倉林明子

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中心市街地活性化法改正案 経済産業委員会 反対討論

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第186回国会 経済産業委員会 2014年4月17日
中心市街地の活性化に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)

〇委員長(大久保勉君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

〇倉林明子君 私は、日本共産党を代表し、中心市街地の活性化に関する法律の一部を改正する法律案に反対討論を行います。
地域の商店街や中小小売店が大型店との商業機会を調整し、その無秩序な出店に歯止めを掛ける役割を果たしてきた大店法が一九九八年に廃止され、まちづくり三法が制定されました。都市計画法により大型店の出店場所の適否を市町村が判断し、立地場所が決定した後の大型店には、大店立地法により周辺環境への影響についての配慮を求め、あわせて中心市街地活性化法により町の中心部のにぎわいを取り戻すというものです。
しかし、まちづくり三法制定後も大型店の郊外出店や一方的な撤退による町壊しが続いたため、二〇〇六年には郊外への大規模集客施設の出店が原則禁止されました。ところが、国土面積の三割しかカバーしない都市計画のゾーニングでは大型店の出店は抑制できないばかりか、自治体の中心市街地活性化基本計画を総理が認定する仕組みを盛り込んだことで、人口十万人未満の自治体は支援の外に置かれることになりました。計画を認定された自治体でも、意図せぬ郊外への大型出店や隣接自治体への出店により、中心市街地活性化の取組も確実な成果に結び付きませんでした。大店立地法で商業調整を禁じられている下では、都道府県が広域的な調整を目的とした独自の条例を作っても、その効力には限界があります。
これらの実態を直視すれば、まちづくり三法を抜本的に改正し、大型店の身勝手な出退店を規制するルールを作らなければならないことは今や明らかです。まちづくり三法の問題を放置したまま本法案によって民間投資の喚起を口実に中心市街地の開発を促進したとしても、住民不在の再開発など、町の無秩序な開発を招くものになりかねません。
大店立地法の更なる規制緩和も、住民本位の町づくりに逆行するものではないでしょうか。そもそも、アメリカは、WTOに違反するとして大店法の廃止を日本に求めていました。一方、同様の出店規制をしているフランス、イギリス、ドイツには規制の撤廃は要求していませんでした。日本を狙い撃ちにした要請に対し、日本政府は、外交の場では大店法がWTOのサービス貿易協定に違反しないと主張しながら、国内ではWTO違反を口実に大店法を廃止したのです。欧米諸国では、商業調整や都市計画の手法を組み合わせて大型店出店のルールを作ることが当然のこととして行われております。アメリカにもはっきり主張してこそ中心市街地の活性化の未来につながることを指摘しまして、反対討論といたします。

〇決議された附帯決議
中心市街地の活性化に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一 中心市街地活性化基本計画の実施に関しては、計画の実効性を確保するための定期的なフォローアップを十分行うとともに、適切な評価指標の在り方についても検討し、必要に応じて基本計画の変更等を求めるなど、PDCAサイクルを確立すること。併せて、中心市街地の一層の活性化に向けて、これまで講じられてきた予算、税制等の支援措置が中心市街地にもたらした効果及び課題について更なる検証・評価を行い、支援措置の在り方を検討すること。
二 少子高齢化や都市機能の郊外移転等が進展する中、中心市街地活性化を効果的に実現するために、子育て、医療・介護等を含む幅広い施策の実施に注力していくこと。その際、それぞれ固有の課題を抱え、それに応じた対応策を必要とする全国の中心市街地に対し、各地の取組の実例等幅広い情報の提供に努めること。
三 中心市街地活性化施策の実施に当たっては、関係各省が連携を密にすることで各省所管の施策を積極的かつ効果的に実施するとともに、市町村側のニーズを十分把握し、連携不足が指摘されるような場合には迅速な改善を行うこと。その際、中心市街地活性化本部が明確なビジョンを示し、施策の総合調整を行うとともに、実効性のあるワンストップサービスの構築等の具体的な対応を行うこと。
四 中心市街地活性化基本計画の実施その他のマネジメントを行うためには、まちづくりに関する知識やノウハウを有するタウンマネージャー等の人材の育成・確保が重要であることに鑑み、まちづくりに関わる人材の量的・質的な充足のため、研修を通じた人材の掘り起こし及び能力向上を図るとともに、中心市街地活性化協議会及びまちづくり会社等における活躍の場を提供するための環境整備に努めること。
五 中心市街地特例通訳案内士の制度運用に当たっては、通訳案内士を依頼する訪日外国人の満足度を低下させることのないよう、語学能力や基本的な日本社会・文化に対する理解等の水準を十分に確保すること。
六 空き地、空き家、空き店舗など、計画区域内の遊休資産の有効活用が重要であることに鑑み、流動性の向上や合意形成を促すため、税制措置を含む施策を早急に検討すること。
右決議する。