倉林明子

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再公営化 世界の流れ 参院委で倉林氏「水道は人権」 / 水道法改定案 地域分散型 転換こそ 参院厚労委 倉林議員が反対討論(2018/12/4 厚生労働委員会)

(資料があります)

 日本共産党の倉林明子議員は4日、参院厚生労働委員会で、地方自治体の水道事業の運営権の民間企業への売却(コンセッション方式)を推進する水道法改定案をめぐり、民営化から再公営化が急速に進む世界の流れを明らかにし、コンセッション方式の撤回を求めました。

 厚生労働省の報告書では1992年~2007年で民営化後に再公営化した水道事業は全体の4分の1に達しているにもかかわらず「官民連携が単純に失敗と判断を下すことはできない」と結論付けています。

 倉林氏は、2000年から15年で37カ国、235事業が再公営化しているという調査を挙げ、「世界では再公営化の流れは加速度的に増している」と指摘。厚労省の報告書で紹介されたインドネシアの首都ジャカルタでは、高い料金や施設整備の遅れを理由に市民が提訴し、17年に最高裁の判決で民間水道事業者が敗訴し再公営化へ進んでいることを示し、「事実を隠したまま民営化を進めるのはあまりに無責任だ」と批判しました。

 倉林氏は「最近の再公営化から得られる教訓は『水は人権、自治が基本』ということだ」と強調しました。

 国の行きすぎた行政改革が、40年間で4割もの職員が減少する事態をつくりだし、災害対応や技術継承が困難な状況になっていると指摘した倉林氏は「参入を狙う企業は、赤字の小規模事業には手を出さない。人材不足が解決できる保障はない」とただし、職員定数削減を見直し、人材不足解消にとりくむよう求めました。


 参院厚生労働委員会で4日、水道事業の広域化や運営権の民間企業への売却(コンセッション方式)を推進する水道法改定案が、自民、公明、維新などの賛成多数で可決されました。日本共産党、立憲民主党、国民民主党、参院会派「希望の会(自由・社民)」が反対し、共産党の倉林明子議員が反対討論に立ちました。

 倉林氏は、コンセッション方式の導入や広域連携の推進は、水道施設の老朽化、深刻化する人材不足等の課題の解決に「役立つものとは言えない」と批判しました。

 世界では水道民営化の失敗から再公営化の動きが加速し、新たな市場として水メジャーが日本の水道事業を狙っていると指摘し、「世界の民営化失敗から学ぶことなく、コンセッション方式を導入するなど到底認められない」と主張しました。

 倉林氏は、国と都道府県が主体となって広域化を推進するとしている法案により、「(各地域の)簡易水道や貴重な自己水源の放棄をさらに加速させることになりかねない」と強調。自己水源を生かした地域分散型の水道事業への転換を求めました。

 水道事業の課題解決のためには「過大な需要を見込んだダム開発をきっぱりと中止し、人員確保、必要な財政支援を行うことこそ必要だ」と述べました。



議事録を読む

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 この期に及んで大臣の答弁が揺れているというような状況というのは、極めて不満だと言わざるを得ないと思うんですね。
 先ほど来紹介もありました海外事例について私も質問したいと思います。
 二〇一五年の報告書、これが海外の事例を検討した全てだということで御提示をいただきました。そして、その中の一ページを資料としてお配りをしております。海外事例、詳細な検討は三事例ということでの紹介ですけれども、こうやってまとめた検討もされているんですね。
 ところが、この調査の対象となった期間はどうかというと、一九九二年から二〇〇七年までの十五年間なんです。民営化の後、再公営化した水道事業は四十五件あった、そして全体の四分の一にも達している、この時点でもそうだったんですね。ところがです、囲ってある部分の一番下のところに記載がありますように、再公営化について単純に失敗とは判断を下すことはできないと書いてあるんですね。この根拠というのはどこから導き出されたのか、改めて御説明願いたい。

○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 御指摘をいただきました報告書では、途上国及び移行国において、一九九二年から二〇〇七年までに、民間事業者による給水を受けている人のうち四分の一に当たるということで、委員四十五件と言われましたが、これ単位が二千五百万と二千万人、給水人口の人数になっていますが、四千五百万人が二〇〇七年の時点で公営に戻った水道により給水を受けているという旨が示されておるところでございます。
 この四千五百万人につきまして、民間事業者との契約満了をもって契約を更新せずに再公営化したというところが二十ということで二千万人含まれているわけでございますけれども、水道普及率の向上とか官民連携の事業の目的を達成して契約期間の満了に至った可能性等も否定できないために、単純に失敗とは判断できないとしたもの、そういう考察をされたんだというふうに理解しております。

○倉林明子君 やっぱり、これ、二〇〇七年までのデータでそういう判断をしているということが極めて判断を誤ることにつながるんじゃないかということを感じたわけですね。
 確かに、この報告書、ほかのところも見てみますと、イギリスでは、二〇一四年度時点で二十七社の企業に民営化が受け継がれているというふうにされているんです。そこ止まりなんですよ。しかし、橋本参考人から紹介あったとおりで、二〇一七年、水道事業の再公営化をマニフェストに掲げた労働党が国民の八割の支持を得る、そして新規のPFIについては中止した、こういう変化が報告書には反映されていないんですね。
 世界の民営化水道の実態を調査している公共サービスリサーチ連合、先ほども紹介ありました。直近、二〇〇〇年から二〇一五年、この十五年間で三十七か国二百三十五事業が再公営化ということになっているわけですね。世界で再公営化の流れというのは、近年極めて加速度的に増加している。こういう実態は、大臣、把握されていますか。

○国務大臣(根本匠君) 御指摘の団体が二〇〇〇年から二〇一五年までの十五年間で三十七か国二百三十五水道事業が再公営化した旨の報告書を作成している、これは承知をしております。この報告書は民間の団体がまとめたものだと認識しています。それから、この報告書は、二〇〇〇年から二〇一四年の間に三十五か国百八十都市で再公営化が行われた旨の報告書と同じ著者の方が執筆したものと理解しております。そして、一年間で二か国五十五都市が増加していることになりますが、そのうち四十五都市がフランスの都市であって、かつ二〇一四年以前に再公営化を行った都市を精査した結果増加したことが理由ではないかなと思っております。
 そして、御指摘の再公営化の流れというのをどう見るかということですが、フランスにおいては、一九九八年から二〇一一年の間でコンセッション方式などで契約された事業四千七百二十九件のうち約九七%が民間との契約が更新されました。そして、米国でも官民連携契約の九三%が更新されておりますので、一律に再公営化が進行しているかどうかということについては、そこはいろんな御判断だろうと思います。

○倉林明子君 大臣の認識は分かりました。
 審議官に確認したいと思うんですけれども、この報告書の中で事例で紹介されているものにインドネシアがあります。この特徴を見ますと、施設整備が遅れており、資金需要の大きさから政府がPPPの導入を積極的に働きかけていると、こういう記載にとどまっているんですね。しかしです、一九九八年、民営化されたジャカルタ水道があります。これは、高い料金、施設整備の遅れ、そして悪いサービスに対して二〇一二年に市民が提訴をしております。二〇一七年、最高裁の判決が出まして、民間水道事業者は敗訴、再公営化へ困難な道だけれども歩み始めているという調査報告がされております。
 こうしたインドネシアの状況については、審議官、把握されていますか。

○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今委員からお話があったのはそのとおりだというふうに理解しております。

○倉林明子君 要は、その紹介された事例でこういう変化起こっているということを審議官は法案提出前に知っていたということであるならば、こういう事実というのは共有されるべきものだと思うんですよ、検討に当たって。民営化の導入を、こういう事実をあることを知っていて、知らせずにやっていたということだったら、事実を本当に隠したままで民営化の導入なのかということを言わないといけないと思います。インドネシア最高裁は、水道の民営化は住民の水に対する人権を守ることに失敗したと、こう断じているんですよ。
 パリ市の例は再々紹介もありました。二〇一〇年に公共事業体として設立されたオードパリが水道事業全てを担うこととなりました。再公営化と言えるものです。市民が誰でも参加できるパリ水道オブザーバー、協議会のようなものですね、ここが設置されて、オードパリの幹部、そして市民、ここに情報をオープンに公開して、運営の在り方についての議論がされているというわけです。水道料金は八%、再公営化で下がりました。利用者の満足度も向上しております。
 パリ市の水道事業の再公営化について、大臣はどのように認識されているでしょうか。

○国務大臣(根本匠君) パリ市の水道事業は、契約上の要求水準が明確になっていないため、提供するサービスの質を適切に管理できないこと、これは会計検査院からの指摘があったと聞いております。人件費などのスライド条項が水道料金の不透明性を高めていることなどの問題があったものだと思います。その上で、二十五年間の契約期間中に水道料金が二六五%上昇したことへの住民の不信感も相まって、二〇一〇年にパリ市の一〇〇%出資会社による経営に変更したものと承知をしております。
 今回の水道法改正案では、パリ市の事例も含めてきちんと問題点を掌握して、我々、制度設計をしております。

○倉林明子君 いや、本当に学ぶべきは学んだのかと。再々この質疑聞いておりましても、私は学べていないんじゃないかと率直に言わざるを得ないと思うんですね。
 パリ市のところで再公営化して、このオードパリでどういう議論で再公営化の事業を成功させているかというと、水道事業の中心に利用者を据える、水のアクセスを保障する、こういう十の目標を定めて取り組んでいるんですね。
 最近の再公営化、ここから得られる教訓というのは、やっぱり水は人権だと、そして自治が基本だということだと思うんですね。最新の世界の水道事業の現状を踏まえれば、私はコンセッション方式というのは撤回するしかないと強く申し上げたいと思います。
 そこで、次に質疑したいのは、深刻化する人材不足についてであります。
 水道事業における職員数の減少、これは四十年間で、ピーク時と比べますとおよそ三万二千人、四割の大幅な減少となっているわけです。とりわけ給水人口が五万人未満の小規模事業者、ここでは技術職が五人未満、一人しかいないと、こんな事業者もあるんですね。
 なぜここまで深刻な人材不足が生じたのか、御説明ください。

○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 水道事業を支えていただいている職員の数につきましてでございますが、これは自治体によってもいろいろ御事情はあるかと思いますけれども、水道事業者の組織、定員削減の問題とか、あるいは団塊の世代が退職されているとか、あるいは新規の採用が抑制されているというようなことで、私がちょっと手元に持っているのは、三十年前ぐらいに比べて三割ぐらい減っているというふうに承知しております。その人員削減に対応する形で民間事業者の業務委託が増加しているというのもいま一つの傾向なのかなというふうに思っております。

○倉林明子君 今御説明のあった状況が、自然現象に起こった話じゃないんですよね。こういう状況は、二階堂参考人の指摘もありましたけれども、この間の国による政策によってこうなっているんですよ。行き過ぎた行政改革、職員定数が削減された、新規採用の抑制がされた。結局、そこに最大の要因がある。これをきちんと分析の基に据えないと、自治体のせいだということではないんだということを、私、強く言いたいと思うんです。
 そこで、大臣、持続不可能な事態にまで今人材不足を拡大してきた国の責任について大臣はどう考えているのか、お聞かせいただきたい。

○国務大臣(根本匠君) 委員おっしゃるように、水道事業を支える職員の数、昭和五十四年をピークに減り続けて、平成二十八年度ではピークから約三割減少しております。水道事業における人材確保は極めて重要な課題だと認識しております。
   〔委員長退席、理事島村大君着席〕
 厚生労働省としては、これまで、人材確保と技術の継承、これは大変重要な課題と認識しておりますので、平成十六年の水道ビジョンや平成二十五年の新水道ビジョンでその重要性を示して、自治体に対処を要請しております。例えば、水道ビジョンでは、若年技術者の減少、世代を超えた技術の継承が課題だとか、あるいは効果的な職務の啓発活動による人材の確保が必要である、あるいは研修の充実、有機的──ちょっと短くしますか。

○倉林明子君 もういいです。
 大臣、国の責任、要は政府全体でやってきたんですよ、これはね。国の施策としてやってきた。だから、大臣としてどうなのかと。厚労省の立場を聞いているんじゃないんですよ。そこは改めてよくお考えをいただきたい。国に責任があるんだということを忘れてはいけないと思いますよ。
 小規模事業者において、技術者の実態というのは、安全、安心な提供義務を持続的に果たす上でもう一刻も放置できない、こういう事態だと思っています。これが広域化によって技術者が増員できる、そういう根拠はないわけですよ。
 さらに、コンセッションで参入狙う企業というのは、赤字の小規模事業者には手を出しません。人材不足が解決できるという保証は、この法案のどこにもありません。逆に、コンセッションによって技術者が企業に持っていかれると、こういう事態も想定されます。その監視、モニタリング、一体誰がすることになるのか。
 企業は、利益を損なうということを理由にして、災害復旧、広域災害支援、これを拒否するということも可能性としては否定できない。こういうときに復旧支援はどこが責任を負うのか。宮嵜審議官、お願いします。

○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 二点あったかと思いますが、一点がモニタリングの関係というか職員の関係。そのコンセッション方式の導入に当たりましては、これまで水道事業を担当してきた専門的なノウハウ等を有する地方自治体の職員が、引き続き、その専門性を生かして水道事業に従事し、モニタリング業務を行うこととなります。
 今回の改正案では、厚生労働大臣は地方自治体のモニタリング体制を確認した上で許可する仕組みとしておりまして、モニタリングの確実性が担保されるということでございまして、そこで職員の方に活躍いただくということになろうかと思います。
   〔理事島村大君退席、委員長着席〕
 二点目は災害の関係でございますが、災害時等の対応をどこまで民間企業に委ねるかにつきましては、広域的な災害支援の対応も含めてあらかじめPFI法に基づく実施方針及び実施契約で決定することとしておりまして、民間事業者は災害支援のために求められる内容を前提とした上でコンセッション事業に応募し、選定されるものでございます。
 さらに、今回の水道法改正案で、厚生労働大臣がこうした災害時の地方自治体と民間事業者間の役割分担が明確に定められていることを確認した上で許可を行うこととしておりますので、実施契約に基づいて災害支援等が適切に行われることとなります。

○倉林明子君 いや、机上の契約上の話しているんじゃないんですよ。
 実際に日本の現場の水道の施設や管路がどうなっているかというのを知り尽くしているのが今いる技術者なんですよ。そういう人たちを、要は民間企業が参入した場合、欲しいの当たり前じゃないですか。じゃ、体制をつくれ、法で定めているから担保できる、そんな話はなりませんよ。人材がいないのに、私は、責任の持ちようなんということはない、その危険が極めて高いんだということを、今の技術者の少なさからも明らかだという指摘をしておりますので、しっかり認識していただきたい。
 知識と技術の蓄積があってこそ、これがやっぱり迅速な災害対応を可能とするんです。このままでは技術継承さえ困難な事態にあるわけですよ。人材不足の解消のために、私は国がやるべきことというのはもうはっきりしていると思う。職員定数削減ありき、これ見直すことが大事なんですよ。新規採用可能となるように、政府挙げて私は取り組むべきだと思う。大臣、改めていかがでしょうか。

○国務大臣(根本匠君) 私も人材確保は大変大事だと思います。
 地方自治体では、水道事業の運営に支障が生じることのないように、専門的な知識、技術を有する人材の確保や育成に努めて、新規採用を含めて適正な人員配置を行うことが重要だと思います。
 先ほども答弁しましたけど、今般の法改正によって人材確保にも資するよう水道の基盤強化を図る。具体的には、水道の基盤強化のための基本方針において、水道事業者等の運営に必要な人材の確保や育成の考え方を示す予定であります。これによって地方自治体の取組を促したいと思います。
 また、水道事業における人材確保を図る観点からは、地域内で人材の融通が可能となる広域連携、あるいは民間企業の技術系ノウハウや人材の活用を図ることのできる官民連携が有効な方策だと思います。
 広域連携については、これまでも広域連携のための都道府県の検討経費や広域化に必要となる施設整備事業に対して財政支援を行ってまいりました。また、水道の基盤強化のための地域懇談会において広域連携や官民連携に関する優良事例を発信して、全国的な好事例を横展開したいと思います。
 引き続き、こういう取組を実施していきたいと思いますが、今回の法改正案によって広域連携と多様な官民連携を更に推進して、水道事業者における人材確保を支援していきたいと思います。

○倉林明子君 職員定数削減というのは、これ、自治体に国が押し付けていることなんですよ。そういう意味でいうと、基盤強化した、広域化したからって職員の定数は増えないんです。給水人口に対して職員の数が増えるという担保は何もないんですよ。だから聞いているんです。
 最後に言いますけれども、経営は民間丸投げ、そして人材確保は地方自治体任せ、これは明らかに国の責任放棄だと、絶対に許されない。さらに、審議は尽くされておりません。私は今日採決することには反対だと申し上げまして、終わります。


議事録を読む

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 私は、日本共産党を代表して、水道法改正案に反対の討論を行います。
 本法案は、人口減少に伴う水の需要の減少、水道施設の老朽化、深刻化する人材不足等の課題に対応するための改正案として示されたものです。改正の柱であるコンセッション方式の導入も広域連携の推進も、水道が直面する課題の解決には到底役立つものとは言えません。
 反対する第一の理由は、水道事業に運営権の売却であるコンセッション方式を導入することが水道の民営化にほかならないからです。
 世界では、水道民営化の失敗から再公営化の動きが加速しています。その結果、新たな市場として水メジャーが狙っているのが日本の水道事業です。厚労省は、官民連携の選択肢を広げるものであり、あくまでも導入の可否は自治体が決めると説明してきましたが、要望書を提出した自治体は僅か一件のみで、自治体首長にトップセールスで売り込んでいたのが厚労省だったことも明らかになりました。世界の民営化の失敗から学ぶこともなく、公共インフラの民間開放ありきでコンセッション方式を導入するなど、到底認められません。
 第二の理由は、広域化を推進強化することで広域水道の押し付け、簡易水道など自己水源の廃止につながる危険があるからです。
 これまでも、都道府県が主導して広域化を進め、簡易水道は統合が推進されてまいりました。基盤が脆弱な簡易水道に対する補助金の期限を切って縮小、廃止するなど、国は簡易水道の廃止を促進してきたのです。
 本法案では、これまで地方自治体が主体の原則をなくし、経営基盤の強化のために国及び都道府県が主体となって広域化を含む基盤強化を推進することとしています。都道府県が設置する広域的連携等推進協議会に参加する市町村は協議会の協議結果を尊重しなければならなくなり、簡易水道や貴重な自己水源の放棄を更に加速させることになりかねません。災害に強い自己水源を生かした地域分散型の水道事業への転換を求めるものです。
 世界の水道事業の民営化の失敗は、水は人権、自治が基本だということを教えています。国民の貴重な財産である水道インフラは、市町村主体で健全な運営が可能となる道こそ目指すべきです。
 現在の水道事業が抱える問題の解決のためには、過大な需要を見込んだダム開発はきっぱり中止し、人員確保、必要な財政支援を行うべきであると申し上げまして、私の反対討論といたします。