倉林明子

倉林明子

メルマガ登録

「働き方」法案 総理に対する質疑で倉林議員が廃案求める(2018/6/26 厚生労働委員会)

(議事録は後日更新いたします)

 過労死遺族ら多数の傍聴人が詰めかけ審議を見守る中で始まった厚労委員会。日本共産党の倉林明子議員は「過労死遺族に会って説明もできないような法案は撤回しかない」として、安倍首相に長時間労働とただ働きを強いる法案の廃案を求めました。

 倉林氏は、政府が閣議決定した「過労死防止大綱」では「過労死をゼロ」にすることを目的にしていると指摘。ところが、同法案の柱である「残業代ゼロ制度」(高度プロフェッショナル制度)は、労働時間規制を完全に外し、残業手当もないとして、「過労死防止の観点からは明らかな逆行だ」と批判しました。

 加藤厚労相は「(法案で)健康確保措置をとる」などと弁明に終始。安倍首相は「高プロでも長時間労働を防止し、健康を確保することは重要だ」としか答えませんでした。

 倉林氏は、現行法制のもとでも、法逃れの「ただ働き」が横行していることをあげ、「規制緩和すればさらに過労死を促進する」と指摘。大手広告代理店「電通」社員の高橋まつりさんが過労自死した事件をあげ、「まつりさんのような働き方が違法ではなくなるのが高プロだ」と述べ、法案の撤回を迫りました。


議事録を読む(未定稿)
(この会議録は未定稿です)

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。
 四年前、過労死等防止対策推進法が成立いたしました。そして、翌年、過労死等の防止のための対策に関する大綱が、これ閣議決定されております。そこには、「法が成立した原動力には、過労死に至った多くの尊い生命と深い悲しみ、喪失感を持つ遺族による四半世紀にも及ぶ活動があった。」と紹介しています。
 総理に聞きたいと思います。そもそもこの大綱は何のために策定されたんでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 過労死等の防止のための対策に関する大綱は、過労死等がなく、仕事と生活を調和させ、健康で充実して働き続けることのできる社会の実現を目的として、講ずべき対策を取りまとめたものであります。

○倉林明子君 この大綱では副題がはっきり書いてあるんですよ。「過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ」、つまり過労死をゼロにする、これが大綱の目的なんですよ。何でそれが言えないのかなと、答弁聞いていて大変不思議に思いました。
 過労死防止のための調査研究が、この法律が成立しまして行われることとなりました。これで明らかになったということとして、平成二十九年度の白書に報告があります。労働時間を正確に把握すること及び残業手当を全額支給することが、残業時間の減少だけでなく、年休取得日数の増加、メンタル状態の良好に資することが示唆されているわけです。
 これ、過労死防止のための研究を生かすということであれば、やるべき法定化というのははっきりしてくると思うんですよ。労働時間の正確な把握、さらに残業手当を全額支給する、これこそ法定化すべき中身じゃないかと思うんですけれども、総理、いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本法案においては、労働安全衛生法を改正し、労働者の労働時間の状況を客観的な方法により把握することを事業者に義務付けることとしております。これによって、労働時間が長時間に及んでいる者に対する医師の面接指導を適切に実施し、そして労働者の健康確保に遺漏なきを期していきます。
 なお、時間外労働に関する割増し賃金の不払に対しては、労働基準監督署が厳正に対処することになります。

○倉林明子君 研究成果が生かす方向としての法定化の中身で聞いたんですよ。ちょっとすり替えないで、ちゃんと答えてほしい。(発言する者あり)

○国務大臣(加藤勝信君) いえいえ、今委員の御指摘は、いわゆる労働時間の正確な把握と残業手当のしっかりとした支給ということだというふうに認識をしております。
 厚労省でも、使用者の労働時間の適正な把握を図るため、昨年一月に労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置にガイドラインを作成し、その周知を図るとともに、ガイドラインに基づく適正な労働時間の把握がなされていない事業場に対しては是正に向けた監督指導を行っているところでございまして、平成二十八年では、労働時間の把握が不適正なために指導したものは約三千事業場ございます。また、労働基準監督署においては、残業代の適正な支払など、労働基準法の履行確保を図るため監督指導を実施をしておりまして、違反が認められた場合には是正を図らせるとともに、悪質な事業所に対しては、捜査の上、書類送検を行うなど厳しく対応しておりまして、こうした取組を今後とも徹底をしていきたいと考えています。

○倉林明子君 それでも過労死はなくなっていない、だからこそ、この研究成果は法定化して生かされるべきだという指摘を正面から受け止めていただきたいと思うわけです。
 この中で、大綱で生かされるということで、今議論もされております新たな大綱にこの研究成果について盛り込もうということになっている。しかし、これはあくまでも職場の関係者に対する啓発の項目にすぎないんですよ。これでは、現実の効力を発揮するということには本当に程遠いと思うわけです。
 労働時間の規制を完全に外して、残業手当もない、これが高プロになるわけですよ。過労死防止の観点からは、私、明らかな逆行だと言わなければならないと思います。
 そもそも、裁量労働制でも、事業場外みなし労働制でも、法逃れでただ働きをさせているのが日本を代表する大手企業ですよ。既存の労働法制も守らない、過労死するほど働かせている企業、これが高プロで労働時間の規制が完全になくなったら働かせ放題になる、これは明らかだと思いますよ。いかが認識されていますか。

○国務大臣(加藤勝信君) これまでもお話をさせていただいておりますけれども、今回の法律においては、まず健康管理時間をしっかり把握をし、それに基づいた健康確保措置をとるということにさせていただいております。
 それから、これはこれまでも議論しておりますけれども、業務においてもやはり時間等に対する使用者側からの指示、こういったものがあった場合には適用しないという形での省令の検討もさせていただいているところでありますので、そういった措置を通じて、更に言えば、御自身が対応した場合でも安全配慮義務等々の対応もさせていただくことも御説明させていただいたところであります。

○倉林明子君 現行法制でさえ守らせることができていないというのが今の労働行政なんですよ。その到達点をしっかり踏まえないと駄目だと思います。
 規制緩和すれば更に過労死を促進する、この危険は極めて高いと言わざるを得ません。
 総理は、電通で過労自死した高橋まつりさんのお母さんと、昨年二月、会われました。そのとき、手紙をもらっているはずです。それは読まれたと思う。娘の死から学んでほしいと書かれていたそうであります。電通では、若くても年収一千万円前後になるというわけですよ。年収要件は一千七十五万程度だという話もされているし、その中身についてもいろいろ議論あった。さらに、成果を求められる働かせ方という点でも、これ繰り返すことになるんじゃないか、違法でなくなるんじゃないか、この不安がまつりさんのお母さん始め遺族の中にあるわけですよ。
 まつりさんのこの過労自死から総理は一体何を学んだのか。はっきり答えてほしい。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 高橋まつりさんの一周忌に当たる一昨年十二月二十五日に私がお花と手紙をお送りしたところ、まつりさんのお母様からお礼に伺いたいとの申出をいただき、恐縮とは考えましたが、昨年二月二十一日にお会いをさせていただいたところであります。
 高橋まつりさんのお母様とお目にかかって、大切な、そして一生懸命頑張っているお嬢様を亡くされた悲しみについては、本当に私も胸に迫るものがございました。もうこうした出来事を起こしてはならないと、このように深く心に誓ったところでございます。そうした誓いを胸に、今回、今までなかなかできなかった、労使が合意をし、そして三六協定でも超えてはならない罰則付きの時間外労働の限度を設ける法案を提出するに至ったところであります。
 また、高度プロフェッショナル制度においても、長時間労働を防止し健康を確保することは重要であり、先ほど厚労大臣から答弁をさせていただいたところでございますが、在社時間等の把握、一定以上の休日の確保などを使用者に義務付けることとしております。こうした措置を通じて、高度プロフェッショナル制度で働く方々の健康確保に遺漏なきを期していく考えでございます。

○倉林明子君 過労死の悲劇を二度と繰り返さないと何度も発言していたのは総理ですよ。それだったら、なぜ家族会の要請に、何度繰り返されても会えないんですか。先ほど、石橋委員の質問には、総理、答えていませんよ。今でも遅くないという指摘はそのとおりだと思う。高橋まつりさんの死から学んだものが二度と繰り返さないということであれば、家族会に会うべきだ。どうですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 何度か答弁をさせていただいておりますが、まさにこの法案を担当し、法案の中身について熟知をし、そしてまた議論の経過について十分に承知をしている厚労省そして厚労大臣が対応することが適切と、こう判断したところでございます。

○倉林明子君 家族会にも会って説明できないような法案というのは、私は撤回しかないと思います。
 終わります。