倉林明子

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消費税10% 外形標準課税拡大 参考人が次々反対表明(経済産業委員会 参考人質疑)

2014/06/17

 参院経済産業委員会6月17日、小規模企業振興基本法案の参考人質疑を行いました。全国商工会連合会の森田哲夫副会長、中小企業家同友会全国協議会の鋤柄(すきがら)修会長、全国商工団体連合会の太田義郎副会長が陳述しました。倉林明子議員が質問しました。

 太田氏はフランスの「個人事業者制度」(2009年制定)を紹介。税金や社会保険料の免除で起業が倍加したと述べました。
 消費税率10%への引き上げ、赤字企業にも法人税を課税する外形標準課税の拡大に、3氏とも反対の立場を表明しました。
 森田氏は「4割の業者は価格に転嫁できていない。こんな不公平な税金はない」と指摘。鋤柄氏は「政府は既成路線を突っ走っているが慎重に考えるべきだ。社会保障の一体改革といってきたのに実際はそうなっていない」と批判しました。太田氏は「税率が10%になれば廃業が増えることは避けられない。景気は一層悪くなるだけ」と話しました。

議事録を読む(参考人意見)
第186回国会 経済産業委員会 第17号 2014年6月17日

小規模企業振興基本法案(内閣提出、衆議院送付)
商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)

〇委員長(大久保勉君) 小規模企業振興基本法案及び商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
本日は、両案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
本日御出席いただいております参考人の方々を御紹介申し上げます。
まず、全国商工会連合会副会長森田哲夫参考人でございます。
次に、中小企業家同友会全国協議会会長鋤柄修参考人でございます。
次に、全国商工団体連合会副会長・愛知県商工団体連合会会長太田義郎参考人でございます。
この際、参考人の方々に委員会を代表して一言御挨拶を申し上げたいと思います。
本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
参考人の皆様からの忌憚のない御意見を拝聴し、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、お一人十五分程度で、森田参考人、鋤柄参考人、太田参考人の順に御意見を述べていただき、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手していただき、その都度、委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。
なお、参考人、質疑者とも御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず森田参考人にお願いいたします。森田参考人。

〇参考人(森田哲夫君) よろしくお願いをいたします。全国商工会連合会副会長を務めております森田でございます。
本日は、私どもの意見を聞いていただく場を設けていただきまして、厚く御礼を申し上げます。私からは、中小・小規模事業者の立場から意見を述べさせていただきます。
我々商工会は、全国の中小商工業者の集まりでありまして、その八八%が小規模企業であります。御承知のとおり、小規模企業を取り巻く環境は非常に厳しいものがございます。人口減少あるいは高齢化、需要の低迷、空洞化等々に直面し、現在の中小企業の数は三百八十五万社、この二十年間で百三十五万社の大幅な減少となっております。特に、直近の三年間では三十五万社も減少し、その減少幅は実に八・三%に達し、大変危機感を持っております。そして、最大の問題は、その減少のほとんどが二十人以下の小規模企業ということであります。
申し上げるまでもありませんが、小規模企業は自営業者が極めて多いわけでありますが、我が国経済発展の原動力であり、また地域の防犯、消防団活動、また子育て・高齢者支援、祭り等伝統文化の継承など、地域社会の担い手でもございます。小規模企業の減退は、即地域コミュニティーの崩壊、我が国経済の衰退に直結をいたします。
特に、商工会の活動エリアの多くは中山間地域でありまして、いわゆる田舎と言われるような地域であります。こうした地域では、人口流出やあるいは過疎化、高齢化が進みまして、一部の地域では買物難民とかあるいは限界集落など、既にコミュニティーが崩壊をしているところも現れてきております。小規模企業の振興と地域の発展は密接不可分、表裏一体の関係にあります。この視点は、小規模企業政策の展開の上で絶えず念頭に置くべきと考えております。
私どもは、日本経済を再生させ、地域社会、コミュニティーの衰退に歯止めを掛けるために、中小企業の中でも約九割と、その大宗を占める小規模企業が将来に希望が持てますよう、国や地方自治体が小規模企業に対し政策の大きな光を当てていただくことが不可欠であると考えまして、組織を挙げて小規模企業基本法制定運動を展開してまいりました。昨年、全国の商工会で基本法制定署名活動を実施いたしましたところ、十一月、十二月の僅か二か月間で百万を超える署名が集まりました。これも、全国の小規模企業がいかに基本法に期待をしているか、期待の大きさの表れかと存じております。
こうした中、昨年九月に中小企業政策審議会の中に小規模企業基本政策小委員会が設置され、本会の石澤会長が委員長を仰せ付かり、今年一月には小規模企業振興を図るための施策の在り方について報告書を取りまとめ、茂木経済産業大臣に答申をさせていただいております。こうした議論を踏まえ、小規模企業振興策を抜本的に強化するため基本法が国会に提出され、ここに御審議をいただいているところでありますが、これは全国の小規模企業にとって画期的なことであり、私どもは、いよいよ小規模企業に光が当たり始め、流れが変わりつつあるという大いに期待をしているところであります。
基本法制定に当たり、中でも重要と考えていることを二点申し上げます。
第一点は、中長期的な視野から政策を着実かつ効果的に実施するための基本計画の策定とその実施状況の評価が重要であります。小規模企業政策の計画、実施、検証、改善のいわゆるPDCAをしっかり回す仕組みをつくり、政策の継続性、一貫性を担保することが必要であります。
第二は、国及び都道府県や市町村など、地方自治体の小規模企業振興についての必要な財源確保を含めた施策の一層の充実であります。
平成十一年の中小企業基本法改定以来、小規模企業部の廃止など、国の中小企業政策の中でも小規模企業政策が後退してきた感がございます。地方自治体においても、小規模企業政策についての力の入れ具合にばらつきがあります。こうしたこれまでの政策の転換が必要であります。特に地方自治体の役割は重要であります。国が基本法を制定した後には、地方自治体においても、小規模企業に特化した振興条例の制定など小規模企業振興の実効性を高める新たな仕組みをつくることも必要と考えます。今後の国、地方自治体を挙げた取組強化を期待をいたしております。
参考資料一ページを御覧ください。商工会は、昭和三十五年の商工会法制定以来、小規模企業を中心とした経営支援機関として、それぞれの地域において小規模企業振興や地域経済活性化のための活動を五十年間以上続けてまいりました。
我々商工会は、全国津々浦々で常に小規模企業のそばに寄り添って支援をする非営利の団体であります。全国に約千七百の商工会があり、一商工会当たりの職員数は六・四人と決して大きな組織ではありませんが、「商工会は行きます 聞きます 提案します」をスローガンにして、全国約四千二百名の経営指導員が、専門家とも連携しつつ、徹底的かつきめ細かな巡回活動に継続的に取り組んでおります。
商工会の会員数は全国で八十五万であり、経営指導員一人当たり二百事業者を支援をしております。経営革新や税務、金融、労働などの経営支援の実績は年間三百四万件、経営指導員一人当たり七百十六件の経営相談を行っております。こうした経営相談など直接的な経営支援だけでなく、後継者等の鍛錬の場である青年部や商業部会、工業部会など業種別に事業者が構成する部会活動や各種の町おこし事業の推進役など、様々な活動を行っております。
今回御審議いただいている小規模事業者支援促進法では、改めて、商工会が取り組んでいる小規模企業の経営改善普及事業の一層の充実と地域活性化につながる面的支援への取組強化が求められております。商工会としてもその期待にしっかり応えるよう最大限の努力を行う所存でございます。
また、今回、このような貴重な機会をいただいたところでありますので、若干のお時間をいただき、地域の小規模企業が抱える課題を踏まえ、率直な意見を申し上げたいと存じます。
世間ではアベノミクス効果により景気が回復基調と言われておりますが、地方では依然として厳しい状況にあり、景気回復の実感がないのが現状であります。私どもの小規模企業景気動向調査でも、地域経済は依然として停滞ぎみで、過疎化、高齢化進行と相まって、アベノミクス効果は全く感じられないとか、仕入れコストは増加し売上げは減少傾向、何とか現状維持を目指すだけで精いっぱいなどなど、厳しい声が上がっております。それでも小規模企業は、商圏が小さく経営資源が乏しい中、絶え間ない努力を積み重ね、事業の維持、継続に必死に取り組んでいるところであります。
今回の基本法制定は、こうした小規模企業の振興に本腰を入れて取り組むための基礎づくり、土台づくりであり、大変高く評価をしているところであります。と同時に、私は、この基本法制定は小規模企業に光を当てるスタートラインにやっと立てたとの思いでありまして、小規模企業振興策の抜本強化の出発点であるとの認識であります。
実は、小規模企業振興基本法が議論される中で、商工会の会員から私に、会長、小規模企業の基本法ができることは大いに結構だが、法律ができて私たちの商売、経営はどう良くなるのかね、また、何かこれまでと違う新しい政策が生まれるのでしょうかねというような、素朴な率直な質問が寄せられております。こうした声にしっかりと応えることが何より必要だと思っております。
今後、国におかれましては、多くの小規模企業が直面する課題を解決するため、日々歯を食いしばって頑張っている小規模企業が本当に基本法ができてよかったと実感できる新たな具体的な政策を是非早急に御検討をいただきたいと思っております。
以下、具体的に何点か申し上げます。参考資料二ページを御覧ください。
第一点は、非常に信用力が乏しい小規模企業にとりましては、日々の運転資金の確保、事業の拡大とともに増加する設備資金の手当てが大きな課題であります。今回、政策支援の対象とした経営の持続性を支援する新たな貸付制度の創設等、資金繰り支援の一層の充実が求められます。
第二点は、小規模企業の廃業が進む中、その約半数は後継者不足によるものとされております。新たな後継者を発掘、育成するための事業承継支援への取組の強化が必要であります。
第三点は、小規模企業の課題は、良いものがつくれてもなかなか売れない、すなわち販売力、市場開発力が弱いのが実情であります。例えば、地域共同販売拠点整備のような思い切った販路開拓支援が必要であります。
第四点は、人口減少、高齢化等により地域経済の疲弊、地域コミュニティーの崩壊が進んでおります。地域経済活性化、地域コミュニティー維持のためには、地域課題解決型ビジネスの推進が効果的であり、その立ち上げ時支援等を期待をしております。
第五点は、小規模企業者にとっては、現在の税、社会保障に関する負担感が大きいのが実情であります。現在、新成長戦略の目玉として法人税の実効税率引下げが議論をされておりますが、小規模企業に対する負担軽減等の特段の配慮が必要であります。
本日は、非常に厳しい状況にある地域の中小・小規模企業の立場で意見を述べさせていただきました。日本の企業の九割近くを占める小規模企業の振興なくして日本経済そして地域社会は成り立ちません。中小・小規模企業が厳しい経営環境に耐えかねて廃業等が相次げば、我が国の経済、社会の基盤は壊れ、結果的に経済活動を沈滞させるとともに、地域コミュニティーの更なる崩壊につながってしまうのではないかと強く懸念をいたしております。
最後に、繰り返しになりますが、今後の小規模企業振興基本法制定についての小規模企業者三百三十四万社の期待は極めて大きいものであります。安倍総理は、今回の施政方針演説におきまして、小規模事業者がどんどん活躍できる環境をつくるための基本法を制定し、小規模事業者支援に本腰を入れて乗り出しますと宣言をされました。どうか先生方には、小規模企業の現状と重要性をよく御理解をいただき、一日でも早い法案の制定、思い切った施策の新展開を再度お願いを申し上げまして、私の意見陳述を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。

〇委員長(大久保勉君) ありがとうございました。
次に、鋤柄参考人にお願いいたします。鋤柄参考人。

〇参考人(鋤柄修君) この度、参考人に御指名をしていただきました中小企業家同友会全国協議会の会長の鋤柄でございます。
まず、小規模企業振興基本法制定に向けての期待とお礼を申し上げたいと思います。
この度の小規模企業振興基本法制定及びその具体化に関わる法案の改正は、一九九九年の中小企業基本法の抜本改正以降の中小企業を取り巻く環境の大きな変化に対応するもので、誠に時宜を得たものと歓迎いたします。大久保委員長を始めとする委員の皆様、経済産業省、中小企業庁の御担当の皆様の御尽力に敬意を表するものです。
とりわけ、本法案が、二〇一〇年六月十八日閣議決定された中小企業憲章にうたわれた基本理念、中小企業は経済や暮らしを支え、牽引する、中小企業は社会の主役として地域社会と住民生活に貢献し、伝統技能や文化の継承に重要な機能を果たすということの具現化で、省庁を横断しての面的支援の実現に努めていただきたいと思います。
続きまして、中小企業家同友会の紹介をさせていただきます。お手元の資料の一ページ目に概略が書いてございます。
当会は、日本中小企業家同友会として一九五七年創立、一九六九年全国協議会が設立され、現在、四十七都道府県全てに存在します。全国会員数は四万三千名を少し超えたところで、おかげさまでこの五年間、最高の会勢を更新し続けております。企業規模は、平均資本金一千五百万円、従業員数約三十人となっております。ただし、最近の傾向といたしまして、従業員数が十名以下の小企業の入会が増えております。ちなみに、従業員五人以下の小規模企業は比率として約二七%ぐらいが会員の比率でございます。
私は、名古屋で水処理のプラントの設計施工とか工場排水のプラントの設計施工、そういう意味でライフラインを守る仕事、また環境を守る仕事に携わっておりまして、そういう地域になくてはならないという仕事が、中小企業が地域と密着して存在感があるというふうに自負をしながら経営を務めておるところでございます。
当会の経営環境改善の取組については、資料の二ページ目、二〇一五年度国の政策に対する中小企業家の重点要望・提言ということでお示しをしております。内容につきましては後ほどお読みいただければと思います。
そのほかに、当会の経営環境改善の取組を御紹介させていただきますと、まず、二〇〇二年にヨーロッパに視察団を派遣しまして、小企業憲章の学びをしてまいりました。続きまして、アメリカの視察も行いまして、小企業育成策をアメリカから学びました。昨年にはドイツ、オーストリアで視察し、エネルギーシフトを学んできたところでございます。
一九九〇年代後半の貸し渋り、貸し剥がしが横行し、まさしく存亡の危機に直面しました。そのとき、当会は、多くの方の助言もいただきながら、アメリカの地域再投資法に学びながら、仮称ですが、二〇〇一年、金融アセスメント法の制定を提唱し、国会請願署名を百一万筆、地方議会からの国への意見書決議を千九議会から提出していただきました。法案は成立しませんでしたが、リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムが作られるなど、中小企業の金融環境が大幅に改善されたことは皆様御承知のとおりであります。
二つ目ですが、EUでは既に二〇〇〇年に小企業憲章を制定しておりまして、その理念はシンク・スモール・ファースト、まず中小企業を第一に考えよ、これを日本でも実現しようとEU視察団を派遣して運動に取り組み、二〇一〇年、閣議決定を見ることになりました。
憲章運動と並行して力を入れてきたのが、各自治体における中小企業振興基本条例の制定です。振興条例の先駆けとなったのは一九七九年の墨田区の条例制定です。資料の三ページ目に中小企業振興基本条例制定の一覧表がございます。今年の三月現在で全国で百十六か所であったと思いますが、市町村で振興条例が制定されております。自治体においても従来以上に小規模企業施策に重点を置こうとしている姿が顕著になってまいりました。
さて、四番目でございますが、小規模企業振興基本法令に関する幾つかの意見を申し上げたいと思います。
まず一つは、今回の小規模企業基本法案の基本と中小企業基本法の基本が、二つ基本法が並んでおりますので、私なりに解釈しますと、理念である憲章がその上位にあって、憲章の精神をこの二つの基本法は酌んで運営がされるというふうに理解をしたいんですが、いかがなものでしょうか。
それともう一つ、ちょっと言いにくいことですが、小規模企業活性化法案というのも昨年成立しております。我々、法律に疎い中小企業家にとっては、一体どの法律がどのように中小企業家に効果的な施策をしていただけるのか、多少迷いを生じているのが現状でございます。
それと、次は消費税への対応でございますが、これも私どもの五月時点での調査の結果、大きな結果のところだけ申し上げたいと思うんですが、この消費税の影響に関するアンケート結果で六四%の企業に増税の影響が出ているという数字が出ております。今後は、私どもも追跡調査をいたしまして、この影響がどちらの方向に行くのか、我々の会の会員の意見ではございますが、調査は続けていきたいと、こんなふうに思っております。
それから、創業支援をアメリカの例で少し引き出してみたいと思うんですが、政府も女性が活躍することが成長産業の一つだとおっしゃっております。アメリカも女性経営者が大変活躍しているということは実際に見てまいりましたが、そのときに、女性の経営者がいる起業、起こす方の起業ですが、起こした起業に対して、政府調達は最低五%は女性の経営者の企業に発注するようにというような一つの枠を決めてやっているようでございます。
私どもの会では、全国的に見ますと香川や埼玉で女性の起業、起こす方ですね、起業育成の塾を開いたり、それから、今回の東日本大震災の被災地の一つであります陸前高田では、私どもの同友会の会員のメンバーが四十社集まって新しい企業を起こそうという動きも出ております。
それから、例三といたしましては、中小企業の役割の大きさと大事さの位置付けを教育にという、こういうことを私どもは盛んに言っているわけでございまして、小中高で中小企業の何たるか、また中小企業の良さを教える先生の教育を、実は私どもの徳島同友会では、今年採用された徳島県の教員は夏休みの間に私どもの会員の企業にインターンシップといいますか実習に入っていただいて、そして中小企業の実態を学んで子供たちに教育をしてもらうというような取組も始まっております。それから、帯広では、先生もPTAも一緒になって地元の企業にインターンシップに入って企業の実態を学んでいただくというような動きもございます。
それから、調査のことでございますが、法律の中に調査という項目があります。この調査に関して、私どもは各自治体に、作った条例の中に必ずこの実態調査をするようにお願いをしております。言わば企業の棚卸しといいますか、要するにその地域地域の企業の実態を定期的に定点観測するというようなことを是非やっていただいて、そしてこれを最終的には国で集計をして傾向値を出し、また指導していただく。私どもの、全国でも例えば宮崎県とか愛媛県でこのような動きを大学の先生と一緒になって行っております。言わば企業の経営でいえばPDCAを回していくということが、各々の地域で自治体の皆さんと企業が一緒になってやっていくことが必要かと、そんなふうに思います。
最後になりますが、もう一度、中小企業憲章の国会決議を是非お願いしたいと、こんなふうに思う次第でございます。中小企業は、雇用は一人ずつやるぐらいのレベルでございますが、企業数は圧倒的に多いわけでございまして、そういう意味では、全国の各地域で一人でも多くの企業が雇用を確保するということが必要かと思います。
その点に関しますと、今回話題になっております外形標準課税の中小企業への適用が、これが議論されておりますが、このようなことになりますと逆に雇用ができなくなるというようなことも起きます。どうかその憲章の精神を酌み取っていただいて、中小企業の声を聞いて政策を転換するということを図っていただきたいと、こんなふうに思うわけでございます。
以上、私の意見を述べさせていただきました。どうもありがとうございました。

〇委員長(大久保勉君) ありがとうございました。
次に、太田参考人にお願いいたします。太田参考人。

〇参考人(太田義郎君) 私、太田義郎と申します。私は名古屋市内の中村区で米屋を五十年やっております。言わば、町の米屋のおやじであります。食管法の時代から今日までずっとやっております。今回、自営業者の代表として意見表明の機会を与えていただきましたことに感謝を申し上げたいと思います。
私は、全国商工団体連合会の副会長をしております。私どもの団体について、一言紹介をさせていただきたいと思います。
私どもは、米屋だとか酒屋、肉屋、八百屋はもとより、町の飲食店から建設業者、そして物づくりに携わる町工場など異業種で構成をされており、全国に約二十万人の会員を組織しております。何よりの特徴は、五人以下の小規模事業者と個人事業者を中心に組織していることにあります。そのような小規模事業者と個人事業者の営業と生活、諸権利を守って、社会的、経済的地位向上を図ることを目的に六十四年間ずっと活動してまいりました。本委員会で議論をしていただいている小規模企業の実態や要望を最も良く理解しているのではないかと自負しているところです。
これまでの中小企業政策は、どちらかといいますと中小企業の中でも上の部分、やる気と能力のある中小企業の支援が中心になっておりましたので、私どものような小規模事業者にはなかなか光が当てられておりませんでした。その点から、今国会で五人以下の小規模事業者と個人事業者への支援に光を当てた小規模企業振興基本法案の制定に御尽力をいただいていることにまず感謝とお礼を申し上げたいと思います。
さて、小規模事業者の実態でありますが、御承知のように大変厳しい状態にあります。私の住む名古屋でも、自動車関連の下請の町工場がたくさんありますけれども、単価、工賃ですね、毎年下がってきております。その上、親企業の海外移転で仕事量は減少し、廃業が続いております。かつては韓国並み賃金と言われましたが、今やアジア賃金と言われて、政策支援から置き去りにされてまいりました。町工場が消えていくのではないかと危惧をしているところです。
町も大きく変化をしてきております。商店街は空き店舗が増えて、何年もシャッターが下りたままの店舗が増えております。私の住んでおります中村区のすぐ家の近くのマンションには、一階部分が店舗なんですけれども、喫茶店、小間物屋、食料品、衣料品店が次々店を閉じて、今結局残っているのは美容院だけです。町の活力が失われて、町が日に日に寂れて死んでいくような寂しさを日常的に感じております。
どうしてこのようなことになってきたのか、本日はこの原因についてあれこれ議論する場ではありませんので、今直面している問題に絞って申し上げたいというふうに思います。
私どもは、年に二回、中小商工業研究所という附属の機関で、私どもの全商連の附属機関ですけれども、千四百三十社で営業動向調査というのを毎年年に二回やっております。この間、アベノミクスで一部の大企業では景気回復が伝えられておりますけれども、私たちのようなところではその実感はなく、むしろ原材料の高騰が収益を悪化させて、消費税増税が経営悪化の引き金になっております。小規模事業者の経営を困難にしている原因のベストファイブは、第一は仕事やお客さん、顧客の減少、第二は消費税の負担が重いこと、第三は競争の激化、第四は低い下請単価、第五は経費の増大だと。これが千四百三十社で行っていた最近の一番直近のアンケートの結果です。
政府は消費税についての転嫁対策を講じているとおっしゃいますけれども、消費税が転嫁できるかどうかは市場における力関係なんです。厳密にいいますと、それは相対取引で付加できるのかできないのかが現実にはもう決まってくる。親企業や顧客からは価格の引下げを求められる、ちょっと安うしていけよと、こういう話です。同業者と価格競争ということもあって、うちだけ上げると客が減るのでないかという勝手な思い込みと、こちらの不安もあって、結局は同業者との価格競争という値引き合戦にさらされているのが現状なんです。消費税は結局、力の弱い者に負担が押し付けられる税金なのです。そういうこともあり、消費税の滞納が増え続けて廃業の引き金にもなっております。
政府は、地域の中で取引が集中しているコネクターハブ企業への支援を救世主として切り札にしようということは言っておりますけれども、実は小規模事業者のコネクターハブの事業体というのは、〇・一%にも満たない三千六百社にすぎない企業への重点的な支援が地域の底上げになるのか大変疑問に思います。
私どもは、このような小規模事業者をどうすれば元気にすることができるか、引き続き地域で役割を果たしていくことができるのかという点から、日本版・小企業憲章というものを提案させていただきました。お手元に行っていると思います。その中で、小企業、家族経営の役割の重要性や必要な政策方向を提起しております。資料としてお配りしておりますので、是非、後で御一読いただければ幸いかと思います。私は、この中から三点に絞って小規模企業振興基本法に基づく政策の具体化をお願いをしたいというふうに思います。
第一は、仕事の確保についてです。
金は天下の回りものという言葉があります。若い人はこんな言葉は聞いたことないとおっしゃられるかも分かりませんけれども、多少年配な方はみんな、金は天下の回りもの、この言葉が通用すると思います。
しかし、この二十年、金も物も人も実は地域で循環しなくなってきております。大企業の海外移転や、少子化、高齢化で人口も少しずつ減少を始める、非正規雇用が広がってきている、どんどんと働く人の賃金も減り続けているなど、地域は疲弊をしております。価格だけで物を判断する新自由主義的な風潮が広がり、地域資源を生かし、地域の暮らしや生活に必要なものを供給することをなりわいにしている小規模事業者の出番もなくなってきております。金、物、人の循環は断ち切られて、地域の持続可能が失われてきております。
今必要なことは、小企業、自営業者が自立できる環境をどうつくっていくのかにあります。その柱が地域での仕事おこしによる地域経済の振興策だというふうに思います。
こうした中で、地域循環をつくる経済振興として注目されているのが住宅リフォーム助成制度です。秋田県や山形県、静岡、広島、佐賀の五つの県を含む全国で六百二十八の自治体、二〇一四年度ですけれども、これが実施されております。各自治体の試算では経済効果は実に二十三から二十九倍の効果があるということが、これは科学的に実証されております。私が大学で勉強した経済効果の経済法則からいうと、天文学的な数字なほど経済効果があります。住民に喜ばれ、業者の仕事も起こし、自治体の財政力も増やす、三方よしで大変歓迎されております。最近では、省エネルギー、バリアフリーの促進の上からも、少子高齢化社会への対応としても必要とされているもので、地域を元気にします。こうした地域循環の政策を全ての自治体が推進できるように、国が財政支援を含めて応援していただきたいと思います。
第二は、消費税中心の税財政の構造から、憲法の理念を踏まえた応能負担原則の確立で小規模事業者の税負担の軽減を図ることだと思います。
私どもの調査では、消費税を転嫁できない業者は、最も最近の調査で四九・四%になっております。事業規模が小さくなるほどその比率は高くなっております。消費税は事業者税となっているのです。外形標準課税などもってのほかだというふうに思っております。
これは中小企業白書でも紹介されていることですが、個人の起業を促すために、起こす業ですね、フランスでは個人事業者制度を二〇〇九年に制定していますが、地方税が三年間免除されるほか、付加価値税の、日本でいえば消費税ですけれども、付加価値税の徴収も免除され、売上げがない間は所得税も社会保険料も免除されるとのことです。この制度の導入では起業は倍増したというふうに報告されております。このように、個人事業者に対する思い切った措置をお願いをしたいと思います。
第三は、社会保険料の負担軽減と中小企業金融の円滑化についてです。
社会保険料の負担軽減の必要性については、衆議院の附帯決議でも付されているところです。負担の軽減を図る効果的な支援策を是非実現していただきたいものです。
そして、中小企業憲章では中小企業向けの金融を円滑化することが行動指針に入れられておりますが、円滑化法案終了後、信用保証制度の見直しなど憂慮すべき動きが強まっているように感じております。例えば、返済猶予を受けていた業者が、今年に入ってから元本含めて一括返済を迫られるというような動きも出てきております。
小規模事業者にとっては金融は命綱です。町の中小業者は、物づくりの技術を生かした仕事を始め、地域の町内会、コミュニティーの中心的役割を担うなど、地域になくてはならない存在です。文字どおり、地域で営業していることで社会貢献しております。廃業をできるだけ少なくしていく金融対策が必要です。地域再投資法など、中小企業金融の円滑化の実現もお願いしたいと思います。
さて、お手元に日本版・小企業憲章をお渡ししてあります。この四ページから五ページに向けてこういう文言が書かれております。
小企業・家族経営は、強い独立心を持っています。そして、苦労をいとわず、経営努力を積み重ね、磨いてきた技術や技能、味やサービスを次代に受け継ぐという使命感や進取の精神を発揮しながら日本経済に活力を与えてきました。小企業・家族経営の存在が戦後の我が国の復興と驚異的な経済成長を支え、度々発生する大災害から地域を再生させるなど、大きな役割を果たしてきたのも事実です。地域の隅々に多様な小企業・家族経営が存在することが庶民の暮らしを豊かにします。そして、小企業・家族経営は多様で貴重な経済的、社会的役割を発揮しています。この役割を正当に評価し、事業の継承、発展を保障することこそ行政の責務だと私どもは考えております。
小規模企業振興の基本法に基づき、私どものような小企業・家族経営を守り支援する政策を具体化、推進していただきますようにお願いをしたいと思います。
どうもありがとうございました。

〇委員長(大久保勉君) ありがとうございました。
以上で参考人の皆様の意見陳述は終了いたしました。

議事録を読む(参考人質疑)
〇倉林明子君 三人の参考人の皆さん、ありがとうございます。
日本共産党の倉林明子でございます。最後となりますので、よろしくお願いいたします。
私、京都選挙区から選出されてまいりまして、京都は古来から職住一体ということで住まいと職場が一体、家族経営中心で、製造業も、西陣、友禅が産地の西の方から流れてきて、東で商売、売られると。そのいずれの工程でも職住一体という形で発展してきたという経過がありまして、先ほどお話にも出てきたんですけれども、機械金属も同時に発展してきておりまして、その受皿の下請や孫請というのも実は家の中で、機械を持ち込んで職住一体でやってきたというようなところが大変多いんですね。そういうところに対して今回のこの法案が光を当てるという方向に大きくやっぱり中小企業政策の転換があるというふうに私も正直受け止めているんですね。
その上で、先ほど太田参考人の方から、ああ、こういう話あったなと、こういう話聞いたなと思った事例をもうちょっと詳しくお教え願いたいと思ってお聞きしましたのが、町工場のアジア単価という競争の現状あるんだと。私、地元で市会議員しておりましたときに、今競争は中国単価だという話をよく機械金属のおっちゃんに聞かされてきていたんですけれども、今、愛知県名古屋の現場でどういったそういう町工場の現状になっているのかというところ、是非御紹介をと思います。

〇参考人(太田義郎君) 現実問題として、企業はやっぱり価格競争を現実にはやっているんですね。そうすると、どれだけ安い単価で下請から納入してもらうのかというのが必然的なやっぱり条件になるんですね。この単価でできないのかという話を持ってくるんですね。いやあ、その単価ではちょっと無理なんだよなといって言うと、いや、実はこの単価、ベトナムやタイ辺りから出てきている単価だと、これと同等ならおたくへ発注するけれども、高ければよそへ行くと、こういう話がやっぱり基本的に出てくるんですね。
かつては韓国の単価が基準だったんですけれども、ひところ中国の単価というのもありましたけれども、今やもう韓国、中国関係なく、アジア地域全域の単価と比較して納入できるのかどうなのかという、やっぱり問いかけされる。そうすると、単価は合わなくても仕事が欲しいから、中小業者というのはもうそれでも生きていかなきゃいかぬわけだから、低い単価でも泣く泣く、まあしようがないですわ、やりますわと言って結局受けるという現状があるということなんです。

〇倉林明子君 本当にそういう意味でいうと、海外にどんどん出ていって、価格の競争ラインが国内に低く持ち込まれているという構造的な現状が全国各地で起こっているんだろうなということを改めて思うわけです。そういう末端で部品等も加工して頑張っている、技術も持っている日本の中小企業が、地域経済の担い手であるというだけじゃなくて、地域の文化やコミュニティーの核となっていると、これが小規模事業者だというふうに私ども思っているんですね。
そこで、今回、今国会に提出された中小企業白書、大変ボリュームのあるものになっておりましたけれども、ここでも地域活性化と中小企業という視点での調査がされているということになっています。中小企業・小規模事業者が認識している地域が抱える課題ということで順番に挙がっているんですが、人口減少、少子高齢化、商店街・繁華街の衰退と、こういう順になっております。大規模工場等製造業の不在ということも小規模事業者からの回答に多いということで紹介をされております。背景にあるのは大規模製造業の海外移転、大規模小売店の郊外進出と、これ本当に大きな地域社会に影響を与えてきたというふうに思って見ているんですけれども、それぞれの立場で御見解を、実態も踏まえて御見解をお聞かせいただければと思います。

〇参考人(森田哲夫君) 今おっしゃられました、京都では職住が一緒になってやっておるのが非常に多いですよというような話、実は愛知県の場合も非常にそれが多うございます。本当に職と住が一緒になりながら、職といっても、本当に機械を一台、二台置いてこの製品だけをどんどん作って売ると。ただし、それだけでやってみえますので、結構安い単価でやってくれますので、それで十分お客さんの方も満足をしていただけておった。だから、そんな職住接近の家がざあっと並んでおったんですね、昔、ちょっと前までは。だけど、そういう量のあるものが全部結局はもう海外の方へ行ってしまって、そういう方たちの仕事がなくなってしまったというのが一番大きな変化のもとでございます。
我々も、ある面で、私個人的にも自動車に関連をしておりますので、そういった面では、本当に泣く泣く、自分ところの主たる製品が海外へ行って取られちゃったとか、そのためにどかんと会社の中に穴が開いちゃったとか、そんなことも今までの中でもう何遍も経験してきております。ですけど、結果的にはやはりそれが大きなこういう、先ほどお話が出ております、最終的にはコスト、単価のことで最後決まっていっちゃうということが一つと、それからもう一つは、新興国もやはり自分の国で全て作らないと、自分の国で使うものは自分の国で作るんだ、自分のところの産業政策のためにも作るんだというところへ結果的には行ってしまいますので、結果的には、そういう面からも我々の仕事が、輸出をしておったものが自国内生産に切り替わっていってしまう、そういう流れが着実にこの二十年、三十年の間で進んできたんじゃないのかなというふうに思っております。
ですから、本当に我々も小規模企業としてやっていく中では、本当に日本でしか作れない、特にいいものであるとか、高級なものであるとか、日本人特有の、日本人に好まれるものを作っていくとか、そういうものもどんどん今、逆に言うと出てきておるんじゃないかと思うんですね。恐らく、京都辺りはそういう方向へ今どんどん進んでみえるんじゃないのかなと。昔からの伝統をしっかりと踏まえつつ、なおかつ、やはりここのものはいいと、海外のものじゃ駄目だと言われるものを作ってみえるんじゃないのかなというふうに私は思っております。ですから、そういうところに、我々も小規模企業をやっぱり育てていくためにも、自分のところはいま一つ違ったものを作っていくんだ、違ったものを売っていくんだというようなその発想がやっぱり今後はますます必要になってくるのかなと。
だから、逆に言うと、負けとりたくないと、大量生産して海外でどんどんできるものに全部負けとりたくないと。日本は日本特有のいいものをどんどん作りゃいいじゃないかと、量は少なくてもいいじゃないかという方向へやっぱり大きく我々は今現在転換をしておる最中じゃないのかなというふうに私自身は考えております。
以上でございます。

〇参考人(太田義郎君) 私の隣の県の三重県にシャープという亀山工場があるんですね。市の財政、県の財政を百億近い金つぎ込んで、それで結局、まあ十年もせぬうちにぴゅっと行っちゃったと。税金、言わばもらうだけもらって出ていくと。そうすると、後どうなるかというと、雇用は失われる、そこへの物流がなくなってくる、当然そこの地域の商業者も含めて、人間がいなくなるわけですから、コーヒーなんて飲みませんよね。そうすると、一杯飲み屋さんから、ありとあらゆる生活必需品、スーパーマーケットからホテルから全部結局疲弊していくわけですわ。それで、補助金だけもらって、はい、さようならと、これはいかがなものか。結局、大企業の身勝手によってそういう形に結局なると。
別にシャープだけの、これ、こんな会社名挙げていかぬのか。ちょっとこれ、ちょっともう一つ兵庫の辺りでも、何年か前にね、今のシャープちょっと削減してもらって、兵庫県で新しい白物家電のところが工場を造ったんですよ。これ五年も稼働しない間にぱっと出ていっちゃうわけ。もう大赤字だと、八千億も大赤字になると。結局、雇用はなくなるわ、物は売れぬわ、その地域経済というのはそれで全く成り立たなくなってくるわけですわ。そうすると、結局、そうなってきたら残されたのは誰なのかといったら、おじいちゃんとおばあちゃんと子供と中小業者だけが町に残るわけですわ。
それで、じゃどうやって生きていったらいいのかというのは、これから日本の多くの小規模事業者に希望のある社会を目指して、行政がインセンティブも出しながら一体となって地域社会を守り、地域循環経済を守ろうというやっぱり運動をやり、地域社会の中で生まれて育ち、みんなが元気で過ごせられるような、そんな町をみんなでつくっていこうよというような言わば期待がこの小規模事業の基本法の中にあると思うんですね。
そういう点でいったら、方針の転換がこれで図られて、ようやく日本の中小企業政策は潮目が変わったところに来ているのではないかという非常に大きな期待を諸団体お互いやっぱり持っている、今日そういうやっぱり意見が共通しているというふうに私は思います。是非大いに頑張っていただきたいと。

〇倉林明子君 ありがとうございます。
先ほども質問で誰か触れられたんですけれども、外形標準課税の適用拡大の問題がありました。断固反対という力強い言葉をしっかり受け止めて我々も頑張りたいと思っているんですが、もう一点、消費税については、基本的な考え方等については御意見を伺ったんですが、いよいよプログラムを前提にすれば来年十月の一〇%ということになってくるわけですけれども、景気回復の認識については先ほど、アベノミクスで一部は上向き加減だけれどもまだ実感できないという率直な表明もあったと思うんですね。
この時期、上げる時期について、増税について基本的なお考えを伺ったんですけれども、この時期についてはどのようにお考えかを最後伺って、終わりたいと思います。全員に。

〇参考人(森田哲夫君) 先ほど申し上げましたように、消費税そのものは商工会としては反対をさせていただいておりましたので、今後ともまた反対でございますけれども、ただ、どうしてもやられるという場合ですと、やはり本当に景気の状況をよく見極めた上でスタートしてほしいと。
それと同時に、もう一点は、確実に小規模企業がしっかりと転嫁ができますように、その辺りの情報、あるいはしっかりとした法律的な何らかの歯止めを掛けていただきながら進めていただきたい。このままでいきますと、常にいろいろと、今年度も価格Gメンを例えば愛知県なんかの場合だとよういらしていただいて、全国ですね、これは、価格Gメンとかいろいろさせていただいても、それでもなおかつ四〇%の方が価格転嫁、現在されていない、できないという状況でございますので、もう一段とそういう面をしっかりと整備をしていただきながら進めていただきたいというふうに思っております。
以上でございます。

〇参考人(鋤柄修君) 実は実態としまして、ある自治体が、消費税を払えぬというような自治体があるというのが我々の調査で、具体的なことは言いませんが、そういう認識なんですね。そういうところで八から一〇%に上げるという、これは何かもう既成路線の上を突っ走ってしまうというような感が否めないものですから、慎重に考えていただきたいと。
それからもう一つは、社会保障と一体化ということが前提だったんですよね。そういう意味では、消費税だけが何かもう前進していっちゃって、社会保障はどうなるのかという、そういう疑問がありますので、私どもは今の時点では八から二上げるのは反対をしていると、そんなふうに思います。

〇参考人(太田義郎君) 私も八から一〇に上げることは絶対反対です。一〇になれば廃業する人がもうもっともっと増える。そうすると、この小規模事業基本法で新しく開業を増やして、商売やる人をたくさん増やして開業率を増やして、景気良くして日本の景気のエンジンにしていこうという法案を議論しているわけでしょう。そのときに一〇%になれば、当然廃業する人が増えて、どんどんどんどんとやっぱり景気は後退するだろうと。
そういう点でいえば、今だって、私どもの調査でいうと、ほぼ五割の人が消費税への転嫁ができないと。議員の先生方は、転嫁できぬといって、そんなことがあるのかといって不思議にお思いだろうと思いますけれども、現実は相対取引で力関係だけなんですよ。そういう点でいうと、転嫁できない人が五割あるというのはやっぱり直視すべきだと。そういうところからもうどんどんどんどんと、とにかく払えない人が増える、滞納者が増える、廃業者が増える、景気はどんどんどんどんと冷めていくということになりますので、一〇%への、来年どうも、宣言して来年からというふうにアドバルーンを上げているようですけれども、断固反対をいたします。
以上です。

〇倉林明子君 ありがとうございました。

〇委員長(大久保勉君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
参考人の方々には、長時間にわたり有益な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼申し上げたいと思います。(拍手)

日時
2024/04/16(火)
場所
内容

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