倉林明子

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実効ある措置にむけ対話を 北朝鮮核問題(経済産業委員会)

2015/03/31

 倉林明子議員は3月31日の参院経済産業委員会で、北朝鮮に対する輸出入の全面禁止措置の期限延長について質問しました。

 倉林議員は、核実験など北朝鮮によるたび重なる挑発行為は、国連安全保障理事会の決議や日朝平壌宣言などに違反する行為だと指摘。日中韓外相会議(3月21日)の共同報道発表に「朝鮮半島の非核化の達成に向け実質的な進展を得るために、意味のある6者会合(6カ国協議)を再開するべく共に努力を継続することを決定した」と記されていることを紹介し、「北朝鮮に核兵器と核開発を放棄させるための実効ある措置を行わせるという対話が必要だ」と主張しました。

 その上で、「輸出入禁止措置は、北朝鮮を対話のテーブルにつかせ、問題の平和的・外交的解決を図るという目的をはっきり据えて行うべきだ」と強調しました。
 同委員会は北朝鮮への輸出入禁止措置を延長するための法案を全会一致で可決、同日の本会議で承認されました。

議事録を読む

第189回国会 経済産業委員会 第3号2015年3月31日(火曜日)
外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)

〇倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
北朝鮮による核実験などの挑発行為は、国連安保理決議、日朝平壌宣言などに違反する行為であり、地域の平和と安定に対する極めて危険な逆行だと考えております。
日本共産党は、北朝鮮に対し、事前に警告、厳しく糾弾、抗議するという態度表明を行ってまいりました。今回の北朝鮮に対する輸出入の全面禁止措置の期限延長については賛成するものであります。
そこで、外務省にお聞きいたします。
先日、先ほど御紹介もありました日中韓の三か国による外相会議が韓国のソウルで行われたとお聞きしております。三か国会議では、共同報道発表が発出されておりますが、その中で北朝鮮の核問題についてどのような認識の一致を見たのか、御紹介いただきたいと思います。〇政府参考人(滝崎成樹君) お答えいたします。
今回の日中韓の外相会議におきましては、先ほども指摘させていただきましたように、三外相は、朝鮮半島における核兵器開発を断じて容認できないことを再確認し、関連する全ての国連安保理決議及び二〇〇五年九月十九日の共同声明の下での国際的な義務及び約束が忠実に履行されなければならないという認識で一致した、さらに、三外相は、朝鮮半島の非核化の達成に向け実質的な進展を得るために、意味のある六者会合を再開するべく共に努力を継続することを決定したというような内容が共同発表にはまとめられております。

〇倉林明子君 今御紹介ありましたように、朝鮮半島の非核化の達成に向け実質的な進展を得るために、意味のある六者会合を再開すべく共に努力を継続する、こういうことが明記されたということで、大変重要なことだと思うんですね。
この間の六か国協議をめぐる動きということでいいますと、振り返って、どうなってきたのか、御説明をいただきたい。

〇政府参考人(滝崎成樹君) 最も最近のところ、近いところから御紹介いたしますと、二〇〇五年九月に開催された第四回の六者会合において共同声明というものが発表されております。その後、六者会合の枠組みを活用して様々な議論が行われてきておりますけれども、二〇〇八年の十二月に開催された第六回の六者会合に関する首席代表者会合以降、六者会合は開催されていないというような状況になっております。

〇倉林明子君 これまでの経過を見ますと、二〇〇五年九月の六か国協議、この共同声明で北朝鮮は核兵器の放棄に合意をしていたと。にもかかわらず、二〇〇六年には核実験を強行、二〇〇九年に二度目を強行し、さらにその後、ミサイル技術を利用したいわゆるロケットを二度にわたって発射、三度目の核実験を強行ということになっているかと思うんです。
こうした一連の経過を見ますと、対話は繰り返され合意は結ばれているけれども、北朝鮮はそれを何度も裏切っていると、こういう経過だと思うんですけれども、外務省の認識をお聞かせください。

〇政府参考人(滝崎成樹君) 北朝鮮による核・ミサイル開発の継続というのは、日朝平壌宣言、六者会合共同声明、それから一連の国連安保理決議に明らかに違反しており、我が国としては決して容認できないというふうに考えております。
我が国としましては、アメリカや韓国を始めとする関係国と連携しながら、北朝鮮に対し、いかなる挑発行為も行わず、関連する安保理決議を履行し、六者会合共同声明の完全実施に向けて具体的な行動を取るよう引き続き求めていく考えであります。
また、拉致問題につきましては、五月のストックホルムでの日朝政府間協議において、北朝鮮は拉致被害者を含む全ての日本人に関する調査を行うことを約束し、七月に特別調査委員会を立ち上げて調査を開始しております。現在までに調査結果の通報というのがないわけですけれども、政府としては、引き続き迅速に調査を行い、速やかにかつ正直に結果を日本に通報することを強く求めていく考えであります。
我が国といたしましては、先ほど宇都政務官の方からも申し上げましたように、対話と圧力の一貫した方針の下で、日朝平壌宣言に基づき、引き続き米国及び韓国を含む関係国とも緊密に連携しつつ、拉致、核、ミサイルといった日朝間の諸懸案を包括的に解決すべく粘り強く交渉を続けていく考えであります。

〇倉林明子君 御紹介ありましたように、核兵器を放棄していく、この合意については、二〇〇八年以降、実質的な話はできていないということかと思うんですね。やっぱり、いかにこの問題、対話により解決していくのかと、対話による解決というレールにこの核兵器の問題も乗せていくということが大変大事になってきているかと思うんです。
そこで、先ほどの日中韓三か国会議の共同報道発表にも記されていました意味のある六者会合を再開し、今度こそ北朝鮮に核兵器と核開発を放棄させるための実効ある措置を行わせる、こういう対話が必要になってきているというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

〇政府参考人(滝崎成樹君) 政府といたしましては、先ほども申し上げましたように、引き続き対話と圧力という一貫した方針の下で、日朝平壌宣言に基づいて、米国及び韓国を含む関係国とも緊密に連携しつつ、拉致、核、ミサイルという日朝間の諸懸案を包括的に解決すべく取り組んでいくというのが基本的な考えであります。
六者会合についてですけれども、これは引き続き諸懸案の解決のための有効な枠組みというふうには考えていますけれども、政府としては、非核化に向けた信頼できる対話のためには、まずは北朝鮮が非核化に向けた真剣な意思を表明して、そのための具体的措置をとるということが重要だというふうに考えております。
引き続き、関係国と緊密に連携しながら、北朝鮮に対して、安保理決議や六者会合の共同声明などを誠実かつ完全に実施することを求めていきたいというふうに考えております。

〇倉林明子君 北朝鮮を対話による解決というレールに乗せる上で重要だと考えますのは、御紹介もありましたとおり、関係国を始め国際社会が一致して対応すること、制裁についても実効あるものにするということが大変重要だというふうに思うんです。
その場合、大切なのは、目的をはっきりさせるということだと思うんですね。制裁強化、制裁のための制裁ということになってはならないので、北朝鮮を対話のテーブルに着ける、この目的をきちんと据えて行うことが重要だと思うんですけれど、いかがでしょうか。

〇政府参考人(滝崎成樹君) 国際社会が北朝鮮の核、ミサイルなどの開発の問題に一層効果的に対応するためには、日本のみならず各国が北朝鮮の関連の国連安保理決議を厳格に履行していくことは重要だというふうに考えております。したがいまして、国際社会全体に対して働きかけていくということも必要だというふうに考えております。
その上で、我が国といたしましては、北朝鮮側から諸懸案解決に向けた前向きな具体的行動を引き出す上で何が最も効果的かという観点から、不断に検討を行っていきたいというふうに考えております。

〇倉林明子君 大臣に最後お聞きしたいと思うんですけれども、六か国協議の関係国はもちろん、国際社会が一致して制裁を実効あるものとする必要がある、これは言うまでもないことかと思います。制裁の強化は必要だけれども、その目的はあくまでも核兵器を放棄させるための真剣な対話の場をつくる、ここに置かなければならないというふうに考えます。今最も力を尽くすべき問題でもあると思いますけれども、大臣の認識はいかがでしょうか。

〇国務大臣(宮沢洋一君) 平成二十五年に本措置の延長を検討したときの状況というのは、今いろいろ御質問ございましたけれども、国際社会の強い反対にもかかわらず、その前年の平成二十四年四月及び十二月に北朝鮮はミサイルを発射し、さらに翌年の平成二十五年二月には核実験を強行すると、こんな状況でございまして、挑発行為を繰り返すとともに、拉致問題に関する具体的な進展も一切見られなかった、こういう状況を受けまして、北朝鮮がこれ以上の挑発行為を控え、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の解決に向けた前向きで具体的な行動を取るよう強く求めるために、当時の措置を二年間延長することとしたものでございます。
北朝鮮をめぐる諸懸案の包括的解決に向けて、国際社会とも協調しながら、政府としても、対話と圧力の方針の下、北朝鮮に対して毅然とした姿勢で臨むべく、本措置についても厳格に実施してまいりたいと考えております。

〇倉林明子君 北朝鮮を真剣なテーブルに着かせる、核兵器放棄させるという努力に全力を挙げるということ、大事だと思うんです。そのためにも六か国協議の早期再開ということで力を尽くしていただきたい、強く求めて、終わります。

〇委員長(吉川沙織君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。

〔賛成者挙手〕

〇委員長(吉川沙織君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

日時
2024/04/23(火)
場所
内容

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