臨時医療施設早く 倉林氏、国の責任ただす(2021/8/26 厚生労働委員会)
(資料があります)
日本共産党の倉林明子議員は26日の参院厚生労働委員会で、菅義偉首相が25日の記者会見で新型コロナ対策について「明かりははっきりと見え始めている」と述べたことについて「国民には(明かりは)見えていない」と批判し、「死の恐怖とたたかいながら、在宅のまま入院できない人にこそ明かりを示すべきだ」と、国の責任で病床確保を進めるよう迫りました。
倉林氏は「首都圏の第3次救急はすでに崩壊。医療提供体制に支障が生じている」「大規模な臨時の医療施設を早急に設置することが明かりをともす仕事だ」と述べ、予算措置や人材確保などの支援策を国が示すよう迫りました。
また、自宅療養を余儀なくされているコロナ患者について「隔離保護を基本とし、治療につなげるべきだ」と述べ、「自宅療養を基本」とする政府方針の撤回を要求。パラリンピックは中止し、選手村をコロナ患者の宿泊療養施設に転用するよう求めました。
田村厚労相は「臨時の医療施設を含め各都道府県に体制を整備してもらうべく予算を確保して、病床確保を進めていきたい」との答弁を繰り返しました。
倉林氏は、子どもに感染が広がり、保育園の休園や学校の休校などで、子どもの看護や世話のために休業せざるを得ない保護者が急増していることを指摘。小学校休業等対応助成金・支援金の復活や、子の看護休暇制度の拡充と所得補償を早急に整備するよう求めました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林です。
私も昨日の総理の記者会見聞いてちょっとびっくりしたのが、先ほどお話もありましたけれども、明かりははっきり見え始めているという発言でした。私、総理には見えているのかもしれないけれど、国民には見えていないと思うんですね。
示すべき明かりというところで、本当求められているのは、今在宅で死の恐怖と闘いながら入院できないでいる人たちにとってこそ明かりを示すべきだと、総理はそういうメッセージを発するべきなんだということを、いらっしゃいませんけど、出てこられませんけど、強く申し上げておきたいと思います。
その上で、首都圏の第三次救急というのはもう既に崩壊と言っていい状況かと思います。受入れを断り続けなければならない現場の医師が、自分の命は自分で守ってほしいと、こう言わざるを得ない状況になっております。まさに、現状、医療提供に支障が生じている、間違いない状況かと思います。
特措法の三十一条の二で、医療の提供に支障が生ずると認める場合には都道府県知事が臨時の医療施設において医療を提供しなければならないと、ならないなんですね、定めております。大規模な臨時の医療施設を設置するということで、今日も御議論ありましたし、本当に急いで大規模に設置をしていく、それこそ明かりをともす仕事になっていくだろうと思うわけです。
国として、この設置に対する予算措置、人材の確保、どう具体的に支援を行うのか、御説明をいただきたい。
○国務大臣(田村憲久君) まず、特措法を改正していただいて、本来はもう緊急事態宣言下でなくてもつくれるようになってきておるわけであります。そんな中で、全国で必要なところにはしっかりつくっていただきたいということでございまして、そういう意味では、開設許可でありますとか、あと管理監督、それから建築基準法、こういうものの特例の中で臨時の医療施設はつくっていただくということであります。
今、財政的な話でありましたけれども、例えば病床の確保料の対象ということからいいますと、これは緊急包括支援交付金等々で対応をしてまいりますし、あわせて、簡易の病室でありますとか、それから陰圧装置、簡易でありますけれども、こういうもの、個人の防具、こういうもの、設備等々も含めて補助の対象でございます。
あわせて、人材の話がございました。やはり、臨時でありますからほかの医療機関から派遣をいただく必要があるわけでございまして、こういう場合の派遣元医療機関への補助、これもしっかりと確保、増やして確保させていただく、まあ補助上限率を上げているということであります。
それから、当然、それぞれの病床、保険医療機関になればそこは診療報酬の対象になりますので、それは大幅に今引き上げておりますし、更なる引上げも含めて今検討しておるということであります。
いずれにいたしましても、臨時の医療施設、お金がないからできないということではこれは困りますので、しっかりとそこには財政措置をした上で、全国のそれぞれの都道府県に向かって臨時の医療施設を早急に確保いただく、必要な部分はちゃんと確保いただくと、こういう体制を我々も取っていただくべくしっかり協力してまいりたいというふうに考えております。
○倉林明子君 包括交付金ですか、六千億まだ残っているということですから、それを直ちに使うということで運用は可能かと思いますが。
それで、今度、予備費について動きがあるということで注目しておりましたけれども、この臨時の医療施設関連ということでいうと上積みないんですよね。今回の予備費の活用分としては出てきていないんです。
私、思い切って臨時の医療施設を拡大すると、国もお金がないからということを言わせないというのであれば、こういうところでこそ姿勢示すべきだと思うんですよ。実際に十三都府県で十九施設が既に確保に入っているということですけれども、桁が、病床数の桁は全くと言っていいほど足りないと、桁違いに足りないということを指摘したいし、今々直ちに必要になっているということを踏まえて、国も特措法での責務というのは明記されております、迅速な支援をするんだと。その姿勢は、予算の確保を含めて急いでやっていただきたいということを強く申し上げたい。
自宅療養ということでいいましても、これ療養というからちょっと誤解を招いていると思うんですけれども、実際、先ほど議論あったように、療養できていません。治療もできていません。自宅放置というのが実態だと言っていいと思うんですよ。保健所との連絡が取れないし、診療所の酸素濃縮器ももう品切れでございます。在宅で重症化して救急車呼んでも行く先ないという事例が相次いで、命を亡くされるという報道が続いています。
同居家族に対しても優先的に移動してもらうというようなことありましたけれども、できていませんよ、実際には。同居家族に対しても感染拡大広げるという事態を招いているというのは、私は率直に言って自宅療養になっていると、現状の。
なお、この自宅療養を基本という方針がいまだ掲げられたままです。私は、やっぱり原則、隔離、保護、そして治療につなげるということを原則にするということにすべきだと。自宅療養を基本という方針について改めて強く撤回を求めたい。
○国務大臣(田村憲久君) 自宅療養を基本というのは、基本は入院なんですね。入院されない方以外は自宅療養が基本ということでございますので、そこは御理解ください。必要な方は入院ですから。
その上で、ホテル等々療養施設ですね、そこが、当然、これだけ感染者増えてまいりますと自宅療養の方が多くなるのは当然でありますので、その中で限られた、まあ今もホテルも増やしていただいていますけれども、限られたものの中で、今言われたように、自宅で感染をされて、特に重症化リスクの高い方が自宅におられた場合には、これは大変なことでございますから、そういう方々はホテルに入っていただいて、そういう方々にうつしていただかないような対応を是非とも取ってまいりたいというふうに思っております。
なお、やはり特に呼吸が厳しくなってこられた方、中等症のⅡとよく言われますけれども、例えば酸素吸入等々が必要な方がちゃんとそういう体制が取れるようにしていくことが非常に重要なので、ですから、先ほど来、臨時の医療施設も含めてそういう形で対応いただいて、できればそこでレムデシビル等々治療薬が使えればそれは悪化を更にある程度止められるということでございますから、そういうことも踏まえて各都道府県に体制を整備していただくべく、我々もしっかり予算を確保した上で、協力、対応、共に病床の確保、これを進めてまいりたいというふうに考えております。
○倉林明子君 議会運営委員会の議論でもさせていただきましたけれども、やっぱり迅速にどうやって、その宿泊療養施設含め決定的に不足していると、それをどうやって確保していくのかという観点からいって、パラリンピックで今使っている選手村、これ活用すべきだという提案しました。収容人数一万八千人です。医療従事者についても確保しています。一人五日間のサイクルで回しているというようなことでしたけれども。診療所もあります。そして、宿泊療養施設として今ベッド三百床確保されています。七千人オリパラで医療従事者確保しているということですけれども、その三分の一はパラリンピック用だということです。あるんですよ。
資源の活用方法として有効にどう使うかということを考えた場合、かつてない感染拡大を迎えている今、やっぱりこのパラリンピックについては中止し、国民の命を守るという観点から、転用、直ちに私は考えるべきだと申し上げたい。
続いて、休業手当の問題、これ繰り返し私質問してきましたけれども、改めて、自宅療養によって子供たちの感染拡大広がっているという問題です。学校始まりますので、今後更に感染拡大につながるのではないかということは、分科会の尾身会長も発言され、指摘されているとおりだと思います。
そこで、今日資料付けましたのは、これ新型ウイルス感染者数と保育所の臨時休園数の推移なんですね。これ、感染者数の増加に伴って、もう急激に、垂直に保育所の臨時休園数が増えています。これに伴ってどういうことが起こるかと、夏休みが明けるということで、今度は更に分散登校とかオンライン授業とか、こういうのも起こっていきますよね。
休業せざるを得ない母親たちが、これ今でも急増中なんですよ、急増中。で、七月の閉中審査で求めましたけれども、小学校休業等対応助成金・支援金、この復活、さらに子の看護休暇制度の拡充と所得補償、これ一旦検討するという答弁もいただいた記憶があるんですけれども、議事録確認しましたから間違いありません、どんな検討がされているか。
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
まず、小学校休校等の対応の助成金につきましてでございますが、こちらの方は、昨年の政府要請による全国一斉の臨時休業を踏まえて創設したもので、これも事業主に対して支給していたものでございますが、今年度については両立支援助成金に特例コースを設けて対応しておりまして、こちらの方の助成金の周知ということをしっかり行ってまいりたいと思っております。
それから、子の看護休暇につきましては、前回も私、大臣等、御答弁ありましたとおり、負傷又は疾病にかかった就学前の子の世話等を行うために、一年度に五日、子が二人以上の場合は十日取得できるものということで、数次の法改正を経てこういう形になっており、また、今年の一月からは時間単位の取得ということも可能という形にしておる制度でございます。
こちらの方は、労働者の方が申し出られた場合は事業主が拒否できない強い権利ということで、法律上は有給とするということは義務とされておりませんけれども、一定の範囲で有給での子の看護休暇の付与を支援する助成金制度も設けておりまして、こういった制度、助成金をしっかり周知をしてまいりたいと思っております。
○倉林明子君 それは到達点なんですよね。今の現状の説明だったかと思うんです。
子の看護休暇のところでいうたら、これ、制度を持っている事業所というのは本当多いんですね。大企業のところでいうと一〇〇パー近く持っているという状況あって、この制度に上乗せすれば、所得補償付ければ子供を安心して見れるという状況につながるんですよ。
今、女性不況という状況がコロナ生みました。そしてさらに、この首切り等も進行している中で、私は、この子の看護休暇と休業手当しっかり検討しないと、更にこの状況悪化するということを指摘したい。
その上で、もう既に仕事を奪われている人たちもたくさん出てきています。御飯食べれないシングルマザー、子供に食べさせれないシングルマザー、もう増えているわけですよ。それ、幾らかの給付金打ってもらったけど、全然足りないと。生活困窮者や低所得者の子育てに対する給付金も改めて現状踏まえて必要だと、急ぐべきだと申し上げて、終わります。