まん延防止拡大報告受け質疑 医療現場に支援を (2021/4/16 議院運営委員会)
倉林氏は、大阪府の1日の新規感染者数が1200人を超え、全国で4500人に上ると指摘。直近1週間の新規感染者数は10万人あたり18人だと強調し、「第4波に入っている認識はあるのか」とただしました。西村担当相は「2度目の緊急事態宣言を発令したとき以来の大きな波がきつつある」と述べるにとどまりました。
倉林氏は「大阪は医療崩壊に突入している」と指摘。重症者専用の臨時施設「大阪コロナ重症センター」では看護師が確保できず十分に稼働できていないとして、医師・看護師の派遣を求めました。西村担当相が「必要な人材を確保できるよう支援したい」と答えたのに対し、「早急に実行を」と迫りました。
また、奈良県が改定感染症法16条に基づいて県内75病院に病床確保を要請していることについて、「従わない医療機関名は公表できる。こうした手法で病床確保が進むと思うか」と指摘。「医師・看護師なしにベッドは稼働できない」と強調し、大規模検査や徹底的な補償を求めました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林です。
現在の感染状況について、昨日は大阪で千二百人を超えると、全国では四千五百人を超えると。直近一週間の新規感染者数で見ますと、十万人当たり十八人ということになっております。
大臣に確認したいと思います。今、第四波に入っていると、そういう認識はあるでしょうか。
○国務大臣(西村康稔君) 政府として、第一波、第二波、第何波という定義を正確に決めているものではございませんが、ただ、一月から、年末から一月にかけて、三月にかけて緊急事態宣言を発出した、このとき以来のまた大きな大きな波が来つつある。特に、関西圏、そして、今日、三県と愛知県をお願いすることにしておりますけど、こういったところで感染が広がってきている。こういったことについて強い危機感を持って対応しなきゃいけない、そういう流行は来つつある、来ているという認識をしております。
○倉林明子君 なぜ聞いたかといいますと、総理が、大きなうねりにはなっていないと、こういう答弁されているからなんですね。
ところが、専門家はどう指摘しているかと。今度の波は第三波を超える波になる危険があると様々な専門家から指摘がされているところです。これ、本部長がどういう認識をするのかと、これ今後の対策に極めて重大な影響が出てくるんです。前提となる認識問題だという指摘をしておきたい。
そこで、大阪はもはや医療崩壊に突入していると言っていい状況かと思います。現場からは、このままでは入院できずに在宅や療養施設で命をなくす人が続出するという悲鳴ですよ。
大阪、コロナの重症センターつくられました。しかし、これ、看護師が確保できないということで十分に稼働できていないという状況も報道されておりました。これ、重症化で本当に対応できないという状況が広がっております。これ、政府として、大阪の要請待ちにならずに、医師や看護師の派遣ということを直ちに実行すべきじゃないか。いかがですか。
○国務大臣(西村康稔君) 大阪の状況、特に病床の状況、非常に強い危機感持って私どもも大阪府と連携をして対応してきているところであります。
病床の確保、国立、国公立、民間病院、それから大学病院を含めて、国としてできること、これを今、府と一緒になって対応しておりますし、御指摘の看護師さんの派遣など、大阪府は、知事と話をしますと、まずは府内で数十名の看護師の確保ということで今取り組まれております。
私からは、これは冬ですね、先般行った自衛隊の派遣も含めて様々な対応、知事会の協力もありますし、厚労省の対応もできますので、こういったことを含めて何でも言ってほしいと、こちらも準備を進めるからと、様々な準備を進めるからというふうに申し上げていますので、府と連携しながら、また知事と連携しながら、必要な人材をしっかりと確保できるように国としても最大限支援していきたいと考えております。
○倉林明子君 重症化が、今度の変異株の場合、長期化するし、重症化リスクも高い、重症化率も高いということで、重症化病床の使用率が非常に高いという特徴になっています。しかし、それに見合った重症化病床の確保ができていないというのが大阪の現実ですよ。
知事とよく相談してということですけれども、現場で命が救えるかどうかということ懸かってきていますから、私は早急に派遣ということを考えていただきたい、実行していただきたいと強く要望したい。
奈良県では、改正感染症法十六条に基づいて、県内七十五病院に病床確保を要請と、正当な理由なく応じない場合は勧告、従わない医療機関名は公表と、こういう規定、盛り込まれたものに基づいて初めてやられるものです。こうした手法で病床確保が進むという認識をお持ちかどうか、確認したい。
○国務大臣(西村康稔君) 荒井知事とも本日も連絡を取り合いました。まさに病床は非常に厳しい状況にあるという中で、七十五の病院だというふうに理解しておりますけれども、御指摘のように感染症法に基づいて要請を行ったというふうに聞いております。
その上で、七十五の病院、国の関係のところもございますので、こういったところも含めて、厚労省を中心にしながら、全省庁を挙げて、それぞれ一つ一つの病院、受入れを可能となるように全力で今取り組んでいるところであります。
命を守るために全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。
○倉林明子君 これ、あの特措法の審議のときも大きな議論になりました。ベッドの確保をこういう形で、ペナルティー付きで迫るということで本当に進むのかと非常に懸念しております。看護師や医師がいなければ、ベッドはあっても稼働させることはできないんですよ。
そういう意味で、大規模検査、徹底した補償で感染拡大防止、本当に強化していただきたい。
終わります。