倉林明子

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病床削減認められぬ 必要な医療確保を(2025/6/17 厚生労働委員会)

(議事録は後日更新いたします)

 日本共産党の倉林明子議員は17日の参院厚生労働委員会で、2年で病床を約11万床削減する自民、公明、維新3党による合意について「全国で始まっている医療崩壊をさらに加速させる。断じて容認できない」と追及しました。

 倉林氏は「すでに補助金を活用した病床削減は加速している」と強調し、病院が病床数を削減すると補助金を受けられる病床数適正化支援事業(2024年度補正予算)は1次分で7170床分が決定し、医療機関からの申請は5万床を超える規模だと指摘。「少なくない医療機関でコロナ融資の返済が本格化し、経営破たんの瀬戸際まで追い詰められている。背に腹は代えられないと、この補助金申請が殺到している」と指摘しました。

 一方、補助金を受けられたとしても1回限り最大2億円で、経営危機を脱するには桁違いに足りず、「求められている切実な支援策は借入金の負担軽減だ」と主張。返済期間の延長を金融機関などに働き掛けるよう求めました。

 福岡資麿厚労相は「国の立場から民間の契約内容に介入することは難しいが、丁寧な対応が図られることは重要だ」と答えました。

 倉林氏は「病床削減を続けてパンデミック(感染症の世界的大流行)に耐えられるのか」と指摘し、改めて検討会議を設けて新型コロナの検証を行うよう要求。「病院は経営破たんで、補助金がなくてもこのままでは大幅な病床削減が進む。それで本当に命が守れるのか。必要な医療提供体制を確保する責任が国にある」と主張しました。


議事録を読む(未定稿)
(この会議録は未定稿です)

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 障害者年金の不支給の問題につきまして、私の方からも質問したいと思います。
 今回、二四年度分の決定分からサンプルを抽出した調査を行ったと。その結果、新規裁定、この部分で非該当が一三%あったと。前年度と比べると一・五倍に増えているということが分かりました。精神障害では約二倍という結果が出ております。今後、二四年度分で不支給及び下位等級に認定された全件の点検行うという御説明ですけれども、それぞれ対象となる件数はどれだけになるのか。そして、当然、認定や等級が上がった場合は遡って年金の支給がされることになるわけです。聞きたいのは、作業の完了のめどはどの程度に見込んでいるのか。

○政府参考人(巽慎一君) お答えいたします。
 今般の障害年金に係る調査結果を踏まえまして、精神障害等の令和六年度以降の不支給などの事案につきましては、速やかに、障害年金センターに配属される常勤医師を中心としたチームによる点検を行うこととしております。点検の件数につきましては数万単位の件数を見込んでおりますが、詳細につきましては、今後の点検の中で確認、公表してまいりたいと思っております。
 その上で、不支給事案は機構から障害の状態を再度確認する機会、再認定がございませんので、こうしたことから、令和六年度以降の不支給事案を優先的に行い、令和七年度中に点検を行ってまいりたいと思っております。

○倉林明子君 相当な規模になるということで、大変な作業量になると。現状の業務やりながらということにもなっていこうかと思いますが、速やかに、これやっぱり令和六年度からということですけれども、取組を強めていただきたいと、体制についても後から触れたいと思います。
 調査報告書によりますと、二二年度、つまり令和四年度から障害年金センターの職員によって障害等級案、事前確認票が作成されていたということが明らかになりました。初めて知りました。業務統計では、コロナの影響前、これ二〇一九年と二二年度の再認定、この結果比較しますと、合計でいいますと、増えているのは二割程度なんだけれども、減額決定で見ますと一・七倍再認定。支給停止で見ると二倍にこれ増えているんですよね。
 今回発覚しました不支給の増加、そして職員による障害等級案等の作成、要は令和四年度から始めたこういう職員による等級案、確認票というようなことでやってきたことが、この二二年度に再認定が増えたということと関連していないのかということを確認したい。そして、そもそもなぜこれ職員が等級案を含む事前確認書を書くことになったのか、したのか、そしてこれは一体誰の指示で始めたことなのか、確認させてください。

○政府参考人(巽慎一君) お答えいたします。
 障害年金における精神障害は、障害等級の目安と診断書等の内容を基に総合的に認定する仕組みとなっております。
 今般の調査では、事前確認票は職員が等級案を記載する欄があり、等級案も含め、認定医が審査する際の参考情報という位置付けであるが、認定医のヒアリングでは、事前確認票は助かっているが、等級案を見て決めているわけではないといった旨の話がございました。
 職員による事前確認は、日本年金機構におきまして、障害年金の認定業務の見直しを進める中で、職員が事前に必要な情報を整理することで、職員と認定医の間で事実関係の確認等の手戻りを減らすなどの観点から導入されたものであります。
 これらのことを踏まえますと、障害等級の目安と診断書の内容を基に総合的に認定する仕組みとなっておりまして、職員が等級案を記載する必要性は高くないと考えられることから、等級案を記載することは廃止することとしております。

○倉林明子君 いや、等級案を書かないようにすると、見直しをしたと。それはそれでそういう見直しをされたんだけれども、実際にこういうことを始めた結果として減っている、減っているわけで、いや、違う、非該当とかあるいは不支給という案件が増えているということが起こった。それ踏まえて、等級案を書く必要性は高くないという判断でやめたと言うんだけど、関連はなかったという認識ですか。

○政府参考人(巽慎一君) 今回の報告書では、目安と最終的な等級、下位等級になっているというところが、令和六年度におきまして、令和五年度では四割程度であったものが七割程度になっているというところに着目して、今回、それらについて点検をするということになっております。

○倉林明子君 今の説明、よく理解できなかったんですけれども、認定医に関する文書も問題になりまして、これについても一定報告の中で触れられています。
 先ほど石橋委員からも紹介ありましたけれども、基本的にこちらの意向に沿って認定していただけますので、認定の方向性や程度、不支給理由に関しても事前にこちらで決めておくのが望ましいと、こういう記載があったと。
 そして、裏付けるように、今回の調査では、目安より下位等級に認定され不支給となったケースの割合高いと。そして、その九割が、九割ですよ、職員の等級案どおりになっていたというわけですよ。これ、職員による等級案の廃止は当然なんだけれども、影響していたというのはこれ明らかじゃないかと思うんです。
 そういうことを踏まえますと、二十二年度にこういうことをやって、実際、再認定のところでの大きな変化が生じていたわけですから、当然、私、二十二年度、二十三年度、この不支給についても検証が改めて必要ではないかと思います。いかがでしょう。

○国務大臣(福岡資麿君) まず、この運用改善徹底するとともに、精神障害等の令和六年度以降の不支給事案等について速やかに点検を行うこととしております。
 今御提案がありました令和四年度及び令和五年度の精神障害等の事案につきましては、不支給割合は今回の調査結果と比較すると低いものの、令和六年度以降の点検結果踏まえて、改めてこの令和四年、令和五年については整理を行うこととしてございます。

○倉林明子君 整理ということですけれども、検証されるんでしょうか。不支給、要は今度のように見直すべきという視点で検証されるのかどうか。確認です。

○政府参考人(巽慎一君) 令和六年度の不支給事案を見まして、その辺りどういったことで、仮に支給になった場合はどういったことでその支給になっているのかということについてはちゃんと精査させていただきます。

○倉林明子君 つまり、そういうことでいうと、二十二年、二十三年度の分についても、令和六年度、つまり二十四年度分の検証結果も踏まえてやるということでよろしいか。

○政府参考人(巽慎一君) まず、不支給割合につきましては、令和六年度でかなり五年度と比べて大きくなっているということありましたので、それも、その六年度の分析、評価ですね、その辺りをして、それが令和四年度、五年度にもつながっていると。四年度、五年度の場合は不支給割合はそれほど高くはなかったですので、そこも踏まえて点検させていただくということです。

○倉林明子君 しっかりやってほしいと思うんですよ。
 要は、本来認定されるべき人が外れていたのではないかということが今度のことで明らかになったわけです。そういう部分については、しっかり調査して、検証して、あってはならない、認定されるべき人が除外されていたと、こういうことを解消していくと。それは、年金行政に対する信頼の回復につながることでありますので、指摘、重ねてしておきたい。しっかりやっていただきたい。
 そこで、職員へのヒアリングで、残業が多いと、毎日書類を処理しなければならない。つまり、現場際で認定作業スムーズにしようと、こういう圧力すごく強かったんじゃないかと思います。認定に掛かる時間が一分程度だったというようなお話も紹介ありました。これいかにスムーズに進めるかということで、職員が事前に書類を準備すると、そして、業務量が多いし、個別の認定が精神障害のグループのところは特に多かったんだという、調査で、ヒアリングの結果も出ていました。
 こういう状況で、これ踏まえたら、個別の認定が適切に行われていたとは言い難い状況に影響している可能性も考えられると、これあなた方、報告書でまとめられていたところなんですよね。認定業務の一本化、センター一本化ということによりまして業務が明らか過重になっているということも浮き彫りになったと思っているわけです。
 そこで、本来認定されるべき人が認定されないと、こういうことを繰り返さないためにも、認定医、そして職員体制、この強化は、今回の不支給の分の検証作業にとどまらず、恒常的な体制強化必要だと思います。いかがでしょうか。

○国務大臣(福岡資麿君) 今般の調査におけますヒアリングにおいても、この精神障害グループは特に業務量が多いと感じるといった発言もございまして、こうした環境が審査書類の記載内容に影響している可能性も考えられるとされたところでございます。
 今般のこの調査結果を踏まえまして、今後認定プロセスについて、審査書類であったり決定理由通知書を丁寧に記載することや、今後の全ての不支給事案について複数の認定医による審査を行うことなど運用改善を行うこととしておりますが、その際には、認定医の確保に努めますとともに、職員体制についても、対応策を踏まえた審査が滞りなく行われるように速やかに体制を確保するなど、日本年金機構と連携して必要な審査体制を確保していきたいと思います。

○倉林明子君 本来、体制上の不足、こんなことを理由に支給されるべき障害年金が不支給になる、あってはならないことなんですよ。繰り返してはならないと申し上げておきたいと思います。
 そこで、次に、自民、公明、維新の三党合意が六月十一日されたということで、その中で、二年間で病床を約十一万床削減だということで、本当に驚いております。全国で始まっている今医療崩壊、これ更に加速させることにつながるものである、断じて容認できないとまず申し上げておきたい。
 そして、既に補助金を活用した病床削減が加速しております。六月中旬をめどに出すとされておりました病床数適正化支援事業、この第二次の内示について現状報告を求めたいと思います。
 あわせて、二四年度補正の医療施設等経営強化緊急支援事業、現時点で残余はどれだけか。これ活用するという方向示されていましたので、同時に確認させてください。

○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。
 病床数適正化支援事業につきましては、令和六年度補正予算による議員御指摘の医療施設等経営強化緊急支援事業のうち、病床数の適正化を行う医療機関に対する支援を行うものとなっております。
 この本事業につきましては、医療機関から当初の想定を大幅に上回る五万床を超える申請がございまして、本年四月、都道府県に対して、第一次内示として約七千床分の予算配分を行いました。
 次回の、次の第二次内示につきましては、医療施設等経営強化緊急支援事業の他の事業で生じた残余を活用して行う方向ということで検討しておりますが、現在、その残余額や次回の内示の配分額等の詳細については現在各事業の執行状況を精査しているところでございまして、現時点でお示しすることは困難でございますが、引き続き検討を進めていきたいと考えております。

○倉林明子君 中旬までということは答弁されていたので、確認をさせていただいたところです。
 要は、一次分で七千百七十床が決定されて、示された活用意向、今あったように五万床を超えるという規模になっておりますよね。少なくない医療機関が、コロナ融資の返済、これを本格化しているんですね、今。そういう中で、本格化する、経営破綻の瀬戸際まで追い詰められているというのが実態なんですよ。背に腹は代えられないと、そういうことでこの補助金申請が殺到しているという現状があります。
 そこで、補助金は受けられたとしてもですよ、一回限りで最大二億ということになります。実際に経営危機を脱するということでいうと桁違いなんですよね。コロナ融資に加えて、今、既存の融資、既存の借入金、これの返済負担が、年収のです、年収の四%、収入の四%を超えるという医療機関が少なくないと伺っているんです。求められている切実な支援策は何かといいますと、この借入金の負担をどう軽減するかということなんですよ。
 福祉医療機構の返済期間、十年ですよね。据置期間はありますけれども。これが本当に重たいことになっているんです。この返済の期間を二十年ということで延長してほしいという要望がかねてより寄せられております。と同時に、WAMだけじゃないんですよ、他の金融機関からも借りているのが重たくなって、経営破綻に陥りかねないという状況になっています。
 だから、病院の経営を一体的に支援するということであれば、この他の金融機関の支援、融資についても延長を政府からも申し入れると、厚労省からその声上げると、必要だと思います。いかがでしょう。

○国務大臣(福岡資麿君) 医療機関の経営の厳しさは、もう再三委員からも御指摘をいただいてきたところでございます。政府としても様々な措置講じてきましたが、これらの効果をよく把握した上で必要な対応を検討していく、その中で、それまでの間に資金繰り悪化で医療が継続できなくなる事態を防ぐため、福祉医療機構の融資を大幅に拡充したところです。
 返済期間の延長につきましては、今般、大幅に拡充した融資では通常五年間を十年に延ばした上で無担保無利子としているところでございまして、まずはこの補正予算等による措置を全国へ速やかに行き届かせるとともに、返済困難な貸付先に対しましては、医療機関の運営継続を最優先として、経営状況に応じて、元金返済開始の延期であったり毎月の償還額の見直しといった丁寧な対応が図られることが重要であると考えています。
 また、御指摘ありました民間金融機関に対します返済期間延長の働きかけにつきましては、国の立場から民間の契約内容に介入することは難しゅうございますが、福祉医療機構と民間金融機関が連携しながら丁寧な対応が図られるように取り組んでいくことは重要だというふうに考えております。

○倉林明子君 丁寧にいろいろやっているんだけれども、返済期間の十年というのが大変今しんどい状況になって、要は、キャッシュフロー赤字ということが続いたらどうなるかといったら、資金ショート起こすんですよ。で、最大の懸念が、一つの壁が、壁というか山が、この夏のボーナスなんですよ。夏のボーナスが出せないと、そんなことになったら看護職の離職というのは一層加速します。
 そういう状況をこのまま加速させていいのかというような状況の中で、緊急にいろいろやってきたけれども、融資の返済が重たくのしかかっているところをどれだけ負担軽減できるのかと、これは本当に、厚労省声上げて、いろいろやっているから経過見てと言ったら、夏に資金ショート起こしかねないという状況まで来ているというところで、危機感持って支援に取り組んでいただきたいと思うんです。一番、やっぱりこの融資の期間、返済期間の延長というのが一番効き目があるということは現場の声ですから、受け止めていただきたい。
 病床削減を続けて、十一万床の合意ということまでされて、これ本当に起こり得るパンデミックに耐えられるのかと。私は、改めて検討会議も設けて、コロナの検証、病床は足りていたのかと、どうあるべきだったのかと、改めての検証を求めたいと思いますけれども、いかがでしょう。

○国務大臣(福岡資麿君) 医療提供体制につきましては、地域ごとに質の高い効率的な体制を確保するために、地域医療構想による医療機関の役割分担、連携であったり、昨今の患者数の急激な減少等による経営悪化を踏まえた病床数の適正化への支援などの取組を進めております。
 こうした中で、先日の自由民主党、公明党、日本維新の会の三党による合意におきまして、新たな地域医療構想に向けた病床削減が盛り込まれましたが、合意文書の中で、地域の実情を踏まえた調査を行う、感染症等に対応する病床は確実に確保するとされておりまして、厚生労働省としましては、これを踏まえて、感染症等に対応する病床等の地域の医療提供体制への影響であったり、医療機関の意向等にも留意しながら、地域の実情を踏まえた調査を行う等の必要な対応を進めていきたいと考えています。
 なお、新興感染症の発生に備えました医療提供体制につきましては、内閣官房に設置されました新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議における新型コロナ対応の検証を踏まえ、令和四年に感染症法を改正した上で、地域ごとに必要な病床が確保されるよう、平時から都道府県と医療機関で協定を締結するなど、必要な取組を進めているところでございます。

○倉林明子君 大幅な病床削減が補助金なくったってこのままだったら進んじゃうんですよ、経営破綻で。それで本当に命が守れるのかと。必要な医療提供体制を確保する責任は国にあるんだと重ねて指摘して、終わります。