倉林明子

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福祉現場 柔軟支援を 参院委で倉林氏 対象拡大求める(2020/6/16 厚生労働委員会)

 日本共産党の倉林明子議員は16日の参院厚生労働委員会で、新型コロナウイルス感染拡大に伴う各種支援策について、不合理な線引きをせず、柔軟に運用するよう求めました。

 国民健康保険加入者への保険料・税の減免については、申請書類の簡素化や郵送・オンライン申請を認める厚労省の事務連絡の周知徹底を要請。「事業収入等の3割以上減少」の要件について「減少見込みで減免し、結果として3割以上減らなかった場合でも減免取り消しとせず、返金は求めないか」とただしました。

 加藤勝信厚労相は、「その場合も国の財政支援の対象となる」と答えました。

 倉林氏は、第2次補正予算に盛り込まれた障害福祉従事者への慰労金について、地域生活支援事業も対象とするよう要請。厚労省の橋本泰宏障害保健福祉部長は「対象を精査中だ」と述べました。

 倉林氏は、保育や学童保育の職員への給付も求めました。

 また、介護の通所系サービスやショートステイの介護報酬を上乗せして算定することを認める特例措置について、「利用者にとっては利用料金に跳ね返り、負担増となる。介護報酬ではなく国が直接財政措置すべきだ」と主張。今後の最低賃金審議会に向け、「コロナ禍の今こそ中小企業支援と合わせて最賃を引き上げるべきだ。全国一律最賃制度に踏み込む時だ」と強調しました。


議事録を読む

○倉林明子君 日本共産党の倉林です。
 コロナに関連して幾つか確認をさせていただきたいと思います。
 一つは国民健康保険です。これは、国保加入者の所得の急激な減少に伴いまして、保険料、税の減免が実施されることになりました。前年の事業収入等の三割以上の減収が要件ということになっておりますが、保険者が見込みで判断すると、これ可能にしております。柔軟で迅速な対応ということが求められていると思うわけですが、現場では、収入減少を証明する書類、これが多いとか等、手続に煩雑を要するということも起こっております。
 書類の簡素化、そして郵送、オンラインの受付も可能とされているんだけれども、こうした迅速、簡素化ということでの周知徹底が求められると思うんですけれども、どうでしょうか。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 今般の新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえまして、市町村等が感染症の影響により収入が減少した被保険者等の保険料を減免した場合に、特例的に財政支援を行うこととしております。
 御指摘の事業収入等の減少を証明する書類につきましては、QアンドA、五月十一日付けの事務連絡におきまして、例えば申請時点までの一定の期間の帳簿あるいは給与明細書の提出等により年間を通じた収入の見通しを立てていただくなど、一定の合理性を担保しながら保険者において御判断いただく旨お示しをしております。
 また、減免申請の受付方法につきましても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止等の観点から、直接窓口に来ていただかなくて済むよう、御指摘のように、郵送あるいはオンラインにより申請を受け付け、必要に応じて電話等で事実確認をする等の方法も御検討いただくよう各保健所に通知しております。
 周知が十分じゃないという御指摘だと思いますので、各保険者に適切かつ迅速に保険料減免が実施できるよう、引き続き周知等をしっかり図ってまいりたいと考えております。

○倉林明子君 六月末が第一回の納期ということで、今この減免の申請の手続も始まっていまして、現場からいろんな声出ているんですね。申請書類すごい多いとか、相変わらず減免審査、これ厳しくて時間掛かるというような声も既に上がっております。
 国が全額財政措置するというものでありますから、速やかな減免につながるように、これ、今、改めて周知徹底するということでしたので、国保組合も含めて周知徹底をお願いしておきたいと。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
 そこで、この事業収入等が三割以上減少するとみなして減免した場合、結果として三割以上の減収にならなかったという場合も生じ得るというふうに思うんですが、その場合であっても国の財政支援の対象とする、こういう考え方で臨むという理解でよろしいでしょうか。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 減免要件である事業収入等の減少につきましては、先ほどのQアンドA、五月十一日付け事務連絡におきまして、被保険者に対する迅速な支援の観点から、見込みで判断することとして差し支えないということとしております。
 この見込みで判断して差し支えないということでございますので、基本的には、結果として収入が三割以上減少しなかった場合におきましても、不正などによりまして収入を過少に見込んでいる、見込んで申告していると認められる場合を除きまして、国の財政支援の対象となるものと考えております。

○倉林明子君 自治体間でいろんな動きがありまして、私、今の答弁どおりということになりますと、大臣に確認したいんだけれども、これ、要は結果として三割以上の減収に、減っていなかったという場合であっても、減免を遡って取り消すとか、返金を被保険者に求めるとか、そういうことではないと、こういうことでよろしいですか。

○国務大臣(加藤勝信君) いや、まさに保険局長から申し上げたとおり、結果として収入が三割以上減少しなかった場合でも、ちょっと不正などがある場合はこれは当然除かれますが、国の財政支援の対象になるということであります。

○倉林明子君 しっかり徹底をお願いしたいというふうに思うわけです。
 そこで次、障害福祉の問題、この間、社会福祉法の改正でも議論になりました。
 これ、二次補正で障害者総合支援法に基づく障害福祉施設、事業所、これに対する慰労金が予算化されまして、これは大変歓迎されております。ただし、格差については改善を求めたいなと思っております。
 ところが、これ、出たところがある一方、福祉の現場でも出ていないところがあると。その一つが、地域活動支援センターなどの地域生活支援事業なんですね。これ、同様の慰労金をやっぱり支払ってほしいという声が強く出ております。検討状況を含めて御答弁願いたい。

○政府参考人(橋本泰宏君) 今般の新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金につきましては、感染すると重症化するリスクが高い患者、利用者との接触を伴い、そして継続して提供が必要なサービスであること、これまでのクラスターの発生状況を踏まえまして、医療機関、介護、障害福祉サービス事業所等に勤務し、患者、利用者と接する職員を対象としているところでございます。
 今御指摘の障害福祉に係る慰労金の具体的な対象者につきましては、今申し上げましたような慰労金の趣旨というものを踏まえて現在精査を進めております。感染すると重症化するリスクが高い利用者と接するか否か、こういった観点から今鋭意検討しているところでございます。

○倉林明子君 余りそこで現場に線引きということが、いかがかと思うんですね。
 地域活動支援センターという小規模共同作業所について、公的支援が本当に貧弱だというお話しました。しかし、利用している障害者は選んで来ているわけじゃないんですよね。そこで居場所を確保して、支援しながら生活できているというのはあって、そういう障害者の感染リスクということでいいますと、共同作業所でもやっぱり高齢化は進んでいますから、そういう意味できちんと、障害福祉を支える重要なものだという橋本局長からも御答弁いただいた施設でもあります。別枠だからというようなことで、またここで格差を持ち込むということがないように、精査中ということでしたけれども、きっちり地域生活支援事業も対象とするということで、御検討、強く求めたいと思います。
 それで、議論最初ありましたけど、保育所、学童、ここは本当に強い要望が出ております。確かに、事業所に対して支援の違いはあると、これ十分理解できます。しかし、保育の現場でも、いろんなバッシングもあったり、病院に勤めている医療従事者、感染があったところでも子供さん受けるという点でいうと、感染リスクが低い職場とは到底言えない場所でもあると思うんですね。感染リスクの下でも踏ん張ってきた、そういう現場の保育士、そして学童の職員等に対しても、やっぱり政府からの感謝の気持ち、これ一回きりですからね、慰労金、感謝の気持ちを示すということが現場のモチベーションにもつながると思うんです。福祉の現場でも漏れているところは検討すると。やっぱり保育の現場、そして学童の現場にも、重ねて慰労金の検討を私からも強く求めておきたいと思います。大臣、聞いておいてくださいね。よろしくお願いします。
 次、介護保険について伺います。
 これ、通所系サービス及びショートステイについて、コロナによる介護報酬の特例措置がとられました。その内容を簡潔に、簡潔に説明してください。

○政府参考人(大島一博君) これまでも新型コロナ対策として介護報酬の特例措置を幾つか講じてきておりました。今回の措置は、これらに加えまして、通所サービスやショートステイの事業所において取り組んでおられる感染症対策に要する時間を介護報酬上評価するという特例でございます。
 具体的には、通所系サービス事業所の介護報酬算定において、月当たり一定の回数に限りまして、サービスの提供時間に対応する報酬区分の二区分、長時間の区分に対応する報酬を算定する取扱いを可能としました。それから、ショートステイにつきましては、月当たり一定の回数に限りまして、緊急短期入所受入れ加算というのがございまして、この算定を可能とするということの扱いにしたところでございます。

○倉林明子君 いや、これ事業所にとっては報酬が上がるように見えるんだけれども、これ利用者にとっては、サービス同じでも利用料負担が上がるということになるんですね。利用限度、上限いっぱいサービス使っている場合とか、特例措置によって上限超えるケースって、これ出てくると思うんです。その際の料金の扱いというのは自己負担になるんですよ。で、どういうことになるかというと、今回の介護事業所の減収の要因というのはコロナなんですよね。利用者には何の責任もない。負担増を求める合理的な根拠は私ないと思うんですね。だから、事業者は、全ての利用者にこれ合意取れということになっているんですね。利用料金上がるんだから当然だと思います。でも、説明できないんですよ、なぜ上がるのかということに対して。で、同意取ることが物すごく困難だということで、リスクにもなるのでもうやらないという事業所さえ出てきているんです。
 私、これ、特例によって生ずる利用負担分というのは、利用者に求めるんじゃなくて、国がしっかり直接財政措置すべきだというふうに思うんです。これ、財政の問題になります。大臣、どうですか。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕

○国務大臣(加藤勝信君) 今回、通所サービス事業所等について、感染症対策に要する時間を介護報酬上評価するという取扱い、これを可能とするのが今回の特例ということで先ほど局長からも答弁させていただきました。
 この感染症対策は、結果的に利用者の安全、健康を守るということにつながり、利用者が恩恵を受けるものでありますから、そういった意味においては、通常の介護報酬と同様に利用者の自己負担をお願いするということにしております。
 また、今般の特例措置、なかなか理解いただけないというお話がありました。その趣旨について、利用者やケアマネジャーの方々に御理解いただけるよう、必要な周知あるいは啓発に努めていきたいというふうに思っております。

○倉林明子君 いやいや、そういう状況になっていて理解得られ難いから、コロナのせいで増えた負担分、減収を補うという措置でもあるわけだから、その分というのは国が責任を持つべきじゃないですかと。その上で説明に行ったら利用者にも理解が進むと思いますので、是非、これは十兆円の予備費使うまでもないことだと思いますので、御検討いただきたいと思います。
 で、五月後半で見てみますと、北海道では、介護事業所千二百四十八か所から回答を得たというアンケートを見せていただきました。北海道連絡会というところです。これ、半分で、事業所の半分で減収があるという厳しい結果。デイ、デイサービスは八割の事業所で減収が起こっています。何と減収幅五割超えると、こういうところが出てきております。事業が継続できると、経営的な崩壊が起こりかねないという現状は深刻さを増しているというふうに思います。重ねて、この分は予備費の活用も含めて減収分の補填ということに踏み出していただきたいと、これ強く求めておきたいと思います。
 次、これも大変心配しております。それは、今年の最低賃金の動向がどうなっていくのかということです。六月三日の全世代型社会保障会議で、総理から加藤大臣に対して、今は官民挙げて雇用を守ることが最優先課題だということで、中小企業が置かれている厳しい状況を考慮し、検討を進めるよう指示があったというふうに西村大臣の記者会見等も読ませていただきました。
 さて、今年の最賃の引上げに大臣はどう臨むんでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 最低賃金については、公労使から成る最低賃金審議会において、様々な指標を参考にしながら、最低賃金法においても、地域における労働者の賃金、生計費、企業の支払能力やその時々の事情を勘案して決定をされてきているところであります。
 最低賃金の引上げは、成長と分配の好循環を実現するためには大変重要だということで、ここ数年、特に大幅な引上げが行われています。また、真摯な労使協議の下、賃上げの流れも継続してきたところであります。
 しかし一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大をする中で、先般の全世代型社会保障検討会議では、総理から、引き続き早期に全国加重平均千円になることを目指すとの方針は堅持するという方針の堅持を明確化された中で、他方で、今回の新型コロナウイルス感染症による雇用、経済への影響が継続することが見込まれており、労使を挙げて雇用の維持と事業継続に尽力されているという、感染症拡大前とは大きく異なる状況にあると、したがって、中小企業・小規模事業者が置かれている厳しい状況を考慮し、検討を進めるようにという、委員からも今そこの引用がありましたが、私が指示をいただいているところであります。
 今年度の最低賃金については、今後まさに議論が始まるわけでありますが、最低賃金審議会において、こうした様々な状況を十分に踏まえ、真摯に御議論いただけるように努めていきたいと思っております。

○倉林明子君 それは当然真摯に臨んでいただきたいとは思うわけですけれども、昨年の閣議決定では、より早期に全国加重平均千円を目指すということでしていました。現在、全国加重平均は九百一円ということです。目指している水準三%ということで見てみましても、早期の達成というのはなかなか厳しい水準に私は今ある数字だと思うんですね。
 で、最賃で働く労働者にとって今どんな状況が起こっているかと。これ、休業あるいは解雇や雇い止めというようなこともたくさん起こってきています。まだ休業手当が出たとしても、最低賃金の場合、これ生活できるような額にはなりません。
 改めて、コロナ禍の今だからこそ、賃金の底上げが私は必要だというふうに思うわけですね。コロナ対策の最前線で活動しているエッセンシャルワーカーと言われるような人たちが感染防止や日常生活を支えていると、そういう人たちには、最低賃金並みで働いていると、そういう労働者少なくありません。そういう人たちにしっかり報いるということも含めて、最賃の引上げというのは重要だと思うんですよ。大臣、どうですか。

○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げましたように、最賃の引上げ、まさにそういった件、さらには成長、分配の好循環を実現して、我が国の経済社会を発展させるためにも大変重要であるというふうに考えているわけでありますが、他方、今回の新型コロナウイルス感染症によって、中小・小規模事業者のみならず大企業も大変厳しい状況に置かれております。今、様々な施策によって、事業の継続、雇用の確保、そして暮らしを守る、これを最優先に取り組んでいるところであります。
 他方で、その賃金引上げのための環境整備というのはこれまでも実施をしてきたわけでありまして、中小企業等における事業場内最低賃金引上げを支援する業務改善助成金、三千億を上回るものづくり補助金、IT導入補助金、持続化補助金など、生産性の向上を支援する措置も講じております。
 さらに、経営環境悪化に伴う下請取引のしわ寄せの徹底排除に向けた対応を含めて、労務費上昇分を適正に取引単価へ転嫁できる取引関係の適正化にも取り組んできたところでありますが、引き続きこうした取組をすることによって、中小あるいは小規模事業者においてまずはこの難局を乗り越えていただくとともに、再び賃上げができるような環境整備を進めていきたいというふうに考えております。

○倉林明子君 再び賃上げに臨めるような環境整備とおっしゃるけど、賃上げができるような直接の支援というのがやっぱりセットでやられる必要があると思うんですね。
 今、コロナ禍で、潰さない、中小企業を潰さない、これ本当に第一に取り組む必要があるし、そのための支援としても不十分だと言わざるを得ない。そして、こんなときだからこそ賃上げが中小企業できるように、賃上げの原資も含めてなるような支援、保険料を本当に、保険料肩代わりするとかですね、そういう直接支援と合わせ技で進めていくべきときだということを言いたいと思うんです。こんなときだからこそ、全国一律最低賃金制度、ここに踏み込むときだということを申し上げたい。
 そして、十兆円の予備費問題あります。この問題では、野党そろってやっぱり継続審議、国会を止めないで継続した審議を求めております。徹底したやっぱり国民の声が反映する国会を開いて、しっかりその使用についても反映される、監視されるという場としても国会開き続けるべきだと最後申し上げまして、終わります。