倉林明子

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勤労統計不正・偽装 組織的隠ぺい濃厚 解明は予算審議の前提 衆参厚労委閉会中審査 高橋・倉林議員が追及 / 勤労統計 不正追及 厚労相も押印している(2019/1/24 厚生労働委員会)

(資料があります)

 毎月勤労統計の不正・偽装問題をめぐって衆参両院の厚生労働委員会の閉会中審査が24日に開かれました。日本共産党の高橋千鶴子衆院議員、倉林明子参院議員は「厚労省は、二重三重に統計を偽ってきた。これを組織的隠ぺいではないなどといえるわけがない」「事実解明は予算審議の前提となる」として、徹底した検証を行うよう求めました。

 倉林氏は、独自に入手した、従業員500人以上の事業所の事業主に調査期間の終了を知らせる厚労省大臣官房統計情報部長名による文書の存在(12年2月)を告発。本来、全数調査すべき500人以上の事業所を厚労省が勝手に抽出したうえ、期間を定めて、入れ替えまでしていたとして「恣意(しい)的な入れ替えはなかったのか」と追及しました。

 厚労省の大西康之政策統括官は「恣意的なことはなく、無作為抽出だ」と答えました。倉林氏は、調査対象事業所の指定を知らせる通知には厚労相の判が押されていることを指摘。抽出調査に切り替えたことを「(大臣が)知らなかったでは済まされない」として、改めて第三者機関による検証を行うよう主張しました。


 衆参両院の厚生労働委員会が24日に行った、厚生労働省の毎月勤労統計の不正・偽装問題についての閉会中審査で、日本共産党の高橋千鶴子衆議院議員、倉林明子参議院議員は、長期間に及ぶ基幹統計の偽装の重大性を指摘。雇用保険などの給付減だけでなく、政策判断に深刻な影響を与えた責任を厳しくただしました。

 倉林氏は、消費税増税の是非など景気判断にもかかわる基幹統計の不正によって19年度予算案などの政策決定を誤らせているとして、事実の解明なしに予算案審議には入れないと述べ、歴代厚労相の責任を厳しく追及しました。

 当事者は関われず
 倉林氏は、15日の記者会見では同省内の「監察チーム」が調査に当たるとしていたのに、その後、速やかに「第三者機関」として特別監察委員会が設置されたと指摘。しかし同委の事務局を「監察チーム」のメンバーが担うなど、同チームが“横滑り”したにすぎないと強調しました。
 倉林 厚労省からの完全な独立が担保されないと、第三者性は確保できない。被害を受けた当事者である労働者や家族の代表は1人もこの監察委の調査に関われていない。データ偽装の全容解明が完了したという認識か。
 根本厚労相 観察委はより独立性を高め、統計の専門家を委員長とし、集中的に検証し、責任の所在を明らかにし、役割を果たした。
 
 倉林氏は、東京都では04年以降、従業員500人以上の全事業所の調査が義務付けられていたのに、3分の1程度の抽出調査を行っていた不正に言及。同省から事業所に「調査期間の終了」を伝える文書が届けられたことから「期間を定めて抽出対象事業者の入れ替えをやっていた」として、抽出の基準や入れ替えの理由が今回の調査報告ではさっぱりわからないと批判し、説明を求めました。しかし、同省の大西康之政策統括官は、「無作為抽出」であり「恣意的ではない」と説明しました。
 
 倉林氏は、調査対象の事業者から、厚生労働相の公印が押された「指定書」が見つかったと暴露しました。
 倉林 情報部長も政策統括官も厚生労働大臣もハンコをついている。知らなかったではすまされない。
 大西統括官 事業所名簿などは政策統括官までの決裁で送り、指定書も事務方で決裁している。
 倉林 厚労大臣のハンコをついて指定している。その政治的責任は免れない。
 
 倉林氏は「04年以前には過少支給はなかったのか。いつから全数調査が始まったのか」と質問。大西統括官は「1989年の年報から全数調査という記載があった」と答弁。倉林氏は賃金指数の伸びが04年前後では不連続だと指摘し、「03年度以前に全数調査の実態があり、さらにデータ補正がされていないのを前提にするなら、給与の減少がデータ上は出てくるはずだ」と矛盾を追求しました。

第三者機関設置を
 倉林 全数調査がいきなり3分の1になったら、大企業のデータが3分の1しか反映されない。04年以前も全数調査対象ということにしていたが、実際の回収率は3分の1程度だったのではないか。東京都と全体で04年前後の従業員500人以上の事業所数、調査できた事業所数および回収数、回収率の資料の提出を求める。
 
 倉林氏は、02年の雇用保険の積立金が過去最低だったのに、04年以降急増したと指摘し、次のように要求しました。
 倉林 給付抑制が政策的な動機として働いていたのではないか。改めて、独立性を担保した第三者機関の設置と調査、解明を求める。


「毎月勤労統計調査」調査期間終了のお知らせ


毎月勤労統計調査 平成19年分結果確報 時系列表第1表 賃金指数


二事業を除く雇用保険の収入、支出、積立金の推移


議事録を読む

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 今日、冒頭、大臣からも発言がありましたけれども、聞いていて大変違和感がありました。それは、いまだに不適切と言っているんですよね。毎月勤労統計調査における不適切な取扱い、これいまだに使っているということに非常に違和感を感じたんですね。
 これ、報告書にもあるとおりなんですけれども、刑罰の対象になるかどうかという議論はあるにしても、明確に統計法に反する不正があったと、そういう認定されている問題なんですよ。そういう認識で改めてこの問題に当たる必要があるということを冒頭強調をしておきたいというふうに私は思います。表題も変えるべきだと申し上げておきたい。
 そもそも、もうこの間の厚労省というのは、裁量労働制のデータの問題、障害者雇用の水増し、年金でも過少給付という、本当に毎回こういうことになっているわけですよね。またもや国民をだまして、失業や労災など、労働者そしてその家族、最も困難なときに受け取るべき給付を削減していたと。これ非常に大きな問題で、実害を与えていたという自覚を深くすべきなんですよ。そして、その責任というのは、極めて政治責任大きいんだということを言いたい。
 基幹統計が毀損していた、この事実はもうこれまでのデータの誤りの問題と質が違う。要は合理的な政策決定の判断を毀損させているということになっているわけで、私は改めて、本予算、来年度の予算ですけれども、景気判断をした上で消費税増税の提案、関連する予算というのが入っているわけです。この政策決定を誤らせていたのではないかという疑惑が出ているわけですね。もうそういう意味でいいますと、事実の解明なしに予算審議には入れないという性格の問題なんだということをまず申し上げておきたいと思います。
 最初に、先ほど来議論があります特別監察委員会のその第三者性について私も確認をしたいと思います。
 先ほど来の説明を聞いておりますと、本部長が大臣で、監察チームの主査は官房長官だと。これ、一月十五日の記者会見のときはまだ、十七日の会議について大臣が言及されていて、十七日は監察チームが会議するという話になっていたのが、それがそのまま特別監察委員会の立ち上げになっているんです。
 よく分かったのは、要はそのまま横滑りしていたから特別監察委員会の立ち上げがこれ速やかにできたということだったと思うんですね。十五日の会見では特別委員会の設置について言及なかったんだけれども、十六日に直ちに決めて、そして十七日に初回の開催という経過がよく分かりました。そして、事務局で監察チームということで大臣の下にあったメンバーが相当数そのまま横滑りということになっていたわけで、つまり、確認したいのは、結局、これ看板だけが第三者やったんと違うんかと。
 改めて聞きたい。これは定塚さんに聞きたいんですけれども、厚生労働省の第三者性に対する認識というのはどういうものなのか、定義として。第三者性の定義はどうお考えか、説明できますか。

○政府参考人(定塚由美子君) 今回の特別監察委員会におきましては、先ほど来説明していますように、監察委員会の先生方で自らどのように監察をするかということを独立して決定をすると。我々行政の方から、まあ簡単に言えば口出しせずに先生方で企画を決めていただいて、調査をしていただくということを独立して行っていただく。
 監察委員会と大臣が本部長になっている監察本部の関係は、特別監察委員会がそのような独立した調査をして意見具申をするという関係でございますので、監察本部の下に置かれているというのは組織として置かれているわけですけれども、位置付けとしては独立した第三者機関で、そこから意見を、報告書をいただくという、そういう位置付けにしております。

○倉林明子君 そういう認識だと、第三者性というものに対する認識が改めて問われると思いますよ。それは、厚生労働省から完全に独立しているということが担保されないと第三者性は確保できないんですよ。それが分かっていないということが改めてよく分かりました。
 一番問題だと思うのは、この問題で被害を受けた当事者がいるんですよ。被害を受けた当事者というのは労働者ですよね。で、家族ですよ。そういう人たちの代表というのは一人もこの特別委員会の調査に関われていないんですよね。そういうことを担保するということもなしに、私は、第三者機能が発揮できたなんていうことは到底言ったらあかんと思います。
 この特別委員会の報告ということが、私は第三者性確保されていないと思うけれども、これ先ほど来議論もあったんだけど、明確に答弁がないんです。これ、データ偽装の、私はそう思っていますけれども、全容解明がこれで完了したという認識を厚労省は持っているのか、これ、大臣、どうですか。

○国務大臣(根本匠君) 特別監察委員会は、要は監察チームというのがありましたけど、それをより独立性を高めて、そして統計の専門家を委員長になってもらった。そして、集中的に検証を行って、二回の会合での議論を経て、事実関係、関係職員の動機、目的、認識、さらに責任の所在を明らかにしたものであって、役割を果たしていただいたものと思っております。
 そして、樋口委員長は会見において、事実関係及びその評価については、持っている全てのものについて既に検証したというふうに考えている、ほかからもし何か出てくるというようなことが、私はないというふうに思うが、もしあるとしたらそれについては当然検証ということになるのではないかというふうに思う旨述べられております。
 特別監察委員会にはこれからも、厚生省が作成する統計に対する正確性、信頼性を確保して、そして国民の信頼を確保するための再発防止の具体策について引き続き御議論いただきたいと思っております。

○倉林明子君 徹底的な調査、解明ということでいうと、現状の特別委員会では、私、機能を発揮しないと思っているんです。その上で、改めて調査、解明が必要だというところを指摘したいと思うんです。
 資料を入れておきました。これは従業員五百人以上の事業主に対して、本来であったらこれは調査のずっと継続している対象だったはずですけれども、これ、お知らせはどういうことかというと、調査期間の終了のお知らせになっているんです。大臣官房統計情報部長による礼状まで付いているんです。期間を定めて抽出対象事業者の入替えをやっていたということが分かるわけですけれども。
 確認したいんですね。どんな基準で抽出していたのか。そして、なぜ入れ替えたのか。そして、恣意的な入替えはなかったのか。これ、さっぱり調査では分からないんですよ。説明できますか。

○政府参考人(大西康之君) まず、事業所の選び方でございますが、毎月勤労統計調査におきましては無作為抽出という方法で選んでおるところでございます。これは、事業所の母集団データベースで事業所のデータがあるわけでございます。これを順番に並べまして無作為で選ぶと。具体的に、例えば抽出率……(発言する者あり)はい。無作為で選ぶということでございます。ただ、前回も指定されたところがたまたま当たった場合には、報告者負担に鑑み、その事業所の前か後ろの事業所をこれもランダムに選ぶということでございます。
 また、事業所を入れ替えるということでございます。これは従来、平成二十九年までは二、三年に一度全数の事業所を入れ替えておりましたが、三十年からはローテーションサンプリング方式ということで、毎年一定割合を選んでいるということでございます。これは、一回選ばれる……(発言する者あり)あっ、もうちょっと短くですか。はい、済みません。
 入替えに当たっては、恣意的なことはなくて、先ほど申し上げた無作為抽出でやっていたということでございます。

○倉林明子君 これ、今、五百人以上、本来であれば全数調査としていたものについて、四百九十人以下の対応と同じことをやっていたというほぼ理解でいいんでしょうか。

○政府参考人(大西康之君) 御指摘のとおりでございます。

○倉林明子君 これ、五百人以上について実質的には抽出調査をしていたということで、これ、実は指定、誰がどこまで関与してこういうことをやっていたのかということが非常に問題になるわけですよ。本来全数調査なのに、勝手に四百九十九人以下と同じような調査手法で選んでいたということですから、誰がその指示を出していたのかということになるわけですが、私、この事業所さんに探してもらったんです、指定開始に当たってどういうものが届いていましたかと。そうしたら、厚生労働大臣の判こがつかれた指定書が見付かったんですよ。
 つまり、これ、このことについてこういう調査をやっているということを課長や部長級が勝手にやっていたということではないし、それについて情報部長も政策統括官も厚生労働大臣も判こついているんですよ。知らなかったでは済まされないと思う。大臣、その責任についてはどう思いますか。

○政府参考人(大西康之君) 実際に事業所名簿を送る場合ですとかにつきましては、政策統括官までの決裁で送っているというところでございます。指定書につきましても、専決規程によりまして事務方で決裁しているということでございます。

○倉林明子君 何ぼ専決で処分したからといって、厚生労働大臣で判こついて指定しているということは、その政治的な責任というのは免れないと思うんですよ。一体、専決だったから大臣の判こついて、知らんかったで済むのかという問題なんです。私、全容解明、ここについての関与については更に徹底解明必要だと、しっかり第三者性を確保した委員会での調査が求められると、幕引きは絶対許されないということを指摘したいと思います。更なる調査を求めます。
 その上で、要は動機、背景。一体そこに何があったのかという問題なんです。
 二〇〇四年以降の過少給付については、二〇〇三年に東京都の従業員五百人以上の事業所を本来全数調査すべきところを三分の一でもよいと、この事務取扱要領がその開始の根拠というふうに説明されているんだけれども、雇用保険、労災保険などの過少給付、二〇〇四年以前にはなかったのか。つまり、三分の一の抽出という実態はどうだったのかということなんです。
 もう一つ確認したいのは、そもそも一体いつから全数調査ということで始まっていたのか、お願いします。

○政府参考人(大西康之君) この委員会の報告書によりますと、少なくとも平成元年の年報から全数調査という……(発言する者あり)はい、そうです、記載があったという具合に承知しております。あと、平成十六年、二〇〇四年に始まったというのは、委員御案内のとおりのこの事務処理要領等から判明したところでございます。

○倉林明子君 これ、資料二のところに賃金指数の前年比の伸びというのを入れているんです。そこで見ていただきますと、二〇〇四年、平成十六年前後を見ますと、確かに変化はしているんだけれども、不連続なんです。二〇〇四年以前に本来の全数調査がされている、つまり、平成十五年度以前に全数調査の実態があったということを前提にする、さらに、データの補正がされていないということを前提にしたならば、これ給与の減少ということがこのデータ上は出てくるはずじゃないかと思うんですよ。何でこんなに、十五年、一〇〇、十六、九九・四、十七年、一〇〇、こんな数になるんでしょうか。

○政府参考人(大西康之君) 先ほどちょっと御説明させていただきましたけど、従来は二、三年に一回、事業所を全部、調査対象事業所を入れ替えるとかいうことがございましたので、そのたびごとに、私どもギャップと呼んでおりますけれども、その数値に差が出てきておりました。それ以前はその数値につきまして補正をするという作業をしておりましたので、この二〇〇四年はちょうどそういう年に当たりますので、何といいますか、余り大きな差が見られない結果になっていたのではないかと思います。

○倉林明子君 ちょっと今の説明、確認しますけど、二〇〇四年のときは大規模事業、要は従業員五百人以上のところのデータについては三分の一しか集められていなかったのを補正していたんですか。補正していたんですか。

○政府参考人(大西康之君) いえ、それは補正していませんでした。

○倉林明子君 だから、データが、それまでは全数調査をしていて、いきなり三分の一でいいということになるんだったら、大企業のデータが三分の一しか反映されない。今回のデータの問題からいえば反対のことが起こっていておかしくないんじゃないのと、何で変化がないのかということが説明できないデータ結果になっているじゃないですかと。今の説明では全く分からない。

○政府参考人(大西康之君) 済みません、繰り返しになるんでございますが……(発言する者あり)済みません。

○倉林明子君 考えられるのは何かといいますと、これ、二〇〇四年以前も全数調査を対象ということにしていたけれども、実際の回収率、これが三分の一、この程度やったんやないかと。だから、数字は動かないという根拠として考えられるのは、三分の一程度のデータしか集められていなかったのではないかと思うんですよ。
 これ、東京都及び全体で二〇〇四年の、だから、二〇〇四年前後の従業員五百人以上の事業所数、調査できた事業所数及び回収数、回収率、これを、どうだったかというのを資料の提出を求めたいと思います。お諮りください。

○委員長(石田昌宏君) 後刻理事会で協議いたします。

○倉林明子君 私、これをはっきりさせる必要があると思いますのは、そうなってくると、二〇〇四年以前についても実は過少給付の可能性が出てくるんですよ。だから、そこを改めて明らかにしないと、過少給付の救済が本当にこれで、予算提示もされているけれども、これでできるのかという疑惑もありますので、その点も明らかにしていただきたいということです。
 時間がなくなってまいりましたので、最後、改めてもう一回やりたいとは思いますけれども、この動機って、働いていたものはないのかということで、二〇〇三年、二〇〇四年、一体何が起こっていたのかと、雇用保険。
 これ、最後の資料で付けたのは、二事業分を除く雇用保険、今労働保険特別会計ということですけれども、注目していただきたいのは積立金のところです。二〇〇二年、過去最低という積立金規模になっているんです。つまり、支払の方が多くなって、積立てがどんどん減るという現象になっているんです。
 つまり、どういう疑惑が生じるかというと、要は給付抑制、給付抑制ということが政策的な動機として働いていなかったのかと。つまり、大きい大規模事業所を三分の一まで減らせば給付は抑制されるわけですよ。こういう関係性についても私は明確に説明できるようにしないと駄目だというふうに思う。
 改めて、独立した委員会での、独立性を担保したところでの第三者機関の設置と調査、解明、引き続き求めたいと思います。大臣、いかがですか。

○委員長(石田昌宏君) 時間が過ぎていますので、答弁を簡潔にお願いします。

○国務大臣(根本匠君) 私は、今回の監査委員会、これは、監査委員会は樋口委員長の下で私はしっかり第三者委員会としてやっていただいたものと思っております。

○倉林明子君 またやります。