倉林明子

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育児・介護休業法改正案 さらなる対象拡充を(2024/5/10 本会議)

(議事録は後日更新いたします)

 子育て・介護と仕事の両立を支援する制度の拡充や周知などを盛り込んだ育児・介護休業法改正案が10日の参院本会議で審議入りしました。日本共産党の倉林明子議員は「一歩前進だが、不十分だ」と指摘し、さらなる拡充を要求。育児・介護と仕事の両立のために「ジェンダー平等を実現する政策こそ必要だ」と求めました。

 改正案は、子の看護休暇制度の取得理由を学級閉鎖や卒園式などの行事にも広げ、対象も現行の小学校就学前から3年生まで広げます。残業免除の対象は現行の3歳までを小学校就学前までに拡充します。

 倉林氏は、看護休暇の対象を中学校卒業まで広げ、所得補償制度をつくるよう要求。残業免除の対象も少なくとも小学校6年まで広げるよう求めました。

 武見敬三厚生労働相は、残業免除の拡充などについて「利用状況が女性に偏っている現状に鑑みると、制度の拡大により女性のキャリア形成に影響する恐れがある」などと強弁。倉林氏は「女性のキャリア形成を阻んでいるのは正規雇用であれば長時間労働を前提とした日本の働き方そのものだ」と批判しました。

 また、非正規雇用労働者が産休・育休を取得しにくい要因の一つになっている“子が1歳6カ月になるまで雇用が継続している”という取得要件の撤廃を求めました。

 一方、介護との両立をめぐる改正は支援制度の周知などにとどまります。倉林氏は増加する介護離職などを「防げるのか」と批判。介護休業取得者は1・6%にとどまり、介護休業制度の取得期間も短すぎるとして、期間延長や給付水準の引き上げを迫りました。


議事録を読む(未定稿)
(この会議録は未定稿です)

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 日本共産党を代表し、育児・介護休業法等改正案について厚生労働大臣に質問します。
 本法案は、少子化対策として掲げられたこども未来戦略の中に位置付けられたものです。同戦略の政策の基本的な考え方の中では、少子化、人口減少に歯止めを掛けなければ、我が国の経済社会システムを維持することは難しく、世界第三位の経済大国という我が国の立ち位置にも大きな影響を及ぼすとして、経済成長のために少子化対策を位置付けています。
 そもそも少子化は、自民党政権が進めてきた低賃金で不安定な雇用の拡大の結果だと言わざるを得ません。育児や介護は労働者個人の権利です。少子化対策として位置付けること自体が間違っているのではないでしょうか。
   〔副議長退席、議長着席〕
 昨年、私は、北欧と日本の育児、家族政策を比較するセミナーにパネリストとして参加しました。その中で、北欧五か国では、男性の育児休業の取得向上を、少子化対策としてではなく個人の権利として保障し、ジェンダー平等を進める中で実現してきたと紹介がありました。日本に足りないのはこの視点ではないでしょうか。ジェンダー平等を実現するための政策こそ必要です。大臣の認識をお答えください。
 法案について質問します。
 子の看護休暇制度について、取得事由を子の世話又は疾病だけでなく、感染症に伴う学級閉鎖や入園式や卒園式といった子の行事にも、行事参加にも拡大したことは前進です。しかし、対象が小学校三年生まででは不十分です。取得日数についても、現行制度の子が一人の場合は五日、二人以上の場合は十日では少な過ぎるという声が上がっています。対象を義務教育期間の中学校卒業まで拡大し、子が一人の場合でも一年に十日以上取得できるようにすべきではないですか。
 さらに、看護休暇は法律上の所得補償がありません。そのため、有給休暇を使うか、無給とならざるを得ません。経済的な心配をすることなく、病気の子供の看護に専念したり、行事に参加したりするためにも、子の看護休暇について所得補償制度をつくるべきです。いかがですか。
 法案では、残業免除の対象を三歳までから小学校就学前までに拡大します。しかし、小学校に入学してからも、学童保育に入所困難な場合や、防犯対策を迫られる社会情勢もあり、不十分だという声が上がっています。残業免除の対象は最低でも小学校六年生までに拡大すべきと考えますが、お答えください。
 衆議院の議論の中で、厚生労働省は、子の看護休暇の日数や残業免除の利用期間を増やすことは、制度の利用状況が女性に偏っている現状に鑑みると、女性のみの利用が拡大して女性のキャリア形成に影響するおそれがあると答弁しています。しかし、一人親家庭は一人で対応せざるを得ません。また、看護休暇の日数にかかわらず、子供が体調を崩せば休まざるを得ません。女性のキャリア形成を阻んでいるのは休暇の取得日数や残業免除制度ではありません。正規雇用であれば長時間労働を前提とし、無条件に働くことを求められる日本の働き方そのものです。
 厚生労働省の答弁は、育児や介護などで長時間働けない労働者は非正規雇用を選ばざるを得ない、特に女性が非正規雇用を選ばざるを得ない実態を助長することになるのではありませんか。答弁を求めます。
 柔軟な働き方を実現するための措置についても不十分と言わざるを得ません。
 法案では措置の対象年齢を小学校就学前までとしていますが、小学校一年生の壁、三年生の壁が社会問題化する中で、不十分だという声が上がっています。育児と仕事の両立のために、最低でも子供が小学生の期間は措置の対象とすべきです。
 また、措置の内容も、始業時刻などの変更、テレワーク、新たな休暇の付与、短時間勤務制度などについては、労働者が自由に選択するようにすべきです。同時に、事業主が労働者の求める措置が実施できるよう、国が財政的な支援を行うよう求めるものです。
 以上二点、お答えください。
 非正規雇用労働者は産前産後休業や育児休業が取得しにくい実態があります。厚生労働省が行った調査では、非正規雇用の場合、勤務先に産前産後休暇や育児休業の制度が整備されていなかった、契約が終了する見込みだったためという理由で仕事を辞めたという回答が正規雇用を上回っています。同調査で、利用すれば仕事を続けられたと思う支援、サービスは、育児休業や子の看護休暇といった気兼ねなく休める休業・休暇制度という回答が一番多くなっています。非正規雇用労働者が育児休業を取得しやすい環境の整備が求められています。
 二〇二一年の法改正で一年以上の勤続要件は廃止されましたが、子供が一歳六か月に達するまでに労働契約が満了することが明らかでない場合のみ育児休業を取得できるという要件は残されたままです。まずは、この要件を撤廃し、有期雇用労働者も契約期間にかかわらず育児休業を取得できるようにすべきではありませんか。
 女性の育児休業取得率は八割ですが、男性は僅か一七%であり、その五割以上が育休取得期間は二週間未満となっています。収入減少への不安が男性が育児休業を長期間取得できない理由の一つとなっています。
 育休中の休業補償を一年間は休業前の手取りの所得を補償する水準に引き上げるべきです。見解を求めます。
 家族の介護、看護を理由とする離職者や、家族の介護をしながら就業する労働者は年々増加しています。しかし、本法案では、介護休業や両立支援制度に関する個別周知などにとどまっています。これで介護離職を防止できるのでしょうか。
 介護している雇用者に占める介護休業取得者割合は僅か一・六%です。多くの労働者が介護休業を利用できていないのが実態です。なぜこれだけ取得率が低いのですか。お答えください。
 現行の介護休業制度は、対象家族一人につき三回まで、通算九十三日までしか休業できません。給付も九十三日を限度に三回までしか支給されません。介護は先々の見通しが立ちにくいのが実態です。また、今般のトリプル報酬改定により、訪問介護サービス事業所では人手不足から利用を断らざるを得ない実態が拡大することが想定されています。家族負担が増す中で、休業期間が九十三日では余りにも短過ぎます。休業期間を延長すべきではありませんか。
 さらに、介護休業給付は、社会保険料の免除がないため、育児休業給付より給付水準が低くなっています。介護休業給付についても、給付期間は社会保険料を免除し、育児休業給付と同様の水準まで引き上げるべきです。
 ハラスメントの問題も深刻です。育児、介護に関するハラスメントは、労働局による是正指導は行われているものの、事業主の雇用管理上の措置の履行を求めるもので、ハラスメントの有無の認定や被害救済についての指導が行われているわけではありません。ハラスメントを禁止して、被害者を救済するための枠組みをつくるべきです。お答えください。
 最後に、男女共に仕事と育児、介護を両立できるようにするためにも、ジェンダー平等を実現することが解決策であり、全ての人の人権が尊重される社会の実現にもつながることを強く指摘して、質問終わります。

○国務大臣(武見敬三君) 倉林明子議員の御質問にお答えいたします。
 ジェンダー平等を実現するための施策についてお尋ねがありました。
 我が国では依然として、男性が仕事をしつつ家事、育児に取り組むことが当然とは受け止められにくい職場風土があり、その是正に向けて、固定的な性別役割分担意識を解消しつつ、男女とも希望に応じて仕事と育児を両立できるようにしていくことが重要です。
 厚生労働省では、男女雇用機会均等法の遵守や、女性活躍推進法による取組を推進するとともに、育児・介護休業法等において男女共に希望に応じて仕事と育児を両立できるよう、職場環境の整備に取り組んできました。
 引き続き、これらの取組を通じて、男女共に希望に応じて仕事と家庭生活を両立し、その個性や能力を生かして活躍できる社会の実現に向けて取り組んでまいります。
 子の看護休暇の対象年齢の引上げや取得日数の拡大についてお尋ねがありました。
 今回の法案においては、労働政策審議会での議論を踏まえ、男女共に仕事と育児を両立できるようにするため、子の看護休暇の見直しを行うこととしています。
 子の看護休暇の対象年齢については、十歳以降の子、九歳までの子が診療を受けた日数の状況等を勘案して、小学校三年生修了までとしています。
 また、取得日数については、子の病気のために利用した各種休暇制度の取得日数等の状況等を踏まえ、また、男女共に取得されるよう促進することが必要であると考えており、現行の日数を維持することとしております。
 子の看護休暇の所得補償についてお尋ねがありました。
 子の看護休暇については、労働者が希望する日の取得を業務の都合等を理由に事業主が拒むことができない強い権利であり、有給の原則化などの所得補償をすることについては慎重な検討が必要と考えております。
 その上で、子の看護休暇について、法を上回る措置を事業主が講じることは望ましいものであり、企業の取組を促すとともに、両立支援等助成金についての周知も併せて行ってまいります。
 育児の残業免除の対象についてお尋ねがありました。
 今回の法案では、男女共に希望に応じて柔軟な働き方を活用しながらフルタイムでも働けることを選択できるようにするため、三歳以降小学校就学前の子を養育する労働者について、柔軟な働き方を実現するための措置の創設に加えて、残業免除の制度を見直すこととしています。
 残業免除の対象となる子の年齢については、育児・介護休業法は企業規模にかかわらず全ての事業主に適用される基準であることや、制度の利用状況が女性に偏っている現状に鑑みると、制度の拡大により女性のキャリア形成に影響するおそれがあること、子育て中以外のほかの労働者との間で不公平感が生じないよう配慮する必要があることなどを勘案し、小学校就学前までの子を対象としております。
 女性のキャリア形成の阻害要因等についてお尋ねがありました。
 女性がその希望に応じて職場で能力を発揮し、キャリア形成を図っていくためには、男女共に仕事と育児、介護の両立支援のための環境を整備することに加え、職場全体の長時間労働の是正を行うことが重要です。
 今回の法案では、次世代育成支援対策推進法の改正により、事業主が一般事業主行動計画を策定する際に、時間外労働等の労働時間の状況に関する数値目標の設定を義務付けることとしており、社会全体の意識改革を進めながら、各職場での労働時間短縮に向けた取組を促進してまいります。
 柔軟な働き方を実現するための措置において対象となる子の年齢や事業主への経済支援についてお尋ねがありました。
 対象となる子の年齢については、育児・介護休業法は企業規模にかかわらず全ての事業主に適用される基準であることや、両立支援制度の利用状況が女性に偏っている現状において女性のキャリア形成に影響をするおそれがあること、子育て中以外の他の労働者との間で不公平感が生じないよう配慮する必要があることなどを勘案し、小学校就学前までの子としています。
 また、両立支援等助成金により柔軟な働き方の導入等の支援を行うとともに、事業主が自社の状況に応じて可能な限り労働者の選択を広げることは望ましいことから、改正法案が成立した暁には、これらの内容を指針においてお示しすることとしております。
 有期雇用労働者の育児休業の取得要件についてお尋ねがありました。
 有期雇用労働者に関する育児休業の取得要件については、休業により一定程度雇用の継続が図られる範囲の有期雇用労働者について対象とするという考え方に基づき定められているものであり、御指摘の要件を撤廃することについては慎重な検討が必要であると考えています。
 一方で、令和三年の育児・介護休業法改正において、有期雇用労働者について、育児休業の取得要件のうち事業主に引き続き雇用された期間が一年以上である者という要件を撤廃したところであり、引き続きその周知徹底に取り組んでいきます。
 育児休業給付の給付率の引上げについてお尋ねがありました。
 現行の給付水準は国際的に見ても既に高い水準である中で、一年間、手取り十割相当の給付を行うことは慎重に検討すべき課題と考えますが、別途御審議いただいている法案において、男性の育児休業の取得を促進し、男女共に働きながら育児を担うことができる環境を整備する観点から、特に子供の世話に手が掛かる一定の時期に限り、最大二十八日間、手取り十割相当の給付を行うことを盛り込んでおります。
 介護休業取得率についてお尋ねがありました。
 介護離職の要因には、勤務先や家族、サービスに起因するものなど様々なものがあると考えられますが、御指摘のとおり、介護休業などの利用が低水準にとどまっていることから、介護離職の要因の一つに、両立支援制度が整っているにもかかわらず利用が進んでいないといった課題があると考えております。
 このため、今回の法案では、介護に直面した労働者に対して両立支援制度に関する情報を個別に周知しその利用の意向を確認することなどを事業主に義務付けることなどを通じて、仕事と介護を両立できる環境の整備を目指してまいります。
 介護休業期間の延長や介護休業期間中の社会保険料免除についてお尋ねがありました。
 介護休業は、介護の体制を構築するための休業ですが、その利用は低水準にとどまっており、両立支援制度が整っていても利用が進んでいないことが課題と考えます。
 このため、今回の法案では、両立支援制度について個別の周知と、その制度利用の意向を確認することなどを事業主に義務付けることとしています。
 介護休業期間中の保険料免除については、次世代育成という育児休業と同様の意味合いは見出し難く、他の被保険者や事業主の理解を得られるかという点で慎重な検討が必要と考えております。
 ハラスメントの禁止についてお尋ねがありました。
 育児休業、介護休業等に関するハラスメントを含め、ハラスメントは、働く方の尊厳や人格を傷つけ、職場環境を悪化させるものであり、許されない行為であると考えており、法に基づくハラスメント防止等の取組を進めているところです。
 また、厚生労働省では、本年二月から、雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会を開催し、ハラスメントの現状や論点、施策の方向性などについて専門家の知見を踏まえた議論を行っており、引き続き、ハラスメント防止対策にどのように取り組んでいくか、検討を進めてまいります。
 以上でございます。