倉林明子

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虐待にアフターケアを 児童福祉法改正 倉林氏に参考人 / 親の懲戒権なくそう 倉林氏 体罰の全面禁止必要(2019/6/13 厚生労働委員会)

(資料があります)

 参院厚生労働委員会は13日、児童虐待防止対策を強化する児童福祉法等改正案の参考人質疑を行いました。

 「アフターケア相談所ゆずりは」の高橋亜美所長は、児童養護施設や里親家庭などから巣立った人たちがおとなになって生活に困難を抱えているとし、「児童福祉の観点から切り離してはならない。巣立った人たちが安心して声をあげられる仕組みが必要」と強調。児童福祉法にアフターケアは国の責務と明記し、予算拡充、児童相談所などへの専任職員の配置を行うよう求めました。

 日本共産党の倉林明子議員は、支援が必要な親が声を上げにくくなっていないかと質問。日本虐待防止学会の奥山真紀子理事長は、児童の安全確認などの、この間の対策について、「監視社会になるような提案が出されすぎている。監視ではなく支援だというメッセージが伝わることが必要」と答えました。

 倉林氏は、虐待を受けた人が、おとなになって生活に困窮しても、声を上げられない理由を質問。高橋氏は、「苦しい経験をしてきた人ほど被害を受けてきたがゆえに自分でも危険信号が分からない」「支援を求めた時、適切な支援につながったという経験がくじかれていると“二度と助けなんか求めるか”という人もいる」と答えました。

 倉林氏は、警察との連携について質問。奥山氏は「連携は必要」としつつ、「単に情報を警察に送るだけでは、逆効果になる可能性が高い」と答えました。


 日本共産党の倉林明子議員は13日の参院厚生労働委員会で、親権者による体罰の禁止を明文化した児童福祉法改正案について「一歩前進」と評価しつつ民法には親の「懲戒権」が依然残っていると指摘し、「懲戒権をなくした後に、体罰全面禁止も見えてくる」「懲戒権をなくす立場で奮闘すべきだ」と強調しました。

 倉林氏は、家庭を含むあらゆる体罰の全面禁止が法定化されている国が54カ国に及び、これらの国では体罰や虐待が着実に減少する傾向がみられることを指摘。国連では、子どもの権利条約が禁ずる体罰を「どんなに軽いものであっても有形力が用いられ、かつ、何らかの苦痛又は不快感、屈辱感を引き起こすことを意図した罰」と定義していることを示し、「日本の学校で体罰は禁止されているのになくならないのは、しつけとして体罰を容認する考えが残っているからだ」「その危険を十分啓発していく必要がある」と強調しました。

 根本匠厚労相は「社会のルールとして体罰はしてはいけない、としっかり周知啓発していく必要がある」と答えました。


体罰禁止法の効果


子どもに対する体罰等についての意識~大人2万人への意識調査結果から~


議事録を読む(参考人質疑)

○倉林明子君 ありがとうございます。
 次に、高橋参考人にお伺いしたいと思います。
 本当に献身的なというか、取組について感動しながら見せていただいたんですけれども、その中で、支援に当たって、苦しい人ほど助けての声が出せないんだと。そこを本当に我々理解すること大事だなと思いましたので、なぜ苦しい人ほど助けの声が出せないのか、ちょっとリアルに、共有できるように御紹介いただければなと思います。

○参考人(高橋亜美君) 苦しい人ほど声を上げられないということ、二つの観点があるかなと思うんですけど、一つに、苦しい環境で育ってきた人ほど頑張る、まだこれは危険な状態じゃないとか、助けを求めるレベルじゃないというか、そういった、何というか、サバイブして生きてきた状況にあるから、普通に考えたらそれはもうとても一人で対応できるような問題じゃないよ、状況じゃないよと言っても、まだまだ自分でこれはできるというところの、被害を受けてきたがゆえに、自分でこれは危険な状態だとか、もう誰かに助けを求めなきゃという、その察知度がすごく低いと。それは本人のせいではなくて、生い立ちの中で大事にされてこなかったというところで、自分でも危険信号が何か分からないというのが一つあるかなと。
 もう一つに、やっぱり誰かを頼って助けを求めたときに、そこが自分が求める寄り添いだとか対応だとかがしてもらえなかったりだとか、そこの支援を求めたとき又は支援が介入されたときに適切な信頼関係に何かつながったとか適切な支援につながったという経験が何かくじかれていると、もう二度と助けなんて求めるものかという状態になるという人もいますね。
 施設退所した人で生活困窮に陥って仕事もできないというような状況になったときに、自分で生活保護の申請に行ったときに、あなたまだまだ若いんだから頑張れるみたいなことをぱっと言われちゃって、その窓口がもう全く専門性のない人が対応しているとしか言いようがないんですけど、そうすると、勇気を持って、自分がこんな困窮状態で仕事できない状態なんだということを言いに行っても、そこがくじかれてしまうと、もう二度と誰にも相談しない、するもんかという、相談するということが、何か恥も伴う、やっぱり自分のプライドというか、相談しなくて済むのであれば、自分で解決できるなら誰もがそこで解決したいという思いがあると思うんですね。あと、自分を責めちゃうというのもあるので。
 だからこそ、助けを求める人たちが頑張るとかではなくて、それを提供する私たちが、それは社会的養護の支援のみならず、いろんな支援の窓口にいる人たちが、どういった言葉掛けとか、初めに出会ったときにどういった対応ができるかで、ああ、ここに相談して良かった、ああ、勇気を出して行って良かったと思ってもらえる、一番初めの出会いのところってすごく大事だと思うので、そこのまた、何か専門性、専門性としつこいんですけど、そこのスキルをきちんと育てていくことも必要かなと思います。だから、助けてと言えないということにつながると思います。

○倉林明子君 特に、また高橋参考人にお願いしたいんですけれども、相談をフォローされているという中で女性の相談が大変多いということで読ませていただいたんですけれども、女性たちを支援につなげるという上で制度的に障害になっているというものを、常日頃でお感じになっているところで結構なんですけれども、教えていただければと思います。

○参考人(高橋亜美君) そうですね、やっぱり緊急一時で保護される先が、やはり、言い方悪いんですけど、半分刑務所みたいな状況であるというか、全ての緊急一時保護シェルターがそうではないんですけれども、やっぱり声を上げた人にとって、そこが安全のみならず安心できる支援場所として、居場所として提供できているかというと、例えば携帯持っちゃいけないだとか誰とも連絡取っちゃいけないだとか、何というか、そういったすごく縛りのある中で、あなたが助けてもらいたかったらここにまずいなさいみたいなところの支援となると、それだったらまだどこか頼れる男の人にとかというような、支援を求める人がそういう要望、要望というか思いを出したときに、それはわがままだとか勝手だとか、助けてもらいたいんだったらこの枠に収まれというような支援しかまだ私たちの社会では提供できていないと思います。
 女性の、ちょっと話ずれちゃうんですが、女性の相談者の方の多くに、ただ住居がないとか仕事がないとか、相談の背景に、必ずと言っていいほど性暴力とか性被害が伴っている。それはまた開示をしにくい相談内容でもあるんですが、そこも、単純に住居の提供とか就労の提供じゃなくて、もう実際にこれだけの性被害を受けてきているというような人に寄り添うためのまたアプローチ、支援スキルって必要なんですけど、そこがまた、女性支援の現場も含めて、私たちも含めてなんですけど、適切に対応できるだけの、性虐待、性被害に対しての支援の力がまだまだなさ過ぎるといった現実もあります。
 相談者の人に我慢を強いちゃうというか、やっぱり指導的な支援しかまだまだできていないというところで、つながらないという現実があると思います。

○倉林明子君 時間ですので、もっともっと聞きたいことあったんですが、残念です。終わらせてもらいます。


議事録を読む(対政府質疑)

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 年金問題のあの金融庁のワーキング・グループの報告書については、受け取らないということにしたとしても、年金に対する国民の不信、不安、これは本当に高まっていますよ。私は、こういう事案通して、やっぱり厚労省の方から是非説明させてくれという要請あってもいいぐらいやと思っているんです。重ねて、野党として求めておりますけれども、年金問題についての集中審議、私からも求めておきたいと思います。
 そこで、法案です。
 一九八九年採択されました子どもの権利条約、これが日本で効力が発生してから二十五年ということになります。いよいよ体罰禁止の法定化に踏み出すということになったということで、この点では一歩前進だというふうに受け止めております。
 そこで、子供に対する体罰の禁止をめぐる世界の動きというのは一体どうなっているのかということを確認したいと思います。
 家庭を含むあらゆる体罰の全面禁止が法定化されている、これらの国というのは、現在、何か国になっているでしょうか。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが平成三十一年二月七日の自民党と超党派の議連合同勉強会に提出した資料によりますと、体罰を法律で禁止した国の数は五十四となっております。
 ただ、これが必ずしもお尋ねの家庭を含むあらゆる体罰の全面禁止かどうかは分かりませんので、そういう意味では、厚労省といたしましてはお尋ねのデータについては把握いたしておりません。

○倉林明子君 確かに、あらゆる体罰を禁止しているのかということでいえば、きちんとつかむということ、とても大事じゃないかなということは指摘をしておきたいと思います。
 近年では、スロベニアとかモンテネグロとかリトアニアとかネパール、こういった国々でも足踏み出しているということですので、その中身について、体罰の全面禁止ということで今日は質疑したいと思っているんです。
 体罰を全面禁止した国で体罰や虐待が着実に減少する、こういう傾向が見られるということで、これ、資料一枚目のところにお付けしていますのは、日弁連の資料なんです。
 これドイツの例ですけれども、親が顔を軽くたたくということが法的に容認されていると、こういうふうに思っていたという人が法改正の前は八三%いらっしゃったと。しかし、これ、法改正後、八年たって二五%まで減っているという。ほかでも、強く殴られたことがある、子供時代の軽い暴力の経験という点でも顕著な減少が見られるわけですね。これ、法的禁止だけじゃなくて啓発も一緒に行った場合に最も効果が高いんだという調査結果が出ているというふうに伺っております。
 これ、日本で、家庭内でのしつけと称した体罰とこれらに関する大人の意識とか実態について、調査結果、調査の実態ですよね、やったことあるかどうか、そして中身、つかんでいるものについて、あれば御紹介いただきたい。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 厚生労働省といたしましては、家庭内での体罰に関する意識調査や実態調査は行っておりませんけれども、先ほどのセーブ・ザ・チルドレンにおきまして子育て中の方などを対象といたしました体罰等に関する意識調査、実態調査を行ったことを承知いたしております。
 その結果でございますけれども、例えば、しつけのために子供に体罰をすることに対してどのように考えますかという問いに対しまして、決してすべきではないが四三・三%、ほかに手段がないと思ったときのみすべきであるが三九・三%、必要に応じてすべきであるが一六・三%、積極的にすべきであるが一・二%となっております。また、しつけのために子供をたたくことに対してどのように考えますかという問いに対しましては、決してすべきではないが四〇・〇%、他に手段がないと思ったときのみすべきであるが四三・七%、必要に応じてすべきであるが一五・五%、積極的にすべきであるが〇・九%となっております。

○倉林明子君 そうなんですよね。厚労省としてそういう意識の調査というのを本当はやったことがないということなんだと思うんです。
 今御紹介いただいたのは、資料として、ちょうどびったし合いまして、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの資料を添付しております。これ見ていただいたらはっきりするんですけれども、約六割の大人が子供に対する体罰を容認している、そして約七割の子育て中の人が子供をたたく、これ日本の現状だと思うんですけれども。
 日本は、体罰の禁止の法定化を国連からも繰り返し求められてきたという経過があります。法律に今度明記するということになったわけですが、この中身で、私、本会議で、なぜ今度の法定化で親権を行う者による体罰に限定しているのかという質問をいたしました。これに対して、総理は、そもそも、親権者以外の者については、民法上の懲戒権を持たないため、従来より体罰を加えることは許されていないと、こういう答弁だったんですね。
 そこで、確認したいと思います。親権者以外が行う体罰を禁止する法的根拠というのは一体何なのか、御説明ください。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 まず、民法第八百二十二条でございますけれども、親権を行う者は、第八百二十条の規定による監護及び教育に必要な範囲でその子を懲戒することができると規定しております。そういう意味では、その親権者にのみ懲戒権がございます。
 一方で、親権者以外の者につきましては、民法上、懲戒権がございません。そういう意味では、身体的侵害などによる懲戒を加える法的根拠を元々持っておりませんので、そもそも従来から体罰を加えることが許されていないという解釈でございます。
 今回の改正によりまして、親権者についても体罰を加えることによる懲戒が禁止されることとなりますので、親権の有無にかかわらずに体罰が禁止されることとなるということでございます。

○倉林明子君 それがよく分からない。懲戒権を持っているのは親権者のみだと。それ以外の者について、じゃ、体罰を禁止する根拠というのは何かと聞いたんだけど。要は、親権者が持っている懲戒権の行使が体罰なんですか。よく分からないんですよ、それが。

○政府参考人(浜谷浩樹君) 元々、体罰がなぜ許容され得るかと申しますと、民法上の懲戒権の範囲内で、その中に体罰が含まれ得るというのが従来の法務省の解釈であったというふうに理解しております。そういう意味では、懲戒権を根拠にして体罰が行われ得るということだったわけでございます。
 その懲戒権を持つのが親権者のみでございますので、そういう意味では、赤の他人に対して何か身体的侵害を行うというのは、元々その権利というものが親権者以外についてはないので、そういう体罰をするための法的根拠が親権者以外には元々ないということでございます。

○倉林明子君 いや、親権者以外でも体罰ってやっているんですよね。暴力振るっているじゃないですか。度々問題になるけれども、同居している交際相手とかが、その同居しているパートナーの子供さんに暴力振るうということあるじゃないですか。そういうことを含めてあらゆる体罰の禁止ということが求められると思うんだけれども。
 結局、そういう人たちが行った暴力とかいうことになれば、傷害罪とか強要とか、これに該当するものになるんじゃないのかと、法的根拠はね。そこら辺どうなんですかね、その範囲。懲戒権が体罰イコールかと、ちょっと違うんじゃないかと思うんだけど。

○政府参考人(浜谷浩樹君) どのように説明したらいいかと思いますが、もう一度御説明しますけれども、要は、しつけのために体罰を行う、それは、親、親権者であれば、それはしつけのため、要するに、懲戒権があるので体罰を加え得る法的根拠が今まであったということなんです。それで、それ以外の、例えば同居人の方については元々親権者じゃないので、元々懲戒権がないわけでございますので、元々同居人については体罰を加える法的根拠がないということでございます。

○倉林明子君 そもそも体罰とは何なのかということなんですよね。日本が批准している子どもの権利条約の解釈基準、これ示しているのが国連子どもの権利委員会一般的意見八号ということになると思うんです。これによる体罰の規定というのは、定義はどうなっているでしょうか。簡潔にお願いします。

○政府参考人(浜谷浩樹君) 二〇〇六年の子どもの権利委員会一般的意見第八号の仮訳におきましては、体罰につきまして、どんなに軽いものであっても、有形力が用いられ、かつ、何らかの苦痛又は不快感を引き起こすことを意図した罰と定義しております。

○倉林明子君 子供にとってどうなのかということなんですよね。子どもの権利条約が禁ずる体罰の定義って、今御紹介あったとおり、どんなに軽いものであっても駄目なんですよね。
 じゃ、児童虐待防止法、これによる身体的虐待と心理的虐待、これ定義はどうなっていますか。

○政府参考人(浜谷浩樹君) 児童虐待防止法におけますいわゆる身体的虐待につきましては、児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えることでございます。いわゆる心理的虐待につきましては、児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うことでございます。

○倉林明子君 要は、親以外でも行う体罰について、刑法及びこの児童虐待防止法によって、親権者以外がやるものについては罰則規定があるということになると思うんですが、子どもの権利条約の体罰等の定義というのは、子供にとってみれば児童虐待防止法の虐待の定義より明らかに広い範囲の定義、規定になっているんじゃないかと言いたいんですよ。
 日本の学校での体罰というのは禁止されているんだけれども、何で体罰がなくならないのかと。禁止しているんですよ、既に何年も前に。その背景には、しつけとして体罰を容認するという考えが私は残っているからじゃないかと、これは指摘しないかぬと思うんですね。しつけということでたたいたということがエスカレートして体罰になっていくと、こういう事例というのは発覚した虐待ケースでも非常に多いと思うわけです。
 そこでです、しつけと体罰、この違いについて説明を求めたいと思う。

○政府参考人(浜谷浩樹君) まず、しつけでございますけれども、これは監護、教育の目的から、ある規範を内在化させるための行為をいうものと承知をしております。体罰でございますけれども、その範囲に関する考え方につきましては今後ガイドラインを作成することとしておりますけれども、その禁止される本質的な考え方でございますけれども、痛み、苦しみを利用した懲戒によりまして子供の言動を支配しようとすることでございます。そういう意味では、体罰はしつけの具体的な一類型でございます。
 なお、今回の法改正による体罰禁止の法制化は、児童の親権者に対しまして、児童のしつけに際して体罰を加えてはならないということとするものでございます。

○倉林明子君 しつけが規範の内在化って、すごく分かりにくいなと思ったんですけれども、しつけというのは、子供が自分をコントロールするという力を付けていくと、そのための養育者の支援、手助け、こういう捉え方するとよく分かると思うんですよね。これは別に私が言ったことじゃなくて、研究者等が定義付けしているんです。体罰は、これはおっしゃったとおりだと思うんですけれども、他者からのコントロールで、力による支配。全然違うものだということをはっきりさせる必要があると思うんです。
 日本には、しつけと体罰の混同、これ根強く残っているということが専門家からも指摘されていることだと。だから、しつけと思ってやるということと、体罰に連続していくというその危険を十分啓発もしていく必要があるんだということを言いたいわけです。軽いものであっても体罰が子供の発達に重大な影響を与えると、これは科学的にもエビデンス明らかになってきていると思うわけです。
 子供に対するあらゆる体罰は許されない、子供にですよ、懲戒権の行使じゃなくて、子供に対するあらゆる体罰は許されないということであれば、今回の法定化も親権者に限定すべきじゃないんじゃないかなと私は思っているんですけれども、これ大臣に答弁求めているんですが、大丈夫でしょうか。

○国務大臣(根本匠君) 要は、元々、これについては民法の懲戒権というのがあって、そしてしつけと称して体罰が加えられると。こういうことから、今いろいろとやり取りがありましたけど、親権を持たない者は民法上懲戒権を有していないので、そもそも従来から許されておりません。
 今回は、親権者の体罰を禁止するということで、あらゆる体罰が許されないことになります。それに、じゃ、民法との、今回の我が方の法律でそこはきちんと体罰禁止になりますから、そこは、民法上の解釈の整理はそこで整理できると思います。
 そして、委員がおっしゃられるように、体罰の禁止を法定化することによって、そして一方で周知啓発もしていかなければなりません。やっぱりこれがもう社会的なルールや規範として、社会の大きなルールとして、これは、体罰はしてはいけないんだということを我々はしっかりと周知啓発をしていく必要があると、こう思っております。

○倉林明子君 子供の命を守る責任というのは親だけにあるものじゃないと。改めて、プレッシャーを受けている親に対して、たたかない、どならない、子育て丁寧に学べて相談できると、こういう場も本当に求められているというふうに思うわけです。
 同時に、やっぱりその懲戒権の問題を、しつけとして懲戒権があるからと、親権者に規定したんだと、それは親の体罰、懲戒権を理由にしてできる体罰の禁止にはなっているんだけれども、広く子どもの権利条約の観点からいうと、その該当外のところで行われる体罰の禁止にもつながっていかない。
 私はやっぱり、懲戒権そのものを、まあ今回見直しを早めにやっていこうということにはなっているんだけれども、懲戒権をなくした後にやっぱり体罰全面的な禁止という方向も見えてくると思うんです。懲戒権をなくすという立場で私は厚労大臣に頑張っていただきたいと思っているんですけれども、その決意をお聞かせいただきたい。

○国務大臣(根本匠君) 体罰は許されないということで、私もしっかり頑張っていきたいと思います。

○倉林明子君 子供を守るために親を孤立させない、そして、いかに相談につなげるのかって極めて大事になると思うし、この続きは引き続きやりたいと思います。
 子供にとっての体罰を全面的にどう禁止するのかということでいうと、あらゆる体罰を禁止するという点ではまだ一歩足りないんだということを最後指摘して、終わります。