倉林明子

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減らない年金 頼れる年金へ 倉林氏 最低保障年金制度導入を(2019/3/14 予算委員会)

(資料があります)
(議事録は後日更新いたします)

 日本共産党の倉林明子議員は14日の参院予算委員会で、高齢者の貧困が拡大している実態を示し、政府の年金削減政策を厳しく批判。「『減らない年金、頼れる年金』への転換が求められる」と述べ、最低保障年金制度の導入に踏み出すよう迫りました。

「老後破産状態」
 倉林氏は、日本の高齢者の就業率は欧米と比べても高いにもかかわらず、生活保護を受給する高齢単身世帯が4年間でおよそ14万世帯と2割も増加し、無年金・低年金者は1200万人を超えている実態を告発。「老後破産状態か、その予備軍という高齢者が増大している」として、次のようにただしました。

 安倍晋三首相 給付と負担のバランスを取りながら、老後の不安に対応する年金制度をたしかなものにする。

 指摘に正面から答えない安倍首相。倉林氏は、政府の無年金・低年金対策も保険料納付期間10年で月額1万7000円程度しかなく、「根本的な貧困打開策とはいえない」と指摘。さらに、昨年の消費者物価指数が1%上がっているのに2019年度の年金受給額は0・1%しか増えないとして、年金支給額の伸びを物価や賃金の上昇よりも低く抑える「マクロ経済スライド」の発動を凍結すべきだと求めました。

 倉林 年金の自動引き下げ装置は発動をやめよ。

 首相 (マクロ経済スライドは)年金制度の持続可能性を高めるため導入された。発動しなければ将来の年金が確保できなくなる。

 倉林 年金が目減りしている高齢者の生活の実態をみるべきだ。今でさえ、高齢者の生活は年金だけでは持続不可能になっている。

 倉林氏は、就職氷河期に社会人になった世代が高齢期になる2040年前後、低年金高齢者が爆発的に増えるとの推計もあるとして、「今の高齢者にとっても、将来世代にとっても頼れる年金制度になっていない」と強調。「年金削減政策をやめ、最低保障年金制度の導入に踏み出すべきだ」と主張しました。

制度に大穴あく
 しかし、安倍首相は「最低保障年金は、多額の税財源が必要で、公平性担保という課題がある」というだけ。倉林氏は、安倍政権が現役世代の雇用・賃金破壊を続ければ、膨大な数の無年金・低年金者を生み、年金制度にも大穴があくと指摘し、「年金削減が続いている高齢者、将来の人たちにとっても納得できる答弁ではない」と厳しく批判しました。


年金支給月額20万円のケース


労働力人口の推移


東京新聞_過密労働 実態知って 残業月130時間 3日間帰れぬ日も(20181205付)


被保護世帯数の推移(総数、高齢者世帯)


受給者の平均年金月額(厚生年金、国民年金・新規裁定)


議事録を読む(未定稿)
(この会議録は未定稿です)

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 昨年も年金不祥事が発覚をいたしました。扶養親族等申告書の未提出、委託業者によるデータの入力ミスがありまして、昨年二月時点では百三十万人、二十億円に上る過少給付が発生いたしました。年金が減っていて驚いた高齢者が年金事務所に殺到するという事態になったわけです。中には数万円も減額となりまして、高齢者に混乱と生活への支障を来しました。
 これ、影響、どういうことだったんでしょうか。

○政府参考人(高橋俊之君) お答え申し上げます。
 昨年でございますけれども、例年の扶養親族申告書の様式を若干変更いたしまして記載事項が増えたと、そういうことがございまして、それと委託業者の入力漏れ等ございまして、昨年の二月の源泉徴収税額が適正に計算されなかったという事案でございます。
 その際、扶養親族申告書を提出いただく場合といただかない場合で所得税法に規定しております税額の計算方式が違いまして、提出いただかないと、本来五%のところが一〇%になると、また、本人分の基礎控除でございますとか公的年金等控除相当分が適用されないと、こういうことでございまして、源泉徴収税額が非常に大きくなったという事例でございます。
 これにつきましては、その後、三月、四月に訂正をした次第でございます。

○倉林明子君 五パーが一〇パーになって倍ほど天引きされたというだけじゃないんです。(資料提示)
 これ、厚労省が作った扶養家族一人というときの月額二十万のモデルなんですけれども、これ、扶養親族等申告書を提出した場合だと千百四十八円源泉徴収。ところが、提出しないと幾らになるか。一万四千五百四十九円ということで、およそ十二倍にも天引きされる分が増えたという事態なんですね。
 これ、マイナンバーの導入等で申告書の様式が大幅に変わった、混乱したり勘違いしたりして提出できなかったという人がこれだけあったわけですね。申告書の提出に関わらず控除するよう求めてまいりましたけれども、税制上困難だという答弁だったわけです。
 じゃ、どう改善するんでしょうか、端的に。大臣、どうぞ。

○国務大臣(根本匠君) 厚生労働省から財務省に税制改正要望を行いました。その結果、平成三十一年度税制改正の大綱において、二〇二〇年からは扶養親族等申告者が提出されなかった場合も、(発言する者あり)書も提出されなかった場合も税率を五%とすること、受給者本人の基礎控除、公的年金等控除を行うこと等の内容が盛り込まれており、このような、こういう改善を図ることとしております。

○倉林明子君 これは二〇二〇年分の支払からこういう改善がされるということになったわけです。これは良かったと思っているわけですけれども、今年についてはまだ改善されておりませんで、二月の年金支給、これ間に合わなかったという方が受給者四十二万人と伺っております。年金受給者には不利益がないよう、確実な給付を求めておきたいというふうに思います。
 それで、次に、これ高齢者の就労状況の推移をグラフにしたものであります。
 総理は盛んに雇用が増えたというふうに宣伝されるわけですけれども、これ、増えた分の七割は六十五歳以上の高齢者なんです。注目していただきたいのは、二〇一三年度以降、六十五歳以上の就労人口が右肩上がりに増えているんですね。
 昨年、東京都内の私立高校で勤務していた六十八歳の男性、これ新聞資料をお配りしておりますので御覧いただきたいと思います。警備員として夜勤あります。勤務中に心筋梗塞で亡くなりました。三日連続の勤務というのもありまして、帰宅できないので冷凍したお弁当を六つも持って仕事に入ったこともあったというんですよ。私、月百三十時間の残業をしていると、これ妻は労災申請していますけれども、高齢者が過労死するほど働いていた、こういう実態に大変衝撃を受けました。
 高齢者の就業率の現状や、これ欧米諸国と比べて日本どうなのか、簡潔に御説明ください。

○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
 独立行政法人労働政策研究・研修機構が作成をしております二〇一八年版のデータブック国際労働比較において、我が国と欧米諸国について、二〇一六年の六十五歳から六十九歳の就業率を比較しております。これによりますと、我が国の六十五歳から六十九歳の就業率は四二・九%、男性が五二・九%、女性が三三・四%となっておりまして、欧米諸国の数値よりも男女共に高い数値となっております。

○倉林明子君 極めて高いんです。
 総理、日本の高齢者はなぜこんなに就業率が高くなっているのか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国における六十五歳から六十九歳の者の就業率は四二・九%であり、他の欧米諸国と比べて、今答弁させていただいたように、高い水準にあります。
 例えば、労働力調査によれば、六十五歳以上の方が非正規雇用として働く理由についても、自分の都合の良い時間に働きたいからという理由が、家計の補助、学費などを得たいからや正規の仕事がないからという生活苦に相当する理由をこれは上回っているのも事実であります。
 また、高年齢者雇用確保措置の進展により、希望者全員が六十五歳まで働ける企業が七割以上、さらに六十六歳以上になっても働ける企業が三割程度ある中で、高齢者を活用する理由については、身に付けた能力や知識などを活用したいためが挙げられており、高齢者の活用が企業においても必要とされています。
 今後更に少子高齢化、人口減少が進む中で、我が国の成長力を確保するためにも、人生百年時代の到来を見据えながら、元気で意欲あふれる高齢者の皆さんが、希望すれば、年齢にかかわらず学び、働くことができる環境を整えることが必要であると、こう考えております。
 このため、未来投資会議において、生涯現役時代の雇用制度改革について検討を開始しておりまして、七十歳までの就労機会を確保できるよう、この夏までに計画を策定し、実行に移す考えであります。

○倉林明子君 日本の高齢者の働く意欲ということで、そういうのを内閣府も意識調査しているんですね。これ見ますと、六十歳以降に就労を希望する理由、これで一番多いのが、生活費を得たいから、七六・七%に上っております。つまり、年金だけじゃ暮らせないんですよ。そういう実態があるわけです。
 日本の高齢者が働く理由の一番は、生活費が足りない、あるいは医療、介護への不安があるからなんです。先ほど紹介いたしました亡くなった高齢者も、まさに生活のために働いていたわけです。働けるうちはいいんですよ。しかし、病気になった途端に働けなくなった、そうなったら生活保護しかないと、これ実態なんです。
 そこで、パネルの三を用意いたしました。生活保護世帯数全体、これ一番上ですけれども、ほぼ寝たきりになっております。ところが、高齢者世帯、赤で示しております、右肩上がりとなっているんですね。これ、高齢者世帯全体なんですけれども、とりわけ高齢単身世帯の伸びというのが顕著になっておりまして、四年間で何と十四万世帯、これ二割も増加しているんです。今でも、無年金と月額十万円未満の低年金者が合わせて一千二百万人超えております。これ、老後破産状態かその予備軍という高齢者が増大しているんじゃないかと思うんです。
 総理、背景に年金だけじゃ暮らせない、こういう高齢者が増えているということじゃないでしょうか。(発言する者あり)いやいや、総理。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わばこの年金につきましては、例えば国民年金につきましては、国民年金プラス、日々の生活を保障する国民年金の場合はそれに更に、それまでに言わば個人で資産を形成をしていくということを含めて老後の安定を確保していくということを想定しているところでございますが、いずれにいたしましても、この年金につきましては、給付と負担のバランスによってこれは給付が確保されるわけであります。
 この給付と負担のバランスを取りながら、老後の不安に対応する年金制度を確かなものとしていきたいと考えております。

○倉林明子君 いや、年金だけでは暮らせない高齢者の実態がある、だからこそ低所得者対策、無年金対策というのも政府はやってきた、そう受け止めてはいるんですよ。
 そこで、私は、政府が改善策としてやってきたその低所得者、無年金対策というのも検証する必要があるなと思っております。年金の受給資格期間を二十五年から十年間に短縮いたしました。これ、一歩前進だと思います。これによって、保険料の支払期間十年そして基礎年金のみ、こういう人の場合、受け取る年金額は月額幾らになるでしょうか。

○政府参考人(木下賢志君) お答えいたします。
 委員御指摘の国民年金保険料を納めた期間が十年で保険料を免除された期間あるいは厚生年金保険料を納めた期間がない場合につきましては、老齢基礎年金の額は平成三十一年度におきまして月額一万六千二百五十二円となります。おおむね、基礎年金満額六万五千八円の四分の一となります。

○倉林明子君 少ないんですよね。さらに、受給資格期間の見直しというのは、無年金者を減らせても、それだけでは低年金の解決にはならない水準だというのが今の答弁でも明らかだと思います。
 また、政府は、今年十月から、消費税一〇%増税と引換えに低年金に上乗せをする年金生活者支援給付金、これ支給するということにしております。これは、保険料の支払期間十年、免除期間なし、こういう人の場合、上乗せされる月額というのは一体幾らになるでしょうか。

○政府参考人(木下賢志君) お答えいたします。
 国民年金保険料を納めた期間十年と保険料を免除されている期間がない場合におきまして、老齢年金生活者支援給付金の額は平成三十一年度におきまして月額千二百五十円となります。

○倉林明子君 保険料納付期間が十年だと、年金そして生活者支援給付金、これ上乗せされても受け取れるのは一万七千二百五十円、これ月額ですよ。これでは、私、根本的な貧困打開策にはならないというふうに思うんです。総理、どうですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど答弁をさせていただいたところでございますが、今回、消費税の引上げに伴いまして低年金者に対する給付を行うことにするわけでございますが、これは様々な、言わばその方の置かれている状況において行うわけでございますが、これは今回の消費税の引上げに伴い行うものでございまして、言わばこの消費が増える、消費が、消費税によって、そのときの消費に伴い発生する支出に対応していくものであり、この限られた財源の中で対応していくものであるということを御理解をいただきたいと、こう考えております。

○倉林明子君 いや、これ、増税の負担の方が本当にはるかに重いんじゃないか、そういうふうに指摘せざるを得ないと思うんです。
 そこで、パネル四を見ていただきたいと思うんです。この間、厚生年金、国民年金、新規裁定、ここでは、実は、名目でも平均見ると、受け取れる金額減っているんですよ。消費者物価指数は、この間四・三%上昇しているだけじゃないんですね。実際、介護保険料、国民健康保険料、七十五歳以上になれば後期高齢者保険料、これら負担引上げがこの間ずっとされてきているわけですね。
 つまり、実質的に手元に残る年金というのは、このマイナスよりも更に大きく減り続けているんですよ。ここに、さらに、二〇一九年度も年金受給額は実質マイナス改定になる見込みと、なると先日発表されておりますが、二〇一九年度の年金受給額、これ、改定の指標となる前の年度の物価はプラス一%でした。これが、これに対して、実際の二〇一九年度の年金、これ何パー改定になりますか。

○政府参考人(木下賢志君) お答えいたします。
 この二〇一九年度の年金改定のまずベースとなりますのが、平成十六年度の年金改正によりますマクロ経済スライドを導入いたしまして、それは、保険料の上限を、将来水準を固定をして、その範囲で給付水準を調整するという仕組み、これ委員言われているところでございますけれども、そういった将来の負担を過重にすることを避けつつ、持続可能なものにしたということでございますが、さらに、二十八年の制度改正におきまして、名目は下限を維持しながらも、マクロ経済スライドの未調整分を持ち越して早期に調整する仕組みというものを、いわゆるキャリーオーバー制度というのを導入いたしまして、平成三十年にその分の〇・三%のキャリーオーバーが発生いたしました。
 そういったことをベースにいたしまして、二〇一九年度の年金改定額は、物価変動率が一・〇%、そして名目手取り賃金変動率が〇・六、マクロ経済スライドの調整率がマイナス〇・二、そして先ほど申し上げたキャリーオーバー分がマイナス〇・三でありますので、名目手取り賃金の〇・六%から〇・二と〇・三を引いて、プラス〇・一ということになります。

○倉林明子君 今の説明、つづめて言うと、物価は一%上がっているんだけれども、年金は〇・一%しか増えないと、そういうことですよね。
 つまり、賃金の伸び悩みの影響、そして、今回キャリーオーバーということで調整分持ち越しというのが初めて行われることになりまして、〇・九%目減りするということになるんです、物価に比べてね。月十万円の年金だったら、月九百円減らされたのと同じなんですよ。高齢者所得の七割は年金なんです。高齢になるほど、その割合というのは高まります。実質賃金を毎年切り下げれば、貧困な高齢者を私は増やすことになると。繰り越した分も含めて、こういう年金の自動引下げ装置になっているマクロ経済スライド、これ実行は凍結すべきだと思います。総理、どうですか。

○国務大臣(根本匠君) マクロ経済スライドをどうして導入したか。
 これは、年金の持続可能性の問題、持続可能性な制度とするためにやったものですから、これを今回、平成二十八年、年金法改正、導入しましたよ、これは将来世代の年金給付をきちんと確かなものにして、一方で給付を、負担を過重にしない。これは、全体の、年金というのはお互いの支え合い、助け合いですから。しかも、これは長期的に将来の世代のことも考えて給付と負担のバランスを考えていかなければならない。しかも、名目で下限措置は維持したまま、今回、キャリーオーバーも含めてこのマクロ経済スライドを導入いたしましたが、実はそういう趣旨でありますから、マクロ経済スライドを廃止するということは考えておりません。(発言する者あり)

○倉林明子君 私、これ、さっき答弁ありましたけど、名目でも平均で減っているんですよ。名目で減らさないと言いながら、マクロ経済スライドを掛けていくとこれは下がるんですよ、もっと。だから、下がる仕組みはやめたらどうかと。
 マクロ経済スライドの説明を求めているんじゃないです。こんな自動引下げ装置は発動をやめろって言っているんですよ。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それで、発動をやめろと、こういうことでございますが、なぜ発動をやめないかということについてはですね、これは、なぜマクロ経済スライドを導入したかということをお話ししないと当然これは御理解をいただけないわけでありまして、これは現役世代と高齢世代のバランスを確保しつつ年金制度の持続可能性を高めるため、将来の保険料水準を固定し、その範囲内で給付水準を調整する仕組みとして導入されたものでありまして、これを発動しなければこれは将来のこれは言わば年金がこれは確保できなくなるわけでございまして、まさに将来世代の年金を確保すると同時に、今回は、この物価が、賃金が上がった、また物価が上がっていく中においてですね、それには残念ながら完全に追い付いてはいかないわけでございますが、調整をさせていただいたわけでございますが、ただ、プラス〇・一の改定になったということについては、これはまさにしっかりと賃金も物価も上昇した結果であろうと、昨年の物価上昇等の結果であろうと、こう考えているところでございます。

○倉林明子君 いや、高齢者の生活の目線で見れば、買えるものが少なくなるんですよ。生活実態が後退するんです。年金目減りしているんですよ。高齢者の生活の実態を私は見るべきだと思う。このマクロ経済スライドは今後二十年以上に及ぶというのが政府の試算になっているはずです。今でさえ高齢者の生活は年金だけでは持続不可能になってきております。
 それで、その上、二〇二一年から何が始まるか。これは、たとえ物価が上がっても、現役世代の賃金が下がれば、それに連動して年金をカットする、こういう新ルールも始まるということになります。これは高齢者の生活を脅かす。私は、消費税の増税も、そして際限のない年金カットも断固やめるべきだということを強く申し上げたいと思います。
 そうなると、財源どうするのかという声が必ず出てまいります。私、財源というなら、繰り返し我が党も提案してきておりますが、史上最高の利益を上げる大企業、そして資産を何倍にも増やした富裕層、ここに応能負担を求める、こうすれば数兆円規模で財源つくれるはずなんですよ。アメリカから武器の爆買い、これについても中止するなど、浪費にもメスを入れることが必要だということを強く指摘をしておきたいと思います。財源は消費税しかないと、こういうのは弱い者いじめにほかならないと指摘をしたいと思います。
 そこで、将来、これ、今の高齢者の問題だけじゃなくて、将来年金を受け取る人たちにも大きな懸念があるということを日本総研の星貴子研究員がレポートで発表しているんですね。これ、どういうものかといいますと、就職氷河期に社会人となった世代が高齢期に入る二〇四〇年前後、低年金高齢者が爆発的に増えると、こういう推計が出されているんです。現在増え続けている不安定、低賃金の非正規雇用の若者、こういう人たちが年金を受け取るときに国民年金のみだとか、厚生年金が受け取れても僅かのプラスアルファにしかならない、こういう世代が二〇四〇年前後で年金を受け取る側に回っていくわけですね。
 総理に聞きたいんですけれども、今の高齢者にとっても、そして将来世代にとっても、私は頼れる年金制度にはなっていないと思うんだけれども、いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 正規と非正規の労働者の理由なき格差については、これを解消し、若者が将来の明るい希望を持てるようにしなければならないと考えております。このため、同一労働同一賃金を実現し、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられ、そして多様な働き方を自由に選択できるようにしていくとともに、非正規から正規へのキャリアアップ助成を拡充するなど、正社員転換や処遇改善をより一層進めていく考えであります。
 その上で、こうした若者が将来年金受給者となった場合においても年金額をしっかり確保していくための仕組みがマクロ経済スライドであるということであります。それは、先ほど申し上げましたように、マクロ経済スライドを今発動させて、今受け取っている方々のこれは受給額を調整をさせていただきますが、しかし、それは将来にわたって、言わばまさに百年安心を確保していく上において、将来の受給者の受給すべき年金の積立金を、今ここでこれを減らしていくということがないようにしていくという将来世代との公平性を確保し、年金の安定性を維持するためのマクロ経済スライドとして導入させていただいたところでございます。
 かてて加えて申し上げますと、かつてこのマクロ経済スライドは、例えば一%物価あるいは賃金が上がっていたときに〇・九%これマイナスになったんですが、今回はこれは〇・二だけになった。これなぜかといえば、これは六十五歳以上の方の労働者が増えた、就労者が増えた結果、就労者が増えればマクロ経済スライドのマイナス分は縮んでいくということでございまして、そういう意味におきまして……

○委員長(金子原二郎君) 簡潔に答弁をお願いします。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) みんなで支えていくというのがこの年金制度の仕組みであるということも申し上げておきたいと、こう思う次第でございます。

○倉林明子君 要は、非正規の雇用の労働者って六割いるんですよ。そして、そういう人たちは、今もらっている賃金も低いんだけれども、そのまんま年金生活に入ったら、マクロ経済スライドでようけもらえるようになんかならぬのですよ。低年金の方たちがもう増えるばっかりになるんじゃないかということを指摘しているんです。こんな事態が続きますと、将来、膨大な数の無年金及び低年金、生まれますよ。年金制度にこういう働かせ方を続ければ大穴を空けるということに私はなりかねないと強く指摘したい。
 そして、減らない年金、頼れる年金、この転換こそが求められているというふうに思います。そうしてこそ、年金制度への信頼を取り戻すことができます。年金削減政策というのはやめて、最低保障年金、これを制度としてもう導入考えるべきじゃないですか。総理、どうですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 繰り返しになりますが、このマクロ経済スライドは、将来世代の負担をこれ過重にすることを避けつつ、制度を持続可能なものとするための、将来の保険料水準を固定し、その範囲内で給付水準を調整する仕組みであります。これによって、物価等の上昇率ほどに年金額は上昇しないこととなりますが、現役世代と高齢世代のバランスを確保しつつ制度の持続可能性を高める仕組みとなっており、平成三十一年度は年金額がプラス〇・一の改定となっているところであります。
 最低保障年金については、仮に全ての高齢者にそれまでの保険料納付実績とは別に一定額の年金を保障するとなると、多額の税財源が必要となり、また……

○委員長(金子原二郎君) 時間が過ぎておりますので、答弁をおまとめください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 保険料を支払っている方々と払っていない方々との間の公平性をどう担保していくかといった課題がありまして、既に長期にわたって年金制度が運営されている中で、導入には難しい点があることが政権交代までの様々な議論の中で明らかになったところであると、このように思っております。
 その上で、低所得の高齢者の方々への対策については、既に年金受給資格期間の二十五年から十年への短縮や、医療、介護の保険料負担軽減を実施したほか、今年の消費税率の引上げに合わせて、低年金の方々への年金生活者支援給付金の創設、介護保険料の更なる負担軽減を実施するなど、社会保障全体で総合的に講じることとしております。

○委員長(金子原二郎君) 終わりです。

○倉林明子君 年金削減続いている高齢者、そして将来の人たちにとっても納得できる答弁ではなかったと指摘をして、終わります。