国保料値上げ圧力法定化 医療費2倍化法案(2021/5/27 厚生労働委員会)
日本共産党の倉林明子議員は27日の参院厚生労働委員会で、「高齢者医療費2倍化法案」のうち国民健康保険に関する部分について、「市町村への国保料・税の値上げ圧力を法定化するものだ」と追及しました。
同法案は、国保料・税を抑えるための自治体独自の公費繰り入れ(法定外繰り入れ)の「解消」や、保険料水準の統一を都道府県の運営方針に記載させ、値上げを促すもの。
倉林氏は、共産党の調査で、国保財政の責任主体を都道府県とする「国保の都道府県化」(2018年度)以降、国保料・税を値上げした市町村が、18年度で前年度比倍増の559、19年度で442、20年度で422に上ると指摘。24年度に保険料を統一する奈良県では6割増しになる村があると述べ、「政府は法定外繰り入れに対し、交付金を減らすペナルティーまでつけて値上げ圧力を強化してきた」と批判しました。
その上で、国保は、高齢化や無職・非正規雇用労働者など低所得者の増加のために脆弱(ぜいじゃく)な保険だと強調。「負担軽減策や法定外繰り入れなど、値上げを抑える市町村の努力を尊重すべきだ」と迫りました。
田村憲久厚労相は「法定外繰り入れ解消の努力を」の一点張りで、質問に答えませんでした。
倉林氏は、法案はあくまで努力義務だとして、「コロナ禍での生活苦など、住民の生活実態が一番見える市町村の判断を受け止めるべきだ」と主張しました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林です。
二割負担やむなしというような声もありましたので、冒頭、高齢者の暮らしぶりからしたら本当に二割負担はあり得ないと、断固反対だということを申し上げてから質問に入りたいと思います。
まず、コロナの関係でいいますと、七都府県ですか、緊急事態宣言の延長要請という動きもあって、もうあしたにも判断という動きだと聞いております。重症者も過去最高の水準と、改善の兆しが見えておりませんし、ステージ4と、こういう大半の状況では、延長やむなし、避けられない事態であるというふうには思うんです。しかし一方、これまでの緊急事態の継続で感染者の抑制が困難だというふうに国民はもう受け止めていると思うんですね、なかなか減らない実態から見て。
そこで、やっぱりどうすれば感染拡大は止められるのか、新規感染者減らせるのか、確かに若干減りつつあるんだけれども本当に減らしていけるのかということでいうと、新たな戦略というのが国民にも明確に示される必要があると思います。ワクチンの議論もされているけれども、これ打ち終わるまでには随分掛かります、七月末目標掲げられているけれども。その間含めてやっぱり検査のところをどう本当に戦略持って進めるかというふうに思っているんですけれども、その点、まず大臣に認識伺っておきたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君) 医療提供体制、公衆衛生体制等々、非常に逼迫する中で、ステージ3というもの、そして2に向かって着実にこれ下げていかなきゃならない、新規感染者含めてでありますけれども、という状況であります。
実は、私もすごく心配をしております。今般、緊急事態宣言、緊急事態措置と言った方がいいのかも分かりませんが、措置エリアで感染、新規感染者が減らなかったらどうするということで、実は真剣に考えました。なぜかというと、前回、東京が後半増えてきたんですね、緊急事態措置下において。ですから、それがあったので非常に心配をして、どうするかということを考えておりましたが、今のところ、何とかまだ御理解をいただいて、都民の方々、府民の方々、それぞれ緊急事態措置地域の方々、まあ北海道はまだ若干減っていない状況はありますが、多くのところが減りつつあるという状況です。
ただ、安心しているわけではなくて、やはり変異株、特に英国株の感染率というのも非常に、感染力と言った方がいいのかも分かりませんが、従来株よりも強いということは、もうこれはもう体感的にも感じておるわけであります。一方で、インド株というものも、これも広がってくる可能性もあるわけでございますので、そういう意味で更なる対応というものを考えなければなりません。
一つは、やはり検査体制というものをしっかりと強化をしていくということです。これは基本的対処方針の中にも書いておりますし、多分、この後、委員ともこの議論になるんだと思います。
それから、インド変異株に対する対応、これも、水際対策含めて、まあ世界中広がっておりますので、ずっと抑え込むというのはもうなかなか難しいわけでありますが、ただ、なるべく広がるスピードをこれを抑えて、英国株のときも同じことを申し上げましたが、要するに、広がるスピードを抑えることによって、ワクチンとの闘いになると思いますので、ワクチンの接種率を上げる中において何とかそれに対応していかなきゃならないというふうに思っております。
そういう意味では、ワクチンの接種というものも、これ一日百万回という話が午前中出ましたが、接種体制を整えて、なるべく早く国民の皆様方、望む方々全員に打つ体制をつくっていく。このような対応の下で、今般のこの感染拡大を何とか対応してまいりたいというふうに思っているわけであります。
○倉林明子君 やっぱり、具体的に見えるように、こういうふうに進めていきますという検査の戦略が本当見えてきていないというふうに思うんですね。繰り返し求めてもきましたけれども、今あったようにN501Yと、いわゆる英国株と言われるものですけど、あっという間に広がって、あの大阪の感染拡大という状況に表れたということだと思うんですよ。
今、次に懸念されているのが、もっと感染力が強いといういわゆるインド株ですね。じゃ、このインド株はどのぐらいつかまえられているのかということで、スクリーニング検査、実施状況どうなっているかと。さらに、新たな変異株をつかむためのゲノム解析、この実施状況と、さあ、どう広げていくのかというところはどうか。国立感染研、民間検査機関、地方衛生研、大学と、こう広げるという意思、意欲は表明されたんだけれども、一体どこまで広げて、どう数が担保できているのかという、具体的に見せてほしいと思います。端的にね、数で。
○政府参考人(正林督章君) 変異株の対策については、専門家から、新たな変異株への対応を強化するため、従来の監視体制を見直し、ゲノム解析のサーベイランスによる実態把握に重点を置くべきとの御提言をいただいている中、変異株スクリーニング検査の抽出割合は四〇%を必須としないとした上で、スクリーニング検査で抽出しているN501Y以外の変異も確認できるゲノム解析による監視体制の強化を行っていくこととしております。ゲノム解析については、国立感染症研究所からゲノム解析の民間検査会社への外部委託、それから全国の地方衛生研究所への技術移転、大学等での実施など、その体制整備に努めているところでございます。
また、インドで最初に検出された変異株、Bの1・617については、国委託の民間の検査機関で本変異株の主な変異であるL452Rを検出するPCR検査を実施して全国的な監視体制を強化することを基本的対処方針に明記し、現在、国立感染症研究所により、国委託の民間検査機関でのL452R変異株PCR検査を試行的に実施し、技術的な調整を進めているところでございます。
引き続き、変異株の監視体制の強化に努めてまいります。
○倉林明子君 いや、五月七日に私、西村大臣と議運でやり取りしたんだけれども、余り答弁的に前に進んでいないと、前に進んでいないというふうに思います。
尾身会長が、英国株に取って代わる可能性があるという、インド株のことを言われました。じゃ、インド株、どのぐらいつかまえられているのか、つかまえる体制あるのか、それが見えないというところが、大変これスピードに追い付かなくなるんじゃないかという懸念を持っているんです。再び後手という指摘受けるようなことあってはならないと思いますので、重ねてそこ明確にしていくということが大事だと思います。
もう一つ、やっぱりずうっと言い続けてきたクラスター対策なんですね。これ、感染拡大抑えるためにどうやって初期段階で止めるのかと。こういう点から、症状出たら、抗原検査、抗原の定量検査ですか、キット八百万あるから、というか八百万使って掛けていくんだということだけれども、このここの抗原キットを使ってクラスター対策を、クラスター対策としてどう広げていくのか、ここから先、八百万の先も含めて、専門家からの提言の中にあったと思うんですよ。
これ、具体化というのはどこまで進んでいて、どこまでやるのかというのはどうですか。
○国務大臣(田村憲久君) まず、抗原検査キットの前に、やはり定期的な介護施設等々でのPCR検査、これをやっていかなきゃならぬということで、これは三月いっぱいでは、対象介護施設、応募があったといいますか、半分やりました、やっていただきました。ところが、四月以降がなかなか、三月まではいろんなことをやられたこともあるんですが、三分の一ぐらいしか対応いただいていないということで、今般、基本的対処方針の中でも、二十四条、特措法二十四条の九項ですか、この都道府県からの依頼ができる要請という形の中に入れました。
これ、私ども申し上げているんですが、行政検査でやっていただいていますので、行政検査って、やってもらわなければ困るんです。行政検査ってそういうものですから。ですから、そこをやらなきゃいけないということを御理解をいただいて、介護施設等々の皆様方には、まず症状がなくても従事者の方々はこれを定期的にやっていただくということを再度今お願いをさせていただいております。
あわせて、そうはいっても、症状が出た方を早く押さえるというのは、これはそこから感染拡大させないことでありますので、PCR検査キット、これは例の新型コロナのみならず、インフルエンザ、ごめんなさい、インフルエンザ、これとのときに、昨年、大幅にメーカーに増産をお願いいたしました。これのまだ在庫も含めて八百万キットありますので、これを買い取ってこれを必要なところに配るということで、まずは医療施設、介護施設、こういうところに配らさせていただきます。これはあくまでも症状が出た人ですから、定期的にやるわけじゃないので、八百万をお渡しして、症状があったら押さえていく。それだけじゃなくて、大学でありますとか、また場合によっては企業、こういうところでも最近クラスターが出ておりますので、こういうところでも活用をすべきであるというふうに専門家の方々からも御提言いただいておりますので、こういうところでも対応をしてまいりたい。
ただ、医療関係者、医師がいないとなかなか、医療関係者がいないと対応できませんので。要は、取っていただかなきゃなりません。また、実際問題マーカー見ていただいて判断いただかなきゃなりませんから、そういうことができるところに対してしっかりと供給をさせていただいて、そして対応していただくということで計画をさせていただいております。
○倉林明子君 なかなか広がらないんですよね、PCR検査でクラスター対策という点でも。やっぱり高齢者施設や医療機関、特に高齢者施設のところそうだと思いますけど、発生したときにどう対応したらいいのか。あるいは、もう閉鎖しなくちゃいけないというようなことになった場合に経営がたちまち破綻するという恐怖もあります。それに対して、やっぱり安心して受けられるというところは、その要請だけじゃなくてその不安を解消するという担保もセットでやらないと、私、進まないと思います。
抗原キットも、せっかく活用するということで、お医者さんの判断がないとということだけれども、抗原キットの使い方では一歩踏み込んで、容易に、初期判断に使うものだから、ちょっと本当、そこをどうやって本当にクラスター対策に間に合うように使えるのかということでは、有効に迅速にやっぱり届かないと、量的にも届かないといけないと思うので、そこの拡大というのも早急に見える化して使えるものにしていただきたいというふうに思います。
更に言いたいのは、感染拡大がここまで来ています。安心、安全の五輪ということが大きな国民的にも議論になってきています。バッハ会長は、びっくりしたんですけれども、誰もが幾らかの犠牲を払わないといけないと発言されました。私、五輪のために失っていい命なんてないと思うんですね。
厚労大臣として、この感染拡大の状況、感染が下がらないレベル4だという状況、非常事態宣言続いていると、医療提供体制の逼迫状況踏まえたら、国民の命を守るという立場に立って決断求めるときじゃないかなと思うんですよ。
改めて、今の状況も踏まえていかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) オリンピックで入ってこられるアスリートの方々、しっかりと国民の皆さんと接点のない形で対応いただく、それ以外の関係する方々もそうでありますが、そういう形でオリンピック委員会、対応いただいておるということであります。だから、そこはもうマストだと思います。
ただ一方で、昨日も実は尾身先生おっしゃっておられたんですが、そういう方々はある程度隔離されていますから感染を防ぐことはできるであろうと、これは尾身先生のお言葉であります。問題は、日本国民の皆さんがそれによって人流が激しくなって、そして、例えば、これは私が申し上げたんですが、スポーツバーなんかでもう感染リスクの高いような行動をされる、そういうことになれば、これは感染拡大が増えるわけでありますから、そういう意味で、そうならないために、静かなオリンピックというのがいいのかどうか分かりませんが、御自宅でしっかりと応援をいただくような、そういうオリンピックにしていかなければならないんだというふうに思います。
いずれにいたしましても、感染拡大というものをしっかり止める、国民の皆さんが安心、安全、つまり安心していただきながらオリンピックというものでみんなが勇気を持っていただける、そういうようなオリンピックでなければならないんであろうと私は思っております。
○倉林明子君 世論調査がやっぱり日々出てきていますよ。六割を超えるというような声が中止、延期求めると、これ増えてきていますよ。こういう声にしっかり向き合って応えるべきだということは申し上げておきたいと思います。
次は法案で、国民健康保険法についてお聞きしたいと思います。
これ、二〇一八年に都道府県を国保財政の責任主体とする国保の都道府県化が実施されました。都道府県の標準保険料率、統一保険料に合わせるということが求められるようになりまして、市町村が独自の判断だけではこれは保険料決められないという状況になってきております。
そこで確認します。移行前と比較して保険料が値上がりした自治体というのはどれだけになっているか、つかんでいますか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
平成三十年度の保険料率につきまして調査いたしました。この調査では、全千七百三十五市町村のうち、前年度と比較しまして引上げを行った市町村が四百三、引下げを行った市町村が四百九十六でございました。
○倉林明子君 それは自治体の、市町村の自主申告を集計したというものですよね。説明を受けました。
しかし、我々、それラインどこで、どういう世帯で切るかということも含めて条件設定しないと比較できないので、我々は年収四百万で四人家族の場合ということで条件はめて、値上げを全部ずうっと調べているんですね。それで見ますと、我々の調査では、値上げした自治体数が二〇一八年度で五百五十九件ありました。前年比で倍増になりました。二〇一九年、四百四十二件、二〇二〇年では四百二十二件ということで、統一前と比べますと本当に多くの自治体で値上げということになっております。
この先進事例ということで、都道府県の保険料統一ということで、先進事例ということで奈良県ですね、ここは二十四年度、統一保険料の方針を示されまして、法定外繰入れについては原則禁止だということになったらどうなったかといいますと、下北山村というところでは六割増しだというんですよ。二〇二四年がゴールということになっていまして、何と一人当たり五万円の引上げで約十三万円の保険料になると。本当驚き、衝撃が走っているんですね。
政府は、独自の法定外繰入れに対して、保険者努力支援制度ということで、交付金、独自に努力しているところに交付金を減らすという措置を付けて、値上げ、いわゆる値上げの圧力を、私、強化してきたというふうに言わざるを得ないと思うんですね。
そもそも国保というのは、高齢化の進行あります、無職、非正規雇用の労働者、構造的に本当に脆弱な保険です。だからこそ、自治体は様々な独自の負担軽減策とか法定外繰入れをやって値上げを抑える努力をずっとしてきたんですね。今度、でも、そういう都道府県で統一ということはある、あるんだけれども、コロナもあってということで、値下げ、値上げを踏みとどまっているというところもこの間あります。
私、こうした自治体の独自の判断や努力、負担軽減ということでは、独自の判断としてやることについて尊重されるべきではないかと、地方自治尊重ということで見るべきものではないかと思うんですよ。大臣、どうですか。
○国務大臣(田村憲久君) 今までも、法定外繰入れに関しては何とか解消、削減、これをお願いをしてきたわけであります。各自治体でなぜ保険料高いのかということも含めて分析をしていただきながら、財政は非常に厳しいという中において、計画的に今までの法定外繰入れを減らしていくということにも御努力をいただいてきたわけであります。
そのためにと言ったらなんなんですけれども、三千四百億円というお金をこれ毎年入れさせていただいて、そういう中において、都道府県にも財政的な主体になっていただいて対応をいただいておるということでございますので、これはしっかりと都道府県と各自治体、市町村が話し合っていただいて、住民の方々とも御理解をいただきながら法定外繰入れというものの解消に向かって御努力をいただければ有り難いというふうに思っております。
○倉林明子君 答えていないですよね。尊重すべき判断ではないかということには正面からお答えいただけなかったなと思うんですね。
今度の法案は、こうした都道府県の国保運営方針に市町村の保険料の水準の平準化に関する事項を定めるとともに、財政の均衡を保つために必要な措置をとるようと、これ求めているわけですよね。つまり、自治体が独自に行っている法定外繰入れというのはやめるように方針をはっきり作りなさいよと、そういうことですよね。これ、値上げ圧力を法定化するということにつながるんじゃないですか。加速せえということですよね。
○国務大臣(田村憲久君) 国保も持続可能性ということを考えていかなければなりませんので、受益と負担というものが明確になってこなければならないと思います。
そういう意味で、いつまでも法定外繰入れを続けられるほど地方の財政が潤沢ではなくなってきておるという事実もあるわけでございまして、そう考える中においていかにしてバランスが取れるような態様にしていくのか。つまり、法定外繰入れがなくても成り立つような、そんな保険財政にしていくかということが大事でございますので、都道府県とも話し合っていただく中においてその御努力をしていただきたいということをお願いいたしておるわけであります。
○倉林明子君 これ、議論の中でも大きく地方自治体からも反発があって、方針の中でということになった経過もお聞きしております。
私、地方自治、自治体の判断、これ自治権としてやっぱり担保されるべきだし、尊重されるべきだということ。答弁なかったけれども、あくまでも、今回、努力規定になっているんですね、これ。自治体からも要請あったから、そうだということだと思います。自治体がその財政状況を踏まえて、厳しいけれども今は上げられないと、こういう判断をまで縛るものではないと。
○国務大臣(田村憲久君) 国費も入っておるものでございます。何とか、いっとき、いっとき、いっとき何とか保険が成り立っても、将来にわたって成り立たなくなってしまってはこれは何の意味もないわけでございますので、是非とも国の方もいろんな形で、いい横展開、いい事例に対して横展開もさせていただきたいと思いますので、いろんな情報提供をさせていただきますから、是非とも都道府県と話し合う中において自治体で法定外繰入れ、これの解消に向かって御努力をいただければ有り難いということであります。
○倉林明子君 ようけしゃべっていただいたんだけど、答弁してもうてません。
これ、コロナの下で今、現実、市町村の首長、悩んでいますよ。国からは法定外繰入れやめえと、都道府県からも言われると。しかし、現場の国民、住民の生活実態って一番見えるのが首長なんですよ、議会なんですよ。そういうときにそういう独自の判断まであかんということは言えないでしょうと。ずばり、どうですか。
○国務大臣(田村憲久君) あしたやめてくださいという話じゃなくて、計画を作っていただいて解消に向かって努力をお願いいたしたいということを申し上げておりますので、是非ともそれぞれの自主性というものも発揮いただきながら、法定外繰入れの解消に向かって御努力をいただければ有り難いというふうに思います。
○倉林明子君 だんだん声が小さくなってきましたけどね。ここはやっぱり法定外の繰入れということについての努力義務規定にとどめたということと、その判断、地方自治体の判断というのはお願いしますということとは別次元で、これは地方自治の自主権、自治権の問題ですから、しっかり受け止めていただきたい。強く申し上げます。
そこで、コロナ特例として行われました国保料等の減免の継続について、先ほど公明党の矢倉委員からも御質問ありました。同感です。
令和の二年度では財源は全額国費だったわけです。ところが、先ほど質問にもありましたように、三段階で自治体の持分がこれ出てくるんですね。そうなりますとやりにくいと、本当にそのとおりです。やっぱり私も、ここは令和三年度も同様に、令和二年度と同様に全額国費で持つという方向での、まあ検討するといってちょっと答弁ありましたけれども、大臣、どうですか。
○国務大臣(田村憲久君) これ、先ほども浜谷局長から答弁ありましたけれども、基本的には前年の所得、収入で対応しますので、コロナで落ちておられますよね、それぞれ収入が。それを基に保険料を算定をします。しかも、所得の一定以下の方々に関しては応益分保険料ということで七割、五割、二割というような、そういう軽減がなされるわけであります。
しかし、それでは十分に対応できないということで、更にこれは財政支援をさせていただくということで、全体の保険料の減免総額が三%以上ならば八、十分の八ですね、一・五以上三%未満ならば十分の四、そしてそれ未満であれば、以下か、以下であれば、未満か、未満であれば十分の二という形になっているわけであります。
かなりですね、かなりこれはやはりお困りであろうということで国が財政支援もさせていただくということで対応させていただいておりますが、更にいろんなお声がありますので、先ほど矢倉委員からもそういう御提案もございました。これはどのような形なのか、十分なお答えになるのか分かりませんが、検討はしっかりとやらせていただきたいというふうに思います。
○倉林明子君 これは与党からも要請があるというだけじゃないんですよ。私も政令市の市長会からも要望を受けていて、やっぱり特例措置いろいろとられました、コロナでね。だけども、コロナの被害やしんどさってもうずっと継続しているわけです。とりわけ、自営業者等も加入しているのが国保ですよ。こういうところにこういうけちるようなことしんといてほしいと。やっぱりきちんと支援するというんやったら自治体がやれるように十割ちゃんと持つというふうに、積極的に前向きに検討して、直ちに結論を出していただきたい。強く求めます。
そこで次、国の全額補助によります国保の傷病手当についても御議論ありました。支給対象を個人事業主やフリーランスに広げている。先ほど、条例改正してたくさんのところが使えるようにはなったんですが、これ被用者止まりということになっていまして、以前から個人事業主やフリーランスまで広げてほしいと。自治体が条例定めて、お金も持てばできますと。これが八か所にとどまっているということでお聞きしています。拡充分の財源、これ自治体費用、自治体負担と、ここ要因だということ、繰り返し指摘もしてきました。
そこで、九月末まではこの傷病手当の全額国費分については延長するということで、ここは延長してもろうたんですけれども、対象拡大、そして支援対象額の増額、分かりますか、これ自治体からも御要望が出ております。いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) まず、支給水準ですけれども、これは生活費に代わる部分ということでありますが、同様に、生活費等補助になる出産手当金、これについて、ILO条約の水準に踏まえて三分の二ということにしているということであります。(発言する者あり)いやいや、だから、出産手当に準じて、これは一応、ILOのそういう条約の水準ということでありますので、御理解いただきたいと思います。なかなかこれを引き上げるというのは難しいということ。
それから、今おっしゃられたのは、そのフリーランスも対象にしろということでございますか。フリーランスも含めて自営業者も条例をお作りをいただければ、それは各保険者の責任で対応いただけるということでございます。
なお、そこまで、今被保険者に、被保険者といいますか被用者に関しては、これは国が全額国庫負担で、一応任意ではありますけれども、条例を作っていただければ対応しておるわけでありますが、なかなか自営業者ですと難しいのは、お休みになられているときに収入があるのかどうなのか、なかなかそこが分からないので、そもそもどれぐらいの給付なのか算定ができないというようなことがございまして、そういう形の中で、自営業者の方々、フリーランスも合わせてでありますけれども、対応にしていくのが難しいということでございます。
○倉林明子君 国がつかまえるんじゃないですよ、その実態は。市町村はよく分かるんですよ、近いですから。そういう意味で、何かどんどんどんどんできひんできひんということになっているわけで、これ正面からやっぱり、一番そういう意味でいうと、個人事業主にしてもフリーランスにしても不安定雇用で、そのお金が入らなくなって一番困るんですよ。そういうところを補う分は市町村でやってねというだけでいいのかということが問われていると思いますので、改めてそういう点も前向きに検討すべきだということは重ねて求めておきたいと思います。
繰り返し求めてきました、次ですね、子供の均等割の問題です。何で半分なんやということを本会議でも指摘しましたけれども、二〇一五年、これ地方と国の協議の場で検討を約束して六年、ようやく五割の減額というところになりました。未就学児七十万人、そして公費で九十億円の負担ということになります。この九十億円の負担割合というのはどうなっていますか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) 御指摘の負担割合でございますけれども、国二分の一、都道府県四分の一、市町村四分の一でございます。
○倉林明子君 九十億で半分できるわけやから、百八十億円あったら全部できるんですよね、実は。これは人頭税みたいだということで、この均等割を就学前までなくすということにやっぱり思い切って踏み込むべきだというふうに思います。強く求めたいと思います。
先ほども議論ありました、子育て支援の議論なんですね。ここも、子育て支援ということで子供の均等割の見直しに踏み込んでいただいたんだけれども、市町村が、先ほどありました、競ってやっぱり子育て支援で拡大してきたのが子供の医療費助成制度にほかなりません。
未就学児を超えた部分については、これ国庫、国保に対する国庫負担のペナルティー措置といって減額調整されていますよね。直近で子供の医療費助成に係る公費の減額調整額というのは一体幾らになっていますか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
地方単独事業として行われております子供の医療費補助、子供の医療費助成に係る国保の減額調整措置の総額でございますけれども、令和元年度で公費ベースで約四十二億円でございます。
○倉林明子君 これ、二〇一八年から未就学児に対する減額というのは廃止されました。中学、高校まで対象拡大する地方自治体もこれ増加しています。住民にとっては、この子供の医療費の助成制度を拡充してもらうということは非常に子育て支援ということで歓迎されています。
で、減額ではなくて、このペナルティー措置ということについては、やっぱり財政支援と、子育て支援なんだと位置付けていくべきだと思うんですよ。先ほど四十二億と言われました。こういう分は気持ちよく出していったらどうかと。子育て支援の応援になりますから。
さらに、国の制度としてこの子供の医療費の助成制度をつくってほしいという声が上がっております。保護者からも、そして地方自治体からもです。これに正面から応えてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(田村憲久君) これはまあ様々な御議論がある中で減額調整をしてきたわけでありますが、平成二十八年、ニッポン一億総活躍プラン、ここにおいて、未就学児に関しては減額調整、こういうものをしないというような形になり、三十年からこれが始まった、平成三十年からそうさせていただいたわけであります。
これを更に広げてというお話でありますが、先ほども申し上げましたけれども、長瀬効果の逆で、やはり負担が減る等級が増えるということになるわけでございまして、なかなか公平性考えてもこの減額調整自体をやめるというのは難しいというのと、じゃ、しからば国で全部やるべきだと、まあそれは一つのお考え方だと思います。
財源というもの、非常に厳しい状況の中で、今般もこのような形で高齢者の方々にいろんなお願いをさせていただかなきゃならぬという状況であるということも踏まえながら、なかなかその対応が難しいということは御理解いただきたいというふうに思います。
○倉林明子君 だんだん本当に答弁が寂しくなってきて、四十二億の、四十二億の減額措置をやめたら、やっぱり地方自治体も子育て支援応援してもらっているとなるんですよ。このぐらい踏み出せぬでどうするんだと。
終わります。