倉林明子

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核保有正当化を批判 北朝鮮高官発言で(経済産業委員会)

 倉林明子議員は8月27日の参院経済産業委員会で、北朝鮮に対する輸出入全面禁止措置の期限延長について質問しました。
 倉林議員は、今年に入ってからも北朝鮮の在中国大使などの政府高官が核保有を正当化する発言を繰り返していることを示し、「核・ミサイルの開発継続は、日朝平壌宣言、6者会合共同声明、国連安保理決議に反する行為で、断じて許せない」と厳しく批判。日本政府の姿勢をただしました。外務省の滝崎成樹大臣官房参事官は「北朝鮮に対して、非核化に向け具体的な行動を取るよう求めていきたい」と答えました。
 倉林議員は、今年8月の長崎平和宣言が「国の安全保障は核抑止力に頼らない方法を」と政府に明確に求めているとして、「唯一の被爆国として、核兵器は非人道性の極み、絶対悪だとの立場を明確にして、北朝鮮の核抑止力論を突き崩すべきた」と主張しました。
 同委員会は同日、北朝鮮への輸出入禁止措置を延長するための法案を全会一致で可決(28日の本会議で可決)しました。

議事録を読む
第189回国会 経済産業委員会 第26号 2015年8月27日(木曜日)

外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)(閣承認第四号)

〇委員長(吉川沙織君) 外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件を議題といたします。
まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。宮沢洋一経済産業大臣。

〇国務大臣(宮沢洋一君) 外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
我が国は、平成十八年十月九日の北朝鮮による核実験を実施した旨の発表を始めとする我が国を取り巻く国際情勢に鑑み、同年十月十四日より、九度の延長措置を経て、平成二十七年四月十三日までの間、北朝鮮からの輸入の禁止などの措置を厳格に実施してまいりました。また、平成二十一年五月二十五日の北朝鮮による二度目の核実験を実施した旨の発表を受け、同年六月十八日より、四度の延長措置を経て、平成二十七年四月十三日までの間、北朝鮮への輸出の禁止などの措置を厳格に実施してまいりました。しかし、北朝鮮は、我が国を始めとする国際社会による働きかけにもかかわらず、引き続き関連する国際連合安全保障理事会決議に違反し、挑発的な言動を繰り返しています。平成二十六年三月には、新たな核実験の可能性を示唆する声明を発表したほか、同年三月、六月、七月及び平成二十七年三月には国際連合安全保障理事会決議に違反して弾道ミサイルを発射しています。また、北朝鮮に対して拉致被害者を含む全ての日本人に関する調査を迅速に行い、その結果を速やかにかつ正直に通報することを強く求めてまいりましたが、調査結果の通報はありませんでした。こうした拉致、核、ミサイルといった諸懸案に対する北朝鮮の対応を始めとする諸般の事情を総合的に勘案し、平成二十七年三月三十一日の閣議において、同年四月十四日から平成二十九年四月十三日までの二年間、外国為替及び外国貿易法に基づき、北朝鮮への輸出及び北朝鮮からの輸入の禁止などの措置を実施することとしました。
これらの措置のうち、同法に基づき国会の承認が必要な措置について、承認を求めるべく、本件を提出した次第です。
次に、本件の要旨を御説明申し上げます。
本件は、外国為替及び外国貿易法第十条第一項の規定による平成二十七年三月三十一日の閣議決定に基づき、同年四月十四日より平成二十九年四月十三日までの間、北朝鮮への全ての貨物の輸出及び北朝鮮からの全ての貨物の輸入について経済産業大臣の承認を受ける義務を課す措置を講じたこと、及び北朝鮮と第三国との間の貨物の移動を伴う貨物の売買、貸借又は贈与に関する仲介貿易取引について経済産業大臣の許可を受ける義務を課す措置を講じたことについて、同法第十条第二項の規定に基づいて国会の承認を求めることを内容とするものであります。
以上が本件の提案理由及び要旨であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。

〇委員長(吉川沙織君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
これより質疑に入ります。

〇倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
三月三十一日の当委員会で外務省から説明がありましたとおり、今年三月に日中韓の外相会議で、朝鮮半島の非核化の達成に向けて意味のある六者会合を再開する努力を継続することが決定されたと。外務省は、アメリカや韓国を始めとする関係国と連携しながら、北朝鮮に対し、いかなる挑発行為も行わず、関連する安保理決議を履行し、六者合同声明の完全実施に向けて具体的な行動を取るよう引き続き求めていくと答弁されました。
その後、六か国協議をめぐっては、先月、日米韓の三か国による次席代表者会合が行われたと報道がありますが、その内容について御説明をいただきたいと思います。

〇政府参考人(滝崎成樹君) お答えいたします。
七月三十一日に外務省におきまして、日本、アメリカ、韓国の六者会合の次席代表による会合が開催されました。この会合では、日米韓各国の最近の取組について情報を共有するとともに、今後の対北朝鮮政策について意見交換を行い、日米韓の三か国で緊密に連携して対応していくことを確認いたしました。
また、北朝鮮が非核化に向けた真剣な意思を表明し、そのための具体的措置をとることが重要であるという認識を共有した上で、北朝鮮に対する圧力を維持するとともに、北朝鮮が意味のある、信頼できる対話に応じるよう様々な努力を続けていくことの重要性を確認いたしました。
さらに、引き続き、日米韓の三か国で緊密に連携し、中国やロシアを始めとする他の関係国とも連携協力しながら、北朝鮮に対し、誠実かつ完全に安保理決議や六者会合共同声明を含む国際的な義務、約束を遵守することを求めていくことを確認しました。
なお、この会合の際に、日本側からは日朝関係の現状について説明した上で、拉致問題の解決に向けた取組について、改めてアメリカ、韓国両国から理解と支持を得たということもございます。

〇倉林明子君 大臣に確認したいと思います。
今回の北朝鮮に対する輸出入禁止措置の継続ですけれども、北朝鮮を話合いのテーブルに着かせる、こういう姿勢を堅持するということは大変大事だというふうに思うわけですけれども、いかがでしょうか。

〇国務大臣(宮沢洋一君) 私もおっしゃるとおりだろうと思っておりまして、まさに政府を挙げて対話と圧力の方針の下で本措置についても承認をお願いしているわけでありますけれども、テーブルに着いてやはり話合いをするということは何より大事なことでありまして、少なくとも日朝間では一応テーブルには着いているけれども、なかなかいろんなものを出してこない、こういうわけでございますので、やはり対話と圧力ということが大変大事だと思っております。

〇倉林明子君 そこで、発端ともなりました北朝鮮の核兵器をめぐる問題について質問したいと思うんです。
北朝鮮は、今年四月のバンドン会議で金最高人民会議常任委員長が発言をしております。朝鮮半島で戦争が防止され平和が守られているのは、全面的に我が方が軍事優先政治によって力強く固めてきた核武力を含む強力な戦争抑止力があるからであると言いました。
さらに、七月二十八日、池在竜在中国北朝鮮大使が核保有を正当化するとんでもない発言をしたというふうに報道されているわけですが、外務省はどう把握しているでしょうか。

〇政府参考人(滝崎成樹君) 御指摘のありました北朝鮮の池在竜在中国大使の発言でございますけれども、七月二十八日の記者会見において、次のとおり述べたというふうに承知しております。
北朝鮮は、既に核保有を憲法に定め、その核攻撃手段は小型化、多様化の段階に入っている、一方的に核を凍結又は放棄することを論じる対話には関心がない、北朝鮮の核抑止力は米国の核の脅威と敵視政策に対し自主権と生存権を守るための必須の手段である、これらのことを述べたというふうに承知しております。

〇倉林明子君 核、ミサイルの開発継続は、明らかに日朝平壌宣言、六者会合共同声明、そして一連の国連安保理決議に反する行為で、私は断じて許せない発言だというふうに思います。
そこで、核兵器がこれ戦争の抑止力になるという考え方ですね、併せて披露されたわけだけれども、私、これが本当に問題だというふうに思うわけです。こういう発言も受けて政府は一体どういう対応をされたのか、御説明ください。

〇政府参考人(滝崎成樹君) 北朝鮮による核・ミサイル開発の継続というのは、今委員からも御指摘がありましたように、日朝平壌宣言、六者会合共同声明あるいは国連安保理決議に明らかに違反しておりまして、地域及び国際社会全体の平和と安全に対する脅威だというふうに認識しております。我が国として、決して容認できるものではないというふうに考えております。
この在中国北朝鮮大使の発言の後、八月六日に開催されましたASEAN地域フォーラム、ARFの閣僚会合の場におきまして、岸田大臣より北朝鮮に対し、地域の緊張を高めるような行動の自制と、安全保障理事会決議や六者会合の共同声明の誠実かつ完全な実施を求めました。また、同じ日に行われました岸田外務大臣と李洙ヨン北朝鮮外務大臣との会談でも、拉致問題と併せて核・ミサイル開発などの安全保障問題を取り上げまして、日本の今申し上げたような考え方というのを伝えたという経緯があります。
政府といたしましては、引き続き、アメリカや韓国などの関係国とも連携しながら、北朝鮮に対して、国連安全保障理事会の決議や六者会合共同声明などを誠実かつ完全に実施し、非核化に向けた具体的な行動を取るように求めていきたいというふうに考えております。

〇倉林明子君 私はやっぱり唯一の被爆国として、こういう発言に対し毅然とした抗議のメッセージというのを、八月六日にもやったということですけれども、しっかりしていくべきだということは申し添えておきたいと思います。
その上で、日本政府の核抑止力に対する考え方はどうかという問題です。
今後十年間の軍事外交方針を示した、二〇一三年の十二月に閣議決定されました「国家安全保障戦略について」がございます。この中では、「核兵器の脅威に対しては、核抑止力を中心とする米国の拡大抑止が不可欠であり、」というふうに明記されておりまして、核抑止力を肯定しているというふうに読み取れると思います。
その上で、二〇一四年一月に岸田外相が長崎大学で行いました核軍縮・不拡散政策スピーチというものが行われておりますが、どんな位置付けのスピーチだったのか、そして、その中で核兵器保有国に対しどんな宣言をすべきだと具体的に述べたのか、いかがですか。

〇政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。
御指摘のとおり、昨年一月二十日、長崎大学におきまして、「外務大臣と語る」というイベントにおきまして、岸田外務大臣は核軍縮・不拡散についてのスピーチを行っております。このイベントは、国民に直接分かりやすく外交案件ですとかについて説明をし、参加者との意見交換、質疑応答を通じて国民との対話を深めることを目的としているものでございます。被爆地長崎で開催されること、また、委員御指摘ありました、前の年十二月十七日に国家安全保障戦略、この中では、世界で唯一の戦争被爆国として核兵器のない世界の実現に向けて引き続き積極的に取り組むといったような旨が盛り込まれております。こういったことも踏まえまして、軍縮・不拡散についてスピーチを行ったというものでございます。
また一方、委員御指摘の核兵器保有国による宣言につきましては、岸田外務大臣は、人類に多大な惨禍をもたらし得る核兵器は将来二度と使用されるようなことがあってはならないと考えますが、核兵器を保有する国は、個別的、集団的自衛権に基づく極限の状況下に限定すると宣言することにより核兵器の役割を低減することから始め、最終的には核兵器のない世界につなげていくべきと考えますといったような趣旨の発言を行っているところでございます。

〇倉林明子君 私、個別的、集団的自衛権に基づく極限の状況下であるならば、核兵器の使用、これ結局認めているという発言で、極めて重大だというふうに思うんです。このスピーチでは、核兵器全面禁止条約について一切触れていないんですね。日本政府の立ち位置が問われる問題だというふうに思います。
今年のNPT再検討会議ということで、最終文書は合意に至りませんでした。しかし、核兵器の非人道性に対する共通認識、これはかつてなく大きく広がりまして、初めて核兵器禁止条約が文書には盛り込まれるということ、合意は至らなかったけれども文書として盛り込まれるということになりました。こうした世界の変化を受けて、今年の広島の平和宣言では、「二〇二〇年までの核兵器廃絶と核兵器禁止条約の交渉開始に向けた世界的な流れを加速させるために、強い決意を持って全力で取り組みます。」としているわけです。
私、大臣に伺いたいと思うんですけれども、広島出身の大臣として、この宣言がなされた式典にも参加されていたと思います。この決意を大臣はどのように受け止められたでしょうか。

〇国務大臣(宮沢洋一君) 私も、委員会のお許しを得て参加をさせていただきました。核兵器は二度と使用されることがあってはならないという大変強い意思というものをしっかり表明をしていかなければいけないと考えております。
今の、広島平和宣言で述べられている決意でありますけれども、それを踏まえまして、我が国は唯一の戦争被爆国でありますので、核兵器のない世界の実現に向けて今後とも現実的かつ実践的な取組を通じて最大限努力していく必要があろうと思っております。
なかなか、核兵器廃絶だといっても、すぐうんと言ってくれる国は極めて少ないわけでございまして、そういう中で、やはり現実的かつ実践的に実を取っていくということが大変大事だろうと思っております。

〇倉林明子君 そこで、やっぱりさっきの岸田外相の発言で、当面の使用を容認するというようなことにつながっているんだと思うんですね。それに対して広島、長崎では、やっぱり禁止という方向にしっかり向かっていってほしいという声だと思うんですよ。長崎の平和宣言では、日本政府に対して、国の安全保障は核抑止力に頼らない方法を検討してください、未来を見据え、核の傘から非核の傘への転換について是非検討してくださいと明確に訴えております。
唯一の被爆国として、核兵器は非人道性の極み、絶対悪だと、廃絶を目指す立場を、私、日本政府として明確にして北朝鮮の核抑止力論を突き崩す、そういう方向に私は向かうべきだとこれは指摘をいたしまして、質問を終わります。

〇委員長(吉川沙織君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。

〔賛成者挙手〕

〇委員長(吉川沙織君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。