倉林明子

倉林明子

メルマガ登録

強制入院 歯止めなし 障害者総合支援法案ただす(2022/12/6 厚生労働委員会)

(資料があります)
(議事録は後日更新いたします)

 日本共産党の倉林明子議員は6日の参院厚生労働委員会で、障害者総合支援法案の問題点や精神科医療の現状について政府の認識をただしました。

 同法案は、強制入院である医療保護入院の期限を定めたものの更新の上限がなく、長期化の歯止めがありません。倉林氏は「指定医の判断により医療保護入院させることができる対象が広がることは明らかだ」と指摘しました。

 倉林氏は、日弁連が提案した2035年の強制入院の廃止に向けたロードマップを紹介し、精神保健福祉法を廃止して医療法に包摂することや、独立した国内人権機関を創設することなどを要求。政府に対し「強制入院を廃止すること」を迫りました。

 精神科医療では、04年の行動制限最小化委員会設置の義務化以降も身体拘束が増加。16年に身体拘束による肺血栓塞栓症で亡くなった大畠一也さんを巡る裁判は、身体拘束が違法という判決が21年の最高裁で確定しました。

 倉林氏は、こうした判決にもかかわらず、政府の検討会が今年6月に身体拘束の要件に「治療が困難」を加えるとしたことに対し、「医師の裁量がさらに広がる」と批判し、厚労省として検証を求めました。厚労省の辺見聡障害保健福祉部長は「精神科病院に対しての指導監督は、都道府県において適切に行われている」と答えました。

 倉林氏は、国連障害者権利委員会が出した障害者権利条約に関する勧告を誠実に履行するよう求めました。


リーフレット「精神障害のある人の強制入院をなくそう-日弁連の提言」


議事録を読む(未定稿)
(この会議録は未定稿です)

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。
 立憲、そして国民の方からも、本法案の充実した審議を求めるという声がありました。
 前回、精神保健福祉法を議論した際は、一本の法案で、参考人質疑も入れますと二十七時間の質疑時間を参議院では確保いたしました。今回、束ね法案になっている上に、実質的な審議は今日を入れて、あっ、参考人も入れても九時間です。あと一回の審議で終わりというようなことは到底認められないとまず申し上げておきたいと思います。
 その上で、昨年の七月にNHKの特集報道がございまして、そこで、精神科病院におけるコロナ、このクラスター感染の壮絶な実態が明らかになったんですね。大阪精神医療人権センターの有我譲慶さんが、公表されているデータを基にして感染率と死亡率を比較して公表してくれました。
 これ、昨年六月の時点なんですけれども、精神科病院で国内感染率の三・六倍なんですよ。死亡率は、少なくとも、死亡公表していないところ多いので、六・九倍という数字になっているんです。
 これ、日本精神科病院協会もアンケート等取っていまして、転院できずに亡くなった患者は二百三十五人という結果を公表しております。
 厚労省は、精神科病院でのクラスター及び感染状況をつかんでいるのかと確認したい。精神病院で感染率や死亡率が高いと、そういう認識をお持ちなのかと、そしてその要因は何だと分析しているのか、端的に御説明を。

○政府参考人(辺見聡君) 新型コロナ、あっ、恐れ入ります、精神科病院におけるクラスターの発生件数についてお尋ねございます。
 新型コロナウイルス感染症の陽性者数、死者数等について、ホームページ等の公表状況を基に情報収集しているところでございますが、精神科病院における患者数の総計や死亡者数については網羅的には把握をしておりません。また、クラスター発生数についても、事案の詳細まで必ずしも、あっ、報道等で把握をしているところでございますが、必ずしも詳細までは明確でないため、精神科病院におけるクラスター発生件数については把握できてはおりませんが、クラスターが発生した事案があるということについては報道等により承知をしているところでございます。

○倉林明子君 それは一般的に報道で把握ということはあるでしょう。しかし、精神科病院でどういう特徴になっているのかということは、私は本当に調べる必要があると思うんですよ。
 異常なんですよ。二百七十床の精神科病院で百七十四人の患者が感染したと、こうした大規模クラスターが発生しているところあります。七十一人が死亡すると、こういう事案も出ているんですよ。
 日精協によりますと、六割の患者が転院できなかったと。有我さんの調査では、精神科救急対応のない、分析されているんですね、一般、療養、認知症治療病棟のみと、こういう病院、つまり、以前の精神科特例の人員配置並みのところ、こういうところで大規模クラスターが発生するリスクが極めて高くなっているという結果出ているんですよ。
 改めて求めたい。精神科病院でのクラスター及び感染状況の調査、厚労省として実施すべきじゃないですか、大臣。

○国務大臣(加藤勝信君) 精神科病院における新型コロナへの対応については、令和二年度厚生科学研究で実態調査を行いました。当該研究で、精神疾患の特性からマスクの継続的な着用等の基本的な感染予防の協力が得にくい等の課題が指摘をされ、こうした結果を受けて、都道府県に対して、精神科医療機関での新型コロナの発生に備えた連携医療機関の確保、感染症発生時における必要な物資や機材の確保、これを依頼をしているところであります。
 現在、感染状況を見ますと、精神科病院に限らず様々な場面で患者が発生をしているところであります。先ほどありましたように、精神科病院のみを対象とした感染状況の調査というよりか、クラスター自体の調査そのものが、これ我々が直接調査しているのではなくて、様々に出てきた報道等を集めて調査しているのがこれ実態であります。したがって、それをさらに精神科病院だけということよりは、むしろ、精神科医療機関においても今申し上げた適切な感染対策が行われるよう、これを引き続き周知を図っていきたいと思っております。

○倉林明子君 今のは調査じゃなくて把握というんだと思うんですよ。
 精神科病院に入院していたがためにですよ、感染し、必要な医療も受けられずに亡くなっていると、こんなことあってはならないと私は言いたい。精神科特例で認められてきた脆弱な医療提供体制が被害を拡大してきたんじゃないのかと、精神科病院におけるコロナ禍の詳細な私は検証が求められていると、そういう意味での調査をしっかりやっていただきたいと思います。
 精神科病院の隔離について確認します。
 精神保健福祉法第三十六条第三項で処遇の基準が定められております。遵守事項の(一)及び(三)、一と三だけで結構ですけれども、規定ぶりについて説明してください。法に基づく命令に違反した場合の対応はどうなっているか。お願いします。

○政府参考人(辺見聡君) 精神科病院におけます処遇につきましては大臣告示を定めているところでございますが、患者の隔離については、遵守事項として、隔離を行っている閉鎖的環境の部屋に更に患者を入室させることがあってはならない、隔離を行っている間においては、定期的な会話等による注意深い臨床的観察と適切な医療及び保護が確保されなければならないと定めているところでございます。
 この遵守事項に違反していると認められる場合には、都道府県が報告徴収、改善命令、退院命令などの指導監査を法に基づき行うこととなります。また、精神科病院が改善命令又は退院命令に違反した場合には、その旨、都道府県知事は公表することができると規定されているほか、退院命令の違反については罰則が規定されているところでございます。

○倉林明子君 命令違反の場合は指定医の取消し、また期間を定めて職務の停止ができると、厳しい処分ができるということになっております。
 これ、冒頭紹介しましたNHKの特集で、コロナ感染をした女性患者らが六人、外から施錠された和室の部屋で十日間、ポータブルトイレは一個しかないと、こういうところで治療もないまま集団で隔離、監禁がされていたと、こういうことが報道されております。
 一人の女性が今年二月に提訴をしております。取材に応じた女性は、熱があって喉が渇いても、ナースコールもないため、ドアをたたいて看護師を呼ぶしかありませんでしたと、なかなか来てもらえずに、死んでしまうのではないかと、怖くて震えが止まらなかったですとおっしゃっているんですね。これ、事実なら明確な法令違反じゃないかと思います。
 厚労省は、東京都七生病院でのコロナ感染者の集団隔離について把握しているのか、把握しているのであればいつどんな形で把握したか、そして、処遇の基準に明確に違反する事案だが、これ命令はされていたのか、確認です。

○政府参考人(辺見聡君) 御指摘の事案につきましては、報道等によっても承知をしているところでございます。
 個別の病院への指導については各都道府県で実施をしているため、その指導状況については国において回答することは困難でございますが、処遇基準に反する対応が行われた場合には各都道府県等が改善命令を行うなど、適切に対応しているものと認識をしております。
 今後とも、精神科病院における入院患者に対して適切な処遇が図られるよう、引き続き指導監督の徹底に努めてまいりたいと考えております。

○倉林明子君 いや、報道で知ったということは、七月の時点で知ったということであるならば、東京都に確認すべきじゃないんですか。
 そういう確認はされたのか。大臣、どうですか。

○政府参考人(辺見聡君) 精神科病院に対しての監査でございますけれども、個別病院への指導については各都道府県で実施をしているため、その状況について国として、国において回答することは困難でございます。

○倉林明子君 いや、法を、そして告示を、基準をしっかり守ってこそ、医療、適切な精神医療の提供が可能になるわけですよ。そこに対して、まるで東京のことやと言わんばかりというのは、本当にちょっと法を遵守する気があるのかということが問われると、私は厳しく言いたいと思う。
 あのね、コロナ感染しても治療どころか監禁して放置するなんてことは虐待以外の何物でもありません。そういうことを自覚してもらいたい。直ちに東京がどうだったかということは確認をしていただきたい。後ほど報告を求めたい。
 次ですね、精神科の入院患者の約半数、十三万人が強制入院である医療保護入院です。これは日弁連が作られた資料ということで、今日付けております。患者入院数が人口比でも絶対数でも世界最大という状況になっております。
 本人の意思に基づかない強制入院というのは、本人の尊厳を、本人の尊厳、そして取り戻せない時間を奪うんですよ。そして、心に深い傷を負わせるんですよ。そういうものだという認識が大臣にはあるでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 本人の同意がない場合の入院制度に関して本年六月にまとめられた検討会の報告書の中でも、精神障害を有する当事者の構成員からの話も聞かせていただいた内容が入っております。
 その中では、慣れない環境での入院治療はそれだけで孤独や不安を伴う中、病院の中で、十分に自分の気持ちや状況について話を聞いてもらえない、説明が得られない、伝えてはみたがうまく伝わらない等の体験が重なることで、当初抱えていた孤独や不安が更に増大をしていくということ、場合によってはそれが、もう退院を諦めざるを得ないな、こういった心境にもなって長期在院につながっていく、こうしたことも指摘をされているところであります。
 精神科病院の医療、これまさに患者のために行われているものでありますので、患者の尊厳が確保されることが何よりも重要であります。患者の入院医療へのアクセスを保障するとともに、本人の意思に基づかない入院医療は必要最小限で行われることが重要だと考えており、今般の改正案でも所要の措置を講じることとしているところでございます。

○倉林明子君 こういう強制入院が行っているということ、強制入院という措置そのものが、今回の勧告でも示されているように、重大な人権侵害なんですよ。そういう認識で、最小化ではなくゼロの方向こそ目指していくべき課題なんだということを強調しておきたい。
 福島の原発事故がありまして、それを契機に退院せざるを得ないという精神科病院に入院されていた方がいらっしゃいます。四十年間の入院期間を経て退院された時男さんという方がお話しされているんです。そして、そこから、六十代から人生取り戻しているんだと、そういうお話ですよ。
 日弁連の調査でも、強制入院は多くの人に恐怖心、屈辱感、自己喪失感をもたらしているんですよ。そういうものになっているんだということを法を担当する大臣としてはしっかり自覚をしていただきたい。
 法案では、医療保護入院の期限を定めたと。しかし、更新の上限がないわけです。私は、実態と、事実として長期化の歯止めがこれで得られたとは言えないと、歯止めないわけです。市町村の多くは指定医の判断があれば不同意とすることは困難だという、こういうアンケート結果も示されております。指定医の判断により医療保護入院をさせることができると、この対象は明らかに広がるんですよ。これでどうして医療保護入院を減らせるのかと。
 一概に増えるとは言えないと言うんだけど、じゃ、どうしてこれで減らせるんですかということで、大臣、いかがですか。

○国務大臣(加藤勝信君) まず、今回の改正案では、医療保護入院の入院期間の上限を定め、期限の到来の際には精神科病院が入院の要件を確認することが必要とされております。
 また、更新に当たっては、退院支援委員会における審議を求める、こういう仕組みにもなっているわけでありますので、こうしたことを通じ対応していく。またさらには、精神科病院について、現行は努力義務とされている地域の福祉サービス事業者との連携も義務化する等、まさに退院後の地域での生活を見据えた退院支援、これをしっかり拡充することによって医療介護入院というものを減らしていくということにつなげていきたいと考えています。

○倉林明子君 いや、今のが減らせる根拠の説明には私はなってないと思うんですよ。最小限化ということはおっしゃるんだけれど、廃止を目指すということはこの質疑でも絶対答弁出てこないんですね。私は、国連の勧告、今回初めて出た勧告に対しても逆行するものだと、断じてこれ指定医の判断を拡大していくということについてはやるべきではないということを申し上げたい。
 二〇三五年の強制入院の廃止に向けたロードマップというものをこれ日弁連が提案されております。障害者の自立した地域生活を支える医療・福祉サービスの開発、拡充、これ進めながら、排除、差別のない地域の形成を進めていくと。これ可能なんだなというのが見えてくる提案の中身になっているし、藤井参考人がおっしゃっていますように、家族依存からの脱却と、こういう姿も展望できてくると思うんです。
 精神保健福祉法を廃止して医療法に包摂していく、そして国内人権機関の地位に関するパリ原則に基づく独立した国内人権機関の創設、こういうことをしっかり目指していくと、目標として目指していくということをはっきりする必要があると思うんですよ。大臣、どうですか。

○国務大臣(加藤勝信君) 精神疾患については、患者本人が病気の認識を持てない場合などにおいても患者の医療へのアクセスを確保することが求められ、精神科病院については、専門的な医療が必要とされる患者を受け入れ、必要な入院医療や提供する役割を担っているわけであります。
 精神保健福祉法は、こうした精神疾患の特性や精神科病院の役割などを踏まえ、精神障害者の医療や保護を行うことなどを目的として権利擁護の仕組みも含め必要な制度を規定した法律であり、今後もその役割は重要であると考えております。
 また、現行の精神保健福祉法では、精神医療審査会が独立的な第三機関として患者の権利擁護を図る役割も担っているところであります。患者の権利擁護の在り方などについては、引き続き精神障害者の皆さんの意見も聞きながら検討していかなきゃならないと考えています。

○倉林明子君 いや、本当に、長期的にやっぱりどこを目指していくのかということ抜きには本当に解決の展望が見えてこないと。勧告は、今回の国連の勧告は、そういう展望を示していくっていうことでも、是非本当にこれに沿ったロードマップを描いていくことが必要だってことは申し上げたい。
 審査会に人権擁護機能ってことをおっしゃるんだけれど、この審査会が本当に十分機能させようと思ったら、参考人の質疑でも、二倍の人員が要るということを、あっ、二倍の件数になるので、今でも十分機能していないところを本気で機能させようと思ったら、ここへの措置っていうのはもう欠かせないってことは加えて言うておきたいと思います。
 今、日本政府が本当にやるべきことは何かと。強制入院を本当、廃止、明確に目指して取り組んでいくことだし、障害者権利条約の実効性を確保するというためにも、有効な選択議定書、これ批准すると。個人の国連への個人通報制度っていうのを導入していくことっていうことも強く求めたいと思います。
 次、質問します。精神病院、精神科病院における身体拘束についてです。
 医療、介護の分野でいいますと、二〇〇〇年から身体拘束ゼロを目指した取組が進んでまいりました。一方、精神科医療では二〇〇〇年から十年で身体拘束二倍と増加し、高止まりということになっています。二〇〇四年に診療報酬改定で行動制限最小化委員会の設置が義務化されたにもかかわらず、増加しているんですね。看過できない。
 なぜ精神科病院で身体拘束が減らないのか、端的にお答えください。

○政府参考人(辺見聡君) 精神科病院における毎年の調査日における身体的拘束の件数は、平成十六年から平成二十六年までの十年間で約二倍に増加し、その後はおおむね横ばいに推移しております。
 それぞれの医療機関において個別に身体拘束の要否を判断し、結果的に総数が横ばいになっているものと考えておりますが、身体拘束の最小化を図っていくためには更なる取組が必要と考えております。
 本年六月に取りまとめられました地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会においては、隔離、身体的拘束を最小化するための実効的な方策を検討することが必要であるということが提言されており、この提言を踏まえて、現在、隔離、身体的拘束を最小化するための具体的な方策について検討を行っているところであり、精神障害を有する当事者の方の御意見も聞きながら、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。

○倉林明子君 それは、何で減らないのかの説明になっていませんから。答弁長いだけ。
 二〇二一年に最高裁判決が確定し、二〇一六年に身体拘束による肺動脈血栓症で亡くなった大畠さん、両親が提訴した裁判、参考人、紹介ありましたけれども、昨年、最高裁で身体拘束は違法ということで確定いたしました。
 身体拘束の実施要件が守られずに命まで奪われると、あってはならぬことです。そして、厳格な要件遵守、要は、こういう判例が出たときに、厚労省何やるべきかと。厳格な要件をきっちり守ってくださいねと、これを徹底するところだと思うんですよ。ところが、今年六月に検討会が出した要件変更では、治療は困難という文言が入ったと。これから検討だということをおっしゃっているわけですけれども、調査、この件に関する調査を求めた委員の質問に対して、調査するとは言わないわけですよ。
 大体、こういう判決が出て死亡案件が出ていると、こういうことについて私は、厚労省としては検証は最低限必要だと思うんですよ。どうですか。

○政府参考人(辺見聡君) 精神科病院に対しての指導監督につきましては、都道府県が法律に基づき実施しているところであり、都道府県において必要な場合においては適切に行われているものと認識をしております。

○倉林明子君 適切に行われていたら、死亡案件起こらないんですよ。最高裁で、これは実施要件守られていませんよという判決下ったんですよ。それでもそういう説明ですか。検証した方がいいんじゃないですか。

○政府参考人(辺見聡君) 先ほど川田委員のところで御答弁申し上げましたけれども、調査するかどうかという方法はともかく、状況の把握はしてまいりたいと考えております。

○倉林明子君 自らが定めた身体拘束の実施要件が守られていないがために一人の命が奪われたと、これが判決なんですよ。こういうこと二度とあったらいけないということでの実施要件の徹底をすべきだし、なぜそんなことが起こったのかということでの事例の検証というのは絶対やらないと、また起こす。そういう医師の裁量をまた広げようということになっているというのは重大問題なんですよ。医師の裁量を広げるような告示の見直しというのはやるべきじゃないということを申し上げたい。
 最後ですね、違法とされた最高裁判決も、これ適法となりかねないという長谷川参考人の指摘です。本当に懸念されます。日本政府は国連から何度も勧告を受けているわけです。勧告には法的拘束力はありません。ただし、憲法九十八条の二項によって、誠実に遵守することを必要としているんですよ。政府は、障害者権利条約に対する今回の勧告を誠実に履行することが求められているんですよ。
 無視したり逆行することは許されないと申し上げまして、次の機会に譲りたいと思います。