再生エネ積極導入ならコスト低下 原発再稼働の政府電源構成案論拠崩す電事法改定案(経済産業委員会)
2015/06/04
(ページ下部に資料があります)
2030年度の電源構成(エネルギーミックス)案(1日提示)で原発の比率を20~22%とし、この夏にも原発再稼働を狙っている安倍政権。一方、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを“コストが高い”として比率を22~24%にとどめ、石炭火力にも依存するなど、国民が願う「原発ゼロ」「再エネの促進」に逆らっています。
日本共産党の倉林明子議員は参院経済産業委員会(4日)で「原発ゼロの決断を」と訴えるとともに、“再生可能エネルギーはコストが高い”という政府の言い分が成り立たないことを、原発維持費用や民間NGOの研究結果を示して明らかにしました。
倉林氏が明らかにしたのは、11年3月の福島第1原発事故後の電力9社合計の原発維持費用です。各会社決算額の合計は、事故直後の11年度は1兆4千億円超、大飯原発(関西電力、福井県)のみが再稼働した12、13年度も1兆2千億円、原発が1基も稼働していない14年度も1兆4千億円を超えています。(表)。
原発コストについて倉林氏は、老朽原発の延命のための「安全」対策費用も高額となり、核のゴミの最終処分や廃炉にかかる費用も見通せないことを指摘。「原発コストはどこまで上がるか不明だ。安い電源とは言えない」と指摘しました。
さらに倉林氏は、環境NGO・WWFジャパンの「脱炭素社会に向けたエネルギーシナリオ提案」で報告されている電力価格の推定を提示しました。
同報告によると、今から再生可能エネルギーを積極的に導入すれば、導入時はコストがかかるものの中長期的にはコストが下がり、30年以降は従来の電源構成を継続する場合よりも電力価格は安くなります。50年には1キロワットアワー(kWh)あたり6円以上も安価になると推定しています。
経産省自身が、太陽光発電のコストは大幅に下落と試算していることも示しました。
数値を示した倉林氏に、宮沢洋一経産相は「原子力と石炭というものをやはり中心にすえないと国民負担が大変」と述べ“再生エネはコストが高い”との立場に固執しました。
倉林氏は、再生エネの積極的導入はコストも下げ、二酸化炭素削減にも貢献すると主張し、政府エネルギーミックス案を白紙から見直すように求めました。
電気事業法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出、衆議院送付)
〇委員長(吉川沙織君) 電気事業法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
〇倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
前回の委員会で大臣から、原発も石炭火力も駄目というならどうするのかという発言がございました。まず初めに、それに答えてまいりたいと思います。
目指すべきエネルギー政策は、二〇三〇年で少なくとも再生可能エネルギーの比率を三〇%とすると、そして本格的に大量導入に向かっていくと。さらに、省エネを徹底する、持続可能な低エネルギー社会を実現する、そのことによって決定的に低い日本のエネルギー自給率を高めること、これを目指すべきだというふうに考えております。ただし、やっぱりつなぎの電力で火力に頼らざるを得ないという時期があることは確かで、バックアップということも含めて、やっぱりそこは、石炭火力に依存することなく、二酸化炭素排出が低いLNGとしていくべきだと考えております。
そこで、質問をしたいと思います。
燃料の価格で見た場合、最も低コストとなる電源は何でしょうか。
〇政府参考人(上田隆之君) 燃料費だけで見てみますと、先般、私どもが明らかにさせていただきましたコスト検証の結果、二〇一四年のモデルプラントでありますけれども、それは、再生可能エネルギーは、バイオマスを除きましては、これは燃料費はゼロ円でございます。そういう意味では、燃料費のみにつきましては再生可能エネルギーが最も安い燃料費ということでございます。もちろん、発電コストはその他の費用もございますので、燃料費だけで比較するのは適当かどうかという問題はあるかと思いますが。
〇倉林明子君 要は、持続可能なエネルギー源ということで再エネに、コストがゼロだから、燃料価格がゼロだからということでやっぱり世界的な普及が進んでいる、それが背景にあると思うんですね。
導入時に確かにコストは高くなるということなんだけれども、中長期的に見ればコストが下がる、これが再生可能エネルギーの大きな特徴だと思います。他方、化石燃料の価格、これは今後も上昇するという推定があります。
そこで、資料を御覧いただきたいと思います。
二〇一〇年レベルの価格のところでいうと、一番高いのは確かに太陽光ということになっております。ところが、二〇三〇年のところで見ていただきますと、価格が一番高いのが石油ということになっております。この太陽光の下がり方というのは、中長期的により効果が出てくるということがよく見て取れるかと思うんです。日本経済研究センターの二〇五〇年への構想でも、同様の推計がされております。
現状推移シナリオ、このまま行けばどうかということと、原発ゼロの下で今から省エネ、再エネを積極的に導入する場合、この場合、電力価格はどうなっていくのか。これも研究所の資料として提出をさせていただいております。それは二枚目になっております。
要は、現状推移シナリオは赤でございます。自然エネルギー中心の取組を今から始めていったらどうかということで、確かに二〇三〇年のところまでは自然エネルギー中心のシナリオで歩んだ場合、高くなるんです。しかし、注目すべきは、それ以降の価格について、どんどん二〇三〇年以降については自然エネルギー中心シナリオの方が下がっていくというところを見ていただきたいと思うんですね。
二酸化炭素が削減できる、さらにエネルギー自給率は向上できる、コストは下がると、再エネ導入は極めて有効だと考えるんですけど、いかがでしょうか。
〇国務大臣(宮沢洋一君) まず、いただいた資料についてちょっと質問しますと倉林委員から嫌われるんですけれども、この数字自体がどの程度正直言って信憑性があるかということについては、相当これは検証してみなければいけないなという気がいたします。
例えば、風力についてこんなに安くできるのかな、また、地熱についても相当今は初期費用等々掛かっておりますけれども、こんなに安いのかな。一方で、原子力とか水力はずっとある意味では発電価格が同じというのは分かるんですけれども、同じような意味で、じゃ風力、特に地熱が何で横一本になっていないのかなというような、いろいろ疑問があるということを申し上げた上で申し上げますけれども。
まず、LNGについては私どもはベースロード電源とは考えておりません。それはなぜかといいますと、価格の面でもちろん石炭の方が安いということはありますけれども、さらに、先日、安井委員からも御質問いろいろありましたけれども、中東依存度、特にホルムズ海峡の内側から持ってくるものが二五%近くあるということで、これをベースロードとした場合には、いざというときには発電ができなくなってしまうという点でやはりベースロードとはできないというふうに考えております。
その上で、これはもう繰り返しになりますけれども、自給率、また電力コスト、そして高い温暖化ガス削減目標ということで今回お示ししたエネルギーミックス案になっているわけでありますが、コストということを考えたときに、原子力と石炭というものをやはり中心に据えておかないと、国民負担というものがとてつもなく跳ね上がってしまう。
特に、太陽光発電というものは、各国においてやはりベースロード的には扱えない電源でありまして、ただし風力についてはやはり状況が違っていると思います。風力につきましては、やはり大変適地におきましてはそれなりに安定した発電が期待できるということで相当頼りになる電源でありまして、そして再生可能エネルギーの中でも大きなウエートを占めておりますが、残念ながら我が国においては、その風力につきまして適地が少ない。まさに、通年で安定した風が吹いて、また大平原がある等々といった適地がないといったところで、いろいろ増やそうと思ってはおりますけれども、相当限度があるということをよく御理解いただきたいと思います。
〇倉林明子君 この試算は、私が勝手に作ったものじゃないんですよね。IPCCにも関わったようなシステム研究所から提案されているものだということで、ここで示されている再エネ導入した場合の将来性について、私はしっかり政策的にも生かすべきだということで申し上げておりますので、受け止めていただきたいと思います。
そこで、経産省が示していますコスト検証の中で、モデルプラントの試算結果について私確認したいと思うんです。
原子力、石炭、太陽光、これ住宅の場合で結構です、それぞれについて、二〇一四年、二〇三〇年の発電コストはどうなっていますでしょうか。
〇政府参考人(上田隆之君) お答え申し上げます。
これは先般のコスト検証を行った結果でございますが、まず二〇一四年のモデルプラントの発電コストであります。キロワットアワー当たりで申し上げますと、原子力が十・一円以上、石炭は十二・三円、住宅用の太陽光が二十九・四円と算定をされております。それから、二〇三〇年のモデルプラントの発電コストにつきましては、同様にキロワットアワー当たり、原子力が十・三円以上、石炭は十二・九円、住宅用太陽光は十二・五から十六・四円と算定をされているところでございます。ただし、この住宅用太陽光というか、太陽光、風力等につきましては、これと別途調整コストというのを試算しておりまして、この二二から二四%程度の導入量の場合は、年間四千七百億円程度のコストが調整コストとして別途掛かるという試算を出させていただいております。
〇倉林明子君 どないしても太陽光を高く見せたいというふうに今聞いていて思ったんですけれども、太陽光の場合、経産省のこのコスト検証に示された額でも、二〇一四年は二十九・四円だったものが十六・四円に下がっている。これは経産省自身のコスト計算でも示された、これ事実だと思うんですね。
そこで、モデル計算で唯一、私、上限が示されていない原発について聞きたいと思います。
どこまで上がるのか不明なまま、これは安い電源と言えるのかと思うんですね。新規制基準に対応するためにどれだけの費用が見込まれているのか、確認できますか。
〇政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
今回のコスト試算の過程で、現在、新規制基準への適合性審査を申請しております十五原発二十四基につきまして、追加的安全対策費の最新の見通し、これを調査させていただきました。その結果、一基当たり約一千億円と見込まれた次第でございます。
今回の発電コスト試算を行った審議会におきましては、この追加的安全対策費につきまして、モデルプラント方式を用いて試算しているため、新規制基準があらかじめ明らかであれば不要となる費用を除くべきと、こういった議論がありました。これを受けまして、そのような費用を慎重に特定いたしまして、発電コストの試算の際には、この一千億の中で六割に相当します一基当たり六百一億円、これを追加安全対策費として計上し、結果としてキロワットアワー当たり〇・六円と算入させていただいている次第です。
〇倉林明子君 こっちは割引するんですよね。二十四基で出てきた額は合計二兆四千億円になっているわけですよね。ところが、その分で今引いてもええというようなところを見込んでコスト検証では試算したんだということが今分かりました。
改めて適合審査の中でも追加の安全対策が求められて、当初の見込みよりも安全対策費用は個別の原発で増加したという経過があります。さらに、新規制基準というのは固定されたものではありません。安全性向上させるために見直すということを前提にしております。安全性向上のための費用、更に上積みされるという可能性が極めて高いものであります。老朽原発の延命の安全対策費用、六十年を目指す、かなり手挙げるん違うかと大臣はおっしゃったけれども、これ極めて高額に安全対策費がなっていくだろうと思います。
再稼働を前提として原発を維持すれば、一基も原発が動いていないということでも多額の維持費用が掛かっている、これが、資料でお付けいたしましたけれども、三枚目、これ決算資料で調べていただきまして整理したものです。二〇一四年度、これは一基も動いておりません。ところが、九社合計で一兆四千二百六十五億円というお金が掛かっているわけです。さらに、見通しがない核燃料サイクルは続けると言っているわけですから、投資というのは見えていないと思うんですね。幾ら掛かるかというのは見えていないと思うんです。
ところが、大臣は、費用をコスト検証の試算の倍見込んでも十一円で、まだ安いとおっしゃるわけですよ。私、十一円で済むのかと。十一円にとどまるという見通しを示せるのか、大臣に重ねて確認をしたいと思います。
〇国務大臣(宮沢洋一君) まず、止まっている原発で随分お金が掛かっているという話がありますけれども、これは、各電力会社が、原発が稼働停止しても発電所を安全に維持管理するための費用として必要な費用を計上しているものでありまして、減価償却費、人件費、修繕費などであります。各電力会社は、原子力規制委員会の新しい規制基準に対応するために、止めている間も今でも安全対策投資などを増やしておりますので、こういう金額になるんだろうと思っております。
今、安全対策費用で十一円台、これは衆議院で答弁させていただいたものでありますけれども、二〇一四年のモデルプラント、また二〇三〇年もそうですけれども、各電源構成ごとの試算をお示しする中に、今回は感度分析というものをやっておりまして、原子力につきましても感度分析をお示ししております。追加的安全対策費が二倍の場合はプラス〇・六兆円、廃止措置費用二倍の場合はプラス〇・一兆円、あっ、〇・六円、〇・一円ですね、事故廃炉・賠償費用等が一兆円増加する場合にはプラス〇・〇四円、再処理費用及びMOX燃料加工費用が二倍になった場合にはプラス〇・六円というような感度分析をお示ししておりまして、そういうものをまさに足し合わせると、二倍となっても一キロワットアワー当たり十一・七円ということになるということを申し上げました。
〇倉林明子君 じゃ、核のごみの最終処分、廃炉に掛かる費用分、これはコストに含まれていますか。
〇政府参考人(上田隆之君) 含まれております。
〇倉林明子君 含まれていると明言されましたけれども、額の見通しというのは現状では立っていないはずであります。額も見通せないし、電気料金になるのか税金の投入になるのかということも決まっていない部分が多くあるわけです。既に廃炉費用は電気料金に盛り込まれる省令改正が行われております。自由化後は託送料金に含める検討までしているわけです。
一方、再生可能エネルギーの飛躍的な拡大がもたらす経済効果はどうか、確認したいと思います。
火力発電のコストの大半は燃料費ということになります。その多くが海外に対する支払となります。再生可能エネルギーの場合、燃料は完全に国産であり、設備投資も多くは国内となるものです。雇用効果も含めて、経済効果はどうでしょうか。
〇政府参考人(木村陽一君) 再生可能エネルギーにつきましては、固定価格買取り制度の開始以来、関連する投資でございますとかビジネス、活性化しておりまして、雇用創出あるいは経済活性化の観点から一定の意義があるということは御指摘のとおりかと思います。
具体的な経済的効果につきましては、試算が難しい面がございまして、あと電力コストの上昇等によります電力利用サイドの影響というのは考慮はできないんですけれども、直接的な効果といたしましては、太陽光発電でございますと、二〇一〇年度には約五千億円の市場規模、約三万人の直接雇用者数であったというものが、二〇一三年度には約二・五兆円、雇用者は約九万人という増加が見られたという試算がございます。また、風力発電でございますけれども、約一千万キロワット仮に導入がされたということでございますと、経済波及効果として約一・一兆円、約七万人の雇用が生まれるという試算もございます。
〇倉林明子君 安倍政権の目玉である成長戦略、この中でクリーンエネルギーについての経済効果、試算しているんじゃないですか。どうですか。
〇政府参考人(木村陽一君) 具体的な数字につきましては、今、私どもの方でも改めて精査をしたいというふうに思っております。
今、私が申し上げたものは、基本的には業界サイドで集計をしたものをベースにお答え申し上げました。
〇倉林明子君 大体、衆議院でも明確に答弁していたはずですよ。衆議院から参議院に来て、経済、雇用効果については目標がなくなったんですか。どうですか。はっきりしてちょうだい。どういうことよ。
〇政府参考人(木村陽一君) 申し訳ございません。衆議院でそのような答弁をしたちょっと明確な記憶が私ございませんけれども、いずれにしても、再生可能エネルギーの大量導入によって一定の雇用創出あるいは経済活性化効果があるということ自体はもちろん先生御指摘のとおりでございまして、その点について、私どもしっかりそれも踏まえてその政策は講じてまいりたいと考えてございます。
〇倉林明子君 議事録を確認の上、正確な答弁をしてください。
〇委員長(吉川沙織君) 答弁できますか。(発言する者あり)
速記を止めてください。
〔速記中止〕
〇委員長(吉川沙織君) 速記を起こしてください。
〇政府参考人(上田隆之君) 大変恐縮でございます。少し衆議院の議事録を確認させた上で、後ほど答弁をさせていただくことをお許しいただければと思います。
〇倉林明子君 私の元に答弁が届きましたので、私の方から紹介をさせていただきたいと思います。
多田政府参考人が質問に答えて、この分野における雇用効果についてということで答弁しております。二〇二〇年で百六十八万人、二〇三〇年で二百十万人、現在の三倍あるいは四倍に広がっていく可能性がある分野。多田政府参考人が答弁されておりますので、よく思い出していただければと思います。
発電量当たりの雇用、化石燃料発電と比較すると同程度から十倍程度と試算もあります。小規模分散型の再生可能エネルギーは地域の活性化ともつながるものだと承知しております。小規模の太陽光や風力の電源を確保することが可能だと、これ立証したのがFIT制度でありました。
一般電気事業者が再生可能エネルギーの接続を拒否できる規則改正を行いましたけれども、接続義務の原則と例外を逆転させるもので、私、これは本当に元に戻すべきだと思います。いかがですか。
〇国務大臣(宮沢洋一君) 今、雇用の話がありまして、何の雇用かがいま一つ分からなかったんですけれども、太陽光等々、雇用が多いということは、雇用といった面ではいいわけでしょうけれども、一方で、恐らくコストといった意味では全国民に多大なコストが掛かるということになるわけでありまして、その辺のバランスというものはしっかり考えていかなければいけないんだろうと思います。
そして、今、太陽光等々の接続拒否の話がございました。
これにつきましては、再生可能エネルギーについてFITを導入いたしまして、この制度は、再生可能エネルギーを導入するといった意味では大変効果がありまして、導入前のたしか八割ぐらい増えてきているということで、効果があった一方でいろいろな問題点が出てきております。
太陽光に偏って導入をされたということからかなり問題点が出てきておりますし、特に、九州電力管内においては昨年大量な接続希望が寄せられたわけですが、それにつきましては、五十キロワット未満に小さく低圧にして、低圧分割という手法で、実は大きいんだけれども低圧でという申請がもうほとんどを占めているといったような、ある意味では脱法的な話がある状況の中で、昨年来いろんな制度を導入してまいりました。そして今、指定電気者制度というものを入れまして、接続について三十日を超える接続をしないということができる契約という形で導入をしております。
そして、これ、なぜ導入したかと申しますと、まさに、当初入ってきた方たちは特に五百キロワット未満であれば無制限であったわけでありますが、そういう方たちが発電する電力量がほぼ需要に近い状況になってきてしまう、まさに供給が需要を超えるわけにはいかないというのが電気でありますけれども、まさに最大発電をする場合に供給が需要を超えてしまうと、こういう見通しになったために、新たに入ってくる方につきましてそういうお願いをすることにいたしております。
これは、接続をさせないということではなくて、多数の方に接続をして、一時期のまさにピークのときには少し接続しない、制限をしていただきますけれども、ピーク以外ではしっかりと売電をしていただくということで、まさにある意味ではワークシェアリングのような発想であります。
前もって入った方について、本来であれば、契約を直せるんであれば、そういう制限を若干受けていただければ皆さんが同じような形になるわけですけれども、憲法上の財産権の制限というようなことがありまして、やはり新たに入ってくる方を増やすためにやった制度であるということを御理解いただきたいと思います。
〇倉林明子君 今るる御説明になったけど、原発の空押さえなんですよ。原発を動かすために、二十年間使うことになってしまうのが、邪魔だから、結局つなげないようにしたんですよ。そういう答弁もしていましたよ。そういうことだと私は受け止めました。
それで、私、重大だと今大臣の答弁を聞いていて思いましたのは、さっきのクリーンエネルギーの目標値ですね、これは政府の日本再興戦略の中の位置付けなんですよ。閣議決定した成長戦略じゃないんですか。こういう目標はもう投げ捨てたということだと受け止めていいんですか。
〇国務大臣(宮沢洋一君) ちょっと今の御質問の趣旨がいま一つ分からなかったものですから、教えていただけますでしょうか。
〇倉林明子君 成長戦略に明確に掲げた目標について、質問通告も受けているのに答弁できないということは深刻だという指摘をしておきたいと思います。
コストの高い原発は市場競争の中で淘汰されていると、これが世界で起こってきている現実であります。世界で爆発的に太陽光や風力が普及する鍵、こうなったのが再エネ最優先の給電ルールを徹底させたことでありました。現在の原発最優先というやり方から再エネ最優先の給電ルールに見直す、この方向にこそ転換すべきだと考えます。どうですか。
〇国務大臣(宮沢洋一君) 原子力発電につきましては、アメリカにおきましても、またイギリスにおきましても新たな原子力発電所を造るという計画が進んできておりまして、世界が脱原発だということは認識として私どもは持っておりません。
また、再生可能エネルギーにつきましても、例えば、先ほども申し上げましたけれども、大型の風力発電所というものが大変低コストで発電ができる地域というものがアメリカにはたくさんありますし、ヨーロッパ北部にもありまして、こういうところの大型の風力につきましては、日本のような固定価格買取り制度という補助金を出すような制度ではなくて、一般的な価格でしっかりと原子力等々と競争してやっているわけでありまして、そういうところではやはり再生可能エネルギーの導入というのはまさに容易に進められるわけでありますけれども、日本という国がそういう状況にないということはやはり御理解していただきたいと思います。
〇委員長(吉川沙織君) 時間ですのでおまとめください。
〇倉林明子君 国民の世論は圧倒的に原発をゼロにしていくことを望んでいるということを重ねて申し上げたいし、年末には化石賞をいただくことになるであろうという警告を申し上げまして、終わります。
- 日時
- 2024/11/22(金)
- 場所
- 内容