検査体制強化求める 倉林氏 国が主導的に進めよ(2020/5/14 厚生労働委員会)
(資料があります)
日本共産党の倉林明子議員は14日の参院厚生労働委員会で、新型コロナウイルス対応で、保健所の負担軽減を図るための検査体制強化と、障害者福祉施設の損失補てんを求めました。
倉林氏は、京都市の保健所では3、4月の残業時間が200時間弱に及んでいると指摘。負担が大きいのがPCR検査にかんする相談業務だとして「医師の判断で実施する方向に転換すべきだ」と提案。加藤勝信厚労相は「地域でマッチする仕組みでやってほしい」と述べ、倉林氏は「地域任せにせず国が主導的に進めるべきだ」と強調しました。
障害者福祉サービス事業所では利用者が減少し、大幅な減収になっているとして、「損失補てんして前年並みの報酬を確保すべきだ」と求めました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林でございます。
まず、地方議会も始まっておりまして、とりわけ確認をさせていただきたいということがまず一点、それは国保の傷病手当についてであります。
これ、長年、傷病手当の要求ありましたけど、できていませんでした。今回は特例で、国保でも被用者に限って傷病手当が国の全額負担の下で導入されるということになりました。ところが、財源確保が困難だということで、白色事業専従者は対象にしないというような自治体が現れてきております。
確認したいと思いますが、青色事業専従者にとどまらず白色事業専従者も被用者として国の全額負担の対象者になると、これでいいと思いますけれど、どうでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
今般、国内の感染拡大防止の観点から、新型コロナウイルス感染症に感染するなどした被用者に対しまして、被用者に対して傷病手当金を支給することにつきまして、特例的に特別調整交付金により財政支援を行うことといたしております。
この財政支援の対象でございますけれども、この三月二十四日付けで発出いたしました事務連絡でお示しいたしました条例参考例におきまして所得税法第二十八条第一項に規定する給与等の支払を受けている方といたしておりまして、白色事業専従者及び青色事業専従者も対象となるということでございます。
○倉林明子君 自治体にも誤解がないように、QアンドA、通知などで周知徹底していただきたいと。今、予算とか条例とかいじっている最中にもなっておりますので、その点、漏れのないようにしていただきたい。
さらに、今回被用者は対象になったんだけれども、先ほど来議論もありますフリーランス、個人事業主、ここはやっぱり傷病手当、当たらないんですね。ここについても、やっぱり事業主、フリーランスのところが傷病手当受けられないというところ、まだ課題としてあるという認識ですので、対象拡大についても検討を強く求めておきたい、更なる検討を強く求めておきたいと思います。
次に、保健所の問題です。
これ、相談窓口が大変なことになっているということで、繰り返し議論にもなってきました。そこで、大きな負担になっているのが二十四時間対応の帰国者・接触者相談センター、これなんですね。回線がいっぱいになって、掛かってきている電話全部出ることができないというような状況になってきています。その全てを直営で対応しているところも少なくありませんし、二十四時間対応ということにしているところも多いです。
それ以外に、これ、全国保健所長会の資料を付けております。
これ、相談センターの業務もいっぱいいっぱいなんだけれども、それ以外に、法に基づく感染症対策業務というのが、これ一ページ目全部なんです。一番上でもう十四業務。その他というのが一番下にありますけれども、その一番上のグラフの下のその他というところの主な中身がその下段に書いてあります業務ということですので、全部で二十八業務になろうかと思うんですけれども、相談センター以外に、法に基づいてこれだけの仕事が今保健所に集中しているということになっているんですね。
私、余りにも保健所に過重な業務になっているというふうに思うわけですけれども、まずその認識について、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) まさにここに書いて、これ、相談センター以外ということなんでしょうかね、以外にもこれだけの仕事を担っていただいておりまして、まさに新型コロナウイルス感染症対応の中核として御活躍を、保健所又は保健所の職員の方々に担っていただいております。こうした増大する業務の中で、一つ一つについて十分に対応できないという声は、保健所長会ですか、等からも頂戴をしているところであります。
私どもとしても、これまでもこうした過重な保健所業務を負担軽減をいかに図るかということで、退職者の再雇用も含めた非常勤職員の雇用に係る経費の助成を行い、また、それぞれの市町村あるいは都道府県に対して組織内での応援派遣、さらには、医師会等にお願いをして例えば相談業務等の委託等、こうしたお願いもさせていただいたところであります。
また、先日、今ここに書いてありますけど、これ以外にも、これはCOVID―19の話でありますが、それ以外にも日常の業務いろいろあります。そうした業務を少しリストアップして、これ、今しばらく延期してもいいのではないか、あるいは外部委託ができるのではないか、そういったチェックリストをお示しをさせていただいております。そうした中で、できる限り業務を平準化するというんでしょうか、していただきながら軽減をしていただいて、より今やらなきゃいけない業務に集中をしていただくようにお願いしたいと思っております。
加えて、こういう業務をすればするほど報告業務がまた大変なことになってくるんですね。これについて、IT化によって保健所職員の作業を軽減化する新たなシステム開発を進めておりまして、早ければ来週中を目途に全国での利用開始を行って、こうしたIT化に伴う負担軽減も図っていきたいと思っております。
いずれにしても、都道府県あるいは保健所設置市、そして保健所の現場の所長さん始め皆さんとしっかり連携を取りながら、新型コロナウイルス感染症への対応のみならず、地域の住民の皆さんの健康を守っていただく、その最前線の現場としてその力を十分発揮していただけるよう、我々も連携をし、またしっかりとした支援を行っていきたいと思います。
○倉林明子君 確かに増員されていますし、人員の手当てというのは相次いで行われているんですけれども、もう追っ付かないという状況ですよね。
京都市の実態でも、伺っておりますのは、三、四月は月二百時間にも及ぶような残業時間になっているということと併せて、これもすごいストレスになっているのは、電話口であなた検査受けられませんよと説明するわけですよ。そうしたら、あんたのせいで死んだらどないするんやとか、そういう厳しい言葉を山のように浴びるわけですね。これ、非常にメンタル面でも重い負担になっているということを、お聞きになっているとは思うんですけれども、負担軽減はもう急務だと思います。
その上で、業務整理ということでおっしゃったけれども、やっぱり保健所もぎりぎりでやっていまして、議論もありましたけれども、予防接種にしわ寄せ行っているとか乳児健診に行っているとか、もう必要な業務、自殺対策も今時宜で必要なんだけれどもできないというようなこともありまして、業務見直しということでの慎重さは要るだろうと私は思います。
じゃ、どう負担軽減するのかということで、やっぱり電話の負担の軽減、これ要ると思うんですね。保健所長会のアンケートの自由記載欄見てみますと、いつまでこの体制続けるのかと。つまり、封じ込めは困難になってきていて、ウイルスとの共存、広域的、政策的視点の必要性ということが出ているんですね。私、こういう視点から、やっぱり積極的な疫学的調査のありようというところも含めて検討が求められているような段階に来ているんじゃないかと思うんです。
そこで、一つ提案は、検査体制を、検査センターつくって保健所通さないラインを強化したらどうやと、それ一歩応えていただいた。しかし、もう保健所に電話せぬでも、あっ、失礼しました、病院にまず相談して、医師の判断で、その受ける受けられないというところはもうすっかり医師にお願いするというようなラインに変えていったら、随分と入口での保健師の負担というのは楽になると思うんです。つくりかけていただいた、これ大きく流れ変えて負担軽減に踏み出さないと、私は保健所もたないという状況だと思っています。どうですか。
○国務大臣(加藤勝信君) まさに、四月十五日にお示しをした事務連絡で、地域外来・検査センター、運営委託含めて具体的な方向をお示しをさせていただいて、地域の診療所等から直接この地域外来・検査センターで受診できる流れ、五月十三日時点で四十六件のセンターが地域の医師会等への委託を通じて実施をされているところであります。
まさに、こういった仕組み、ただ、これ大事なことは、地域外来・検査センターとかかりつけ医といいますか、それとがうまくつながりを持って運営をしなければ、やっぱりどこかでまたひずみが出ていってしまうので、そういった意味でこうした取組を一緒になってそれぞれの地域で是非展開をしていただきたいと思いますし、我々もそれをしっかり応援をしていくことによって、まあもしかしたら二系列残るかもしれませんけれども、今の一系列、最初におっしゃった相談支援センターから帰国者・接触者外来しかないという道筋じゃなくて、他の道筋もあって、それぞれがお互い補完をし合っていく、そういったやり方、あるいはもうこっちで全部いけるんならそっちでもいいんだろうと思います。それはもう地域によっていろいろあると思います。これは一元に決められないと思いますので。別に私ども、こっちじゃなきゃいけないということを規定するつもりはありませんので、それは地域の中でよりマッチするような仕組みでやっていただければというふうには思います。
○倉林明子君 法に基づいた業務という流れになっているというところもありまして、やっぱり思い切ってここ手入れないと、今の機能、今の体制、今のやり方ということはもたないようになってきていると。大きく流れ変えるということで、地域任せにせずに、やっぱり国がPCRセンターつくるということで予算もしっかり積んでやれるような体制をしっかり転換していくべきだというふうに思っておりますので、予備費も使った設置ということを予算委員会でも求めましたけれども、大いに主導的に進めていただきたいということです。
次、コロナの問題で、障害福祉サービス事業所、この実態について二枚目に資料を付けておきました。これ、大阪の福祉事業所、施設にアンケートを取った結果ということで、きょうされんの皆さんからいただいたものでございます。
これ、利用者本人、基礎疾患がある、そして家族が高齢などということでサービスを利用していない人がいるという事業所が七割にも及んでいるんですね。利用の自粛要請をしている事業所も決して少なくありません。結果どうなったかというと、ここでもやっぱり四月、大幅な減収が起こっております。報酬や加算の柔軟な運用だけでは私は不十分だと思っておりまして、地域生活支援事業を含む全ての事業所に対する損失補填、これ必要だと思います。前年並みの報酬をここでもしっかり確保すると、国の責任で。答えていただきたい。
○政府参考人(橋本泰宏君) 委員御指摘のように、この障害福祉サービスというものがしっかり地域の中で確保され、そして安定的に運営されていくということは大変重要なことだというふうに認識をしております。
先ほど委員からも御指摘ございましたが、一時的に人員や運営の基準を満たすことができない場合にも報酬を減額しない取扱いですとか、あるいは、居宅への訪問あるいは電話その他様々な方法で相談支援を行うなど、できる限りの支援はしたというふうに市町村の方で判断する場合には通常と同額の報酬を請求できる取扱いなどなど、そういった大変柔軟な取扱いを今させていただいているところでございます。
さらには、経営的に厳しい状況にある中小・小規模事業者等に該当する場合にはこの持続化給付金といったものも活用いただけるものというふうにも承知しておりますので、引き続き、現場の状況というものも注視しながら、機動的に必要な支援を講じてまいりたいと考えております。
○倉林明子君 その柔軟な対応ということで自治体の判断がばらばらになっていて、逆に混乱が起こっているという実態もあるんですよ。ここでは認めてくれるけどここでは認めてくれない、これが困るので、やっぱり統一的に対応できるように国がその点ではしっかり対応してほしいという、これ切実な声になっておりますので、ナショナルミニマムとしてここまでできるというラインを明確にしていただきたいということです。
この先ほど求めました前年並みの報酬の確保ということでいいますと、実は過去にも例があるんですね。それは何かというと、障害者自立支援法、これに移行する際に、済みません、法が移行した際に、減収になることが明らかだということをもって、前年並みの報酬、九割までだったんですけれども、補填したという前例もあるんです。
こういうときだからこそ、減収分の補填ということで、前もやったことがあることを踏まえて対応すべきだということで、これはもう一回答弁いただきたい。
○政府参考人(橋本泰宏君) 今委員御指摘いただきました過去における取扱い、これは、支援費制度から障害者自立支援法の法制度に移行するに際しまして、従前と支払方式が変わってくるといったことに着目をした一定期間の経過措置として行われたものでございます。
そういった様々前例があるというふうな御指摘でございますが、いずれにしましても、このコロナの問題というものを乗り切っていく上でどのような対応をしなければならないのか、様々な策を総動員しながら私どもとしても対応していきたいというふうに考えております。
○倉林明子君 様々な施策総動員して、潰れないようにしてほしいんですよ。
私、こういう障害者福祉施設というのは、障害当事者の自立に向けて保護者や関係者が必死になってつくってきた、これ歴史も経過もあるものですよ。今度のコロナのことで営業ダウンで居場所を奪うなんということは絶対にあってはならないと思うんですね。そういう意味で、本気で支えていただきたいということですので、速やかな手だてを打っていただきたいということを強く求めたいと思います。
あと、最後に、感染リスクの高い障害者をケアする施設や在宅で吸引とか人工呼吸器が必要な障害者、難病の方々にとって、感染防護具、マスクとかアルコールとかも含めてですね、これが本当に手に入らないという切実な声が届いております。
医療機関では、PPEで、ウエブで医療機関と直で配置できるような仕組みになったということで伺っております。市販で買えるようになることが望ましいと思うんですけれども、まだそういう状況にない下で、命に関わるという点では、医療機関で整ったその体制を、障害者や難病の方々のところでも、施設でも在宅でも、ウエブ使えるようにしてほしいと、こういう声が出ています。答えていただきたいと思う。
○国務大臣(加藤勝信君) 医療的なケアが必要な方、また支援する事業所、事業者に必要な今御指摘がありました各種衛生用品届くようにすること、これは不可欠なことだというふうに認識をしております。
医療的ケアが必要な方の消毒液の確保については、三月中旬に政府保有の消毒液四千七百四十個、三月下旬には追加で四千個を都道府県に配送し、人工呼吸器等を利用する児童の家庭等に配布をし、さらに、現在では、製造販売業者等の協力の下に構築した医療機関や福祉事業所も含めた優先供給の仕組みの中で、医療的ケアが必要な方に対して都道府県からの要請を受け供給する、こういう仕組みの中で、もう既に四回にわたってそうした提供がなされているというふうに承知をしております。
また、医療的ケアが必要な方の手指消毒用エタノールを含めた衛生用品については、都道府県等が購入する費用に対する補助も設けておりまして、引き続き都道府県等に適切な需要の把握とそして対応をお願いをしていきたいと思っております。
医療的ケアが必要な方を支援する事業所を含めた障害福祉施設等において、感染者が発生した場合、濃厚接触者への対応等において医療機関並みの保護用品が必要となりますので、こういったものについては、都道府県において、不足する施設について備蓄から速やかな供給を行えるスキームを構築して確実な実施が行われるようにしていきたいと思っております。
なお、そのウエブの話でありますが、医療機関の場合には約八千でありますけれども、こうした施設、約十一万事業所あるということでありますから、同じ仕組みというのはなかなか難しいと思いますので、よく都道府県においてそうした情報を収集していただいて、都道府県と我々連携しながら、こうした医療的ケアを抱えている方あるいはそうした方を対象とした事業者に対して、先ほど申し上げた消毒液等が確実に届いていけるように引き続き努力をしていきたいというふうに思います。
○倉林明子君 店から消毒薬とかマスクが買えないという状況になってから結構なるんですね。いまだに、そういうふうにしたいという話はずっと前から聞いているんだけれど、届いていなくて困っているという現状なんですね。
都道府県でなぜ届けられないのか、そういう点も解明しながら、物資を国から必要な分は届くように送ると、そこでもしっかり頑張っていただきたいということを最後求めて、終わります。