倉林明子

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「地位乱用に厳正対応」 倉林議員に公取委員長候補(2020/4/3 議院運営委員会)

 参院議院運営委員会は3日、政府が提示した国会同意人事のうち、古谷一之公正取引委員長候補から所信を聴取しました。

 日本共産党の倉林明子議員が質疑に立ち、市場の番人である公正取引委員会には、取引の適正化、下請事業者の利益保護のために、その監視機能の一層の発揮が求められると主張しました。

 インターネット通販サイト「楽天市場」を運営する楽天が一定額以上の買い物をした購入者の送料を原則無料化し、出店者負担としたことに対し、公正取引委員会が緊急停止命令を申し立てましたが、楽天が「延期」を表明したことを受け、申し立てを取り下げました。

 「巨大企業楽天が、中小零細事業者の出店者に一方的不利益や負担をおしつけることがあってはならないという立場で、引き続き審査にあたってほしい」と求めた倉林氏に対し、古谷氏は「審査を続けている。地位の乱用等の不公正な取引には厳正な対応をする」と語りました。

 倉林氏は公正な取引を守るために、アマゾンなどの情報通信技術を活用し、多種多様なサービスの「場」(プラットフォーム)を提供する「巨大プラットフォーマー」事業者の監視と規制強化は喫緊の課題だと強調。古谷氏は「日本の競争市場に影響を与える海外企業の行為には、公正取引委員会として目を光らせる。組織の力を強める」と語りました。


議事録を読む

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。
 先ほど斎藤理事の方からもお話ありましたけれども、私も、本当に今新型コロナウイルスの影響がもう国際的に広がっているという状況でありまして、どこまでこれ、いわゆる底が見えないというような環境になってきているかと思うんですね。工場の生産停止などもありまして、やっぱり懸念されるのは、下請へのしわ寄せが、今も発生していますけれども、相当規模で広がっていくんじゃないかということを大変懸念しております。
 そういう意味でいいますと、やっぱり市場の番人とも称されます公正取引委員会が、こういう下請取引の適正化、法違反許さないよということで、こういうときだからこそ迅速に適正に監視機能、そして違反行為についてはしっかり正していくという役割を発揮していただきたいというふうに強く思っているわけです。
 そこで、先ほど斎藤理事からも体制の問題についても御指摘があったかと思うんですね。じゃ、こういう事態でありますので相当規模で迅速な対応が求められるというふうにも思います。必要であれば、やっぱり体制の強化ということでも考えていく必要があろうかと思います。この点ではいかがでしょうか。

○参考人(古谷一之君) 御指摘のとおりだと思います。
 今回の新型コロナウイルスで大変大きな影響を日本経済、受けることになります。公正取引委員会の方でも、先月早い段階で、経産省や厚生省と共同で発注事業者に対して適切な配慮を要請をしたというふうに承知をしておりますので、ここは、体制の問題、すぐには公正取引委員会の人員を強化するとか増やすというわけにはいきませんので、下請の問題等については、中小企業庁などとも十分連携をして公正取引委員会としても実情をモニタリングをして、何かあれば適切に迅速に対処をするということが大変大事だというふうに感じております。

○倉林明子君 弱い立場の下請、中小零細事業者がやっぱりこういうときは一番の被害を被ると、一番真っ先にやられていくというところですので、是非、強い思いを表明していただいたと思いますので、中小企業庁との連携等も強めて対応に当たっていただきたい、強く要望いたします。
 先ほどもありました楽天の問題で私もお聞きしたいと思うんですね。
 この楽天が一定額以上を購入した利用者に送料原則無料化という方針を打ち出したことに対して、公正取引委員会から、送料は出店者負担と決めたことがありましたということで、公正取引委員会は、出店者からの求めに、あっ、済みません。結局、緊急停止命令で申立てをしたんだけれども、先ほどあったように申立ては取り下げたという経過をたどりました。しかし、質疑、委員会の質疑などを見ておりますと、引き続き、これで終わりということではなくて、審査は続ける、行うという御答弁もあったようです。
 やっぱり、巨大企業である楽天が、これ出店者というのはほとんどが中小零細という事業者でございます。こういう中小零細事業者に対して、一方的に不利益、優越的地位の濫用や負担を強いるようなことがあってはならないと、こういう立場で引き続き審査に当たっていただきたいというふうに思っているんですけれども、いかがでしょうか。

○参考人(古谷一之君) 楽天のようなプラットフォームビジネスにいろんな事業者が参画できるということは、それは大変機会が広がることになりますので、いいことだと思います。
 そういう前提で、今おっしゃられたように、まだ公正取引委員会は調査をし、審査を続けているということのようであります。個別の事案に私がここでコメントすることはできませんけれども、御指摘がありましたように、当然、優越的地位の濫用ですとか、そういう不公正な取引方法が行われている場合には、公正取引委員会として厳正な対応をするというのは当然だと思います。

○倉林明子君 引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 楽天に限らず、GAFAの話ございました。巨大プラットフォーマーを監視し、公正な取引がされているのかということ、監視、規制の強化というのがこれ喫緊の課題だというふうに認識しております。そうすると、やっぱり海外の企業も含めて、独禁法違反あるいは下請取引法の違反行為を監視していくという役割が期待されるわけですね。
 そういう場合、機敏に厳正に独立して対処していくということが必要になるわけですけれども、そういった意味でいいますと、非常に監視する範囲も広くなるということで、ここでも体制の強化というのが課題だという認識なんですけれども、この認識についてはいかがでしょうか。

○参考人(古谷一之君) 経済がデジタル化し、グローバル化していく中で、企業の国際的な活動も非常に複雑化していると思います。日本の競争市場に影響を与えるような海外の企業の行為であれば、当然、公正取引委員会は目を光らせていかなければいけない役目があるんだと思います。
 それをするために、やはりこのデジタル化というのは特に非常にスピードが速いので、やはりそれに付いていける高度な専門知識を備えた人材が公取にも必要だろうと思います。
 今の組織の中でそうした研修をすることも大事だと思いますけれども、外部のそういう人材にも来てもらうようなことも考えながら、公正取引委員会の組織としての力を強くしていくということは大事だというふうに考えております。

○倉林明子君 大変真摯な御答弁もいただいたというふうに受け止めております。
 参考人は、二〇一三年から内閣官房副長官として企画立案、関係省庁との統合調整を担ってこられたというふうに伺っております。公正取引委員会委員長、この任務には、高い独立性そして公平性、これ求められるというのは言うまでもありません。
 内閣のど真ん中におらっしゃったというお立場が、国民から政権寄りだというような疑念が持たれるようなことがあっては私ならないというふうに思うんですね。その認識について最後確認させていただいて、終わりたいと思います。

○参考人(古谷一之君) 御指摘のように、公正取引委員会の委員長には、職権行使の独立性ということが独占禁止法に定められております。
 お話のように、私、七年間官邸で、副長官補ということで各省のいろんな政策の立案、調整をやってきまして、ある意味で各省の意見や立場に配慮しながら、まとめ役のような仕事をしてきております。
 そういう人間が公取に行って大丈夫なのかという話は先ほども御指摘をいただきました。私、四十年以上行政官をやっておりますが、それぞれのポストポストで一所懸命という思いでやってきております。独禁法に定められた立場というものを十分わきまえて、公正取引委員長に御承認いただいてなるということになりましたら、そこはそういう意味できちっと身を律して仕事に当たりたいというふうに考えております。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○倉林明子君 終わります。ありがとうございました。