倉林明子議員より六問の御質問をいただきました。
 まず、確保病床の稼働についてであります。
 今般の感染拡大において、この夏の感染拡大においては、最大確保病床約五万床のフル稼働に向けた対応や、入院対象者の適切な調整等、累次にわたる対策を講じたところではありますが、医療従事者やその御家族の感染、濃厚接触による就業制限等に伴う人員不足などにより、確保していた病床について適切に稼働させることが難しい場合があったと承知をしております。
 こうしたことを踏まえて、今後、都道府県において、医療従事者の欠勤状況を把握、活用できるようにすることで感染状況に即したフェーズ運用を促進するなど、時機に遅れることなく病床の確保ができるように対応してまいります。
 また、医療機関の人員不足への対応については、今般の改正案において、あらかじめ人材派遣に関して協定を締結し、まずは都道府県内で人材の融通を行うこととしております。その上で、都道府県内での人材確保が難しい場合は、他の都道府県に直接応援を求めることや、厚生労働大臣に対し、他の都道府県からの医療人材の派遣を求めること等の仕組みを規定することとしております。
 法案の立法事案について、事実についてお尋ねがありました。
 これまでの新型コロナ対応において、地域で個々の医療機関が果たす役割が具体化されてこなかったことから、患者像と病床確保に関し医療機関と都道府県との認識のずれが生じた結果、確保病床に重症患者が受け入れられないなど、各地域において円滑な医療提供体制の確保が図られなかった事例がありました。
 今般の改正案は、こうした新型コロナ対応を通し、通じて明らかになった課題や経験を踏まえ、これまで地域において構築された役割分担を法律上の仕組みとして位置付けることにより、感染初期から迅速かつ的確な対応が可能な医療提供体制を構築するものと考えております。こうした体制の構築に当たっては、協議等のプロセスを通じてあらかじめ地域における役割分担について認識を共有しておくほか、地域において感染症対応を担う体制を確保していくことも重要であります。
 公立・公的医療機関等や特定機能病院、地域医療支援病院には、実際の新型コロナ対応でも、例えば、大学病院等に地域の基幹病院としての重症患者の受入れの役割を担っていただいており、その機能や地域での役割を踏まえれば、今後の感染症発生、蔓延時にも一定の役割を果たすことが期待されております。さらに、その機能に応じた様々な支援も講じているところであり、医療の提供を義務付けることとしたところであります。さらに、この医療提供義務や協定の、協定を実効性のあるものとするため、承認取消し等の履行確保措置について設けることとしたものであります。
 病床機能の再編支援についてお尋ねがありました。
 中長期的な人口構造の変化や地域の医療ニーズに応じて、病床機能の分化、連携により、質の高い効率的な医療提供体制の確保を地域医療構想によって推進することが重要であり、御指摘の財政支援は単なる病床削減を目的としたものではなく、地域の合意を踏まえて必要とされる医療提供体制構築を進めるに当たって重要な支援策と考えております。
 厚生労働省としては、地方自治体等と連携し、また御意見も伺いながら、地域医療構想を着実に進めるとともに、今後高齢者人口がピークを迎えて減少に転ずる二〇四〇年頃を視野に入れつつ、新型コロナ禍で顕在化した課題を含め、中長期的な課題についても整理し、取組を進めてまいります。
 地域医療機能推進機構が発出した通知についてお尋ねがありました。
 各病院の運営は、人件費に関することを含め、独立行政法人地域医療機能推進機構において適切に判断の上行われているものと考えております。
 御指摘の通知による取組は、コロナ禍の影響も踏まえた上で、法人において適切に判断し、行われているものと承知をしております。
 医療機関への財政支援についてお尋ねがありました。
 今般の改正案では、都道府県知事が、平時に各医療機関と協議を行い、感染症発症、発生、蔓延時における役割、対応に関する協定を締結することとしております。
 その上で、感染症の流行初期段階から基幹的な役割を担う特別な協定を締結した医療機関に対しては、経営上の懸念を払拭するため、診療報酬の特例措置や補助金等の財政支援が整備されるまでの間、流行初期医療確保措置として、感染症流行前と同水準の収益を補償することとしております。
 なお、流行初期以降の補助金や診療報酬の特例措置などの財政支援については、実際の感染症発生時に、そのときの感染状況や感染症の特性を踏まえ、必要な支援を検討していきたいと考えております。
 地方衛生研究所についてお尋ねがありました。
 今般の改正案では、地方公共団体の自主組織権を尊重する旨の地方分権推進委員会の勧告を踏まえ、保健所設置自治体に対し、地方衛生研究所が感染症対策で担う機能を確保するために必要な体制整備等の義務を課すとともに、連携協議会の設置や予防計画の策定等により、自治体同士が連携しながら必要な検査体制を平時のうちから計画的に整備する仕組みを盛り込んだところであります。
 御指摘のような基準を設けることは予定をしておりませんが、地方衛生研究所の体制整備の在り方については、地域保健法に基づく基本方針や関係通知等の中で技術的な助言として示していきたいと考えております。