倉林明子

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障害者雇用 水増し 徹底検証して 参院委 参考人ら怒りの声(2018/11/20 厚生労働委員会)

 参院厚生労働委員会は20日、中央省庁の障害者雇用率水増し問題について、障害者団体の関係者らを招いた参考人質疑を開きました。参考人からは、水増し問題への憤りとともに徹底検証を求める声があがりました。

 さいたま市で精神障害者支援を行う「やどかりの里」の増田一世常務理事は、水増しについて「働いて生計をたてたいと願う人たちの働く機会を40年あまりも奪ってきた」と批判しました。「(政府の検証委員会の報告書は)長年にわたる法律違反がなぜ続いたのか全く解明されていない」と指摘し、障害者が参加する徹底的な再検証の場を設けることを要求。障害者採用を進めると同時に、通勤支援など合理的配慮や職場環境整備の必要性を強調し「数合わせの障害者雇用にならないよう細心の注意と準備が必要」と語りました。

 日本盲人会連合の竹下義樹会長は、眼鏡をかけて視力が「1・0」の人も障害者とカウントしてきたことについて「非常に悔しく、腹立たしい思い」と語りました。竹下氏は今回の問題を「日本の障害者雇用のあり方を抜本的に見直す機会にしていただきたい」と発言。障害者採用試験に関しては、音声パソコン活用など各受験者が能力を発揮できる方法での実施を求め、「それは採用後の合理的配慮に結び付く」と強調しました。

 日本共産党の倉林明子議員は質疑で「立法府として徹底解明が求められている」と表明し、参考人に問題の背景に何があると考えるかを聞きました。

 増田氏は、障害者権利条約第8条には、障害者に関する社会全体の意識向上のための取り組みを掲げていることを紹介し、「そこに書いていることが各省庁でまったく顧みられてこなかったと思う」と語りました。

 参考人質疑では、全国手をつなぐ育成会連合会・久保厚子会長、全国精神保健福祉会連合会・本條義和理事長、株式会社ゼネラルパートナーズの戸田重央氏も陳述しました。


議事録を読む

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。
 今日は、参考人の皆さんから貴重な御意見をいただいて、本当にありがとうございます。
 何でこんなことが起こったんだろうと、憤りと驚きとという思いが強く伝わってまいりました。我々、検証が不十分だというふうに強く思っておりまして、検証委員会、当事者参加の検証委員会の設置ということももちろんですけれども、立法府としても徹底した解明が求められているというふうに改めて思っているところです。
 そこで、最初に、最初にというか、皆さんにお答えいただくと最後まで行っちゃうかもしれないんですけれども、障害者権利条約を批准した国だ、日本は。さらに、障害者差別解消法も制定したと。そして、その後にこの事件が発覚しているという問題は極めて深刻だと思うんですね。その根底に何があったのか。本来、率先垂範すべき政府が全体で起こした事件だということを踏まえれば、私、この背景として、政府自身に障害者を排除する、そういう差別意識があったんじゃないかというふうに強く感じているんです。それに対し、表明もありましたけれども、それぞれの参考人からどのように感じておられるのか、率直な思いも含めて御紹介いただきたいと思います。

○参考人(久保厚子君) 端的に申し上げますと、先ほどからお話ししていますように、障害者が中央省庁などで働くのはなかなか難しいという、そういう考え方がまずあったのではないかなというふうに思うんですね。
 先ほど意見の中で申し上げましたように、ここにお仕事がいっぱいあるので、ここ助けてくれる人誰かいないかしらという感じでその仕事のできる人を探す、それが日本の、短時間労働であっても二十時間まで働かないと駄目というふうになっていますから、例えば知的障害の場合ですと、封筒に入れて郵送物を出すだけというのは二十時間も確保できないというのはあるかも分かりませんけれども、もっと短時間であったらその仕事だけしてもらうということもできますので、そういう何か特性を見てといいますか、障害のある人が元々中央省庁で働くのは無理だろうという、そういう意識があったんじゃないかしらというふうに私たちは感じています。そこをもう一度見直していただきたいなというふうに思っています。

○参考人(竹下義樹君) ありがとうございます。
 私は、まずこの問題は、障害のある人の働く機会が何十年にもわたって奪われたということをまず指摘したいと思うんです。そのことを省庁の担当した方々が是非自覚していただきたい。すなわち、仮に四千人という方々を、きちっとした障害の人たちの働くチャンスが奪われた、四千人の働く可能性のあった障害者がそこから排除されてしまったということを是非分かっていただきたいというのが一点目でございます。
 二点目には、障害に対する捉え方といいましょうか理解の仕方、もう一度基本に立ち返っていただきたい。先ほど申し上げましたけれども、肉眼で〇・一の方で眼鏡を掛けて一・二の方が、自分が障害者としてカウントされることに恥ずかしいと思わなかったのかということを、私は本当に叫びたい思いです。
 そういう意味では、障害に対する理解というものをもう一度きちっと認識していただき、障害者雇用促進法の理念というものを全ての方に御理解いただきたいと思っております。
 以上でございます。

○参考人(本條義和君) 私は別に、公務員の方が差別意識があったとか、そういうようには思っておりません。ただ、自立という考え方が少し欠けていたのではないかと思います。やはり何から何までできることが自立ではないと思うんです。人それぞれ、やはり高齢になれば、また生まれてからしばらくの間は手助けが、支援が必要です。支援を受けながらでも自分で決めることが自立であります。そういう観念が少し欠けていたんじゃないか。
 それと、やはり、先ほども申し上げましたように、能力で全てを判定する、そういうことによりますと、公務員の方はすばらしい能力を持っておりますので、自分たちに誤りがないものというような気持ちがどこかにあったのではないか。やはりどんな人にもいいところもあれば悪いところもあるわけですから、障害があってもそれぞれ能力、いいところがありますから、それを生かして社会参加、みんなで協力して社会参加していくというお気持ちを持っていただくことが大事ではないかと、このように考えております。

○参考人(増田一世君) 私の資料で権利条約の全文を入れていただきました。この中で、とりわけ第八条、意識の向上という条文があるんですけれども、ここに書いてあることが多分各省庁の中で全く顧みられてこなかったのではないかというふうに思います。
 この締約国というのは、もちろん行政府も入りますが、立法府も司法府も地方自治体も全部これは締約国の中に入るんですね。ですから、私は、今日のこの参考人呼んでいただいたことをきっかけに、立法府の中でこの意識の向上も一つの指標にしていただきながら、なぜこの問題がこのように長くにわたって放置され続けてしまったのか、そして誰も責任を取らない形で幕引きをしようとしているのか、ここはもう立法府の中で徹底的に議論していただきたいというふうに思っています。

○参考人(戸田重央君) 省庁の皆様が障害者を排除するといったことは、全部が全部そういうお気持ちだったかというと、そうではないと私は思っております。
 ただ、つい最近まで、応募資格に関して身体障害のみであったとか自力で通勤できるといったような、ある程度の線引きをしてしまっていたということによってほかの障害者を知る機会を持てなかったというところが一つの原因もあるのかなと思っております。
 ただ、今回、広く応募資格を取るようになったので、そこで出会う機会みたいなものがあればそこから意識が変わってくると思うんですね。今は予期不安が働いてすごいストップが掛かっているかと思いますけれども、動き始めれば変わるんじゃないかというふうに考えております。

○倉林明子君 最後、増田参考人にお伺いしたいんですけれども、四千人の雇用については様々な御意見や問題もあるということで御指摘もいただいたんですけれども、私、この採用をどんな形でしていくのかということも含めて、ハードルにすごくなってくるだろうというのは、定員法の問題があると思うんですね。
 この高いハードルの部分と職場介助が必要な人たちをどう位置付けていくのかということも乗り越えていくべき障壁になるんじゃないかと思いますので、その点で御意見伺いたいと思います。

○参考人(増田一世君) これはかなり腰を据えた改革議論が必要であろうというふうに思います。
 この間、私たちもいろいろ見ていくと、公務員の定数法というのがあって、その中に障害者が入ったら仕事ができなくなっちゃうよという、そんな声もちらほら聞く機会がございました。
 ですから、障害のある人たちが、働く上で何らかの障害を持っているということはもちろんあると思いますので、それをカバーできるような支援者の配置ですとか、あるいは仕事の組立て方ですとか、そういうことを併せて検討していかないと、ただ一般的な今の公務員試験だけでは全く問題は解決しないというふうに思います。

○倉林明子君 皆さん、ありがとうございました。