倉林明子

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「医療機関 減収なら対応」 参院議運委 倉林氏に首相(2021/2/2 議院運営委員会)

 衆参両院の議院運営委員会は2日、政府から新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言の期間延長にあたっての事前報告を受け、質疑を行いました。日本共産党から塩川鉄也衆院議員と倉林明子参院議員が質問に立ちました。

 倉林氏は、医療体制が逼迫(ひっぱく)するなか、重症者の受け入れ病床を確保し命を守るには「急性期治療後の受け入れ病床の確保が決定的だ」と強調し、経営リスクを理由に受け入れられない事態を解消するために医療機関の経営を守る支援を行うよう求めました。

 菅首相は「(医療機関の)減収がありえるなら、さらに対策を検討して医療現場が財政面でちゅうちょしないよう対応する」と答弁しました。

 また倉林氏は、医療機関や高齢者施設でのクラスター(感染者集団)の発生を止めるためにも、国費による定期的なPCR検査の実施を求めました。


議事録を読む

○倉林明子君 日本共産党の倉林でございます。
 必要な医療が受けられないまま命を失う、こういう人が相次いでいると。医療の逼迫度の具合からしても、緊急事態宣言の延長はやむを得ない判断だと私も思います。
 先ほども紹介ありましたけれども、総理は、今回の宣言に当たって、一か月後に必ず事態を改善させると決意述べられました。しかし、確かに感染者数、新規のところは減っているんだけれども、医療の逼迫具合というのは改善させられない、させられていないという状況あるわけですね。
 なぜ改善させることができなかったのか、政府の対応のどこに問題があったとお考えなのか、総理、御説明を。

○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、全体として、東京を始めとして全国の感染者数は減少傾向にあり、これは飲食を中心に的を絞って対応してきた今回の対策というものが効果を上げているのではないかなというふうに思っています。
 一方で、医療については委員おっしゃいましたように引き続き逼迫した状況が続いておりますが、一般的に、新規感染者数が減少すれば時間を置いて病床率も減少、使用率も減少すると考えております。更に今後の状況を注視をしていきたいというふうに思います。
 一方で、病床の確保が重要であると考えておりまして、政府としては、昨年の暮れに、一病床最大で千九百五十万円ですか、そうした資金を全体として二千七百億円、病床確保対策を用意させていただいて、東京都とも、政府と東京都が一緒になってこの病床拡大策を取ってきた結果として、年末には三千床でありましたけれども、今は五千床を確保することができている状況であります。
 引き続き必要な方に必要な医療が行うことができるように、こうした病床の逼迫状況から脱すことができるように、政府としても様々な角度から全力で支援をさせていただきたい、このように思います。

○倉林明子君 最大の問題は、やっぱり受入れ、医療の受入れ限界を超えるまで感染拡大をさせてしまったということがあると思うんですね。
 確かに、感染者数が減ればこれから重症患者も追いかけるように減っていく傾向になるというのはこれまでの経過でも明らかだと思います。ただ、今、今命が救えない人たちがいると。
 確保しているという病床は直ちに使える病床なのかという実態は正確につかめないという状況もあるというふうに認識しています。そのまま使えるものだと思ったら大間違いだったという京都の状況などもあります。
 重症患者の受入れ病床を今本当に喫緊に確保していかないといけない、命守るために。そのためには、急性期治療後の受入れ病床の確保、これ決定的になってきております。感染リスクがなくなっていると言われても受け入れられない。これ、最大の理由何かというと、やっぱり病院潰せないという動機あるんですね。経営リスクが避けられないというところです。
 総理、全ての医療機関の経営は守りますと、こういうメッセージを今発して、受け入れていただいても支え切りますと、こういう支援しますということを表明していただきたい。

○内閣総理大臣(菅義偉君) 病院の経営が非常に逼迫しているという、緊迫しているということも承知をしております。
 そういう中で、新型コロナ患者を受け入れる医療機関がそのことによって損失を被ることのないようにしっかり支援をしていくというのが、これは政府として当然の仕事だと思っています。
 これまでも、三・二兆円の医療機関支援を行うとともに、三次補正では一・四兆円の追加支援を行っています。昨年来、一床当たり最大千九百五十万円の支援も実施したところであります。また、診療報酬についても、新型コロナ患者の診療について大幅な引上げも行っています。
 実は、私、この千九百五十万円の一床当たりの支援を実施したときに、なぜ広がらないんだということもいろいろ調べさせていただきました。そうしたら、その使用にも様々な制限、制約があったということも事実でありましたので、そうしたものは今全て撤廃して病床確保に努めている、このことも是非御理解をいただきたいと思います。
 こうした支援によって基本的に減収になることは考えて、ないと考えていますけれども、仮にそうしたことがあり得るのであれば、更に対策を検討して、医療現場の方々が財政面でちゅうちょすることのないように、これは政府としてしっかり対応します。

○倉林明子君 今の決意を直ちに現場に届けていただきたいというふうに思います。
 医療の逼迫を解消するというためには、感染者数を減らす以外にこれ道ありません。
 繰り返し求めてきたPCR検査の拡充、医療機関、高齢者施設、このクラスターをいかに抑えるかという点でも決定的になってきております。急所の押さえどころここだと私は言いたいと思います。
 事業所自身が必要だと判断したら国費による定期的なPCR検査、これ可能にする、ここも決断しっかり示していただきたい。

○国務大臣(西村康稔君) 重症化リスクの高い方々のいる施設について重点的に検査を実施し、まさに国民の命を守るということは本当に大事なことだと思っております。
 このため、感染拡大地域の医療機関の従事者あるいは入院される方々について実質的に国の負担で検査を実施できるようにしておりますので、引き続き都道府県と連携しながら徹底をしていきたいというふうに考えております。

○倉林明子君 実質的に今できておりませんので、実質的にできるように直ちに頑張っていただきたい。
 終わります。