倉林明子

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生活困窮への対策を 所持金ゼロ増加も(2022/5/17 厚生労働委員会)

 日本共産党の倉林明子議員は17日の参院厚生労働委員会で、拡大する生活困窮への対策を求めました。

 倉林氏は、全国で取り組まれている電話相談会で所持金ゼロの割合が4割に増加していると紹介。新型コロナの支援対策を使いきり、家賃、公共料金等の滞納に加えて借金も抱えるという実態が増えていると指摘しました。報道では、緊急小口資金等の特例貸し付けを利用する自己破産者が5千人以上にも上っているとして、返還免除の要件を拡大するよう求めました。

 また、ひとり親家庭の困窮の度合いが増しており、コロナの第6波では、多くの家庭で主食、肉、魚を買えなかった経験があるとのアンケート結果を紹介。5万円一度きりの支給では足りないと批判し、児童手当の拡充とともに、児童扶養手当の所得制限の緩和、支給額の引き上げ、毎月支給への見直しなどを求めました。

 後藤茂之厚労相は「拡充には安定財源等の課題がある」などと答弁。倉林氏は、年金の減額措置の中止、物価高騰を反映した生活保護基準の引き上げを求めました。


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○倉林明子君 日本共産党の倉林です。
 今日報告ありました遺骨収集について、DNA鑑定の実施の状況、御報告ありました。私、十八柱を御遺族にお渡しできたということは非常に、僅かな一歩ではありますけれども、前に進んだということを受け止めたいと思いました。さらに、身寄りの手掛かり情報がない御遺骨についても、対象地域も拡大する等で周知もして、九百四十七件のDNA鑑定、御遺族からですね、これを受けたということです。
 本当に、戦後七十七年になります。しかし、返すことができるこのDNA鑑定ということで、強化する体制もしいてもらいました。これ本当に、命のある間に御遺族に遺骨を返還するんだという取組を本当に強めていただきたいということは、これ要望にとどめておきたいと思います。
 で、質問です。
 長引くコロナ禍に加えて、物価高が本当に物すごい勢いで市民生活を襲っております。とりわけ生活困窮者を直撃するという状況になっています。労働組合などが全国で取り組んできましたコロナなんでも電話相談会、これ二月に一遍ずっと取り組まれてきているんですね、全国で。それが二月までの合計で一万二千件を超える相談が寄せられたということなんです。
 この相談のうち無職者の占める割合というのが四割を超えていると。職があっても月収十万円以下、これ七割だということなんです。これ深刻だなと思って見たのは、回を重ねるごとに所持金ゼロという方が割合増加しているんですね。今年二月のところで見ますと、所持金ゼロという方は四割にも達しているんですよ。非常にせっぱ詰まった状況というのが拡大しているというふうに受け止めました。
 大臣に認識伺いたい。生活困窮、これ拡大しているというふうに私は受け止めているけれども、いかがですか。

○国務大臣(後藤茂之君) 新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、今委員からの御指摘のそういう例もあると思いますし、例えば生活困窮者の新規相談件数や緊急小口資金の特例貸付けなどの申請件数、こうしたものはコロナ前と比べて非常に増えておりまして、多くの方々が厳しい状況に置かれているものというふうに認識しております。
 そして、最近の物価高騰は、こうした方々への生活に更なる影響を与えているというふうに考えております。そうした認識だけでいいという御質問ですね、はい、分かりました。政府の対応は省きます。

○倉林明子君 コロナによる生活困窮支援対策というのが様々打たれてまいりました。それ活用し切って後がないという切実な声が多く寄せられるようになってきているんですね。家賃、公共料金、税、社会保険料等、これ滞納に加えて借金もあるという実態が増えてきているんですよ。
 来年一月から、実はこのコロナの特例貸付けの返済が始まろうということになります。これ更に困窮者を増大させかねないという心配をしております。
 共同通信社が調査を行いまして各社報道しておりましたけれども、既に現時点でも自己破産、債務整理という利用者が五千人にも上っているということでした。これ、困窮者の生活を支えた役割というのは非常に大きかったというふうに思っているんですけれども、生活再建にはこれつながっていないと現場からも指摘があった、私も取り上げて質問したこともありました。
 これ、一月といっても本当に目の前になってきていると思うわけで、返還免除の要件については拡大して救うべきだというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

○政府参考人(山本麻里君) お答え申し上げます。
 緊急小口資金等の特例貸付けの償還免除要件につきましては、一昨年の特例貸付け開始時において、償還時においてなお所得の減少が続く住民税非課税世帯としていたところでございます。償還免除の判定における確認要件は、借受人及び世帯主に限ることとしております。これ一般的に世帯主、全員が非課税であることをもって住民税非課税世帯と取り扱っておりますけれども、今回の償還免除の基準におきましては、より穏やかな要件を取っているところでございます。
 さらに、償還免除の対象とならないケースであっても、生活困窮者自立支援制度における自立相談支援、それから家計改善支援を通じた支援を行っていくほか、返済開始後に借受人及び世帯主が住民税非課税となった場合は残債を一括して免除することとしておりますし、また、死亡や失踪宣告、生活保護の受給、重度障害者の認定、自己破産等の一定の要件を満たす場合には、残債の全部又は一部を免除できることとしております。
 こうした借受人の状況を踏まえたきめ細かな措置を講じることで生活再建を支援していきたいと考えております。

○倉林明子君 いろいろこれまでになく要件も緩く見て返済免除が適用できるようにしてもらっているということはよく知っているんですけれども、もう出てきた数字というのが、状況でいうと、五千人が既に自己破産、債務整理ということになっているという状況は深刻だと思うんですね。返済の要否の通知ということが間もなく届くというふうに伺っております。それが届いたときに、あっ、これは返さんなんということで更に困窮に追いやってしまうということがあってはならぬと思うんです。
 そういう今ある返済免除の要件についてもよく知らせると、よく知らせるということと併せて、更なる拡大が待ったなしなんだということを申し上げておきたいと思います。
 次は、児童扶養手当、子供の問題です。
 コロナの第六波に物価高が重なりまして困窮の度合いを増しているということで見ますと、一人親世帯あるわけです。しんぐるまざあず・ふぉーらむが今年三月に調査を行いました。それ見ますと、第六波の影響で年末から二月にかけて働けずに減収になった、六割に上りました。これ、非正規で見ますと七割になっているんですよ。ほかの調査もしてます。そうしますと、主食、買えなかったことがあった、時々あった、これが五割弱。肉、魚でいうと七割の家庭にもなるんですよ。
 私、本当にこれ、年末から二月までの状況を聞いているんですけれど、三月の調査なんですね。どんな時期かというと、四月の入学、進学を控えているわけですね。準備用品に十万、十五万、高校生の制服だけでも相当な額になるという実態あります。こういう時期と重なってコロナの第六波だったもんですから、もう逼迫度がより増しているわけです。
 補正がそういうことで組まれるということになりました。子供のところも予算組まれるようです。ところが、中身見てみると、低所得の世帯対象で、児童一人当たり五万円一回きりということなんですよ。足らぬのですよ。児童手当そのものを拡充してほしい、中学校卒業までのところを十八歳までにしてほしいと、これ児童手当の要望ですから、そういう声出ているということを紹介した上で、児童扶養手当ですよ。
 これ、所得制限の緩和、支給額の引上げ、切実に出ているのが、これ、元々年間三回に分割していたのを隔月にしてもろたんです。ところが、四月は児童手当も児童扶養手当もない月になっちゃっているんですよ。やっぱり各月にしてもらって、いや、してほしいと、そういう切実な声が上がっております。是非応えてほしい。いかがでしょうか。

○国務大臣(後藤茂之君) 児童扶養手当は、離婚による一人親世帯等、父又は母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立の促進に寄与することを目的として支給しております。
 児童扶養手当につきましては、これまで、多子加算額の倍増、全部支給の所得制限限度額の引上げ、支払回数の年三回から年六回の見直し、一人親の障害年金受給者についての併給調整方法の見直しなど、累次の改善を実施してきております。
 更なる拡充については、一人親家庭にのみ着目した制度の趣旨、目的、安定財源の確保といった課題がありまして、また、支払回数の更なる増については、自治体等における事務負担の程度といった観点も含めて検討が必要であると考えております。

○倉林明子君 いや、物価高がひどいことになって、生活困窮の認識についても示されました。子供に主食、魚、肉、十分食べさせてあげられないというこの現状ですよ。
 これまでに累次改善してきたということで答えてもらったんだけど、今々食べさせてあげられないような状況について、五万では足らぬと言っているんですよ。四月は何もないので、そこ手当てが要るんじゃないのと、そこ聞いたんですけどね。

○国務大臣(後藤茂之君) 先に私が言おうとしたことをおっしゃったかもしれませんが、物価高騰に対しては、そういう趣旨であったので、低所得の子育て家庭に対しては二人親家庭も含めて臨時的な給付金で支援を行うこととしたわけでありまして、今の現状について何らかの手当てを講じていかなければならないということについては、政府としても同じ気持ちでそうした対応をいたしました。
 可能な限り早急に低所得の子育て家庭に対する措置を各家庭にお届けをしてまいりたいというふうに思っております。

○倉林明子君 届いてこそ気持ちも共有できると思いますので、本当、今々の物価高の先が見えない物価、どこで止まるかというのが見えないような状況で食料品や生活必需品のところが逼迫してきていますので、とりわけ具体的な補正を、補正だけでは足らないという現状も踏まえた緊急な対策が求められているということを申し上げておきたいと思います。
 次は、高齢者です。
 これ、低年金ですよね。コロナ、物価高、三重苦です。就業者に占める六十五歳以上の割合というのは十七年連続で増加しています。物すごい日本は働く高齢者が多いんですよ。二〇二〇年に九百万人を超えると。全就業者の一三・六%が高齢者で、これは主要国でもトップクラスだということです。
 日本で働き続ける高齢者が何でこんなに多いのか。いかがですか。

○国務大臣(後藤茂之君) 今委員が御指摘になったとおりで、令和三年における六十五歳から六十九歳までの就業率は五〇%を超える水準となっております。六十五歳から六十九歳までの就業理由につきまして、令和元年の独立行政法人労働政策研究・研修機構、JILPTが調査したところによると、経済上の理由との回答が複数回答ではあるものの約七割を占め、最多となっておりますけれども、経済上の理由だけではなく、生きがい、社会参加のためや健康上の理由、時間に余裕があるからなどを挙げた者も多く見られまして、様々な理由があるというふうには思っております。

○倉林明子君 年金だけでは暮らせないという、そういう高齢者が多いからなんですよ。いろんな理由もあるだろうけれども、食べれないから稼ぐしかないと、こういう実態あるわけです。そこに食料品、生活必需品が高騰するということになりました。そういう最中の四月に、何と年金の引下げが実施されたわけです。
 総理は三月二十八日の決算委員会で、年金減額の仕組みを尊重しなければならないという答弁しながらも、重層的に講じているコロナ対策の中で恩恵を受けていない方がおられないかどうかを考えた上で更なる対策が必要なのかどうか考えていくと、こういう答弁されているんですね。
 恩恵受けられないどころか、年金の減額というのは高齢者の生活の土台を掘り崩すんです。私は、直ちにこの減額というのは、物価高対策としてもやめるべきだと思います。どうですか。

○国務大臣(後藤茂之君) 令和四年度の年金額改定率は、御承知、御指摘のとおりマイナス〇・四%となっております。これについては、年金額の改定ルールに基づきまして、前年の物価等がマイナスとなったことを反映している数字でございます。公的年金制度については、将来世代の負担が過重なものとなることを避けつつ、長期的な給付と負担のバランスを確保する仕組みとしておりまして、この仕組みの下で年金を支給していくことが重要であるというふうに考えております。
 また、総理が、全体としての対策の中でいろいろな方に目配りができているかどうかは、そこはきちんとチェックするということで、経済対策等、目配りを利かせて対応をしているところでございます。

○倉林明子君 八十歳の女性が兄弟で暮らしていると。ずっと働き続けてきたというところが、もういよいよ体壊した、仕事できなくなっちゃったというお話も聞かせていただいたんですけど、働き続けないと暮らせないと。こういう年金制度でいいのかということも正面から問われているし、今暮らせない高齢者をどうするのかということが緊急対策として求められているんだということを申し上げたい。
 最後に、生活保護の問題なんですよ。
 最後のとりでとなるのが生活保護だと、これはどうなっているかということです。生活保護基準、二〇一三年に六・五%減額、二〇一八年から三年掛けて一〇パーの減額決めて、母子加算も二〇パーの減額になりました。しかし、昨年と比べて灯油代は三割増し、電気代、光熱水費も二割前後高騰、生鮮食料品は一割増し。ところが、生活保護基準の切下げの影響で、もう実態的には本当に困窮状況が増しております。
 物価高騰を反映した保護基準への見直し、これ本当に必要だと思います。どうですか。

○国務大臣(後藤茂之君) 生活扶助基準につきましては、保障すべき最低生活の水準を一般国民生活における消費水準との比較における相対的なものとして設定するという考え方から、国民の消費動向や社会経済情勢などを総合的に勘案して、必要に応じて改定を行うことといたしております。また、生活扶助基準と一般低所得世帯の消費実態との均衡が適切に図られるよう、五年に一度の頻度で定期的な検証も行っております。
 一般的に、物価は価格の動向のみを示すもので、必ずしも消費支出の動向を示すものではなく、また、毎月ある程度変動があるものであることから、その動向によって生活扶助基準額を見直すことについては、物価で見るということについて慎重にまた検討する必要もあると考えております。
 今後とも、生活扶助基準の改定の必要性については、一般国民の消費の動向や社会経済情勢の変化等を総合的に勘案して判断することが重要でありまして、引き続き、物価上昇に伴う一般国民の消費の動向の変化等を注視してまいりたいと思います。

○倉林明子君 今は、かつてない急激な物価上昇が生活保護世帯も含めて深刻な困窮事態を急速に悪化させているんですよ。それに見合った手だてが要るということを私は強調したい。こんなときに、今、生活保護の地域区分の見直しということで進んでおりますけれども、実質的な保護費の引下げにつながるようなことはあってはならないと申し上げたい。
 さらに、平成二十九年の部会報告書では、一般低所得世帯との均衡のみで生活保護基準の水準を捉えていると、比較する消費水準が低下すると絶対的な水準を割ってしまうと、こういう懸念があることからも、これ以上下回ってはならないという水準の設定について考える必要があると。大事な指摘だと思うんです。今こそ検討すべきだと求めて、終わります。