倉林明子

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雇用保険 国の責任後退 倉林議員が反対討論(2022/3/29 厚生労働委員会)

(資料があります)

 参院本会議で30日、雇用保険法・職業安定法改定案が採決され、賛成多数で可決されました。日本共産党などが反対しました。日本共産党の倉林明子議員は29日の参院厚生労働委員会で反対討論し、求職者給付の国庫負担を4分の1から40分の1に引き下げ、国の責任を後退させるものだと批判。国庫負担を25%に戻し、週20時間未満の人も雇用保険の対象とするなど、求められていることはセーフティーネットである雇用保険の拡充だと主張しました。

 質疑で倉林氏は、2021年度のハローワーク職員の3分の2が非常勤だと告発。「公共職業安定所の現場で非常勤職員を雇用の調整弁として使うなどもってのほかだ」と批判し、無期雇用への転換などを要求しました。

 その上で、「非常勤職員は1年の期間任用で、更新3回目には公募が繰り返されている」と指摘。「職業安定所が失業者をつくるという矛盾をいつまで続けるのか」とただしました。後藤茂之厚労相が「国家公務員の非常勤職員の任命制度については人事院の所管だ」とはぐらかしたのに対し、倉林氏は「3年で切ることは逆行だ」と批判しました。


ハローワークの職員数等の推移


主要国の職業紹介機関の体制


議事録を読む

○倉林明子君 日本共産党の倉林です。
 前回の質疑で、コロナ禍を踏まえた雇用保険ですね、充実こそ必要だと求めたわけですけれども、残念ながら一歩も前に出ない答弁が多かったなと思っているわけです。
 改めて、岸田総理が最初に行われた二百五回国会のときの所信表明、振り返りたいと思うんです。新しい資本主義を掲げた総理が、成長戦略の第四の柱として、人生百年時代の不安解消、掲げておられます。その部分について御紹介いただきたい。

○国務大臣(後藤茂之君) 総理の所信表明演説において、成長戦略の第四の柱として、多様で柔軟な働き方を可能とするセーフティーネットの確保、また、人生百年時代を見据えて、全ての方が安心できる全世代型社会保障の構築、こうしたことを述べられたというふうに思います。

○倉林明子君 あのね、第四の柱の中で、そういう多様な働き方の後に、大切なのは、どんな働き方をしてもセーフティーネットが確保されることだと、こう明言されているんですね。私、考え方として大事だと思いました。
 ところが、前回の議論で明らかなように、週二十時間未満の労働者は六百五十万人、フリーランスは四百六十万人、合わせると一千百万人。全ての就業者のうちで六人に一人が、これ雇用保険の対象外なんですよね。失業給付というセーフティーネットから多くの働く人がこぼれ落ちていると。ここを放置するということは、総理の目指す、勤労者皆保険という表現されているんですけれども、この勤労者皆保険と矛盾するんじゃないかと思うんですけど、いかがですか。

○国務大臣(後藤茂之君) 雇用保険制度は、自らの労働による賃金で生計を維持している方が失業した場合に、失業中の生活の安定と再就職の促進を図ることを目的としておりまして、所定労働時間が週二十時間以上であること等を要件としているところであります。
 一方で、週二十時間未満の労働者など雇用保険の適用対象とならない方に対しましても、雇用保険事業として無料の職業訓練と月十万円を支給する求職者支援制度を実施するなど、安定した雇用を実現するための重層的なセーフティーネットを整備をしております。
 また、フリーランスなど雇用によらない働きをする方に対する各種社会保険制度の適用については、給付の仕組みや水準、費用負担の在り方など多くの課題があると考えておりますけれども、今後、多様な働き方に対応したセーフティーネットが確保されるいわゆる勤労者皆保険の実現に向けた取組を進めていく中で課題を整理していくということで、特定の一つ一つの制度建ちばかりではなくて、制度制度のセーフティーネットをしっかりと張っていくということだろうというふうに思います。

○倉林明子君 多様な救い方があるとおっしゃるんだけれども、こぼれ落ちている人がいっぱいいると。それがコロナ禍でこれ顕在化したということだと思うんですね。
 参考人質疑で原田参考人から、シフト制を理由にして休業手当が支払われない、使用者の意に沿わない労働者に対する制裁としてのシフトカット、シフト削減による社会保険からの脱退などが指摘されております。こうしたシフト制の弊害について厚労省としても実態調査、把握をまずするべきじゃないかと思いますけれども、いかがでしょう。

○国務大臣(後藤茂之君) シフト制での働き方については、その時々の事情に応じて柔軟に労働日、労働時間を設定できるという点で契約当事者双方にメリットがある一方で、使用者の都合により、労働日がほとんど設定されなかったり、労働者の希望を超える労働日数が設定されたりすることにより紛争が生じることも考えられるわけであります。
 このため、労働紛争を未然に防止し、シフト制を労使双方にとってメリットのあるものとすることを目的として、本年一月に、いわゆるシフト制により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項を策定したところでございます。まずはこの留意事項の周知啓発を徹底し、シフト制労働者に関する雇用管理の適正化に努めながら、シフト制労働者の実態の把握を進めてまいります。

○倉林明子君 留意事項を作っていただいたということは、一歩前進だとは思うんです。ただし、大切なのは、どんな働き方をしてもセーフティーネットが確保されることだという総理の発言があるわけですよね、新しい資本主義で大事なところだと。だから、まずは、そういう意味で、どんな弊害が起こっているのか、そして具体的な労働組合の現場からの指摘ですから、しっかり受け止めて、穴を塞いでいくには実態をつかむ必要があるという観点から申し上げていますので、答弁、最後の方、ちょっと検討するような発言があったかと思いますけれども、踏み込んでいただきたいと、早急な調査を求めたいと思います。
 雇用保険での改善策として原田参考人が提案もされています。一つは、対象となる労働時間ですね。これは週十時間以上ということで引き下げてはどうかと、対象を拡大するという方向です。二つ目は、二十時間の条件を満たしていれば雇用保険への加入を徹底させると。この検討が求められているというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(後藤茂之君) 週所定労働時間が二十時間に満たない方を雇用保険適用対象とすることについては、自らの労働による賃金で生計を維持している方の失業を保険事故として備えるという雇用保険制度の考え方とかなり異なる働き方をする者も含まれる可能性があり、こうした方に対して一律に強制適用を行うことの是非や、週二十時間未満という短時間労働者の把握に伴う事務的コストや実現可能性等、整理すべき課題もあると考えておりまして、慎重に検討していく必要があると考えております。
 なお、雇用保険の対象とならない方についても、求職者支援制度など重層的なセーフティーネットは整備しているところであります。
 それから、二番目の御指摘のあった雇用保険の未加入者への対応について、各都道府県労働局が行う事業者調査において加入要件を満たす未加入者が把握できた場合とか、本人から被保険者資格があることの確認を求める旨がハローワークにあった場合に、必要な確認を行った上で加入要件を満たす場合は事業主に指導を行うこと等を励行しております。加えて、いわゆるシフト制により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項において、週所定労働時間が二十時間以上等の要件を満たす場合には雇用保険の被保険者となる旨を周知をいたしております。
 雇用保険の加入の徹底については、今委員が御指摘いただいたように徹底してまいりたいと思います。

○倉林明子君 ところが、現場でどんなことになっているかっていうたら、実態は、フルタイムなのに雇用保険未加入者、未加入というのは少なくないんです。で、是正指導がされずに雇用保険の穴になっていると。シフト制ということを雇用の契約時に確認していたら、もうそれで雇用保険入らないという状況が実態としてもあるという指摘なんですね。
 これ、シフト制であっても、私は、労働契約締結時点で週若しくは月当たり最低限の労働時間数あるいは労働日数の明示、こういうことを義務付けるということをしないと本当守れないと思うんですけれど、この点、検討を求めたい。いかがでしょう。

○国務大臣(後藤茂之君) シフト制については先ほどもちょっと申し上げましたが、労働日、労働時間を柔軟に設定できるという契約当事者双方のメリットがある、あり得る一方で、使用者の都合によりまして、労働日がほとんど設定されなかったり、労働者の希望を超える労働日数が設定されたりするという、そういうことによる紛争が生じることも考えられます。
 こうした紛争を未然に防止し、シフト制を労使双方にとってメリットのあるものとするために、厚生労働省においては、いわゆるシフト制により就業する労働者の適切な雇用管理を行う留意事項、これ、(発言する者あり)はい、使用者と労働者で話し合って定めておくことが考えられるルールとして、最低限の労働時間数、労働日数などを示しております。まずはこの留意事項の周知啓発を徹底することで雇用管理の適正化に努めてまいりたいというふうに思います。

○倉林明子君 いや、さっきも聞いた答弁を繰り返しありがとうございます。
 あのね、そういう留意事項ということで義務付けないので、実際それ、メリットがある働き方って、双方にっておっしゃるけど、コロナではっきりしたのは労働者の側に非常なデメリットがあるということなんですよ。一方的にやっぱりシフトゼロとか週一時間とかされて、雇用が守られていないという実態あるんですよ。そこに対して、やっぱりどうやってセーフティーネット張っていくのかということが必要だと重ねて言っておきます。
 これね、昨年十一月の緊急提言で「未来を切り拓く「新しい資本主義」とその起動に向けて」、これ出されました、閣議決定。ここではどんなことを言うているかというと、男女間の賃金格差の解消という項で、短時間正社員の導入を推奨することと併せて勤務時間の分割、シフト制の普及が盛り込まれているんですよ。規制もセーフティーネットもないままの普及じゃ労働者の生活守れないと、これがコロナ禍で見えたことなんですよ。これを教訓としてどう政策に生かしていくのかという課題があるんだということは強く指摘したいと思います。
 次に、ハローワークの体制強化について質問したいと思います。
 そもそもなんですけれども、そもそも、ハローワーク、公共職業安定所、この根拠法は何でしょうか。

○政府参考人(田中誠二君) 公共職業安定所につきましては、厚生労働省設置法においてその設置根拠が規定されているほか、職業安定法第八条第一項におきまして、公共職業安定所は、職業紹介、職業指導、雇用保険その他この法律の目的を達成するために必要な業務を行い、無料で公共に奉仕する機関と規定されております。

○倉林明子君 その今紹介あった職業安定法等ですね、その法律ができている基となっているのは憲法があると、憲法で規定された、二十七条で規定された国民の勤労権を保障すると、そういう役割があるから、これ無償の原則ということがはっきり位置付けられているということだと思うんですね。求人事業者、対等でない求職者に対して、適格紹介の原則、こういう形の根っこになっているわけですよ。
 ところが、ところがですね、この間のハローワークの体制はどうなってきているかと。これ資料でお付けしましたけれども、物すごい右肩下がりで職員が減っているというのがよく分かるかと思います。この二十年間で常勤職員はマイナス二千五百人余りということで、全体の二割が減少となっております。
 そこで、確認したいと思いますけれども、非常勤職員の数というのは、ピーク時あるいは直近、どういう数になっているのか、御紹介ください。

○政府参考人(田中誠二君) ハローワークの非常勤職員数につきましては、直近十年間である平成二十五年度から令和四年度の推移を見ますと、平成二十五年度は約一万八千人でありまして、以降、雇用情勢の改善等を踏まえ、徐々に減少して一万五千人程度で推移しておりましたが、令和二年度には新型コロナウイルス感染症への対応に伴う増員により二万人を超え、令和四年度においては二万一千四百三十一人となっております。直近におけるピークは、令和二年度の二万八千三百三十三人でございます。

○倉林明子君 令和三年度は、職員数が一万百四十八人に対し、非常勤職員数は二万二千四百三十九人かと思います。これ、ハローワークで働いている職員全体の三人に二人はこれ非常勤という形になっているんですね。
 今紹介あったように、大体一万五千人ぐらいは通常ベースとして必要な体制、ずっと継続して必要な体制になっているかと思います。二万八千人を超えた非常勤職員、令和二年度に二万八千人になったんだけど、今御紹介あったとおりコロナの対応と、雇調金等の対応が急増しましたので、増やして対応したと。来年度どうなるかというと、七千人減、二万一千人ということになるんですね。
 で、公共職業安定所なんですよ、この職場は。この公共職業安定所の現場で非常勤職員が雇用の調整弁に結局なっているんですね。私は、こういう使い方をするというのはもってのほかだと申し上げたい。
 非常勤職員というのは、今、一年の期間任用で、延長は最大二回、更新は三回目には必ず公募ということは繰り返されてきております。公募の結果、キャリアや経験、意欲を持っていても雇い止めということになるわけですね。これ、職業安定所が失業者をつくるという現場になっているんですよ。私、こんな矛盾をいつまで続けるのかと思うんです。一万五千人というのはほぼほぼベースとして必要な人員になっているんですよね。
 こういう状況も踏まえて、機械的に三年で公募を繰り返す、雇い止めするというような公募制度というのは廃止したらどうかと思います。いかがでしょうか。

○国務大臣(後藤茂之君) ハローワークの非常勤職員を含む国家公務員の非常勤職員の任命制度につきましては、人事院の所管でございます。
 厚生労働省としては、人事院規則等に基づき採用等を実施しているわけでございます。先ほど御紹介いただいた一会計年度以内とか、採用は公募、二回を限度とかいうことは、人事院の規則でございます。
 厚生労働省としては、今後とも、ハローワークが雇用のセーフティーネットとしての役割をしっかりと果たせるように非常勤職員を含めた必要な執行体制の確保に努めてまいりたいと思いますし、ハローワークの体制が弱くなっていくのではないかという御懸念等にもしっかりと対応できるようにハローワークの活動の質をしっかりと守っていきたいと思っております。

○倉林明子君 いや、ハローワークの質を守ろうと思ったら、経験、キャリアを積んだ非常勤職員を三年で切るというようなことは逆行になるんですよ。質を確保しようと思ったら、こういう公募制について、人事院のせいにせんと、大臣はやっぱりどう考えていくのかということですよね。職業安定所を質を担保しながら向上させていくと思ったら、もう一番力発揮しているのが今非常勤の人たちなんですよ、窓口で。そういう経験を自ら切っているんですよ。職業安定所の果たす役割から見ても、私、逆行になると言いたいと思うんですよ。
 判こ押したような答弁続いていてつらいんですけどね。この部分というのは長年の課題だと私は思っているんですね。職業安定所で失業すると、失業者を生むと、こういうことを本当にいつまでも続けていいのかと思っているんですよ。大臣、もう一回どうですか、答弁。

○国務大臣(後藤茂之君) 公務員の働き方の問題として、政府全体で、公務員の在り方とか公務員の人数の問題だとか、行政サービスに適した人数が確保されているのかとか、そういうことについてはもっと国民的な議論をしっかりとしていくということの必要性もあるでしょう。
 ですから、公務員の働き方の問題として捉えなければならないということについては、先生のおっしゃっていることについても意を同じにするところではあります。

○倉林明子君 意を同じくしていただいてありがとうございます。
 その意を前に進めようと思ったら、やっぱり厚生労働大臣として、こういう働き方は改革していく必要があると、前に向けて取り組んでいただきたいと。働き方改革って幾ら叫んでも足下でこういう働き方をやらせているということについて、やっぱりしっかり考え直すときだと申し上げたい。
 資料の二枚目に入れていますのは、これ主要国の職業紹介機関の体制というものです。これ、職員一人当たりの労働力人口及び失業者数を比較すると、日本は欧州主要国の三分の一から十分の一程度しかないと、こういう状況なんですね。
 こういう状況も踏まえて、改めて求めたいと思うんですけれども、この重要な役割を果たしていただいている非常勤職員、まず無期雇用ということに転換することも考えるべきだと思います。どうです。

○国務大臣(後藤茂之君) 無期転換という言葉の意味がいまいち定かでないところはありますが、もし狭い意味での労働契約法に基づく無期転換ルールということであるとすると、法制度上のことを申し上げておきますと、公務員には労働契約法の諸規定は適用除外となっているということでございます。
 いずれにしても、そういう技術的なことを申し上げるよりも、公務員の働き方の問題として政府全体でどのように取り組むべきであるか、そういうふうに考えていく課題であると思っています。

○倉林明子君 公務員として、全体としてということですけれども、こういう非常勤職員、国だけなんです、無期転換ルールが対象にならないと。そういうことが現場での矛盾、キャリアの蓄積にも邪魔しているんですよ。
 私は、そういう、一般にはもっと厳しいルールを課しながら、足下では公務員対象外ということで三年で首切りということになっているわけですよ。ここが、それは民間企業かてやる気出ませんよ、五年で無期転換ということが進んでいかないということにも私は一方でつながっているということは申し上げたいと思うんですね。そういうその職業安定所における今の働かせ方、これ本当にいいのかということでの指摘ですので、しっかり受け止めていただきたいと思います。
 労働契約の原則ということでいいますと、基本はやっぱり無期雇用、原則ですよね。ところが、これはハローワークにとどまった話じゃないんですね。多くの公務の職場で今有期契約が物すごく広がっているわけです。賃金、どうなっているかといいますと、大体最低賃金に張り付いています。で、契約更新がされるのか、これ不安抱えながら、相談業務等、一番最前線の、市民、住民と接して対応しているというところも多いんですよね。
 恒常的な業務について、これね、無期契約を原則にすること、さらに、有期契約というのはもう原則一年として、一年超えたら無期転換をしたものと、こういうふうにしていく方向で私はやっぱり考えていくべきだと、公務の現場こそこういうことやるべきだと思いますけど、どうですか。(発言する者あり)

○国務大臣(後藤茂之君) ええ、人事院は言いません。
 公務員には無期転換ルールを始めとする労働契約法の諸規定は適用除外ではあるものの、雇用の安定は公務員の働き方の問題として政府全体で取り組むべき課題であると思っています。厚生労働省としては、公務員制度所管官庁に無期転換ルールの趣旨や内容等について情報提供等を行っておりまして、そうした考え方、公務員に適用にならなかったとしても、そういうことをきっちりと理解していただくようにということで考えてやってはおります。
 ハローワークを始めとする厚生労働省を始めとした公務員がやりがいを持って働き、必要な方に必要な支援をきっちりと届けていけるように、今後も必要な執行の体制、公務員制度の体制を確保していくように努めてまいりたいと思います。

○倉林明子君 いや、現場では、ハローワークもそうなんですけれども、相談業務というのはやっぱりその人の人生に関わって、やっぱり、ありがとうというような、就職できたよとか、つながって生活再建できたよとか、本当にやりがいを持って働いている非常勤の人ってすごく多いんですよ。だから、低賃金でも働き続けているんですよ。そういう人たちを首切っているんですよ。そういう現実をしっかり見るべきだと思う。
 私、公務のこの有期契約で働いている、地方では会計年度任用職員というような形で雇用されているということが多いわけですけれども、極めて女性比率が高いんですね。先ほど紹介しましたように、緊急提言の中では、男女間の賃金格差の解消、これ掲げているんですね。これね、この部分、公務で働いている非正規の女性たちの賃金を引き上げるということは、雇用を安定させると同時に賃金を引き上げるということは、これ、男女の賃金格差の解消にもつながっていくことになると思うんですよ。
 最後、大臣の前向きな答弁を求めておきたいと思います。

○国務大臣(後藤茂之君) 男女の賃金格差の是正も非常に大切な課題だと思います。私は、女性の活躍できない社会はやはり力が発揮できない社会だと思いますし、今の時代は、女性の力を十分に生かしていない企業は企業としても成長ができない。だから、そういう意味で、非常に女性の就業は大切だというふうに考えております。
 やりがいを持って全ての人たちが働いていけるような、そういう執行体制の確保、しっかりと整えて、公務員のやる気をしっかりと維持できるようにしていかなければならないと、そのように考えております。

○倉林明子君 やる気はあっても首切られると、こういう現状があるんだと。女性が活躍できる職場ということで最賃に張り付くような仕事のさせ方していたら、男女の賃金格差は埋まりません。
 終わります。


議事録を読む

○倉林明子君 日本共産党の倉林です。
 私は、日本共産党を代表して、雇用保険法等の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、求職者給付の国庫負担を実質的に四分の一から四十分の一に引き下げるものであるからです。
 四分の一が適用されるのは、失業率が五%を超える状況です。さらに、機動的な国庫繰入れ制度の導入により、一般財源を用いて雇用維持対策を行うことが可能になります。これにより、受給者実人員七十万人以上かつ弾力倍率一未満という基準は、将来にわたって適用されることはなく、国庫負担率は実質的に四十分の一となります。現在の負担率を原則として認めるものであり、国の責任を後退させるものです。断じて認められません。
 第二の理由は、国庫負担を実質的に引き下げる一方、労使の保険料を引き上げることです。長引くコロナ禍で何とか耐えてきた労働者や中小企業者に追い打ちを掛けるものにほかなりません。コロナ禍で経済が傷んでいる今、保険料を上げるべきではありません。労使の保険料を上げる前に、まず国庫負担を四分の一に戻すべきです。
 コロナ禍で雇用保険がセーフティーネットとして十分機能していない実態が明らかになりました。週の労働時間が二十時間未満であることや、シフト制で働くことを理由に雇用保険に加入できない女性やシングルマザーが多くいます。労働時間が週二十時間未満であっても、家族総出で働かなければ家計を維持できない層が増加しています。週二十時間未満の労働は決して家計の補助ではありません。週二十時間未満も雇用保険の対象とすべきです。
 さらに、失業給付の水準も低過ぎます。二〇〇三年の雇用保険法の改正で、失業給付が高いと再就職時期が遅れることを理由に給付率と日額上限額が引き下げられました。しかし、十年後に厚労省が行った検証では、給付水準の引下げ前後で再就職時期に大きな変化がないことが明らかになっています。失業者が生活の心配なく安心して次の職を探せる環境を整えるためにも、失業給付水準の引上げが急務です。
 今求められているのは、雇用のセーフティーネットである雇用保険の拡充です。そのためにも、国庫負担の本則復帰が必要不可欠です。雇用に対する国の責任を果たすよう強く求めて、反対討論といたします。