倉林明子

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命守る医療提供されず まん延防止延長で質疑 倉林氏が批判(2022/2/18 議院運営委員会)

 参院議院運営委員会は18日、まん延防止等重点措置の期間延長にあたり、政府から報告を受け、質疑を行いました。日本共産党の倉林明子議員が質問しました。

 倉林氏は、岸田文雄首相が17日の会見で「必要な医療を提供している」と発言したことについて、医療従事者の感染拡大による一層深刻な人手不足、ワクチン3回目接種の遅れによる高齢者施設でのクラスター発生などで「入院できずに亡くなる高齢者が急増し、守れない命が増え続けている」とただしました。

 山際大志郎経済再生担当相は、「全体として容量は用意しているが、そうなっていない現場があることは、真摯(しんし)に受け止める」と答弁。倉林氏は「国民の命を守る医療提供体制になっていない。危機感が共有されていない」と批判しました。

 倉林氏は、大阪の民間団体には、自宅療養のシングルマザーから、自治体からの支援が届かず、「家に食料がない」というSOSが殺到していることを紹介。山際担当相は「都道府県とも相談し、円滑に進むようにしたい」としか述べず、倉林氏は、「子どもに食べさせるものも尽きている。一日を争う課題だ」と述べ、早急な改善を求めました。

 その上で倉林氏は、社会経済活動を止めないためのPCR検査・抗原検査体制を1日何件確保する見通しなのかと質問。山際担当相は「できるだけ増やす」としか答えず、倉林氏は「どういう規模で増やさないといけないか。その戦略がないのが問題だ」と強調しました。


議事録を読む

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 昨日、総理が記者会見をされました。しかし、その中身について私はちょっと驚いたというのが率直な感想です。
 それは、一つに病床の確保。重症病床は十分に余裕があり、必要な医療を提供していると、この発言なんですよね。これ、コロナ病床の確保というのはどうやって担保されたかというと、一般病床を縮小すると、こういうことで成り立っているんですよね。結果どうなっているかというと、救急車の受入れ困難ということが急速に悪化しております。感染拡大は医療従事者、そしてその家族にも広がって、これが一層深刻な人手不足を現場に起こしているという状況になっています。
 さらに、三回目のワクチン、議論ありましたけれども、これ間に合わなかったという事態が、高齢者施設のクラスター、そして、入院できずに亡くなるような高齢者の重症化という、これ急増しているという事態を生んでいるわけです。
 私、守れない命ということが増え続けていると、これ現状じゃないかと思ったんですけど、いかがでしょうか。

○国務大臣(山際大志郎君) これは先ほども申し上げましたように、私たちは全体としてはキャパシティーを用意していると、要するに容量を用意しているということは申し上げていますけれど、しかし、現場現場でそうではない現場があるということは、これ真摯に受け止めなくてはいけないということを先ほども申し上げたわけです。
 ですから、この医療提供体制そのものも、総理は全体としてはどうかということを昨日お話をされたんだと思いますが、しかし、先生が今指摘していただいたように、それがいろいろな皆さんの御努力によって成り立っているものだということを、これを総理は忘れたわけではないんですね。だから、我々はその問題意識はもちろん共有させていただいております。
 問題なのは、そうですね、それが回らないよう、回るようにしていかなくてはいけないものですから、そこは何とか今機能するようにしているということを総理はおっしゃったんだと思います。

○倉林明子君 いや、国民の命を守ることが要諦の第一に挙げられているんです。コロナで亡くなる人を助けるということ、これ本当に大きな課題なんだけれど、これによって一般医療で更に命をなくすようなことに広がっていると、全体として国民の命を守る医療提供体制になっていないんだと、こういう認識持ってほしい。国民の命の危機にあると、そういう危機感がちょっと共有されてないのではないかという実感を持ちました。
 総理は、自宅療養者の不安に応えることが対応の二つ目の要諦だということを挙げられました。これ直近で見れば、本来保護されるべき陽性者五十五万人、これが今、自宅で自主隔離という状況になって、保健所、医療つながれない、つながらないと、放置されたままだという実態も広がっております。
 これ大阪のお話なんですけれども、シングルマザーを支援している民間団体に、感染したシングルマザーから、自治体からの支援も届かないと、家に食料がないと、助けてくれと、こういうSOSが殺到しているというわけですよ。直ちに、私はこうした事態というのは改善すべきだと思う。どうでしょうか。

○国務大臣(山際大志郎君) これも先ほど御答弁申し上げましたように、まずは医療とセットで自宅療養をしていただくということで、そこの部分に関しては、抜けがゼロとは言いませんが、確保されているものと、我々はそう認識しております。
 一方で、その生活に関わるところに関しては、今の食料の話ですね、不十分な部分ということを我々も承知しておりますので、これやっていただいている、都道府県にやっていただいているものですから、都道府県ともよくよく相談しながら円滑に進むようにしたいと思います。

○倉林明子君 今、明日、子供に食べさせるものも、食料尽きていると、そういう状況がコロナの感染者で自主隔離しなければならないという下で起こっているわけで、一日を争う自宅療養者の不安に応える課題だという認識で取り組んでいただきたいということです。
 総理は、要諦の第三に挙げられたのが、社会経済活動をできる限り止めないことだと。否定するものじゃありません。回していきたいという御要望も本当にたくさん上がっています。そのために、これ検査体制の構築、これ欠かせないと思うんですね、安全に安心に回していくためには。そのために、PCR検査、抗原検査、これ一体、一日どこまで必要になるのか、それぞれ何件確保すべきかと。見通し、どうですか。

○国務大臣(山際大志郎君) PCR検査は、三十九万回、一日に検査できるところまであります。これ、三十九万回いっぱいになっていません、まだ。ですから、それでも順次増やす方向で今やらせていただいておりますが、この数ということを目標にするわけではなくて、できるだけ増やすという方向でやらせていただいています。
 検査キットに関しては、足下八十万回、一日に用意する形になっていますが、もう百万回に向けて、もう早晩百万回まで行くような形でやらせていただいておりますので、必要なものが確保できるように日々増やす方向で努力をしているというところでございます。

○倉林明子君 もう医療機関にさえキット枯渇するというのが現状なんですよ。社会経済活動を回していこうと思ったら、どのぐらいの規模でもっと増やさなければならないのかと、その戦略がないのが問題だと申し上げて、終わります。