倉林明子

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ブロック塀撤去に交付金 児童福祉施設 倉林氏に厚労相答える / 簡易宿所 実態つかめ 京の町壊し規制要求(2018/7/3 厚生労働委員会)

(資料があります)

 大阪北部地震で女子児童が犠牲になるなどで危険なブロック塀の撤去が問題になるなか、厚生労働省は3日、児童福祉施設や保育所のブロック塀については塀の造り直しを目的とするなら国の交付金で解体・撤去できると明らかにしました。参院厚生労働委員会で日本共産党の倉林明子議員の質問に答えました。

 倉林氏がブロック塀の解体・撤去への支援策が必要だとただすと、加藤勝信厚労相は「ブロック塀の修繕を行う場合は、児童福祉施設については次世代育成支援対策施設整備交付金、保育所については保育所等整備交付金が活用できる」と答えました。介護施設・障害者施設には制度がないため「どういう対応ができるか検討したい」と述べました。

 倉林氏は、厚労省が所管する児童福祉施設・社会福祉施設・介護施設の一部損壊に対し、被害額が80万円以上(保育所は40万円)であれば自治体に交付される災害復旧補助が使えるのかと確認を求めました。同省の吉田学子ども家庭局長は「活用できる」と認めました。

 補助金を受ける際、自治体が状況を把握し被災後30日以内に地方厚生局に協議書を提出する必要があります。倉林氏は「期限の延長を含めた柔軟な対応」を要求。加藤厚労相は「東日本大震災では60日延長したこともある」と述べ、状況を見て対応する考えを示しました。


 日本共産党の倉林明子議員は3日の参院厚生労働委員会で、2016年4月の旅館業法施行令の改定で簡易宿所の面積要件が緩和され一室でも可とした結果、騒音やごみなど近隣住民とのトラブルが頻発していると指摘し、簡易宿所の実態把握を求めました。

 加藤勝信厚労相は、法施行3年後に状況を検討する規定があるとして「簡易宿所についても規制緩和による影響は把握したい」と答えました。

 倉林氏は、京都ではホテル建設と簡易宿所急増で客室数があふれ、ダンピング(不当廉売)が進行し、京都駅近辺では2016年に1万6千円だったシングル料金が4千円台まで落ちていると指摘。「安全で衛生的な旅館業をやってきた人たちが経営危機になっている」と総量規制を求めました。

 加藤厚労相は「規制を守っていくのは当然」としながらも、合法的なホテル建設などは「競争でよりよいサービスが提供される。一律に総量規制はなじまない」と拒否。倉林氏は、中国資本が土地を買い占める事態が起きており「規制緩和で急速に京都の町が壊れる事態になりつつある。簡易宿所を入り口で規制すべきだ」と重ねて求めました。


児童福祉施設等の災害復旧(施設設備)

社会福祉施設等災害復旧費補助金(自然災害により被災した社会福祉施設等の復旧)

介護施設等の災害復旧


議事録を読む

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 年金問題で一言申し上げておきたいと思います。
 適正な年金給付がされず給付が減るというようなことは当然あってはならないことであります。年金機構は何度もこういう適正な年金給付という点でのミスを繰り返してきたわけで、私、その責任は免れないというふうに思うわけですが、とりわけ管理監督責任ということでいえば、厚労省の処分というのは厳重注意、口頭でということにとどまっているんですね。私、本来、所管する大臣の責任が厳しく問われる問題だということ、指摘にとどめたいと思います。
 今日は、京都府内でも被害が広がっております大阪北部地震、これの対応、特に厚労省関係で確認をしておきたいと思います。
 大阪北部地震から既に昨日で二週間ということになるわけですが、住宅の一部損壊の状況というのが日を追って増えて確認ができております。近畿二府二県で昨日で二万二千件を超えるというような数字になっていたかと思います。
 厚労省が所管している福祉施設ということでいいましても、一部損壊の被害というのは多数発生しております。まだ把握できていないところもあろうかと思うんです。今回の被害で利用できる国の災害復旧支援策というのは、既に制度あります。これ三枚入れておきましたけれども、資料として、児童福祉施設、さらに社会福祉施設、介護施設ということになるわけですけれども、これらの災害復旧のための補助、今回の被害に対してはこれ原則補助金活用可能だということでよろしいと思いますけれども、確認です。

○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今回の大阪北部の地震で被害を受けた施設、まず、私ども厚生労働省としては、その早期復旧が重要な問題だという認識に立ってございます。
 その上で、被害を受けた児童福祉施設あるいは社会福祉施設等の災害復旧に要する費用につきましては、社会福祉施設等災害復旧費補助金の補助対象でございますので、大阪府等と緊密に連携を取りながら、一日も早い施設の復旧を支援してまいりたいと考えております。

○倉林明子君 これ使えるということでは間違いないですね。

○政府参考人(吉田学君) 御活用いただけます。

○倉林明子君 被害額の下限ということで、八十万円以上だとか、保育園の場合やったら四十万円以上だというような制限はあるけれども、原則使ってもらえるということなので、是非、そういう被害がなかったところ、使ったことがないというようなところほど周知必要だなというふうに思っているわけです。
 そこで、被害の多い自治体で今どんなことが起こっているかといいますと、職員が当座の三日間は不眠不休だったとか、その後も新たな損壊状況の確認や対応に追われると、罹災証明をどんどん出していかなければならない等で、大変やっぱり忙しいという状況になっているわけです。こういう福祉施設の対応についても遅れてはならないというものの、やっぱり住宅、どうやって住民の安全を確保し、住宅を優先的に、やっぱり住まいの確保ということを求められてくるということにもなってきて、社会福祉施設の補助金の申請が対応遅れるというようなことだって十分私考えられると思うんですよ。
 ところが、この資料で付けた一枚目のものですね、児童福祉施設等の災害復旧について見ますと、一番下のところ、協議書提出ということがあって、ごめんなさい、二枚目、同じようなスキームなんだけれども、この社会福祉施設の方は被災後三十日以内ということで期限の定めがあるんです。これだけ大規模に被害規模が広がっていて、現時点でも確認作業が追っかけてやっているというような状況にあるわけで、私、前例もあるというふうに聞いているんですよ、この延長。三十日ということで機械的な対応にならずに、延長措置というのはもう直ちにとるよということをお知らせしておいた方がいいんじゃないかというふうに思いますし、等ということで含まれると思うんですけれども、児童福祉施設の中に学童も含まれることになろうかと思うんです。そういうところについても、申請をするということになるわけですから、対象に漏れがないように、この点でも周知、この制度は使えるものなんだということで周知徹底をしていただきたい。いかがでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) まず、この三つを私ども社会福祉施設等災害復旧費補助金と、こういうふうに言わせていただきますけれども、これについては被災後三十日以内、これは書いているものと書いていないものがあるんですが、基本的に同じ扱いになっているんですが、三十日以内に都道府県が、当該都道府県を管轄する地方厚生局に対して協議書類を提出していただくことになっております。これは、委員も御指摘のように、一日も早く復旧をしていただきたい、そのためにも早く提出をし、早く交付の支給を決め、そして一日も早い復旧と、こういう思いではあります。
 ただ、例えば東日本大震災の際は、自治体の要望を踏まえて、これ六十日に延長している事例もございます。したがって、今後、各地区における復旧の状況、自治体の事務処理の状況も踏まえて復旧支援を行っていくことが重要でありますから、大阪府など各自治体の状況をお伺いして対応していきたいというふうに考えております。
 また、先ほど学童の話もありまして、学童も当然含まれるわけでありますが、そういった点も含めて、当該補助金の活用に係る周知徹底、これについては速やかに実施をさせていただきたいと思います。

○倉林明子君 本当に被害は甚大で、日を追って被害状況がだんだん判明してくるというような状況にありますので、地方自治体の負担ということを考えましても、この期限については、やっぱりしっかり見て対応していくということでもありますので、柔軟な上にも柔軟な対応をよろしくお願いしたいというふうに思います。
 そこで、さらに、地元でも大きな問題になっているのが、学童が亡くなることになりました危険なブロック塀、石塀などで亡くなったという例もありましたけれども、この危険なブロック塀については、余震などもありまして早急に対応が求められると。さらに、全国的にもこの危険なブロック塀の指摘があって、文科省では緊急に調査もやって対応していくという方向で進んでいるようであります。
 京都市でも公共施設のブロック塀の緊急点検をやったということなんですけれども、千件やって七百か所以上のところがもう補修必要だというようなちょっと状況が、まあ危ないところを見ていったのかもしれないんですけれども、そういう状況があるんです。支援制度もやっぱりこれは必要だということで、独自制度もつくったということだそうです。
 しかし、その福祉施設のところをどうするのかということになるわけで、子供さんや障害者、社会的弱者がいるところでもあります。外へ倒れて迷惑を掛けるということもあるし、中に倒れたらそういう人たち守れないということにもなりますので、このブロック塀に対して、危険なものですよ、解体除却ということに対する財政支援が、私は、国がつくりましたということになりますと、安心して取り組めると思うんですよ。
 一刻も早くこういうところ、福祉施設で危険なブロック塀が除去できるように、解体撤去できるように、支援策については直ちに方針も示していただきたい。いかがでしょう。

○国務大臣(加藤勝信君) まず、厚生労働省では、今回の事故を受けて、各都道府県等に対して、各社会福祉施設等におけるブロック塀を含む耐震対策及び安全点検の状況を確認するとともに、その結果を踏まえて必要な安全対策を行うよう、これは周知を既にさせていただいたところでございます。
 ブロック塀の解体除去ということでありますけれども、安全点検を行った結果、そのブロック塀の修繕行う場合は、児童福祉施設等については次世代育成支援対策施設整備交付金、保育所については保育所等整備交付金が活用できるということでありますが、御指摘の介護施設とか障害者施設については具体的にそういう仕組みがございませんので、我々としても実態をよく把握して、安全対策という観点からどういう対応ができるのか検討していきたいと考えています。

○倉林明子君 保育所の方の整備の交付金ですよね。調べてみると、壁ですね、それを整備するための費用という書き方、整備事業ということになっているんです。じゃ、ブロック塀の解体や撤去にもこれ使っていいということで、要は使えるものなのかというようなちょっと踏み込んだ確認させていただきたい。

○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 先ほど大臣からも答弁申し上げましたように、子供の分野、次世代育成支援対策施設整備補助金、また、保育所につきましては保育園等整備交付金、これにつきましては、今お話ございましたように、いわゆる外構といいますか、外壁、ブロック塀などについて、安全対策を踏まえて直すときには、整備内容としては防犯対策強化というような表現を使ってございますが、実質的に今お話ございましたような形の改修に子供の分野については使っていただいて構わない、解体撤去の費用については補助できるという形で……(発言する者あり)ですから、正確に申し上げますと、安全対策をして解体をして外構を整備するという場合についての費用を一体として整備をさせていただいているということでございまして、あえて申し上げれば、解体するだけというのではなくて次に向けての整備をするという一連の中で補助をこの制度として活用していただけるという仕組みになってございます。

○倉林明子君 新しく塀を整備したときに、それに伴う解体撤去についてはマルということで理解いたしました。
 今御説明あったとおり、介護のところはないんですよね。介護のところは復旧でもやっぱり事業者持ちが多いんですよね。そういう意味でいうと、大変厳しい経営実態にあるというのが介護施設でもあろうかと思います。私の地元でも、グループホーム、古い民家を借りていたのが潰れちゃって、もうとっても元に戻れないと、大家さん直す気ないということ、そんなことにもなっているんです。
 本当にその現地、現場で復旧ができるような支援ということでいいますと、現状の制度だけでは復旧できないというところもあるんだと、そういうところもよくくみ上げていただいて、今回の地震を踏まえた必要なやっぱり補強が必要なんだということ、これは指摘にとどめておきたいと思います。
 その上で、次の質問です。
 一度、前回議論もさせていただいた旅館業法の議論のときに民泊の問題取り上げました。そのときも指摘をいたしましたが、簡易宿所、いわゆる旅館業法に基づく簡易宿所が京都ではもうやたら増えてえらいことになっているということを申し上げましたが、そのときよりも更に増加傾向にありまして、影響が深刻に広がっております。市議会にもこの問題での陳情が相次ぐと。
 二〇一六年四月、ここで規制緩和がされたというのが簡易宿所なわけですが、面積要件の緩和と併せて一室でも可能ということで、そういう営業形態のところで苦情や相談、深刻な近隣住民とのトラブルというのが頻発しているんですね。これ、旅館業法の規制緩和によって周辺住民との大変なトラブルということも引き起こしているということになっているんですね、結果として。
 こういう旅館業法の規制緩和のこうした影響について、周辺住民とのトラブルを更に広げているというようなことについて、大臣の認識を聞いておきたいと思います。

○国務大臣(加藤勝信君) 平成二十八年四月から、簡易宿所の規制緩和、これは、現に違法な民泊サービスが広がっている実態を踏まえて、そうした違法な民泊を法的枠組みに組み入れると、こういう観点から、小規模な施設でも簡易宿所営業ができるように、簡易宿所営業の面積要件の緩和を行ったものと承知をしております。
 確かに、京都市で見ると、二十八年も多いんですが、二十九年度については日本全体のかなりの割合が京都ということでございますので、そうした一部の地域では簡易宿所の顕著な増加が見られるということでございます。ただ、この増加分の中には、違法民泊だったものがこういった意味で法律、法的枠組みに入ってきた、こういった面もあるんだろうというふうに思います。
 その上で、先般、旅館業法等を改正をさせていただきましたけれども、改正法附則には、施行後三年を目途として、改正後の旅館業法の規定、まあこの中には簡易宿所も当然入るわけでありますが、ついて改正後の実施状況を勘案して検討を加え、必要な措置を講ずるとされているわけでありますので、この規定を踏まえて、旅館、ホテル、簡易宿所を含めた旅館業法の全体的な施行状況を把握し、必要な措置を講じていくということになるわけで、簡易宿所についても、この規制緩和による影響についてはこの過程の中でしっかり把握をさせていただきたいと考えております。

○倉林明子君 生活が懸かってくるというぐらい大変な状況になっていて、今、法の見直しに向けての把握はするということですから、是非、早急に、確かに京都市は特殊なんですよ、簡易宿所がやたら増えるという中で違法民泊と変わらない近隣への影響、悪影響を与えているという実態がありますので、その点では早急につかんでほしいなというふうに、これは強く要望しておきたいと思います。
 そこで、京都では、同時に、市が全体として宿泊施設を増やすんだということで呼び込んでいるということも影響いたしまして、ホテルの建設がすごい勢いで進んでいるということなんです。京都市というのは、住宅地を囲むように商業地、田の字型、で、その中に住宅地があると、その住宅地は路地で形成されると、そういう町づくりになっている、町並みになっている関係で、商業地にホテルが建ちますと住宅地が隠れてしまうといいますか、住宅地の周り、近接してホテルが建つと、こういう状況になっちゃうんですよ。つまり、住宅地には建たなくても、近接しているので大変住環境にも影響が出ているというぐらい、ホテル建設ラッシュになっている。
 これ、簡易宿所の急増と併せまして、客室数がもう飽和状態と言っていい状態なんですね。何が起こっているかというと、ダンピングなんですよ。一万六千円だったシングルが四千円まで大きいところが落とすと。そうなって何起こるかというと、昔からの旅館業、ここが一月、二月なんか客ゼロというところもあったというんですよ。
 だから、旅館業法をしっかり守って、客室というか、その宿泊、安全で衛生的な宿泊業としてやってきた人たちがもう経営危機というようなことになっているんです。私、実際にもうこれは総量規制が要るぐらいになっているんじゃないかと思っているんです。
 旅館業法を所管する大臣として、感想でいいですけど、お聞かせください。

○国務大臣(加藤勝信君) 京都の伝統的な旅館等々を、やっぱりそういうのはしっかり残していくというのはよく理解するところでありますが、旅館業法については、ここが定める公衆衛生上のルールをしっかり守っていただく、また、今住宅専用地域の話がありましたけれども、営業は基本的には住宅専用地域で認められないなど、住宅地の平穏な環境を守るための必要な規制が置かれているわけでありますので、こういう規制等はしっかり守っていただくのはこれは当然のことだというふうに思います。
 ただ、そこから先にまさに合法的にホテルを造ったり簡易宿所を造っているということになると、これは言わばほかのサービスにおいても同じようなことが言える。まさにそういった競争をすることによってより良いサービスが提供されていくということにもなるわけなので、国によって一律に総量規制をしていくというのにはなじまないのではないかなというふうに思いますけれども、ただ、委員御指摘のような、京都の美しい町並みというものをしっかり守っていくということは大変大事なことだろうというふうに思います。

○倉林明子君 いや、本当に今、中国資本等が入ってきまして、路地丸ごと買い上げる、地価が上がる、住めなくなる、このぐらいの事態に発展してきているという状況なんです。
 ただ、ホテルだけの問題ではなくて、民泊、住宅宿泊事業法、簡易宿所の規制緩和、これが、急速に京都の町が壊れる事態になりつつあるということを改めて指摘して、簡易宿所を、指導も入っているんだけど、これを入口で規制するということをやらないと本当に止められないということだと、これ重ねて申し上げまして、今日は終わります。