相談所の体制整備を 改正児童福祉法成立 倉林氏求める(厚生労働委員会)
(資料があります)
児童虐待防止のために司法の関与を強化する児童福祉法などの改正案が14日の参院本会議で、全会一致で成立しました。
採決に先立ち、日本共産党の倉林明子議員は13日の参院厚生労働委員会で、児童相談所体制整備や権限の強化を「子どもの最善の利益を大切にする観点から、最優先で取り組むべきだ」と求めました。
倉林氏は、児童虐待を理由とした一時保護は2カ月を超えてはならないとされているものの、保護期間の平均が50日を超える県や、2年経過する事例もあると指摘。根底には受け皿の不足があるとし「緊急避難的な一時保護の状況が長期化している問題は早急な改善が必要。受け皿となる施設の増設は急務の課題だ」と強調し思い切った対応を政府に求めました。
さらに、虐待相談対応件数は1999年以降、8・9倍になっている一方、児童福祉司は1・4倍の増員にすぎないと指摘。2019年度までに児童相談所強化プランの目標について「早期達成が必要。大幅な目標の引き上げも視野に入れてやっていくべきだ」と迫りました。塩崎恭久厚労相は「一時保護所の整備も含め、児童相談所の増設等の必要な支援策を講じていく」と答えました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
児童虐待を理由に児童相談所が子供の一時保護した件数というのが、二〇一五年度、過去最多となりまして一万七千八百一件だと、保護件数全体の約半数に及ぶという数になってきております。
先ほど来議論になっておりますけれども、一時保護は本来二か月を超えてはならないということですけれども、実態はどうなっているのか、改めて私からも確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(吉田学君) 一時保護の実態についてのお尋ねでございますが、まず前提として、私ども厚生労働省としましては、今回の法案を検討するに当たりまして、有識者の方々から御検討いただきました検討会において、この一時保護の期間別の件数について全国の児童相談所に対し平成二十八年の四月一日から七月三十一日までの四か月分、四か月の間に一時保護が終了したケースを対象に調査をしたというまず調査サンプルだということを御理解いただきたいと思います。
その上で実態でございますが、期間という意味では二か月というのを念頭に置かせていただくと、二か月未満というものが全体の占める割合で約八八%、二か月以上というものが約一二%でございました。また、一時保護としての在所日数につきましては、これは二十七年度のデータでございますけれども、一時保護の在所日数、全国平均が二十九・六日という形でございます。
これ事前に御指示いただきまして、もうちょっと中で見れないかというお話もございました。都道府県別で見ると、山形県が五十一・三日という形で平均で一番長くなっており、鳥取県が八・四日ということで最短ということでございます。
○倉林明子君 平均すれば二十九・六日という全国平均の数あるんだけれども、県でいえば山形県がそれよりも、五十日超えていると。最長ということで見れば、これ二年経過するというような事例もあるというふうな結果出ているんじゃないかなと思うんですね。
私、子供の生命の安全確保という観点からあくまで緊急避難と、これが一時保護だというふうに思うわけですね。そういう観点からいうと、なぜこれ二か月以上になっているのか、原則超える例が出ているのかということで、先ほど答弁もあったように、適当な受皿が見当たらない、家庭にも帰せないと。つまり、待機をこの一時保護でしているような状況をつくっているというふうに思うわけです。適切な環境とは言えないわけですから、あくまでも緊急避難的な措置になっているわけで、受皿、確かに家庭的な監護を促進していくという観点からの取組を私否定するものではありません。しかし、この緊急避難的な一時保護という状況を長期化しているという問題は、早急に改善しなくちゃいけない問題でもあろうと。
今の子供たちが置かれている状況改善、こういう観点から受皿となる施設の増設というのは考えるべき急務な課題ではないかというふうに思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘のように、一時保護を必要とする子供の数というのは増加傾向にあって、中には、入所率が大分出ていますが、一〇〇%前後になっている一時保護所もあって、このため、地域の状況に応じて一時保護所の数とか定員を増やすということ、それから里親等への一時保護委託も進めなければならないという、そういう状況であるわけであります。
厚生労働省においては、従来から一時保護所の改修などに必要な整備費の補助を行うとともに、平成二十八年度からは、里親に一時保護委託をした場合の手当も引き上げ、それから、児童養護施設等が一時保護委託児童を一定数受け入れることができる専用の居室等を設けている、そういう場合には運営費に対する補助の加算も行うということなどをやってきてまいっておるわけでございます。
子供の安全等を適切に確保するためには、一時保護所の整備、それから里親等への一時保護委託、こういったことに一層の推進を掛けていかなければならないというふうに思っておりまして、引き続き必要な支援を行ってまいります。
○倉林明子君 虐待による保護の増加という、こういう状況が続いておって、はっきり言いまして、やっぱり施設整備や委託というのは現状追い付いていないという実態だということは、もう言うまでもないと思うんですね。そこで、いろいろやってきているんだけれどもということで、今御紹介もあったとおりだと思います。さらに、環境改善、一時保護所の環境改善も含めて思い切った対応、補助率も含め、支援策の強化も含めて踏み込んだ対応が必要だということは強く申し上げておきたいと思います。
そこで、ぱんぱんだという御紹介もあった児童相談所の実態なんですね。
衆議院でも大臣も答弁されていましたし、今日も答弁ありました。児相の方々がいっぱいいっぱいで対応できていない、本当にそうだと思います。人員的なキャパが超えている、そこで、中核市、二十三区でも児相をつくってもらうんだと、非常に苦労している児相が丁寧な対応が可能となるような状況をつくっていかなきゃいけないと、こういう趣旨で答弁されている。本当に、私、そこが肝になってくるんだろうと思います。
児相を増設をする、いろいろ補助率上げたりという取組されていることは承知しておりますが、これを本当にしっかり増やしていけるような支援も踏み込んでやっていく必要があるというふうに思いますけれど、大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 全体として業務量が児童相談所において過重になっている、そういうことを考えて、また、きめ細かな、編み目を細かくするという意味においても、中核市、特別市、そういったところへの児童相談所を設置するということで、全体の児童相談所の数を増やせば、当然カバーする範囲は少し狭くなって濃密なお世話ができるようになるんではないかと、そういうこともあって、中核市、特別区における児童相談所の設置を昨年の児童福祉法の改正法の附則を踏まえてやったりしているわけでございます。手当てをしているわけでございますが、法施行後五年をめどに全ての中核市、特別区において児童相談所を設置できるように必要な支援を行うと、こういうことでありますから、これは言ってみれば児童相談所を増やすということになるわけでございます。
こういうことで、厚労省としては、平成二十九年度予算では児童相談所設置に係る事務量の増加に対応する職員配置への新たな補助を創設をいたしました。それから、児童相談所の設置準備から開設までに必要な事項をまとめたマニュアルを作成をして新たにやりやすくするようにということ、それから、各都道府県等に対して児童相談所設置自治体の拡大に向けた協力を依頼をするといった支援策を講じてきているわけであります。さらに、先月九日に中核市市長会の総会がございまして、私が出向きまして、そこで直接私の方から市長の皆様方に、中核市に是非児童相談所を設置していただきたいと、その意義を説明をするとともに、私どもとしても支援をやるということは法律にも書かれていることでありますから、前向きに是非御検討いただきたいということをお願いを申し上げたところでございます。
中核市市長会においても、児童相談所設置に向けた検討を行うプロジェクトを今年度に立ち上げて活動を開始しているというふうに承知をしておりますし、今後、厚労省として、現在行っている支援策の効果を見極めながら、中核市などの御意見もしっかり伺って、引き続き必要な支援策を検討してまいりたいと思っております。
○倉林明子君 本当にスピード感持って、児相増設へと、それに、中核市、二十三区にとどまらず増設も踏み込んでいけるように本当に思い切った支援必要だと、子供の命に懸かった問題で、やっぱり環境改善待ったなしだと、増設待ったなしだということで取り組んでいただきたいと、強くこれも要望をしたいと思います。
そこで、一時保護の司法関与の強化について様々御議論もありましたが、私からも質問したいと思います。
検討会に提出されました児童相談所の調査結果によりますと、司法関与が必要だとの回答は三割程度にとどまりまして、仮に司法関与を強化する場合は児相の体制整備が必要である、この回答がおよそ九割ということになっています。
そこで、どういった体制整備の必要性、具体的な中身ですね、お答えもうされていると思います、御紹介ください。
○政府参考人(吉田学君) 御質問いただきました今回の改正法案の検討に当たって行いました全国の児童相談所に対して実施した調査、これ回答数二百九でございますが、その調査結果における特に児童相談所現場の体制整備に必要という具体的な御意見内容としては、今回の司法関与を強めることによって、手続ですとか書類ですとかそういう業務が出てまいりますので、やっぱり人員の整備が必要であるとか、あるいは法的な業務が増えてまいりますので、国としてこれまで支援もしておりますが、現場からも弁護士等の配置が必要であるというような御意見がありました。また、その他という形で自由記載のところには、児童相談所の体制強化に加えて裁判所側の体制強化も要るのではないかという意見でありますとか、あるいは今回の新しく導入させていただこうと思っております司法関与、司法審査の手続に当たって、これやっぱり手続の流れについて研修をする必要があるんじゃないかというような意見も現場からは出ているところでございます。
○倉林明子君 やっぱり体制の整備要求、要望が、やるんだったら是非やってほしいって、こういう声だと思うんですね。
そこで、体制強化の取組はどうなっているかということです。
児童相談所強化プラン、これ策定されているということで、達成は二〇一九年度ということで伺っております。四年間計画と。現在の目標に対する達成状況はどうつかんでおられるのか。弁護士については数値目標ということはないんだけれども、設置状況というのはどうなっているか、確認させてください。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
平成二十八年四月に児童相談所強化プランというのを策定をさせていただいて、今御指摘いただきましたように、平成三十一年度までに児童福祉司などの専門職千百二十人を増員するということで、このために必要な交付税措置も講じられているものと承知をしております。
実績ということでございますが、これ三十一年度までの四年間の目標ということでございますけれども、それに対して、プランを策定した時点における直近数字、これが平成二十七年四月、これが発射台でありまして、実績の取れます二十八年四月、言わば二十七年四月からプランを作ったときまでの一年間の増員として、児童福祉司につきましては最終的な四年間の目標五百五十人に対して九十六人、うちスーパーバイザーという形では増員目標百十人程度に対して四十二人の実績、児童心理司につきましては増員目標四百五十人程度に対しまして四十四人、保健師さんが増員目標百二十人程度に対して十五人ということで、合計、四年間の増員目標は、先ほど申しました専門職千百二十人ということに対して、発射台の二十七年四月からまず一年間の期間として、初年度百五十五人という形で実績を承知をしております。
それから、児童相談所における弁護士の配置については、本年四月時点、全国の児童相談所二百十か所ございますけれども、常勤配置の弁護士さんがいるというのが六か所、それから非常勤配置を行っているという児童相談所が八十二か所になってございますし、それ以外、百二十二か所の児童相談所では弁護士事務所と契約をして児童相談所の中における法律業務について処理をしているという話でございました。
私どもとしましては、このプランに基づく配置目標に向けて、専門職の整備、そして弁護士の配置を進めるということで、今後とも着実な増員を各都道府県等に働きかけるとともに、関係省とも連携してまいりたいと思っております。
○倉林明子君 今御紹介、初年度分なんだということだけれども、初年度分としてもなかなか厳しい、目標達成に向けてはね、到達状況ではないかというふうに思うんです。
実際、虐待相談対応件数ということでいうと、一九九九年以降で見れば八・九倍になって十万件超えということになっている一方で、児童福祉司は二・四倍の増だっていうじゃないですか。だから、ここでも追っ付いていないんですよね。対応、スピードが追い付いていないと思う。
私、二〇一九年度の目標というのは本当に早期に達成する必要があると。その上で大幅な目標の引上げも視野に入れてやっていくべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか、大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) 児童相談所強化プランを進めているわけではございますけれども、この対応件数は児童相談所で増える一方という状況で、児童相談所の職員は本当に厳しい状況の中でいっぱいいっぱいで働いていただいているというふうに認識をしています。
こういうことで、昨年四月に、今申し上げたこの児童相談所強化プラン、これを作成をいたしまして、児童相談所の専門職を平成三十一年度までの四年間で千百二十人増員をするということを目指しているわけでございます。これに加えて、昨年の改正児童福祉法を踏まえた政令改正によって、児童福祉司の配置基準、これも、人口当たりの数だけではなくて、人口だけではなくて、業務量も考慮した上で配置を行うということをやってきております。
厚労省としては、まずは都道府県などに対して児童相談所強化プランの着実な実現、これを働きかけまして、それらによる配置実績、児童虐待に関する動向等を踏まえて、必要な見直しを引き続き検討してまいりたいというふうに思います。
○倉林明子君 児童相談所の調査でも明らかなように、この司法関与の前提として、やっぱり体制整備が必要だという回答九割に及んだということは本当に重く受け止める必要があるというふうに思っております。この体制強化という点では国の責任は重いということでしっかり取り組んでいくべきだし、予算措置も含めた目標達成、目標を前倒しで達成できるような取組を強く求めておきたいと思います。
そこで、この司法関与に関わって、児童相談所の調査権限について質問したいと思います。
一時保護の司法審査の導入に当たって、家裁を説得するといいますか、証拠の提供というのが児相に求められるということに新たになるわけです。
そこで確認したいと思います。児童相談所には、第三者に対し資料や情報の提供を義務付ける調査権限の規定、これはありますでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
児童福祉法あるいは児童虐待防止法に、今御質問ありましたように、児童相談所が第三者に対して情報提供を義務付ける調査権限の規定はございません。一方、昨年の児童福祉法の改正におきまして、児童相談所による関係機関からの情報収集に資するという意味では、民間の医療機関あるいは児童福祉施設、学校等の関係機関も、それ以前からありました地方公共団体と同様に、児童相談所長から虐待の防止等に関する資料あるいは情報の提供を求められたときはこれを提供することができる。つまり、民間の医療機関、福祉施設の方からはできるという規定を昨年の法改正で規定を入れさせていただき、昨年の十月から施行しております。
これによりまして、原則として個人情報保護法あるいは守秘義務に違反することなく情報の提供をその方々からできる、児相からすると受けられるということは明確にさせていただきましたので、この旨を周知をさせていただき、また、この後の現場における情報の行き来について注視してまいりたいと思っております。
○倉林明子君 個人情報の保護、これがやっぱり壁になって情報提供断られるというような事例が、児相、先ほどの調査でも五五%になっている。これが更に、児童を保護するという観点からも、長期化してしまうと、情報収集。で、障害になっているというようなことも報道でもされているとおりだと思うんですね。
司法審査の導入と併せてやっぱりこの調査権限そのものももう一つ踏み込んで法制化すべきじゃないかというふうに思うんですけれども、その点、いかがお考えでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) 先ほども御答弁申し上げましたように、昨年の法改正を踏まえて、今御指摘ありました個人情報保護などの関係については、私ども、二十八年十二月の総務課長通知におきまして、個人情報保護なりなんなりの関係について整理を明確にさせていただき、その通知を出すに当たりましては、文科省ですとか、あるいは個人情報保護委員会事務局、あるいは総務省、あるいは法務省など関係部局とも協議をさせていただいておりますので、現場においてそこについてのハードルというのは低くなっている。それを周知徹底して現場が動きやすくするということが次の課題だと思います。
〔委員長退席、理事島村大君着席〕
その上で、さらに、法制化という御質問でございますけれども、なかなか、これまでの法改正の議論の中におきまして、調査権限という形で捜査機関でない児童相談所の調査を、相手方に対して応答義務を掛けるという形につきましては、どういう事案を対象にしてどういった機関に応答義務を課すのかなど、少し課題が多いというふうに思います。
私どもとしては、先ほど申しました、個人情報保護のハードルを低くするとか、あるいは、昨年の改正を踏まえて、民間事業者、これコンビニとか不動産業者の方からの情報提供についても整理をさせていただいておりますので、必要な場合にちゅうちょなく資料又は情報の提供が依頼できるようにということを都道府県等に周知をさせていただきたいというふうに思っております。
○倉林明子君 やっぱりできる規定ということで、周知徹底を含めて様々なところのハードルは下げているということではあるんだけれども、協力を得られないという実態がある下で、児相の調査、児相からの実態として五五%できていないと、情報提供いただいていないというようなことがやっぱり障害になったらあかんと思うんですね。情報収集の遅れというのが子供の命にやっぱり関わってくるという受け止めが必要だと思うんですね。だからこそ児相の調査権限についての法上の検討というのは必要なことじゃないかと思うんですけれど、大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 児童相談所の調査権限の強化についてお話をいただきました。関係者に応答義務を課すことについては、捜査機関ではない児童相談所の調査に対する応答義務をどういうような事案においてどういった機関に課すのかというような課題が多いのではないかと考えています。
一方で、児童相談所による関係機関から情報収集をするということに関しましては、昨年の児童福祉法などの一部改正において、民間の医療機関、それから児童福祉施設、学校などの関係機関も、児童相談所長からの児童虐待防止等に関する資料又は情報の提供を求められるという場合にはこれを提供することができるという、先ほどできる規定というのがありましたが、できることとしておりまして、引き続いて関係者から必要な資料や情報の提供が受けられるようにこうした規定等について周知を行ってまいりたいというふうに考えております。
○倉林明子君 司法関与に伴って児相の負担がやっぱり増えちゃうというようなところをどう軽減していくのかという観点から質問しましたので、是非検討していただきたいなと思います。一方ではスタートする、一方では情報収集についてのハードルは下げているというものの、できる規定での限界はあるということを踏まえて、負担軽減につながっていく検討、求めておきたいと思います。
〔理事島村大君退席、委員長着席〕
そこで、昨年の法改正で家庭での養育が原則というふうに位置付けられたことによって、保護者指導の重要性というのを本当に増したというふうに受け止めているわけですが、一方で、子供の最善の利益が保障されなければならないと、これも規定されたわけですね。指導優先ということになって、子供の権利侵害が長期化されるようなことがあってはならないというふうに思うんですね。
子供の最善の利益を尊重した対応、これ、家裁の勧告に保護者が従わないという場合の対応についても同様に、これ、ここが最大尊重した対応となるところの肝だと思うんですね。子供の最善の利益を尊重した対応、こういう対応を貫いていくんだということを最後大臣に確認して、終わりたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 家庭裁判所は、申立てのあった全ての事案について勧告を行うというわけではないわけで、親子分離が避けられないほど深刻な虐待の場合など迅速な審判が必要と考えられる事案については、従来どおり勧告を経ずに審判が下されると、こういうことになるわけでございます。
勧告が行われる事案についても、審判までの期間というのは個々の事案ごとに家裁の判断がなされるわけで、必ずしも最終的な保護者指導の効果を見極めるまで待たずとも審判がなされることもこれまたあるというふうに考えられます。
また、今回の改正法案では、勧告に基づく指導を行った後に却下の審判がなされた場合にも勧告の下での指導ができる仕組みとしておりまして、この仕組みを活用することで、指導の効果が認められ、親子分離が必要でないというケースについて、必要以上の審判の長期化を防ぐことができるのではないかというふうに考えております。
厚労省としては、こうした勧告の仕組みの活用方法について都道府県等に周知をすることによって、この仕組みが勧告に適した事案に活用されるとともに、審判が必要以上に長期化をすることのないようにしてまいらなければならないというふうに考えております。
○倉林明子君 昨年の法改正で、大きく大事な改正だったと。子供の利益、子供の最善の利益を大切にするというこの観点から、今回の法改正の実施に当たってもしっかりこれ最優先で取り組んでいただきたい。これは求めまして、終わります。