倉林明子

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医師抜本増は不可欠 宿日直の実態告発(2023/4/25 厚生労働委員会)

(資料があります)

 日本共産党の倉林明子議員は25日、参院厚生労働委員会で、医師の宿日直の実態について質問し、抜本的増員を求めました。

 医師が夜間勤務(宿直・当直)を行う場合は、通常、労働基準監督署への届け出は必要なく、当直(宿直)勤務中に医師としての通常業務を行えば、時間外労働となります。しかし、「夜間に十分な睡眠が取ることができる」など労働基準法の基準にのっとって宿日直許可を取得した場合、宿日直時間は労働時間に含めなくてよく、賃金も通常の3分の1でよいとされています。

 直近の宿日直許可件数は、2021年の233件から、22年の1369件となっており、倉林氏は「昨年に入って急増している」と指摘。勤務医労働実態調査実行委員会の22年調査では、宿直(当直)勤務中に通常業務を行うなど、8割が基準に該当しない実態が明らかになったと告発しました。

 倉林氏は、要件を満たしていないのに許可が出ているとすれば「医師の労働時間規制の形骸化につながりかねない。厚労省が誘導するなどあってはならない」と指摘しました。

 倉林氏は「長時間労働の解消は医師の命を守るためにも待ったなしだ。地域医療を守り、医師の働き方改革を両立させるためには医師の抜本的増員が不可欠だ」と主張しました。


 


医師、看護師等の宿日直許可基準について


宿日直の実態


議事録を読む

○倉林明子君 日本共産党の倉林です。
 二〇二四年の四月に迫りました医師の働き方改革について質問したいと思います。
 改革に当たって、勤務間インターバルの確保が義務付けられ、これ実質的には連続勤務は二十八時間と、これ義務付けとなるはずですけれども、いかがですか。確認です。

○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
 特例水準が適用される医師における勤務間インターバル及び連続勤務時間の制限でございますが、通常の日勤の場合には、始業から二十四時間以内に九時間の連続した休憩時間の取得、すなわち連続勤務時間を十五時間に制限すること、また、宿日直許可のない宿日直に従事する場合には、始業から四十六時間以内に十八時間の連続した休憩時間の取得、すなわち連続勤務時間を二十八時間に制限することというふうにしておりまして、議員御指摘のとおり、連続勤務の時間は二十八時間以内になるものと承知してございます。
 ただ、C1水準が適用される臨床研修医につきましては、一日ごとに確実に疲労を回復させるという観点から、勤務間インターバルの九時間を必ず確保して連続勤務時間を十五時間に制限するということとしておりまして、また、臨床研修における必要性から指導医の勤務に合わせて二十四時間の連続勤務とする必要がある場合には、二十四時間の連続勤務を認める一方で、その後の勤務間インターバルを二十四時間としているところでございます。

○倉林明子君 確実にその宿日直含めて二十八時間連続勤務ということが守られないと、働き方変わらないと思うんですね。これ、明記もして、徹底をしていくということは求めたい。
 そこで、医師に過労死ラインの約二倍となる年間千八百六十時間という時間外労働を認める特例水準、B、Cということでありますが、これ審査を受けるための申請状況について確認をしたい。水準ごとにそれぞれ何件出ていて、医師数は何人になるのか。あわせて、宿日直の許可件数、これ、過去三年間、直近までの実績で御紹介ください。

○政府参考人(榎本健太郎君) 今委員御指摘ございましたように、令和六年の四月以降、兼業、副業先も含めた医師の時間外・休日労働時間の上限については年九百六十時間が原則となりますが、都道府県知事による指定を受けた医療機関については、これが年間上限千八百六十時間となる特例水準が適用されてまいります。
 この指定でございますけれども、医師の労働時間の短縮に係る取組状況等について医療機関勤務環境評価センターによる評価を受けるということが必要となっておりまして、特例水準別の審査申込件数自体はちょっと詳細把握してございませんが、全体の件数は令和五年四月十八日時点で六十九件と承知をしております。
 また、都道府県知事による特例水準の指定は医療機関に対して行われるものではありますけれども、やむを得ず長時間労働となる医師は指定を受けた後に医療機関内で特定する必要がございます。
 現在、医療機関においては、医師の働き方改革の施行に向けて医師の労働時間短縮に向けた取組を進める中で、長時間労働となる医師がどの程度の人数になるのかといった確認を行っていただいているというふうに認識しております。今後、特例水準の指定申請に向けた取組を進める中で、対象となる医師の人数についても少しずつ大枠が明らかになってくるものと承知をしております。
 また、宿日直の許可件数についてお尋ねございました。令和二年が百四十四件、令和三年は二百三十三件、令和四年は千三百六十九件というふうになっているところでございます。

○倉林明子君 千三百、最後のところ、ごめんなさい、数字聞き取れませんでしたので。

○政府参考人(榎本健太郎君) 失礼いたしました。
 令和四年は千三百六十九件となっているところでございます。

○倉林明子君 宿日直の許可件数が昨年に入って非常に伸びております。今御紹介あったとおりです。
 基準、この宿日直の許可基準というのは、令和元年に見直しがされて以来、これ変わっておりません。資料でも、厚労省のホームページから取りましたけれども、一、二、三、四と条件がありまして、三番目、宿直の場合、夜間に十分睡眠が取り得ることが必要だと、こういう許可基準なんですね。宿直でも通常の業務がある実態というのは大きな変化ないんですね、今の現状の働き方で見ていますとね。ましてコロナ禍でしたので、医療逼迫を繰り返していたのも現場なんですね。
 それなのに何でこれだけ爆発的にと言ってもいいほど許可件数が増えたのか、御説明いただきたいし、医療機関の宿日直の許可申請に関するQアンドAというのを出しておられます。その中で、問い五の答えの部分だけ読み上げて御紹介いただきたい。

○政府参考人(鈴木英二郎君) お答えいたします。
 該当箇所を読み上げさせていただきます。
 宿日直許可を受けた場合には、その許可の範囲で、労働基準法上の労働時間規制が適用除外となります。今後、令和六年四月から医師の時間外労働の上限規制がスタートしますが、宿日直許可を受けた場合には、この上限規制との関係で労働時間とカウントされないこと、勤務と勤務の間の休息時間、勤務間インターバルとの関係で、宿日直許可を受けた宿日直、九時間以上連続したものについては休息時間として取り扱えることなど、医師の労働時間や勤務シフトなどとの関係で重要な要素になることが考えられますという記述でございます。

○倉林明子君 回答、答弁は簡潔でいいんですけれども、聞き取れるようにはっきり言うていただくと有り難いと思います。
 宿日直許可について、これ、医師の働き方改革として使えるというような表記になっているんですよね。
 私、ここで、全国の勤務医の労働実態を調査したものとして、二枚目に資料を入れておきました。二〇二二年度の調査になっておりまして、勤務医労働実態調査二〇二二実行委員会が取りまとめたものから部分を抜粋したものであります。これ、上が宿直の内容で、回答は七千五百五十八名ということで、相当な回答数が得られているものです。八時間宿日直に、宿直許可要件ということで、先ほど言いましたように寝れるということが大事なんですね、十分な睡眠時間取れると。ところが、これ見ますと、寝れているのは二割程度で、八割は仕事あるわけですね。通常業務と変わらないというような回答も見受けられました。さらに、その下が宿直明けで、六五・七%が通常勤務となっていると。
 こうなりますと、三十数時間の連続勤務と、連続労働ということで常態化しているというわけですね。こうした実態がありながら宿日直としてお墨付きのようなものを厚労省が与えれば、これ二十八時間を超える連続勤務と、これ許されることになるんじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがですか。

○政府参考人(鈴木英二郎君) お答え申し上げます。
 医療機関に関します労働基準法第四十一条に基づきます宿日直許可につきましては、労働基準監督署におきまして、特殊の措置を要しない軽度の又は短時間の業務に限る、宿直の場合は夜間に十分な睡眠が取り得るものであるものに限るなど、宿日直許可基準、今の、先ほど委員が御指摘されたものでございますけれども、に適合しているものに限って許可の判断を行っているところでございまして、許可基準に適合しなければ許可することはございません。
 その上で、特例水準が適用される医師の勤務間インターバルにつきましては、宿日直許可のない宿日直に従事させる場合であっても、始業から四十六時間以内に十八時間の連続した休息時間を確保することとしているところでございます。
 このため、私どもが許可していない、許可基準に適合していない勤務につきましてはこれが適用されますので、二十八時間を超えて連続して行うことはできないこととなると考えてございます。

○倉林明子君 そうなんですよ。できないことになるんだけれども、宿日直許可をいっぱい出しているんですね、今。それが結局、先ほど読み上げてもらった、早口で余り分からぬかったと思うんですけれども、宿日直許可を受けた場合はその許可の範囲で労働時間規制が適用除外になりますと言うて説明しているんですよ。
 それだけじゃなくて、宿日直許可を受ければ、賃金は最低三分の一でいいということになるわけですよ。QアンドAでは、それだけじゃないんですよ、救急や産科でも許可できますという回答しているし、回数制限についても例外を紹介すると。まるで基準逃れの指南書みたいやと私は読んで思いました。
 全国の医師ユニオンに対して、厚労省から、一時間に五人程度の患者を診察しても宿日直許可を申請してもよいという指導が、一つじゃないんですよ、複数の医療機関に行われているという相談寄せられています。厚労省はこうした指導を行っているんでしょうか。

○政府参考人(鈴木英二郎君) 私ども厚生労働省本省からそのような指導をしろという指示を出したこともございませんし、労働基準監督署又は令和四年四月から設置しております医療機関の宿日直許可の申請に関する相談窓口においてもそのような相談は行っていないと承知しているところでございます。

○倉林明子君 いや、どっちかがほんまのこと言うてないということですよ、そうなったら。
 実際にそういう相談来ているという声を私、紹介したんです。医師の労働時間規制の形骸化になりかねないからですよ。そういうことを厚労省が誘導するなんていうことはあってはならないということは指摘しておきます。
 厚労省は、二〇三五年に千八百六十時間の特例は解消するということを目標としているわけです。過労死水準の二倍にも達する長時間の、長時間労働の解消というのは、医師の命を守るという課題なんですよ。待ったなしです。地域医療を守るという課題あります、確かに。どうやってこの労働時間を短くしながら地域医療を守るのかと、医師の働き方改革を、これ両立させていくという課題が大きいんだけれども、これ、その宿日直の許可ばんばん出して解消しようとすると、結局長時間労働が是正されないということになるわけですよ。
 私は、抜本的な医師の増員が不可欠だと、働き方改革にとって。医師の養成数を両立に見合った数に引き上げるべきだ。これは大臣、どうぞ。

○国務大臣(加藤勝信君) まず、医師の働き方改革については、来年四月の施行に向けて着実に準備を進めていく中で、今委員お話しのように、一方で、医師の健康を守り、同時に地域医療を確保していくということが必要であります。そのため、都道府県や医療機関を対象に施行に向けた準備状況や地域医療への影響に関する実態を把握しながら、例えば、都道府県と連携し、対象となる医療機関に対して勤務環境の改善や医師確保に関する支援を行っているところであります。
 医師数の話がございましたが、平成二十二年から令和二年までの十年間で全国で約二十九・五万人から約三十四万人と四・五万人増加をし、直近の医師需給推計、これ令和二年度でありますが、医師の働き方改革に関する検討会報告書を踏まえ、労働時間を週六十時間、年間九百六十時間に制限した場合、令和十一年頃には需給が均衡すると推計をされているところであります。
 しかし、他方で、地域や時間帯によっては医師が不足する場合もあるわけで、そうした場合の医師確保については、特定の地域や診療科での勤務を条件とする地域枠を医学部定員に設定する、医師が不足する医療機関に医師を派遣できるよう、地域医療介護総合確保基金による大学病院等への寄附講座の設置、非常勤講師の確保経費への補填等の取組を支援をしているということでございます。
 こういった措置をとりながら、医師を確保しながら、働き方改革、そして地域医療提供体制の確保、これを一体的に進めていきたいと考えております。

○倉林明子君 増やしてきたと、いずれ足りると、そう言うて抜本的な増員をしてこなかったから、医師が過労死するような長時間労働を現場で強いられていると。正面から向き合って増員に踏み切るべきだということを強く申し上げたい。
 次に、看護師です。看護師は、昨年度末の大量離職の状況に加えまして、新卒看護師の採用が今困難になっております。看護体制の確保が厳しいという実態についてどうつかんでいるか、そしてその要因はどうか。簡潔に。

○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
 看護職員の離職状況につきましては、日本看護協会が行っております病院看護実態調査によって把握をできるところでございますが、例年、当該年度の離職状況は翌年度末に公表されるということから、現時点において、令和四年度の看護職員の離職状況のデータは把握ができているところではございません。
 なお、あくまで参考ではございますけれども、幾つかの医療機関からお伺いしたところでは、直近である昨年度の状況において、看護職員の離職が多くなっているとする医療機関もあれば、そうでないとする医療機関もございまして、医療機関ごとに離職の状況は異なっているというふうに考えているところでございます。

○倉林明子君 いや、そんなのんきなこと言うてる場合じゃないんですよ。
 日本病院協会が、今数が出ていましたけれども、調査したところ、六割の病院で看護師の採用計画が達成できていないと、そこに離職も相次いでいると、そういう状況なんですよ。逼迫しているんです、そういう意味ではね。
 日本看護協会の調査によりますと、看護師の離職率は新卒で二・〇%、既卒で一・九%増えているということになっているんです。新卒離職率というのは、これ二〇〇五年度以降で初めて一〇%超えなんです。
 今年度の新卒というのは、丸々コロナ禍で養成されてきております。学生生活を、そういうコロナで制限を受けざるを得なかった世代が来るわけですね。実習制限も多かっただけに、就職する新卒の看護師さんも受け入れる方も非常に不安だし、それが今の採用計画達成できないというような状況にもつながっているんですよ。私は、直ちに今、現場つかむ必要あるということを強調したい。回らなくなりますから。
 看護師の処遇改善ということで、一つ質問します。
 看護師の離職防止に対して処遇改善欠かせないわけで、令和三年度に実施された看護職員処遇改善事業補助金、引き続きこれが処遇改善評価料ということになりました。賃上げ効果どれだけあったのか。額で。

○政府参考人(伊原和人君) ちょっと金額については把握できておりませんけれども、まず……(発言する者あり)よろしいですか。

○倉林明子君 これ看護協会調べていましてね、額でいいますと、給与で三千円から四千円ということは、増加はあったというデータ出ています。
 この処遇改善の最大の問題は何かというと、救急搬送件数が年間二百件以上と、医療機関、こういう限定付けて、そこで働いている看護師ということにしたことなんですね。就業している看護師の三四%に対象が限定されています。
 訪問看護ステーションの看護師は、コロナになってもどこにも入院できないと、家に戻ってくる患者さんたちを支えるために私たちは頑張ったと、病院で働く看護師も在宅で働く看護師も差はないと。もう本当ですよ。こういう声を受け止めるべきだと。直ちに、看護職員の処遇改善評価料というのは、全ての看護職員を対象とすべきだと、チーム医療で頑張っている全ての医療従事者にも手取りでしっかり三パー上がるような引上げに踏み出すべきだと思います。いかがですか。

○政府参考人(伊原和人君) 御指摘いただきました、全ての看護職員を対象とすべきではないか、全ての医療従事者が三%の賃金引上げになるような措置を講じるべきと、こういった御指摘でございます。
 今後、まずは、今般行いました処遇改善の措置が職員の給与にどのように反映されるかなどにつきまして、令和六年度の診療報酬改定に向けた議論の中で検証していくということにしてございます。
 あわせまして、令和三年十二月の公的価格評価検討委員会の中間整理を踏まえまして、費用の使途の見える化を行いながら、現場で働く方々の処遇改善、業務の効率化、負担軽減に取り組んでまいりたいと考えてございます。

○倉林明子君 いや、物価は上がっているしね。賃金も本当に三%目標にして上げようといって、総理が言わはって始まったことですよ。届いていないんですよ。検証をこれからしてぼちぼちというような段階ではないので、速やかに引上げに向けた作業入っていただきたいと思います。
 本来、提供した医療行為に対して支払われるのが診療報酬と。対象病院か否かで患者負担に差が生じる、医療費負担の差額を合理的に説明できるものではないんですね、今。看護師間の賃金格差をつくる、チーム医療を支える他の医療従事者との分断をつくると、こういうことは本当に見直すべきだと。公定価格だからこそ政府の決断で実行すべきだと申し上げておきます。
 次に、日本医労連が毎年やっています夜勤実態調査の二二年度分がまとまりまして、それを見ますと、更に状態は悪化しております。二交代、長時間夜勤の病棟というのが増え続けているんですね。で、とうとうこれが交代制勤務を取っている病棟の四五%って、これ過去最多になりました。
 コロナの感染、濃厚接触者が出るという年でもありました。出勤停止が相次いで夜勤回数が増えたと。夜勤免除者とか配慮者への風当たりが強まったというわけですよ。そりゃそうですよ。そうなったら、夜勤してくれということで頼まれたらもうできないといって辞めていく職員も目立つという現場の実態があります。
 ILOの議論が先ほどもありましたけれども、批准してない条約なんだけれども、ILOでは看護職員のため労働条件等について条約採択しているんですね。あわせて、勧告も採択しております。その中身で見ますと、一日八時間、時間外も含めて十二時間以内と、勤務間インターバルは十二時間、これがILOの示している時間なんですね。
 せめて、日本看護協会の要望でも繰り返されております十一時間インターバルの確保、十三時間を超える長時間夜勤の回避、これね、義務化しなあかんの違うかと。財政的な保障と併せて実行を求めたい。

○国務大臣(加藤勝信君) あのコロナ禍において、本当に看護、現場の皆さん方が感染のリスク、また等々ある中で、本当に献身的に対応していただいた、このことはしっかり認識をしておかなきゃならないと思っております。
 その上で、その医療提供体制を安定的に運営していくために看護職員の方々が安心して働き続けられる環境整備を図ることは重要ではありますが、御指摘のように、労働時間規制を上乗せで強化することについては、現に運営されている各医療機関の診療体制、ひいては地域医療の提供体制にも影響があるということが想定されるため、慎重な検討が必要ではないかと考えています。
 ただ、その上で、厚労省として看護職員の勤務環境の改善を図ることは大変大事であります。地域医療介護総合確保基金により、勤務環境改善に取り組む医療機関に対して総合的、専門的な支援を行う医療勤務環境改善支援センターの運営に対する支援のほか、診療報酬における看護職員の夜間配置に係る加算において、看護職員の夜間の勤務負担軽減に資する取組を行っている場合評価するなどの支援措置も講じているところであります。
 引き続き、看護職員の方々の勤務環境の整備に向けた取組を進めてまいります。

○倉林明子君 それでどんどん悪化しているんですよ。
 一九九二年、やっぱり看護師不足が社会問題化して、看護師確保法が制定されました。そのときに基本的な指針が同時に策定されまして、指針の処遇の改善の項にはどうあるかと。夜勤負担の軽減として、複数、月八日以内の夜勤体制の構築が明記されたんですよ。あれから三十年ですよ、三十年。悪化しております。
 三交代制よりも負担の重い二交代制に移行して、夜勤の、長時間夜勤がどんどん広がっているわけですよ。回数も守られておりません。夜勤は複数、月八日以内、これ義務化するということから始めないと、現場の状況は改善しません。それを可能とする思い切った増員も本当に必要だと申し上げたい。どうですか。

○国務大臣(加藤勝信君) 夜勤負担の軽減など勤務環境の改善、これ大事であります。
 夜勤を実施する看護職員等の人数については、診療報酬において、一般病棟、結核病棟及び精神病棟の場合は看護職員を二人以上、療養病棟の場合は看護職員一人と看護補助者一人の計二人以上を配置することの措置をしております。
 また、夜勤の回数については、労働時間等見直しガイドラインにおいて、夜勤が通常の労働時間と異なる特別な労働であることに鑑みて、事業主に夜勤の回数の制限を検討するよう努めていただくこととしておりますが、一律に看護職員の夜勤回数を制限することについては、先ほども同様でありますが、現在の診療体制あるいは地域の医療体制に影響があるというふうに懸念をしているところであります。
 しかし、夜勤負担の軽減を進めることは重要であります。地域医療介護確保基金によって、仮眠室、休憩スペース等の新設、拡張に対する支援、また、一部看護職員に夜勤負担が偏らないよう、診療報酬において、夜間の看護職員の配置や看護職員の夜間の勤務負担軽減に資する取組を実施している場合の評価、こういった取組を行っております。
 また、看護職員の確保でありますが、就業する看護職員数は令和二年で約百七十三万人と、この十二年間で三十三万人増加もしているところであります。
 今後も、夜勤負担の軽減のほか、看護師等養成所や病院内保育所の運営に対する財政支援など、新規の養成、復職支援、定着促進、この三本柱を中心に取組をしっかりと進めさせていただきます。

○倉林明子君 あのね、医療提供体制の確保は国の責任なんですよ。看護師がばたばた辞めるような状況というのを本当に緊急に何とかしないといけないと。ちょっと現場行って様子把握していただきたい。
 終わります。