倉林明子

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医療施設と検査大規模に 参議運委 首相らに迫る(2021/9/28 議院運営委員会)

 衆参両院の議院運営委員会は28日、新型コロナウイルス感染拡大防止対策の緊急事態宣言の解除について政府から報告を受け、質疑しました。日本共産党から塩川鉄也衆院議員、倉林明子参院議員が質問。菅義偉首相、西村康稔経済再生担当相が出席しました。

 倉林氏は、コロナ感染の第5波で、8月の1カ月間に自宅など医療施設以外で亡くなった人は250人に上ることをあげ、「救える命を救えなかった事態を二度と繰り返すことがあってはならない」と在宅死リスクを高める「原則自宅療養」方針の撤回を要求。政府が9月末に打ち切ろうとしている医療・介護報酬の上乗せ特例の継続を求めました。

 また、「感染者数が減少している今こそ本気で取り組むべきことがある」として、大規模な臨時医療施設の設置、所得保障とセットの大規模検査の具体化を要求。菅首相は「今回構築した臨時医療施設等をフル活用して、再び感染拡大しても十分に機能できる医療体制を構築していきたい」などと答えました。

 倉林氏は「現状で(医療施設が)足りるという認識では、『救える命が救えない』事態を招きかねない」と厳しく批判。「コロナまで自己責任にしてはいけない。科学的知見に基づくコロナ対策の強化、保障の徹底に取り組む政府への転換が必要だ」と強調しました。


議事録を読む

○倉林明子君 日本共産党の倉林です。
 過去最大の感染者数となりました第五波、これ、八月一か月間だけでも、自宅などの医療施設以外で亡くなった方が何と全国では二百五十人という数になりました。これは、本当に救える命が救えなかったと、こんな事態は二度とあってはならないと思っているんです。
 そこで、専門家からは、先ほど来ありますように、第六波が必ず来るんだという指摘もされております。私、在宅死リスクを高めることにつながる、つながった、これは原則自宅療養基本という方針ですよね。この方針を今やっぱりきっぱり撤回すべきだと思います。
 これ、総理出された方針ですから、最後の機会ですので、総理から撤回の答弁をいただけたらと思います。

○内閣総理大臣(菅義偉君) 先般お示しした考え方というのは、原則自宅療養の方針ではなくて、感染者が急増している地域においても誰もが症状に応じて必要な医療を受けられるように、自治体の判断で状況に応じた対応を選択可能とする緊急的な対応であります。また、自宅療養者などに対しては、身近な診療所や在宅医療の専門医が健康観察や診療を行うことで必要な医療を受けられる体制の構築に今各地で取り組んできているところです。
 引き続き、この医療体制の更なる整備に向けて自治体などと緊密に連携をしてまいりたいと思います。

○倉林明子君 いや、ちょっと、方針撤回されていませんので、その点では、ちょっと今の表現だと選べるような方針になっているということだけど、それはちょっと明らかに誤認があるのではないか。確認した上で、方針の撤回を重ねて求めておきます。
 その上で、専門家からも指摘があるように、全てこれ今回解除するということのメッセージになるわけで、人流や加速やリバウンドにつながりかねないという懸念、御説明にもあったとおりかと思います。GoToキャンペーンがありました。そしてオリパラの強行がありました。感染爆発を招いた責任というのは私は極めて重大だと改めて申し上げたい。これ、最後まで楽観論とならないかと、科学的な知見を無視するようなことがあってはならないと、これは申し上げておきたいと思います。
 その上で、感染者数が減少している今こそ本気で取り組むべきことがあると。その一つは、大規模な臨時の医療施設の設置です。診療所の負荷を軽減し、効率的に医師、看護師の人材配置も可能となると繰り返し申してまいりました。今から、思い切った予算措置で整備を進めるときだと思います。いかがですか。

○内閣総理大臣(菅義偉君) 今後、医療体制の強化とワクチン接種を更に進めて、感染への社会全体の対応力を高めながら日常生活を段階的に回復させていくことが重要だと思っています。
 このため、医療体制の更なる整備が必要であると思います。これまで、今年に入って病床一万三千床、ホテル療養施設を二万六千室確保するとともに、七月以降は臨時の医療施設や酸素ステーションを全国で約八十施設を設置をし、現在も増設を進めております。
 今後、今回構築した臨時の医療施設等の医療資源をフル活用して、再び感染拡大が発生したとしても十分に機能することのできるそうした医療体制というものを構築していきたいと、このように思います。

○倉林明子君 今、十分やってきたと、八十施設あるからと。しかし、この第五波で起こったことは、自宅療養を余儀なくされると、必要な医療に届かないままに命を落とすと、こういうことが出たんですね。医療提供施設に、医療提供、医療の提供に支障が生じたと、これ第五波の現実でしたよ。
 これ、特措法の三十一条の二では、医療の提供に支障が生ずると認める場合は臨時の医療施設において医療を提供しなければならないと、ならないとなっているんですよ。これ、できていなかったという現実を私はしっかり押さえないといけないと思う。
 特措法の三条では、これ、国全体として万全な態勢を整備する責務を有するというふうに定めているんです。私は、現状で足りるという認識ならば、それは再び同じ、救える命を救うことができないという事態を招くことになりかねないと、そういう危機感を持って臨時の医療施設についても整備を進めていくべきだということを申し上げたいと思います。
 さらに、これ、九月末には医療・介護報酬の上乗せの特例打切りの方針がこれ示されました。今やることでしょうか。感染対策に、全てに取り組む、取り組む全ての現場を支えるというものになっていたんですよ。こういう支援は強化こそが必要だと、これは申し上げておきます。
 そこでさらに、感染者数が減少して今こそやるべきだというのが、所得保障とセットで大規模検査に踏み出すときだと申し上げたいと思います。事業所、そして大学等で自主検査が広がってきています。検査してもらえないということから自ら検査をすると、もちろん自己負担しながらですね。これ、この自主検査に対して財政的支援の強化、無料でできると同様の支援が必要だということを申し上げたいし、学校、幼稚園、保育所、会社通じて検査キットを家庭に無料で配布すると。先ほど御指摘もありましたけれども、こういうように自主的な検査が行えるような支援というのは今必要だと思うんですね。キット配っているというお話ありますけれども、あれは買い置きしていた八百万キットが残っていたものを活用しているだけなんですよね。
 これからインフルエンザも来ようかという時期です。やっぱり検査体制に踏み出すと、そういう決断していただきたい、最後引き継いでいただきたい。総理、どうですか。

○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 確かに買い置きしていた分も配分をしておりますけれども、新たに小学校、中学校、幼稚園等に配分するため八十万回分を購入をして配分を行ってきております。
 それから、私どもの無料のモニタリング検査も、今もう一日一万件程度の検査行えるようになってきて、行うようになってきておりますし、様々な形で検査の拡充を行っていきたいと考えております。
 もう繰り返しませんが、抗原検査キットの活用も更に広げていきたいというふうに、手軽に検査ができるように、そうした体制もつくっていければというふうに考えているところであります。

○倉林明子君 やっぱりコロナまで自己責任にしたらあかんと私は強く申し上げたい。やっぱりしっかり科学的知見に基づくコロナ対策の強化が必要なんだと、そういう政権をつくることを目指して頑張ります。
 終わります。