年金過少 是正は政府の責任で 倉林氏“業務委託見直せ”(厚生労働委員会)
日本共産党の倉林明子議員は29日、参院厚生労働委員会で、老齢年金の過少支給について政府の責任によるすみやかな是正を求め、日本年金機構の業務外部委託の見直しや有期雇用職員の無期雇用転換などで年金業務の体制を確立するよう求めました。倉林氏は、過少支給が100万人以上、37億円もの規模になるとして、「マイナンバー記入欄が申告書に加わったことが混乱を招いた」と指摘。加藤勝信厚労相は、「今回送る再提出用の申告書にはマイナンバー記入欄をつくっていない」と答えました。
倉林氏は、マイナンバー不要を確認し、周知徹底を要求しました。また、今回の緊急救済措置で、申告書不備で差し戻しになっても提出扱いにしていることを挙げ、「政府として踏み込んで、責任ある対応をすべきだ」と強調しました。
倉林氏は、年金業務委託業者が海外業者に契約に反して再委託をした問題を追及し、水島藤一郎機構理事長は、「委託業者の審査厳格化などを検討している」と答弁。倉林氏は委託そのものを見直すよう求めました。
機構の有期雇用職員で3月末の契約期限は1356人、正職員化8人、無期雇用試験は合格235人、不合格268人です。
倉林氏は、「労働契約法の無期転換は無条件の権利だ」と強調。「外部委託推進や非正規定員3700人とした基本計画(閣議決定)の縛りは外すべきだ」と訴えました。加藤厚労相は、基本計画の縛りを外すとは言わないものの「柔軟な対応はできる」と答弁しました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
二〇一五年の五月に不正アクセスによる情報流出事件が発覚したと。先ほども御紹介あったとおり、厚生労働大臣の業務改善命令を受けて機構が日本年金機構再生プロジェクトを策定した。来年度が最終年度ということに当たるわけです。再生プロジェクトの最終点の取組課題、一番が年金業務の抜本改革ということになっていたはずであります。正確な年金給付業務、これは受給者のみならず国民の信頼の原点だと、これは言うまでもないことだと思います。
ところが、その後もずっと議論ありますけれども、残念ながら信頼を裏切るような誤りというのは繰り返されているわけですね。私、極めてやっぱり事態は深刻だというふうに受け止めております。今回、年金から所得税を過剰に徴収していたというもので、あってはならないことであります。
改めて確認をさせていただきたいんですけれども、二月の年金給付がもう過剰徴収によって減額された可能性のある人、何人になっていたのか、そして影響額はどれだけあったのか、お答えください。
○参考人(水島藤一郎君) 扶養親族等申告書の入力誤り又は入力漏れによります二月の年金支払において源泉徴収税額が本来より多かったことで年金額が少なくなっていた方でございますが、合計で十万四千人でございます。その額は二十・一億円でございます。
○倉林明子君 それは業者のミスのことでしょう。それ以外含めて、一回も提出できていないという方もいらっしゃるわけだから、その規模たるや大きなものあると思うんですね。確かに、これ全体で見れば百五十万人ぐらいになるんじゃないかと思うんです、二月時点ということで見ると。平均すれば二・五万円というのもありますので、二月時点では三十七億円ぐらいの過剰徴収がされていたんじゃないかと思えるわけです。
これだけの過剰徴収をやったと、こういう事案というのは、振替加算の問題もありましたけれども、こういう入力漏れ、同様の事案で過去に例がありますでしょうか。
○参考人(水島藤一郎君) いわゆるそのパンチミス、今回と同じものではございませんが、システムの委託業者がテープを掛け漏れをしたという事例がございます。それは平成二十四年二月に公表いたしておりますが、対象者は七万一千九百八十四件、影響金額は十七億円でございます。
○倉林明子君 これも外部委託によって起こった事案なんですよね。これは速やかに対応ができたということで、四月でほぼ解決ができた事案ではあった。しかし、今回というのは、はるかに影響も大きいし、重大なのは、先ほど来指摘あるように、情報流出の危険というのがこれまだ不安は払拭されていないという問題だと思うわけです。
この過剰徴収についていえば、三月の支払で解消できたというのは、いまだ七万八千人にとどまっております。で、四月でこれ年金控除されるということで見ますと、七十・五万人、申告書が一度も提出されていない、つまり年金の基礎控除されていないという方は、前回は、確認しましたけれども、七十二・八万人、いまだいらっしゃるわけですね。こういう方々を見てみますと、本来受け取れるはずの額よりも少ない年金というのが四月の時点でも受け取るということになるわけですよね。数か月にわたって、本来よりも少ない年金を受け取らざるを得ないという方々が大量に残る。大臣、どう思いますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 委員御承知のように、日本年金機構が所得税法の規定に基づき所得税等を源泉徴収した上で年金のお支払をしていると。その源泉徴収税額を算定するためには、扶養親族等申告書の提出、これが前提になってくるわけであります。
この平成三十年分の扶養親族申告書については、税制改正等に伴い、様式の変更、特にマイナンバーの記入等が求められていたと。それまでははがき等で、前年と一緒だったら一緒でいいですよというチェックだけすれば済むといったものと比べると、かなり難しい内容になっていたというところであります。そうしたこともあって、扶養親族等申告書の現時点での提出のない方が例年よりも多数おられるという、この現実をしっかり我々は受け止めなければいけないと思っております。
そして、この問題に対応するために、四月下旬に申告書の様式をもう一回見直しをさせていただきまして、また改めて手紙もそれに盛り込みまして送付をするということにしております。
具体的には、提出するだけで税率が五・一〇五%になりますというような旨を記載をした、そうした分かりやすい一枚紙を同封するということと、それから、先ほど申し上げました、マイナンバーについても記入欄を設けないということで様式を簡素化するということを考えております。
ということを含めて、今、七十二・八万人のお話がありましたけれども、一人でも多くの方にこの申告書を提出をしていただいて、そしてそれに基づく源泉徴収額が算定され、そして年金額が支払えるように努力をしていきたいと思っております。
○倉林明子君 私、一番大事だなと思っているのは、本来正確な正しい年金が受け取れるはずの人に少ない額でしか数か月にわたって年金給付できないということに、私は、大臣として痛みを感じていただかないといかぬのと違うかと思って、これ質問をしたんですよ。その思いはどうですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 一つは、委員の御指摘の中にあるこの仕組みの問題もあるんだと思います。基本的にこの扶養親族申告書の提出をいただくことが、簡単に言えば五%の税率が適用される、そうでなければ一〇%になっていると。これは税制法上の仕組みになっているわけであります。
それを前提とした上で、それに多くの方々が対応できるようにしていくというのは、これは私たちの仕事、もちろん機構を含めた仕事だと思っておりますので、そういった面において、今回、特にこうした制度改正に伴って申告書の中身あるいはその様式がかなり複雑化していたということ、それに対して十分な対応ができていなかったということ、これをしっかり反省をし、まず、当面分かりやすいものに変更し、また、先ほど申し上げたような注意書きを付けたような手紙も同封して、一人でも多くの方に提出していただき、そして、それによって言わば五%が適用していただける、こういう状況をつくっていきたいと、こう思っております。
○倉林明子君 年金機構の、要はこういう委託業者によって起こったミスじゃない、申告の提出ができていないという方々に対しても、やっぱり申し訳なかったということでの対応というのが、迅速な対応というのが私は求められるということを重ねて申し上げたい。
それから、もっと先に聞こうと思っていたマイナンバーについて言及ありましたので、ちょっと答弁を確認させていただきたいと思うんですね。
これ、申告書を受け取った受給者のところでの混乱の大きな要素になったのが、これ、マイナンバーを一緒に記入するということが加わったというのがあったわけですね。
先ほどの大臣の答弁は、新しい分かりやすい申告書にはマイナンバーの記載は求めないという理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 前送らせていただいた申告書には、マイナンバーを書いてくれという欄がありました。今回はそれを入れずに、しかし、摘要欄というところがございますので、マイナンバーを申告していただく方についてはそこにお名前を書いてくださいということであります。
ただ、そこにマイナンバーが書かれていないからといって、扶養申告書が、何といいますか、申告書として十分でないということにはならないと、要するに、それでも私たちは、私たちというか、機構においては届出として受け入れますと、こういうことであります。
○倉林明子君 欄は作るんだけれども書かなくてもいいという周知まできちんと徹底する、こういう理解でよろしいですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 正確に言えば、欄は作っておりません、欄といいますか、マイナンバーを書く欄は作っておりませんから、そこに……(発言する者あり)ですから、欄がないわけですから、欄は書くことができません。
ただし、マイナンバーを登録していただく場合には、摘要欄というその他いろいろ書いていただく欄があるので、そこに書いていただけると、追加的に書いていただける方は書いてください、こういうことであります。
○倉林明子君 書かぬでもええということをきっちり周知する、間違いないですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 書かなくても、書かなくても……(発言する者あり)よろしいでしょうか。書かなくてもいいということ、というよりも、今回のこの改正では……(発言する者あり)いや、マイナンバーもということになっていますから、書かなくてもよいというところまではなかなか踏み込みにくいと思いますが、ただ、書きなさいといって欄を前回は設けさせていただきましたが、今回はそういう欄を設けていないということであります。
○倉林明子君 混乱のないように、本当に丁寧にそこら辺、また、窓口での対応ね、きっちりできているような衆議院で答弁あったけれども、まだまだ不十分ですので、書いてこいと言って返している部分も聞いておりますので、そこはきっちり周知徹底していただきたい。現場での今の申告書で返ってくる分についても対応方はよろしくお願いしたいと思います。
そこで、未提出の人々の中には、一旦提出いただいた、しかし、出し直しの必要があるとしてお返ししている分がありますね。こういう方々が十八・三万人おられます。
これらの人に対しては、実は四月の支払分で、本人分のみ控除の扱いという緊急的な措置とっているんです。私、これ、いいことだと思うんですね。
しかし、所得税法上、申告書は未提出という扱いになるんじゃないかと思うんです、これらの人々は。にもかかわらず、本人分の控除をなぜできるんでしょうか、説明してください。
○政府参考人(高橋俊之君) 扶養親族等申告書の提出があった場合とない場合、御指摘のように、所得税法で具体的に計算式が定められてございます。
これまでは、記載内容が不備のため返戻した後再提出されていない場合には、申告書の提出がない場合に該当すると解釈して、一〇%の適用としてきたわけでございます。
しかしながら、今般の事態を踏まえまして、年金受給者の立場に立って業務を行うと、こういう観点から、法律の規定をどう解釈できるかということを再検討いたしまして、今後、返戻後未提出の場合であっても、その場合でも一回はお出しいただいたという事実があるわけでございますから、所得税法上の申告書を提出した居住者に該当する者といたしまして、本人分控除分を適用するとともに、税率五%を適用するということとしてございます。
○倉林明子君 あのね、そういう踏み込んだ対応が、年金機構だけじゃない、税制改正の影響があってこういうことになっているわけだから、政府としてしっかり踏み込んだ対応というのは必要だと思うんですよ。一度も提出ない、ないという年金受給者にその未提出の責任を負わせていいのかと、それも年金減額という対応でですよ、それはやっぱりないやろと思うわけです。
税制改正した政府、そして高齢者の実態、これを無視したような不親切な申告書を送ったのは誰かと、その根拠はどこかと、その責任を考えるならば、私は、未提出だからといって、年金受給者なんですから、はっきりしているんですから、五%控除というのをやるべきじゃないかと思います。どうですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げたその所得税法の規定というのがございますので、それでは少なくとも一度も申告書を提出していない方については、扶養親族等申告書を提出した居住者として五・一〇五%の税率を適用するということ、これは法律の規定上、これはできないということに……
○倉林明子君 そんなこと分かっていますよ。
○国務大臣(加藤勝信君) いや、それは分かって御質問されているのは分かっていますが、ということになっておりますから、その法律を乗り越えてやるということは、これは行政府としてできないことは御理解いただきたいと思いますが、ただ、今お話がありました、今御指摘がありましたように、じゃ、提出、未提出をどう判断するのかというところについては、今回、多分税務当局ともいろいろ調整をした上で、これは提出をして見直すことができるのではないかとか、それから、先ほど申し上げた、より提出していただきやすい環境をどうつくっていくのか、それらに含めて、それらについては、私たちも機構を含めてしっかり努力をさせていただきたいと思います。
○倉林明子君 私は、信頼回復の大きな努力が見える部分でもあると思うんですよ、ここは。税制改正しなかったらこんなことになっていないんですよね。そういうことも含めて、政府全体として、今回の措置という臨時的な対応であっても、踏み込んで、やっぱり提出できていない方々に対する責任ある対応、五月にはその判断すれば支払できるわけですから、やるべきだということを重ねて求めておきたいと思います。
そこで、先ほど来議論があります情報の委託、再委託の問題、これ外部委託の問題をやっぱり本当に考え直すときに来ているというふうに思うわけです。受給者の個人情報、マイナンバーも含めてという、今回なったんだけれども、そういう重要な個人情報を外部委託するということで、このまま進めていいのかどうかと、ここが問われているんじゃないかと思うんですけれども、機構の方はどうお考えでしょうか。
○参考人(水島藤一郎君) 基本計画において積極的に外部委託を行うと定められているということにつきましては、先ほど来御説明申し上げているとおりでございます。しかし、今回の事案を踏まえまして、大臣からも、今後業務委託をする場合における事務処理の在り方について見直しせよという御指示をいただいております。
この具体的な見直しの方向でございますが、機構におきまして現在プロジェクトチームをつくって検討を進めておりますが、まず、入札前の書面審査の厳格化を行いたいと考えております。次に、入札後、契約前の履行能力の確認を行った上で、契約を締結をするかどうか等々について、現在検討を進めているということでございますが、今後、こうした検討や個人情報保護の重要性を踏まえまして、しっかりとした体制を構築するべく、検討を適切に行ってまいりたいと考えております。
〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
○倉林明子君 基本計画なんですよね。やっぱり閣議決定ということで重い枠がかぶっているということを、そこを私は見直すべきだというふうに思っております。
結果として、今回の事案で、委託業者の誤入力、入力漏れ、およそ数百万人分ぐらいが現場の職員が、機構職員がこれやっているんですよね。職員に対して私は極めて過重な負担をかぶせた、こういうことになったんだろうと思うんです。その責任についてはどうお感じですか。端的に。
○参考人(水島藤一郎君) 機構の職員に対してこのような作業、業務を行わせたということについては、極めて重い責任を感じております。テレビ会議等で事情を説明をいたしまして協力を依頼いたしましたが、大変、職員からは協力について、積極的にと申しますか、協力をしてくれているという状況でございます。職員には心から感謝をしているところでございます。
○倉林明子君 現場でこういうことがあると窓口で怒られるのが職員なんですよね。そういう意味でいうと、本当に職員に対する責任、今回の事案というのは大きいなというふうに改めて言わなくちゃいけないと思うんです。
そこで、理事長の思いというのがよく分かるなというインタビューを私、見付けまして、去年の四月、ネットの雑誌だったかと思うんですけれども、そこでこんなふうにおっしゃっているんですね。四年前の着任時のお話で、忘れもしないのが、労働組合の委員長が誇りの持てる職場にしたいという言葉だという紹介です。年金制度を運営執行する機構の仕事は、そもそも社会に必要な仕事です、その仕事に誇りが持てないということはあり得ないのです、職員が誇りを持てないと感じているのであれば、それはこの国にとって大変不幸なことですと。
私もそのとおりだなと思って読ませていただきました。誇りを持って働ける職員処遇に私はなっているんだろうかと。
そこで、指摘したいのは、有期雇用である特定業務契約職員、今相当数になっております。これ指摘したことあるんですけれども、時間給は相変わらず最低賃金に張り付くような賃金ですよ。ようやく賞与の見直しが一部始まるということで歓迎しますけれども、昇給はないわ、退職手当はないと。さらに、四回有期雇用の契約を毎年度更新していくと、五年目で契約終了ということが原則となっております。
今年も三月末で契約終了という有期雇用職員が発生していると思います。何人おられますか。
○参考人(水島藤一郎君) 本年度末で契約期限上限となる有期雇用職員は全体で千三百五十六名でございますが、そのうち八名が正規に登用されまして、また無期転換職員への転換が二百三十五名ございます。この方々を除く千百十三人が今回期限を迎える方ということになります。
ちょっと内訳だけ申し上げますと、この中で無期転換試験の応募資格を有していない方が二百五十八人、無期転換を希望しなかった方は百七十四人、受験したが採用に至らなかった方は二百六十八人、受給資格の短縮に係る業務終了によって退職になる方が四百十三人ということでございます。
来年度からでございますが、賞与等あるいは専門職制度の創設等、無期化を進める中で、有期雇用職員、無期化職員の処遇の改善に努めてまいりたいというふうに考えております。
○倉林明子君 無期転換でも雇用をかなりやって、頑張っているんだというお話だと思うんだけれども、今度、労働契約法が改正された下で無期転換権が発生する、新たに発生するんですよ。これ、試験していたらええというものじゃないんですね。五年目で無期転換権が無条件に発生するわけですよね。これまでどおりにこういう試験をしているからよいという雇用ではなくなっているはずなんですよね。無条件で発生する労働契約の趣旨に反するということが、今お話を聞いている限りだと二百六十八人発生するということになるんじゃないかと思う。
これは、独立行政法人、厚生労働省の下での独立行政法人として、労契法の趣旨に反するような雇用というのは、私はこれ見直す必要があるというふうに思います。経験積んだ無期雇用の職員というのがいかに大事な戦力になっているかというのは、理事長、一番知っていると思うんですよね。低過ぎる処遇、それでも働き続けよう、こういう人たちを五年で雇い止めすると。これは余りの仕打ちだと。機構にとっても不幸なことだと。
機構でも改善に向けた努力というのは全くないとは言わない、様々努力積まれていることは私は率直に評価したいと思います。しかし、機構の努力には限界がある。それは、先ほど、そのだ理事の指摘の中でも答えられていたとおり、基本計画、閣議決定された基本計画がこの定員の総数に縛りを掛けている。率直におっしゃって、理事長、おっしゃったとおりだと思うんですね。私、この当面の業務に関する基本計画で非正規雇用は三千七百人だと。この枠を本当に取っ払うということを、この間の不祥事が繰り返し起こっているということの、やっぱり見直すべき大きな部分ではないかというふうに思っているわけです。
大臣、この当面の業務に関する基本計画というのは、当面のが付いたまま機構発足以降全く見直しされていない。この間、どれだけ不祥事起こったかと。そのたびにいろいろ改善試みるんだけれども、うまくいかない。繰り返しているわけですよ。この基本計画、閣議決定については本当に見直す、そういう決断するときじゃないかと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 今お話がありました当面の基本計画というのは、日本年金機構の当面の業務運営に関する基本計画として平成二十年の七月に閣議決定されたということだと思います。これについては、いろんな意味での議論をした中で、それぞれ正規、また正社員等々についての定員等が盛り込まれているというふうに承知をしておりますが、その中で、機構の非正規職員の定員については三千七百人と定められております。そして、その枠内で定員を管理する必要があるとありますが、ただ、これはシステム刷新など一連の改革が終了した時点での人員数ということですから、今日この現在において三千七百ということを言っているわけではないのは御承知のとおりだというふうに思いますので、そこは改革終了するまでの間における様々なことがありますので、それに対しては柔軟な対応ができる、こういう仕組みだというふうに思います。
その上で、先ほど来いろいろ議論がありました。また、これからも今回の外部への委託についての議論をしっかり有識者の専門委員会でやっていただくということでございます。そういったことも含めながら、しかし他方で、やはりしっかり仕事をする必要はあるけれども、そこで掛かる経費というのは結果的に保険料やあるいは税金に跳ね返ると、こういう部分もありますから、そこをしっかり見極めながら対応していかなければならないというふうに思います。
○倉林明子君 結局三千七百人ってゴールで縛り掛けているというところを外さないと……
○理事(石田昌宏君) 倉林君、質疑終了時刻が来ていますのでおまとめください。
○倉林明子君 はい。
外さないと駄目だということを重ねて強調して、柔軟な上にも柔軟な運用を求めて、終わります。