倉林明子

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五輪選手村 宿泊療養施設に(2021/8/5 議院運営委員会)

 倉林氏は「入院が必要だと医師が判断しても、搬送先が見つからず、在宅を余儀なくされているのが東京の実態だ」と強調。東京では8月に入って以降、自宅療養中だった30~50代の8人が在宅死したとの報道に触れ、「入院できないからだ。政府方針はこうした状況を追認することにほかならない」として、撤回を求めました。

 その上で、今回の方針転換の原因は、宿泊療養施設の不足にあると政府が認めたことに触れ、「ならば施設確保に直ちに取り組むべきだ」と強調。「東京五輪の選手村を使えばいい。収容人数は1万8千人、医師や看護師は7千人すでに確保してある。酸素吸入や抗体カクテルも使えるようにすれば、効率的な医療提供だけでなく重症化防止ができる。五輪中止を即刻決断し、選手村を宿泊療養施設としての転用に踏み出すべきだ」と迫りました。

 西村担当相が「大会終了後、選手村をどう活用するかは、東京都と民間所有者で決める」と述べたのに対し、倉林氏は「在宅で亡くなっている人がいる。五輪中止の決断が必要だ」と強調しました。


議事録を読む

○倉林明子君 日本共産党の倉林です。
 コロナの入院対象を重症者に限定し、在宅を基本とする政府方針が突然発表されました。撤回、見直しを求める与野党の声に対し、総理は、昨晩、撤回を否定し、病床を一定程度空けて緊急な人に対応しようということだと、症状が悪化したらすぐに入院できる、こうした点を丁寧に説明し御理解をいただきたいと記者団に述べたということです。
 なぜ総理は国会に出てきて説明をしないのか。どうですか。

○国務大臣(西村康稔君) これまでも、主として私が特措法を所管する責任者としてこの場で説明をさせていただいております。しっかりとできるだけ丁寧に御説明をし、議員の皆さん、また国会の皆さんにも御理解いただけるように取り組んでいきたいと考えております。

○倉林明子君 極めて、本当に経験したことのない感染拡大が起こっております。そのときに明確な方針転換があったわけですよ。総理は本部長として説明責任をこの場で果たすべきだということを強く求めたいと思います。
 私、委員会としても総理に対して本委員会に対する出席要求を検討していただきたい。御協議をお願いします。

○委員長(水落敏栄君) 後刻協議します。

○倉林明子君 コロナ対応の病床を増やしても、それを上回って患者は急増しているという状況であります。入院が必要だと医師が判断しても、今、搬送先が見付からない、在宅を余儀なくされていると、これが東京の実態ですよ。
 なぜ在宅を基本とすれば病床が一定程度空くのか。これ、総理の説明ですからね。さらに、症状が悪化すればなぜすぐに入院できるという説明ができるのか。私は、根拠を明確に示していただきたい。

○国務大臣(西村康稔君) まさに感染拡大して患者さんが急増している地域について(発言する者あり)それぞれ、まあ東京などですね、重症者、中症者、それから中等症者、それから軽症者の方がそれぞれ症状に応じて必要な医療を提供を受けるため、そのための見直しであるというふうに理解をしております。
 その上で申し上げれば、中等症でも酸素投与が必要な方とか、投与が必要でなくとも重症化リスクがある方については、これは医師の判断は当然ありますが、確実に入院していただけるよう必要な病床を確保するというふうにされております。
 また、自宅療養や宿泊療養の方についても、パルスオキシメーターで酸素、血中酸素濃度を測ること、それから往診、オンライン診療、こういったことで健康観察を強化することによって、症状が悪くなればすぐに入院できる、その体制を整備するということで、厚労省を中心に都道府県とも連携して対応しているものというふうに理解をしております。

○倉林明子君 いや、もう具体的な根拠の説明にはなっていませんよ。
 既に、それに、今日報道で出ていますけれども、八月に入って、今日五日です、既に三十代から五十代、この方が自宅療養中に、東京ですよ、八人在宅死されているんですよ。入れないからですよ。今でも確保できておりません。
 政府の方針は、現状のこうした状況を追認することにほかなりません。それは、すなわち医療崩壊を政府が容認するということにつながるものだと申し上げたい。断じて認められません。方針については強く撤回を求めるものです。
 そこで、在宅での管理というのは、在宅死リスクを高めるだけじゃないんですよ。効率的な医療、看護の提供体制にも逆行することにつながります。二十四時間の監視体制、これオンラインでつなげたとしても、酸素吸入、治療、これには患者宅への訪問が前提になるわけですね。
 抗体カクテル、これ効きますということで言われていますけれども、現状では在宅には使えません。急変時の迅速な対応というのは極めて困難になることは明らかだと指摘したい。何よりも、家庭内感染の拡大リスクというのは避けられません。自宅は、いいですか、自宅は病床の代わりにはならないんですよ。そういう認識を持つべきだということを厳しく指摘したい。
 重ねて聞きます。
 これ、入院できない人を隔離、保護する施設、宿泊療養施設が決定的に不足しているからこういう指示出したという経過を厚生労働委員会でも説明ありました。それならば、この施設の確保を直ちに踏み出すべきだと思うんですね。それは可能だと思うんです。
 それは、オリパラの選手村、ここ使えばいいと思うんですよ。収容人数一万八千人。医師、看護師は七千人確保、既にしてあります。抗体、酸素、抗体カクテルや酸素を使えるようにすれば、効率的な医療提供ができるだけじゃなくて、重症化防止ができるんですよ。
 国民の命が守れるかどうかということが問われているわけですから、私は、五輪の中止を即刻判断し、選手村、ここを宿泊療養施設としての転用、踏み出すべきだと。検討いただきたい。

○国務大臣(西村康稔君) 自宅等で療養されている方に、患者さんに対しては、症状が変化があった場合に速やかに把握をして必要な医療につなぐことが、まさに御指摘のように重要であります。このため、保健所で定期的に健康観察を行っておりますし、また往診、オンライン診療、パルスオキシメーターの活用、こういった形で患者さんからの連絡、相談に対応する体制が構築されているものというふうに理解をしております。
 その上で、宿泊療養施設については、地元の理解が必要であるとか、あるいは人材が一定程度必要であるとか、課題はありますけれども、私の立場からも、観光庁と連携をして、ホテルを所管しておりますので、その確保に取り組んでいるところであります。
 また、いわゆる抗体カクテル薬のロナプリープにつきましても、重症化リスクがある方に活用するモデル的な取組を活用するなど、在宅患者を含めた取組を進めることを確認しておりますので、この方針を、沿った対応を厚労省において自治体と連携して取り組むことと聞いております。
 それから、選手村につきましては、東京大会の主催者である東京都が民間から借り受け、東京都が管理を行っているものと承知をしております。この大会終了後どのような形で選手村を活用するかについては、東京都と民間の所有者の間で決められるものと承知をしておりますが、私の立場でどういったことが可能かは東京都とよく話をしてみたいというふうに思います。

○倉林明子君 本当、今亡くなっている人がいるんですよ、在宅死で。宿泊療養施設が決定的に不足しているんですよ。そこに踏み出すのに、やっぱりオリンピックの中止の決断が要るんだと強調して、終わります。