保険料値上げやめよ 後期高齢者医療で / 高齢者の医療奪うな 保険証廃止案を追及(2023/4/20 厚生労働委員会)
(資料があります)
参院厚生労働委員会は20日、健康保険法等改定案についての審議を行い、日本共産党の倉林明子議員は、後期高齢者は受診を控え生活費を削っていると指摘し、保険料値上げはやめるべきだと主張しました。
同案は、後期高齢者の保険料の伸び率を現役世代と同じにするなど、保険料を大幅に引き上げます。倉林氏は激変緩和措置の対象とならない年収220万円の場合の負担を質問。年間保険料が11万2080円にも上ることが明らかになりました。
倉林氏は、公平な負担といいながら公費は減らし続けていると批判。能力を超えた医療費、介護負担と物価高騰で高齢者の暮らしは確実に悪化しており、追い打ちをかける値上げはやめるべきだと主張しました。
倉林氏はまた、昨年10月から実施された後期高齢者医療の窓口2割負担について質問。日本高齢期運動連絡会が2割負担の対象者に行った調査では、住居や介護の費用がかさみ10万円の赤字となっていることが分かったとして、負担能力の再検証を求めました。
厚労省の伊原和人保険局長は「負担能力を踏まえて決定した」と強弁しました。
日本共産党の倉林明子議員は20日の参院厚生労働委員会で、健康保険証を廃止してマイナンバーカードに置き換えるマイナンバー法改定案に関し、75歳以上の高齢者が必要な医療を受ける機会を奪ってはならないと指摘しました。
現在の後期高齢者医療制度では、保険料滞納者に対し、窓口でいったん全額負担(償還払い)しなければならない資格証明書は発行されていません。制度創設時の「高齢者から保険証を取り上げるな」との声を受けてのものです。
倉林氏は、保険証廃止後の運用について質問。厚労省の伊原和人保険局長は、資格証についての方針は変わらないと答えました。
一方、後期高齢者医療制度の保険料滞納者にも発行されている短期保険証は、保険証廃止に伴って廃止され、滞納者は特別の事情がない場合、窓口でいったん全額負担しなければならなくなります。
倉林氏は、後期高齢者医療制度の保険料滞納者2万人が、全額負担の対象となることはないか、受診機会をどう保障するのかと質問。加藤勝信厚労相は「短期証発行と同様、納付勧奨や相談など滞納者との十分な接触の機会を図る」などと答えるのみで、短期証に代わる仕組みについては答えませんでした。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
後期高齢者の負担能力について質疑したいと思います。
既に昨年十月から、後期高齢者の医療費窓口負担の二割ということで始まっております。対象は、単身で年収二百万円、二人世帯で三百二十万円以上と。大臣は、本会議でも聞きましたところ、受診抑制招かないようにしているという答弁ありました。しかし、実態として届いている声は、受診を控えるか生活費を削って対応していると、こういう実態あるんですね。
改めて確認したいと思います。負担能力があるとした根拠は何でしょうか。
○政府参考人(伊原和人君) 申し上げます。
昨年十月から施行しました後期高齢者の二割負担の窓口負担につきまして、その対象範囲につきましては、現在、課税所得二十八万円以上で、かつ、単身者の場合には年収二百万円以上、夫婦の場合には年収合計三百二十万円以上の方としてございます。
この範囲は、まず課税所得で見ますと、後期高齢者のうち、所得上位三〇%以上であるということでございます。また、収入で見ますと、四十年間平均的な収入で厚生年金を納めてきた方の年金額、これが百八十七万円でございますから、これを超える水準であるということを踏まえて設定したものでございます。
実際、当時のこれを決める際の議論としては、平成三十年の家計調査の個票データに基づいて分析すると、こうした方の家計には収支に一定のプラスが見込まれることなど、高齢者の負担能力や生活状況を踏まえて設定したと考えてございます。
○倉林明子君 資料の一と二ということで今日用意させていただいておりますので、御覧いただければと思います。
二割負担導入の際に、先ほど紹介あったとおり、社会保障審議会医療保険部会に示されたモデルの収支というのを一番右に付けています。そして、年収ベースの数字で、これ、単身のところでいうと十三万円の黒字、一番下、になると。さらに、夫婦二人の世帯だと三十六万円の黒字という、こういう数字が社会保障審議会で示されて、議論になっているんですよね。これ、根拠にしたと思うんですね。しかし、この家計調査から抽出したサンプルというのの特性というのは開示されてないんです。どういうサンプルを取ったかというのは分からぬのですよ。
家計調査の方は、真ん中の数字を入れております。これは家計調査なんですが、これ見ますと、月額ベースで、単身、一番下、これ月額になるので、九千四百二円、夫婦のみでいうと一万八千五百二十五円。これ、両方赤字なんですね。年収換算すると、単身で十一万円の赤、夫婦のみで二十二万円を超える赤字というふうになるんですよ。
一番左の数字は何かというと、日本高齢期運動連絡会が、二割負担となる、二割負担になるという人たちの百六十七人の実態を詳細にアンケートで聞き取りもしながらまとめたものなんですね。これ、一番左の欄の特徴を見てみますと、介護保険の利用、ここがすごく大きいんですよ。これは、実は家計調査にも部会に示した資料にも出てこないんです。これが非常に重たいということがよく出ていると思います。これで、実態、実態を反映して取り集めてみると、単身では月額十万円の赤字で、夫婦で十八万円も赤字になると、こういう数字が出てきている、データが出てきているんですね。
政府の提出したデータというのが、実態との乖離、本当大きいという実感、実感反映した数字でもあるなと思うんですね。
二割負担となった人たちの実態を、実態を踏まえた、よろしいか、実態を踏まえた負担能力の検証と、こういうもの必要じゃないかと思うんです。いかがでしょう。
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
先ほど先生が資料でお示しされた六十五歳単身無職世帯、これ家計調査の分析だと思います。それから、それも、夫婦もお示しいただいていますけれども、これ赤字になっておりますが、これは低所得な方から高所得な方まで含めた全ての高齢者世帯の平均値でございます。
ただ、例えば二〇一九年の全国家計行動調査を見ますと、六十五歳以上の高齢者世帯の家計については、低所得者世帯は赤字となっておりますけれども、平均以上の所得のある方については黒字となっております。
ここでお示ししたのはまさに全ての世帯を平均した数字でございまして、結果がこうなっている。我々がお示ししています、平成三十年のときにお示ししたこの七十五歳以上単身モデル、あるいは次のページにあります夫婦モデル、これは年収二百万円の階層の方のデータに基づいて推計したものでございまして、先ほども先生が御紹介いただきましたように、年収二百万円の単身モデルでしたら十三万円が黒字、七十五歳以上夫婦モデルと、年収三百二十万円では三十六万円の黒字と、こういうことになっていたことでございます。
○倉林明子君 いや、実際に介護保険を使っている人たちのところでいうと物すごい赤字になっているというのが、改めてこの高齢期運動連絡会がした調査で見えてきたんです。そういう部分が全く検証結果では出てきてないので、そういう部分で実態反映した再検証が私要るんじゃないかと言っているんです。
二〇一四年に介護保険の利用料の二割負担導入の際も、年間六十万円の負担能力があると、あのときは田村大臣だったかと思いますけれども、そういう、実際には三十五万円の赤字であるということを認めて、負担能力の根拠を撤回したという経過あるんです。撤回したんだけど、そのまま二割負担はやっちゃったんですけれども。
私は、改めて、こういう負担能力の判断という場合、今の部会に、社会保障審議会の医療保険部会に提出された資料というのは再検証ができないサンプルになっているんです。サンプルをそちらでやっているので、サンプルを作っているのはそちらなので。だから、再検証が、第三者も含めて検証可能なデータの開示というのは私は求められると思う。そういうことしないで、説明責任を果たしたって言えないと思うんですね。
後期高齢者の保険料について、能力に応じた後期高齢者の保険料負担の見直しというもので、三枚目に資料を入れております。
これ、真ん中の、下のところに額が入っているところありますけれども、これ二百十一万円を超えると緩和措置がないんですよね。このボーダーぎりぎりのところというのはすごく負担が上がるということになると思うんですけれども、この傾斜が付いているところですけれども、傾斜の中間点で一体どのぐらいの負担になるのかというのは分からないんです。
年収でいうと、二百十一万超えてすぐの二百二十万円あるいは三百万円、上限まで行くまでの間のところですね、ここでの負担というのは一体どのぐらいの引上げになるのか、御説明を。
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
後期高齢者における、後期高齢者医療における保険料は、高齢化等による医療費の増加、いわゆる自然増も反映して二年に一度引き上げておりまして、今回の制度改正による影響を合わせた令和六、七年度の保険料でございますが、年収二百二十万円の方については月額九千三百四十円になると見ております。このうち、制度改正に伴う追加の御負担は月額で四百六十円程度と見込んでおります。また、年収三百万円の方については月額一万一千五百二十円になると見込んでいまして、制度改正に伴う追加の御負担は月額五百七十円程度と推計してございます。
○倉林明子君 負担能力を超えた介護保険料の二割負担に加えて、後期高齢者の窓口負担の二倍化ということが既に始まっていて、そして、更に加えて保険料の引上げと、どんどんどんどん負担増えているんですよね。
年金は実質的に下がるという中で、電気代、これ、オール電化にしている高齢者世帯というの少なくないんですよ、火事危ないから言うてですね。この電気代というのは物すごい値上がりしてます。物価高は、本当にこの間の引上げというのは、生活厳しく圧迫しているという中で、実質的な収入というのは、高齢者のところ、年金生活者のところに行ったら、物すごく悪化しているという声、届いております。
公平な負担と言うんですよね、政府は。公平な負担と言いながらも、公費負担はこれ減らし続けているというのが実態ですよ。高齢者の暮らしに追い打ちを掛けるというような値上げというのはやるべきではないと強く申し上げたい。
そこで次に、後期高齢者の短期証について質問します。
後期高齢者の保険料滞納者に対する資格証明書の問題について質疑ありましたけれども、滞納者というのは、先ほど答弁にもあったようにゼロなんですけれど、あっ、滞納者は、資格証明書の発行はゼロなんですけれども、滞納者に対して短期保険証は交付されております。
そこで確認ですけれども、滞納者の人数、それから短期保険証の交付人数、で、短期証の交付の比率ですね、滞納者に対して、これ、二〇一〇年、二〇二一年の比較でどうなっているのか、数字でお答えください。
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
まず、数字の比較ですけど、二〇一〇年と、直近の実績が二〇二〇年なので、二〇二〇年でお答えさせていただきます。
後期高齢者医療制度における滞納被保険者数は、二〇一〇年度におきましては二十八万五千二百七十九人でございました。二〇二〇年度においては十九万四千九百二十九人ということで、この間に九万人、約三二%減少してございます。
それから、短期被保険者証の交付者数は、二〇一〇年度においては二万千五百五十人、二万千五百五十人、二〇二〇年度においては二万五百五十八人ということで、この間に約千人、約五%減少してございます。
滞納被保険者数に対する短期被保険者証の交付者数の割合ですけれども、二〇一〇年度においては七・六%、二〇二〇年度においては一〇・五%となっております。これは、この間に滞納被保険者数が約三二%減少し、滞納被保険者数、交付者数が約五%減少したことに伴ってこういう変化が起きたと考えております。
○倉林明子君 滞納者は減っているんだけれども、短期証の発行ということでいうと比率は上がっているというふうに今の数字だと思うんですね。
後期高齢者医療制度において資格証明書の交付実績がないのはなぜなのか。先ほども若干紹介ありましたけれども、改めて確認をさせてください。
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
後期高齢者医療制度においては、現在、法律上、保険料を納付することができない特別な事情がないにもかかわらず長期にわたり保険料を滞納している方に対しては、保険証を返還を求め、資格証明書を交付することで、医療費を一旦窓口で全額負担いただく仕組みが設けられております。
しかしながら、後期高齢者医療制度におきましては、これまで、高齢者が必要な医療を受ける機会が損なわれることがないように、資格証明書につきましては、きめ細かな収納対策を講じ、保険料の納付につき、十分な収入などがあるにもかかわらず保険料を納付しない悪質な場合に限って対象とする運用を徹底しておりまして、先ほど御紹介いただきましたように、制度創設以来、資格証明書の交付実績はないと承知しております。
○倉林明子君 これは留意点について通知も出されておりまして、その中では、機械的に行われることにより、高齢者が必要な医療を受ける機会が損なわれることのないように求めているんです。高齢者に対してはやっぱり医療を受ける機会ということをしっかり、損なってはいけないということで趣旨徹底されてゼロになってきたわけですね。
この通知では、仮に資格証明書を交付した場合、医療費の全額を一時的に負担することが困難となり、必要な医療を受ける機会が損なわれるおそれがあると認められる場合、資格証明書の対象外とする特別な事情に該当するということが明記されているんです。
保険証廃止に当たってもこの考え方は維持されるということでよろしいですか。
○政府参考人(伊原和人君) 先ほど大臣からも御答弁させていただきましたけれども、こうした今まで後期高齢者医療制度において運用してきた、高齢者が必要な医療を受ける機会が損なわれることがないよう、資格証明書について、きめ細かな収納対策を講じ、保険料の納付につき、十分な収入等があるにもかかわらず保険料を納付しない悪質な場合に限って対象とする運用を徹底してきたと、こういうことにつきましては、今回、健康保険証や資格証明書廃止後においても、引き続きこの方針は維持していくものだと考えてございます。
○倉林明子君 いや、方針は維持するというのはさっきも確認できたんですけれども、短期証も、これ今度のマイナンバー法の改定で、マイナンバー法によって短期証も廃止ということになるんですよね。そこが大変懸念されているところで、国保法と同様に、こういう短期証が廃止、資格証明書は元々出していないけれども、短期証も廃止するということになると、現在二万人が交付受けて、医療を受ける機会を確保できているんですね。そういう人たちが全員特別療養の対象となって、償還払いということになったら、これは考え方維持されたとならないと思うんですけれども、これ、大臣、どうですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今回のその制度の見直しによって、これまで、短期被保険者証というのを発行と、資格証明書、これ発行というんですか、交付というか、二つあるわけであります。
この短期被保険者証については、健康保険証に特別の有効期間を設定したものであるため、来年秋に健康保険証を廃止することに伴って併せて廃止がされると。また、特別の事情がないにもかかわらず長期にわたり保険料を滞納していた場合に、資格証明書の交付を行う現行の規定に代えて、償還払いとなる特別療養費の支給に変更する旨の事前通知を行う規定を整備するということでありますから、端的に申し上げれば、短期被保険者証も資格証明書も、自体はなくなるわけであります。
その上で、法律上、特別療養費の支給に変更する旨の事前通知を行う際の要件として、保険者が保険料の納付の勧奨や相談等の取組を行うことを明確に位置付け、これにより滞納者との十分な接触の機会の確保を図ることにしております。保険料滞納者への納付の勧奨等の運用については、引き続き、この短期被保険者証の交付時に実施してきたと同様に行っていくこと、これは自治体にしっかり周知と徹底を図っていきたいと考えております。
○委員長(山田宏君) 倉林明子君。
○国務大臣(加藤勝信君) それから、ごめんなさい、さらに、特別療養費の支給の関係については、先ほど局長から答弁し、また先ほど私自身が答弁したように、これまでと同じ方針で臨むということであります。
○倉林明子君 請求をすると、滞納していますよと、だから、このままだったら十割負担ということになるからっていうて通知を送ってその保険料の支払を勧奨すると、こういう仕組みは分かるんだけれども、短期証がなくなってしまうので、その場合、何をもって、この期限を切った、これまで受診の機会を担保してきたものをどうやって保障するのかっていう具体的な中身は示されてないので、そこはどうなんですか。
○政府参考人(伊原和人君) 具体的な取扱いについては今後お示ししてまいりますけれども、先ほど大臣から御説明いたしましたように、今回、短期被保険者証が廃止されることになりますけれども、法律上の要件として、新たに、保険者が保険料の納付の勧奨や相談等の取組を行うことを明確に位置付けて、これによって滞納者との十分な接触の機会を確保するとしております。この扱いにつきましては、まさに今、短期被保険者証で地方自治体が実際やっている運用、これらと同様に行っていくことを今考えておりまして、それを自治体に周知徹底していきたいと考えてございます。
○倉林明子君 検討はこれからだけども、短期証については、同様の機能を持ったものを発行を自治体にしてもらうということになるのかなって今話聞いていて思ったんですけれども、違うんですか。いや、理由よく分からない。
○政府参考人(伊原和人君) まず、短期被保険者証を廃止いたします。
ただ、今、短期被保険者証の発行したときに行っている、保険者がですね、現場で納付勧奨、納付相談、様々な試みをその短期被保険者証で使うときやっておりますが、こうしたことを、同じようなことをやっていこうということを考えてございます。ただ、具体的な扱いについては今後きちっと整理したいと思っています。
○倉林明子君 いや、肝腎なのは、滞納の事実があっても短期証を、とりわけ後期高齢者については受診の機会を損なうことがあってはならないということでずうっとやってきたんですよ。ところが、その督促のする、保険料納めてねという手続の方ははっきりしているけれども、短期証に代わるものがはっきり見えないからこれ確認しているんですよ。
答弁がこれ以上進むと思えないんだけれども、私、やっぱり、マイナンバーカードで保険証、マイナンバーカード、マイナンバー保険証か、でもう義務化すると、今までの保険証は廃止するということでやるからこういういろんな矛盾が出てくると。受診機会を損なうというようなことが、高齢者はもちろんだけど、国民にとってもあってはならぬと思うんですよ。だから、保険証を廃止するからこういうことになるんですよ。両方ちゃんと存続させたらいいんですよ。
そういう意味では、保険証の廃止ということについては撤回した方がええと、もう物すごく混乱になるし、それで受診機会を奪われるようなことにつながってはいけないと改めて申し上げておきます。
かかりつけ医についても、私の方から質問します。
コロナ禍で医療が逼迫した要因の一つとして、このかかりつけ医制度がなかったというようなことが指摘されました。大臣、認識はいかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) その感染症の症状が明らかでない段階から日常的な診療を行っているかかりつけ医に感染症の対応を行うこと、これを一律に求めることはなかなか難しく、実際、発熱外来等ですね、そういったところで受診をお願いをしていたわけでありますので、患者が平時に受診している医療機関がその発熱外来、例えばなければ、そこではその医療を受ける、その感染症に係る医療を受けることは必ずしもできないということになるわけであります。
このため、感染症法、蔓延時における医療提供体制については、昨年成立をしていただいた改正感染症法に基づいて、都道府県が医療機関と平時に協議を行い、各医療機関の機能や役割に応じて協定を締結することとし、感染症医療を担う医療機関をあらかじめ適切に確保していくということであります。
また、患者からの相談に応じ、感染症医療を行うことが可能な適切な受診先の案内に努めるなど、医療機関同士が適切に連携する仕組みも含め、感染症発生、蔓延時においても医療が必要な国民が確実に必要な医療を受けられるようにしていきたいと考えており、また、この法案では、感染症対応に主眼を置いているものではありませんが、かかりつけ医機能報告などを通じて、かかりつけ医機能に関する情報提供の強化や適切な紹介を含めた医療機関間の必要な連携を進めることによって、こうした感染時、感染症発生あるいは蔓延時における連携等に資するものと考えております。
○倉林明子君 コロナ禍の当初、感染症法の仕組み上、やっぱり受けられないと、フリーアクセスに一定の制限が生じるって当然のことだったと思うんですね。オミクロン株も感染力強いというままですので、受けられないという医療機関が、外来等が残るということは当然のことだと思うんです。
本法案で創設されるかかりつけ医療機能報告制度の運用についていいますと、資料入れておきましたけれども、これは厚労省の資料なんですけれども、イメージとしてこういうものが出ているんですね。これ、マル・ペケということになっていて、マル・ペケの数に応じて医療機関の評価を差別、区別するようなことがあってはならないというふうに思うんですね。診療報酬上の評価に活用されることもないということで、これは確認できますか。
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
今委員御指摘がありましたように、この法案におきましては、地域の医療機関が自ら有するかかりつけ医機能を都道府県に報告をして、都道府県においては、報告を受けた機能に係る体制を有しているかを確認をし、地域の関係者の協議の場に報告するとともに公表するということとしてございます。
この確認につきましては、幅広い情報提供や関係者の協議に向けて、機能の現状を客観性が担保された形で的確に把握をする観点から、都道府県が医療機関からの報告内容を事務的に確認するものでございまして、法律上の効果として医療機関の権利や義務に直接的に影響を与えるものではございませんで、確認されたその機能の数に応じて医療機関を差別、区別するものではないということでございます。
また、この本案により、法案によりまして、知事による確認を受けた医療機関に係る診療報酬上の取扱いにつきましては、現時点において診療報酬としての対応の方向性を決定したものではございませんで、今後、社会保障審議会医療部会等における検討も踏まえて、必要に応じて中医協において御議論いただくものと考えているところでございます。
○倉林明子君 かかりつけ医だけで医療提供体制が本当に前進するかといったら、やっぱりね、コロナ経験して、医療は、入院も含め医療提供体制をどうやって底上げしていくかと、そういう強化の方向にかじを切らないといけないということは最後申し上げて、終わります。