倉林明子

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被害救済の遅れ検証を 浮島丸事件 真相解明を要求(2025/3/31 厚生労働委員会)

(議事録は後日更新いたします)
 日本共産党の倉林明子議員は31日の参院厚生労働委員会で、強制連行された朝鮮人労働者らを乗せた旧日本海軍の輸送船「浮島丸」が1945年8月24日、京都府の舞鶴港で爆発、沈没し500人以上が死亡した「浮島丸事件」の乗船者名簿を日本政府が「不存在」としてきたために被害者救済が遅れたことの検証を求めました。

 日本政府は長年、乗船者名簿の存在を認めてきませんでしたが昨年5月、日本共産党の穀田恵二前衆院議員の追及に75件の名簿を保有していると明らかにし、その後、一部を韓国政府に返還したとしていました。

 名簿返還の進ちょくについて、厚労省の岡本利久審議官は保有する75件の名簿の「全てを韓国政府に提供した」と述べました。

 倉林氏は、これまで強制動員被害者に対する慰労金の申請が認められてこなかった遺族に対し、韓国政府が名簿を基に被害者救済を検討するとの報道に言及。「名簿の公開があまりにも遅すぎた」と指摘し、韓国遺族の弔いの最後の機会を奪うとして祐天寺(東京都目黒区)にある遺骨の早急な返還実現を求めました。

 また、戦後80年に際した戦争検証有識者会議の設置を石破茂首相が検討しているとの報道に触れ、同事件の「被害者救済がなぜここまで遅れたのか検証すべきだ」と要求。福岡資麿厚労相は「人道的観点から対応する」と述べただけでした。

 倉林氏は「真相解明を行い、全ての戦争被害者に対する真摯(しんし)な反省、謝罪につなげていくべきだ」と訴えました。


議事録を読む(未定稿)
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 提案されております法案は、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金の支給を継続するための必要な改正であり、二回の交付で合計五万円を上乗せするとしており、賛成したいと思います。
 一方、本法案の支給対象は軍人軍属等の遺族に限定されたものと、先ほど来議論のあったとおりです。そこで、国民一般が受けた戦争被害を対象としていない、ここどうなんだという議論も他の委員からも御指摘ありました。
 私、戦後八十年、問われているのは、空襲被害者、戦災孤児などに対する謝罪と補償、これ実現するということが求められていると思うんですね。先ほど来紹介もありましたけれども、議連による救済法がまとまって、被害者は思いをかなえる最後の機会だというふうに訴えられているんですね。
 私は、この被害者の思いを、大臣、どうお受け止めになっているのか、まずお聞きしたいと思います。

○国務大臣(福岡資麿君) さきの大戦におきましては、全ての国民の方々が何らかの戦争の犠牲を被られ、一般の市民の中にも筆舌に尽くし難い御労苦を体験された方々が多数おられることについては十分承知をしてございます。
 その上で、今御指摘ありましたように、超党派の議連におきまして、空襲被害者に対する特別給付金の支給、実態調査等を内容とする議員立法が議論されているというふうに承知しておりまして、厚生労働省としては引き続きその動きを注視してまいりたいと思います。

○倉林明子君 この問題、予算委員会でも議論になりまして、三月七日、我が党の山添議員が取り上げまして、被害者らの声を聞くようにということで総理に求めました。総理は、意見を聞くことは必要だと、どのような形でやるのが望ましいか政府内で議論させてほしいと、踏み込んだ答弁されているんですね。この答弁重いなと思っているんです。
 厚労省としてどのように検討されているのか、そして私は、厚労大臣が直接被害者の声を聞く機会を持つべきではないかと思いますけれども、いかがでしょう。

○国務大臣(福岡資麿君) この空襲議連の方々の御意向を受けての予算委員会の質疑、山添委員だけじゃなくて様々な委員から御提議があったというふうに承知をしています。
 その中での総理の様々な発言につきましては承知をしてございますが、まず厚生労働省としては、現在超党派で御議論いただいている議員立法の状況を注視しながら、今後政府内で調整が行われる場合には必要に応じて適切に対応していきたいと思います。

○倉林明子君 私、注視したり待っていたりと言っているようなことをやっていると、戦後八十年の機会を失うことになりかねないと思っているんです。正面から空襲被害者、戦災孤児の皆さん、生き延びられた方々の声を聞ける最後の機会だと、聞くべきだと重ねて求めておきたいと思います。
 そこで、戦後八十年を前に大きく動いた、これが浮島丸事件だったと思っております。度々この問題も取り上げてまいりましたが、朝鮮から強制動員されておりました元徴用工など数千人を乗せた日本海軍の輸送船浮島丸が、これ一九四五年の八月二十四日、京都府舞鶴沖で爆発、沈没いたしました。
 昨年、これまではないとされてきた乗船者の名簿の存在が明らかになりまして、韓国政府の求めに応じて提供を行ったということで伺っております。
 そこで、進捗状況についてですね、名簿の返還の、進捗状況について改めて報告を求めたいし、あわせて、目黒の祐天寺に実はこの浮島丸のときに被害に遭われて亡くなられた方々の遺骨が残ったままとなっております、残ったものがあります。これ、極めて、遺骨の早期返還ということが求められると思いますけれども、それについての進捗も確認させていただきたい。

○政府参考人(岡本利久君) お答え申し上げます。
 韓国政府から日本政府に対しまして、厚生労働省が旧海軍などから引き継ぎ、保有している浮島丸関連文書の提供につきまして要請があり、厚生労働省の保有する浮島丸関連名簿について内容の精査を進めてきたということでございます。
 その結果、乗船に際して作成された名簿ではございませんけれども、令和六年九月五日に十九件、令和六年十月二十三日に三十四件、本年三月二十一に二十二件の合計七十五件の名簿と名が付く文書を外務省を通じて韓国政府に提供したところでございます。
 また、目黒の祐天寺に保管されている浮島丸犠牲者の御遺骨につきましては、関係省庁と連携をしながら、日韓両国で協議を重ね、昭和五十一年度までに二百四十一柱の御遺骨を韓国政府に返還してきたところでございます。現在、返還に至っていない浮島丸犠牲者の御遺骨は二百八十柱という状況でございます。
 返還の実現に向けまして、引き続き関係省庁で連携の上、取り組んでまいりたいというふうに考えております。

○倉林明子君 今の答弁で確認したいと思うのは、見付かりました乗船者の名簿等については、見付かったもの全部を韓国政府に提供することができたのか、つまり完了したということでよろしいでしょうか。

○政府参考人(岡本利久君) 失礼しました。お答え申し上げます。
 名簿と名が付く文書につきましては全てということでございまして、それが七十五件ということでございます。

○倉林明子君 長年見付からなかった名簿類ということで、これが見付かって返還できたのは大変良かったというふうに思っております。
 乗船者名簿の提供を受けて、韓国政府はこれから資料の分析をするんだと。それ踏まえて、過去に強制動員被害者、慰労金の申請が認められなかった遺族、こういう人たちが存在しているんですね。そこで、その名簿、提供いただいた名簿の検証、分析をすることによって申請してもらう。あなたは遺族じゃないですかということで申請してもらう。あるいは、職権によって、特定できるというものについては職権によって被害者救済に取り組むということの検討をしているという報道がありました。
 私、名簿の公開は本当余りにも遅過ぎたと思っているんです。遺骨の返還、今を逃せばどういうことになるかというと、残された遺族の高齢化は深刻です、韓国遺族の弔いの機会、最後の機会、これさえ奪うことになるんだということを申し上げておきたいと思うんですよ。大臣の認識も聞いておきたいと思います。
 総理は、戦後八十年、戦争検証へ、有識者会議設置、この報道もありました。総理自身も、二度と戦争を起こさないためにということで、検証の意思を表明されているかと思います。そこで、全般の検証作業ということが始まっていくんだろうと、どんな形になるかはまだはっきりしていませんが、八十年ということでの取組になると期待しております。
 そこで、浮島丸事件被害者の救済、究明、これが何でここまで遅れたのか、これ含めた検証は是非厚労省中心にやるべきじゃないかと思いますが、いかがでしょう。

○国務大臣(福岡資麿君) 浮島丸につきましては、青森県の大湊港から朝鮮半島に向かう途中、舞鶴湾内で沈没し、多くの方が犠牲になられたというふうに承知しておりまして、改めて心より御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
 御指摘の有識者会議の設置につきましては、報道では承知しておりますが、有識者会議を設ける検討や何らかの決定があったということについては私自身は承知をしておりません。
 浮島丸犠牲者に関連する対応といたしましては、朝鮮半島出身者に関する名簿の韓国政府への提供に取り組んできておりまして、例えば、昭和四十六年の旧軍人軍属の死亡者連名簿の引渡しなど、これまで累次にわたり提供を行い、この中には御指摘の浮島丸の乗船者に関する情報も含まれてございます。
 また、今般、韓国政府から日本政府に対しまして、厚生労働省が旧海軍等から引き継ぎ保有しています浮島丸関連文書提供の御要請があり、これを踏まえ、外務省を通じて韓国政府に提供してまいりました。
 さらに、浮島丸犠牲者の御遺骨につきましては、関係省庁と連携しながら、日韓両国で協議を重ね、昭和五十一年度までに御遺族が判明した二百四十一柱の御遺骨を韓国政府に返還をしてまいりました。引き続き、関係省庁とも連携し、人道的な観点から、可能な限りの対応を検討してまいりたいと思います。
 厚生労働省といたしましては、浮島丸犠牲者を含む朝鮮半島出身の戦没者への対応もこれまでも行ってきてございまして、今後とも関係省庁としっかり連携をしながら適切に対応してまいりたいと思います。

○倉林明子君 ちょっと残念ながら明確な答弁なかったと思うんだけれども、名簿がここまではっきり出てこなかったということについて、改めて、なぜ真相、要は真相解明が要るんですよ、そういうところについて検証も含めてやってほしいということですから、正面から受け止めてほしい。
 私、さきの戦争によって被害者となった全ての人々に対する真摯な反省、そして謝罪、ここにこそつなげていくべきだと、戦後八十年、その出発点をつくるべきだと申し上げて、終わります。